『デビルズライン』レビュー：吸血鬼のリアルな世界と人間ドラマの融合

『デビルズライン』：吸血鬼と人間の境界線を描くダークファンタジー

■作品概要

『デビルズライン』は、花田陵による同名の漫画を原作としたTVアニメシリーズです。2018年4月7日から6月23日まで放送され、全12話で構成されています。放送局はAT-XとTOKYO MXで、各話30分の放送時間でした。アニメーション制作はプラチナビジョンが担当し、監督は徳本善信が務めました。原作は講談社の『モーニング・ツー』で連載され、吸血鬼と人間の共存をテーマにしたダークファンタジー作品として人気を博しました。

■ストーリー

大学院生の平つかさは、将来の進路に迷いながらも、同級生のミワコや秋村らと平凡な日々を送っていました。ミワコはワンセグテレビから流れてくる吸血事件の噂に夢中でしたが、つかさはこの頃、自分に注がれる誰かの視線を感じていました。街角で、電車の中で、自分をジッと見つめているその視線の主はいったい何者なのか──。そんな中、つかさは『鬼』と呼ばれる吸血鬼から救われることになります。その救世主は、警視庁公安五課F班の捜査官、安斎結貴でした。安斎は『鬼』と人間のハーフでありながら、かつて吸血欲を感じたことはありませんでした。しかし、つかさと出会ったことで、安斎は初めて吸血の衝動を覚えます。それは安斎にとっての鬼の本能の目覚めなのか、それとも……。この世界にはヒトに紛れて「ある者たち」が暮らしており、彼らは並外れた身体能力を持ち、ヒトの血を啜る存在です。それを知る者は、彼らを『鬼』と呼び、恐れていました。『鬼』たちの吸血事件に対し、警察は密かに鬼専門の捜査チームを編成していました。警視庁公安五課──そのメンバーには吸血の経験を持たない『鬼』も捜査官として配属されていました。公安五課F班所属の安斎結貴は『鬼』とヒトとのハーフであったが、かつて吸血欲を感じたことはなかった。ある連続暴行吸血事件の捜査にあたっていた安斎は、平つかさという大学院生に出会う。『鬼』からつかさを救った安斎は、彼女に対してかつて感じたことのない衝動を覚える。それは安斎にとっての鬼の本能の目覚めなのか、それとも……。

■解説

『デビルズライン』は、吸血鬼と人間の共存を描いたダークファンタジー作品です。物語は、吸血鬼による事件を専門に扱う警視庁公安五課F班の捜査官、安斎結貴の視点から進行します。安斎は『鬼』と人間のハーフでありながら、吸血欲を感じたことはありませんでした。しかし、平つかさという大学院生と出会ったことで、初めて吸血の衝動を覚えます。この出会いが物語の中心となり、安斎とつかさの関係性を通じて、吸血鬼と人間の境界線や共存の難しさが描かれています。また、吸血鬼たちの社会や、彼らが直面する問題も詳細に描かれており、視聴者に深い洞察を提供します。アニメは原作の雰囲気を忠実に再現しつつ、独自の視点や演出を取り入れることで、原作ファンだけでなく新たな視聴者にも楽しめる作品となっています。

■キャスト

・安斎結貴/松岡禎丞
・平つかさ/石川由依
・李ハンス/木村良平

■メインスタッフ

・原作/花田陵(講談社『モーニング・ツー』連載)
・監督/中野英明
・シリーズ構成/古怒田健志、久尾歩
・脚本/古怒田健志、久尾歩
・キャラクターデザイン/川口千里
・総作画監督/川口千里、小林利充
・アクション作画監督/才木康寛
・プロップデザイン/杉村友和
・美術監督/黛昌樹
・色彩設計/山上愛子
・撮影監督/浅川茂輝
・編集/木村佳史子
・音響監督/なかのとおる
・音響効果/森川永子、林佑樹
・音響制作/ポニーキャニオンエンタープライズ
・音楽/澁江夏奈
・音楽制作/キングレコード
・アニメーション制作/プラチナビジョン
・製作/デビルズライン製作委員会

■メインキャラクタ

・安斎結貴
『鬼』による事件を専門に扱う警視庁公安五課F班の捜査官。自身も『鬼』としての身体的特徴を備えているが、かつて吸血欲を抱いたことはなく、その生い立ちには謎が多い。
・平つかさ
大学院博士課程1年生。友人の『鬼』から救われたことをきっかけに安斎と知りあい、特別な思いを抱くようになる。
・李ハンス
長い銀髪とオッドアイを特徴とする『鬼』とヒトとの混血。住所不定で神出鬼没、飄々とした性格の持ち主。ヒトの血液を常に携帯しており、吸血欲によって凶暴化することがない。

■サブタイトル

・Line.1/ダークサイド(2018/04/08)
・Line.2/セーフハウス(2018/04/15)
・Line.3/パラドクス(2018/04/22)
・Line.4/モンスター(2018/04/29)
・Line.5/プランB(2018/05/06)
・Line.6/ドラマティック(2018/05/13)
・Line.7/チェイサー(2018/05/20)
・Line.8/オフライン(2018/05/27)
・Line.9/コマンド(2018/06/03)
・Line.10/エゴディフェンス(2018/06/10)
・Line.11/ウロボロス(2018/06/17)
・Line.12/デビルズライン(2018/06/24)

■主題歌・楽曲

・OP1
・期間/1～24
・Eclipse
・作詞/上松範康(Elements Garden)
・作曲/上松範康(Elements Garden)
・編曲/藤間仁(Elements Garden)
・歌/蒼井翔太
・ED1
・期間/1～12
・そっと溶けてゆくように
・作詞/由潮
・作曲/TSUGE
・編曲/TSUGE
・歌/宮野真守

■評価と感想

『デビルズライン』は、吸血鬼というファンタジー要素を巧みに取り入れつつ、人間ドラマとしても深みのある作品です。特に、安斎結貴と平つかさの関係性は、吸血鬼と人間の境界線を象徴するものであり、視聴者に多くの問いを投げかけます。吸血鬼たちの社会や、彼らが直面する問題も詳細に描かれており、視聴者に深い洞察を提供します。アニメは原作の雰囲気を忠実に再現しつつ、独自の視点や演出を取り入れることで、原作ファンだけでなく新たな視聴者にも楽しめる作品となっています。特に、吸血鬼たちの描写やアクションシーンは見応えがあり、視覚的な魅力も大きいです。また、主題歌やBGMも作品の雰囲気を盛り上げており、全体的に高い評価を受けています。