新海底軍艦:深海の冒険と感動の物語を徹底評価

新海底軍艦:深海の冒険と感動の物語を徹底評価

新海底軍艦 - シンカイテイグンカン - の全方位的評価と推薦

■公開メディア

OVA

■原作メディア

アニメオリジナル

■発売日

1995年12月18日

■分数

47分

■話数

2話

■原作

・原作/押川春浪

■監督

・監督/片山一良第1話、福田己津夫第2話

■著作

©1995「海底軍艦」製作委員会

■ストーリー

太平洋戦争末期、日本海軍は“地空人”から授かった科学力を導入し、大和型戦艦を改設計。巨大海底軍艦「羅号」を外洋に脱出させた。だが同じ能力を持ったアメリカ海軍の海底軍艦「リバティー」に追撃され、どちらも海の藻屑となったはずだった。そして現代。南極に巨大円柱が出現し、調査に向かった有坂剛らを攻撃する。そこへ現れたのは、半世紀前に沈没したはずの「羅号」!?

■解説

1963年公開の特撮映画『海底軍艦』を元にしたアニメーション。旧日本海軍設計の巨大万能艦が登場する設定以外は、小説や映画版の『海底軍艦』と関連はない。1995年に第1話「滅亡へのゼロアワー」、1996年に第2話「メモリー・オブ・オーシャン」が発売されたが、第3話以降は製作されていない。

■キャスト

・有坂剛/関智一、湯浅香織(幼少期)
・アネット/岩男潤子
・日向真鉄/瑳川哲朗
・アブトゥー/井上喜久子
・ストーナー/井上和彦
・立花昌儀/大塚周夫
・影山貢/清水綋治、塩沢兼人(副長時代)
・西村光太郎/近石真介
・有坂志乃/高島雅羅
・日向正史/松本保典
・サイーブ/水原リン
・ミリアス/室園丈裕
・日野/千葉一伸
・吉岡/落合弘治
・ダニエル浜田/梁田清之
・ボガード/一条和矢
・御子柴一郎/高橋広樹
・立花(兄)、管制官/髙嶺巌
・高野/土方優人
・チーフ/小野英昭
・アナウンサー/安井邦彦

■メインスタッフ

・原作/押川春浪『海底軍艦』
・監督/片山一良、福田己津央
・脚本/岸間信明
・キャラクターデザイン/安彦良和
・メカデザイン/小林誠
・アニメーションキャラクター総作画監督/小曽根正美
・メカニック総作画監督/鉄羅紀明
・美術監督/古谷彰(第1話)、古賀徹(第2話)
・撮影監督/安原吉晃
・音響監督/鶴岡陽太
・編集/西山茂
・編集助手/津留洋子
・録音/阿部幸男(第1話)、市川修(第2話)
・効果/今野康之
・色彩設定/脇喜代子
・色指定/脇喜代子、内田聡
・演出助手/鈴木薫
・SF設定協力/大森聡
・音楽/天野正道
・演奏/ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
・制作/山田哲久
・アニメ制作/フェニックス・エンタテインメント
・発売元/東宝

■メインキャラクタ

・有坂剛
国連軍所属の青年。南極の円柱を調査する国連調査団に志願。地空人の攻撃を受け、「羅号」に救出され、そのまま行動を共にする。
・アネット
地上人の存続か、絶滅を判定するために派遣された地空人エージェントだったが、地上人の優しさに触れ、滅ぼすことを思い留まる。
・アブトゥー
アネットと共にエージェントとして地上に派遣された地空人の少女。戦争を繰り返す地上人に絶滅を判定するが、地上人の存続を望むアネットにより仮死状態に。
・影山貢
元日本海軍大佐で初代「羅号」副長。戦争末期、「リバティー」と刺し違える直前、艦長・日向の命令でアネットと共に「羅号」から脱出。戦後は名前を変え、日本財界を牽引しながら、アブトゥーとの戦いに備えて「羅号」開発を極秘裏に進めていた。
・日向真鉄
2代目「羅号」艦長で剛の父。十数年前に船舶事故で死亡しているが、それは地空人との戦いに備える偽装。

■サブタイトル

・(1)滅亡へのゼロアワー

新海底軍艦 - シンカイテイグンカン - の詳細な評価と推薦

■作品の背景と歴史

『新海底軍艦』は、1963年に公開された特撮映画『海底軍艦』を原作とするOVA作品です。原作は押川春浪の小説『海底軍艦』であり、特撮映画版はその小説を基にしています。しかし、このOVA版は特撮映画版や小説版とは直接的な関連性がなく、独自のストーリーと設定を展開しています。1995年に第1話「滅亡へのゼロアワー」が発売され、1996年に第2話「メモリー・オブ・オーシャン」が続きましたが、その後の続編は製作されていません。

■ストーリーの魅力

『新海底軍艦』のストーリーは、太平洋戦争末期から現代に至るまでの壮大な時間軸を背景に展開されます。日本海軍が「地空人」から授かった科学力を用いて開発した巨大海底軍艦「羅号」が、戦争末期にアメリカ海軍の海底軍艦「リバティー」との戦闘で沈没したとされていました。しかし、現代の南極で巨大円柱が出現し、その調査に向かった有坂剛らが地空人の攻撃を受ける中、「羅号」が再び現れるという展開は、視聴者を引き込む魅力があります。

