戦闘メカ ザブングル：魅力的なメカデザインとストーリーの深みを徹底評価

戦闘メカ ザブングル - リアルな世界観とバイタリティあふれる活劇

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

アニメオリジナル

■放送期間

1982年02月06日 ～ 1983年01月29日
毎週土曜日17時30分～18時

■放送局

名古屋テレビ

■分数

30分

■話数

50話

■原作

原案／ 矢立肇、原作／ 富野由悠季、鈴木良武

■監督

総監督／ 富野由悠季

■制作

名古屋テレビ、創通エージェンシー、日本サンライズ

■著作

©創通・サンライズ

■ストーリー

「イノセント」と呼ばれる特権階級に支配されている惑星ゾラ。この星の人々は「三日間の掟」と呼ばれる不文律にしたがって生きている。どんな犯罪行為も、三日間逃げ切れば時効。すべて水に流さなければならない。しかし、両親を殺された少年ジロン・アモスは、この掟を無視して仇を追い続ける。交易商人の娘エルチ・カーゴや、ラグ・ウラロ率いる少年野盗団ら、ジロンに出会った仲間たちは、彼の生き様に戸惑いながらもいつしか共鳴していき、やがてそれはゾラ全体を揺るがす大きなうねりへと育っていった。

■解説

リアルな世界設定や、掘り下げた人間描写といった『ガンダム』以来の路線に加え、バイタリティあふれる活劇性を前面に出した西部劇風ロボットアニメ。舞台は宇宙ではなくもっぱら地上で、登場メカ（ウォーカーマシン）はガソリンで動く、兵器というより重機のような存在。主人公メカのザブングルは2台登場し、しかもジロンが途中で新型機に乗り換えるという展開を導入し、ロボットアニメの新たな定石となった。少年たちの成長を描きながら、そんなアツさに彼ら自身が照れるようなコメディタッチの演出も特徴の一つ。

■キャスト

・ジロン／小滝 進
・エルチ／横尾まり
・ラグ／島津冴子
・ブルメ／古川登志夫
・チル／TARAKO
・コトセット／広森信吾
・ダイク／山下啓介
・ティンプ／田中 崇
・ビエル／森 功至
・アーサー／塩沢兼人
・ナレーター／田中 崇

■メインスタッフ

・企画／ 日本サンライズ
・原案／ 矢立肇
・原作／ 富野由悠季、鈴木良武
・キャラクターデザイン／ 湖川友謙
・メカニカルデザイン／ 大河原邦男
・美術／ 池田繁美
・作画監督チーフ／ 湖川友謙
・撮影監督／ 斉藤秋男
・編集／ 井上和夫、布施由美子
・録音監督／ 藤野貞義
・音楽／ 馬飼野康二
・総監督／ 富野由悠季
・プロデューサー／ 森山けい【サンズイに脛のツクリ】（ 名古屋テレビ）、普入弘（ 創通エージェンシー）、中川宏徳（ 日本サンライズ）

■サブタイトル

・第1話／「命をかけて生きてます」
・第2話／「ザブングルはもらったよ」
・第3話／「みーんな当て外れ」
・第4話／「なんで掟を破るのさ」
・第5話／「3人そろってシャクの種」
・第6話／「あんたジロンの何なのさ」
・第7話／「信ずるものは浮かばれる」
・第8話／「ミスにはミスがない」
・第9話／「花は野に咲けマリア花」
・第10話／「女の勇者はこわいです」
・第11話／「追いかけて、追いかけて」
・第12話／「謎また謎のイノセント」
・第13話／「あとは野となる大破壊」
・第14話／「ティンプ、悪あがき」
・第15話／「泥まみれ、やけっくそ」
・第16話／「哀歌かなしく」
・第17話／「役者やのォで大勝負」
・第18話／「家出がなんで悪いのさ」
・第19話／「コンドルよ、とべ！」
・第20話／「アコンは伊達男か？」
・第21話／「惚れて、惚れられて」
・第22話／「破れかぶれのラグ」
・第23話／「ラグよ帰れ！　我が胸に」
・第24話／「死闘、激闘、泣きカラス」
・第25話／「捨て身と捨て身の大戦闘」
・第26話／「イノセント大乱戦」
・第27話／「うたえ！　戦士の歌を」
・第28話／「弱味みつけたイノセント」
・第29話／「イノセントだって必死」
・第30話／「頭にきたらおしまいよ」
・第31話／「女の心をあやつれば」
・第32話／「俺の勝手はあんたの勝手」
・第33話／「ゴタゴタ果てしなく」
・第34話／「ファットマン思いはるかに」
・第35話／「軍隊みつけた」
・第36話／「忍びこみ大作戦」
・第37話／「女いろいろ万華鏡」
・第38話／「エルチ、舞う！」
・第39話／「個人プレーじゃ駄ー目」
・第40話／「カタカム、やぶれかぶれ」
・第41話／「カタカムは終った」
・第42話／「グレタ、吠える」
・第43話