この作品は、SFと歴史を融合させたストーリーテリングが特徴的で、戦争の悲劇と人間の生存への希望を描いています。特に、地空人と地上人の関係性や、巨大海底軍艦の存在がもたらす影響は、深いテーマ性を持っています。また、主人公有坂剛の成長や、地空人エージェントのアネットとアブトゥーの葛藤は、視聴者に感情移入させる要素として機能しています。

■キャラクターの魅力

『新海底軍艦』のキャラクターは、それぞれが独自の背景と動機を持っており、物語を豊かにしています。主人公の有坂剛は、国連軍所属の青年として南極の調査に参加し、地空人の攻撃から「羅号」に救出されることで物語の中心に立つ存在です。彼の成長と決断は、視聴者に強い印象を与えます。

アネットとアブトゥーは、地空人として地上人の存続か絶滅を判定する任務を負っていますが、地上人の優しさに触れることで葛藤を抱えます。特にアネットのキャラクターは、地上人への理解と共感を通じて成長する姿が描かれており、視聴者に深い感動を与えます。

影山貢は、元日本海軍大佐として「羅号」の副長を務め、戦争末期に「リバティー」との戦闘から脱出後、戦後は日本財界を牽引しながら「羅号」の再開発を進めるという複雑な背景を持つキャラクターです。彼の行動と決断は、物語の重要な転機を生み出します。

日向真鉄は、2代目「羅号」の艦長であり、剛の父親でもあります。彼の偽装死と地空人との戦いに備える姿勢は、物語の緊張感を高める要素となっています。

■映像と音楽の評価

『新海底軍艦』の映像は、1990年代のOVA作品としては高品質な作画とメカデザインが特徴的です。キャラクターデザインを担当した安彦良和氏の美しいキャラクターデザインと、小林誠氏の緻密なメカデザインは、視覚的な魅力を大いに引き立てています。また、美術監督の古谷彰氏と古賀徹氏による背景美術も、作品の雰囲気を豊かにしています。

音楽は天野正道氏が担当し、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団による演奏が作品の壮大さを引き立てています。特に、劇的なシーンでの音楽は視聴者の感情を揺さぶり、物語の展開を盛り上げる重要な役割を果たしています。

■声優の演技

『新海底軍艦』の声優陣は、関智一氏、岩男潤子氏、井上喜久子氏など、当時から現在まで活躍している実力派が揃っています。特に、関智一氏が演じる有坂剛の成長と決断の瞬間、岩男潤子氏が演じるアネットの葛藤と成長は、視聴者に強い印象を与えます。また、井上喜久子氏が演じるアブトゥーの複雑な感情も、視聴者の心を捉えます。

■作品の評価と推薦

『新海底軍艦』は、SFと歴史を融合させた壮大なストーリーと、魅力的なキャラクター、美しい映像と音楽が特徴的な作品です。特に、戦争の悲劇と人間の生存への希望を描いたテーマ性は、視聴者に深い感動を与えます。また、1990年代のOVA作品としては高品質な作画とメカデザインも評価されています。

この作品は、SFアニメや歴史アニメが好きな方、深いテーマ性を持つ作品を求める方に強く推薦します。また、キャラクターデザインやメカデザインに興味がある方にもおすすめです。ただし、2話しか製作されていないため、続編を期待する方には物足りなさを感じるかもしれません。しかし、その2話の中に詰め込まれた濃密なストーリーとキャラクターの魅力は、十分に楽しむことができるでしょう。

■関連作品と推薦

『新海底軍艦』を楽しんだ方には、以下の関連作品もおすすめです。

  • 『海底軍艦』(1963年特撮映画) - 原作となる特撮映画で、巨大海底軍艦の設定や戦争の悲劇を描いた作品です。OVA版とは直接的な関連性はありませんが、原作の雰囲気を味わうことができます。
  • 『機動戦士ガンダム』シリーズ - 戦争と人間の生存をテーマにしたSFアニメで、メカデザインやキャラクターデザインも高品質です。特に、初代『機動戦士ガンダム』は、戦争の悲劇と人間の成長を描いた名作として知られています。
  • 『エヴァンゲリオン』シリーズ - SFと深いテーマ性を持つ作品で、キャラクターデザインやメカデザインも評価されています。特に、主人公の成長と葛藤は『新海底軍艦』の有坂剛やアネットのそれと共通する部分があります。

■まとめ

『新海底軍艦』は、SFと歴史を融合させた壮大なストーリーと、魅力的なキャラクター、美しい映像と音楽が特徴的な作品です。戦争の悲劇と人間の生存への希望を描いたテーマ性は、視聴者に深い感動を与えます。また、1990年代のOVA作品としては高品質な作画とメカデザインも評価されています。この作品は、SFアニメや歴史アニメが好きな方、深いテーマ性を持つ作品を求める方に強く推薦します。関連作品として、『海底軍艦』(1963年特撮映画)、『機動戦士ガンダム』シリーズ、『エヴァンゲリオン』シリーズもおすすめです。

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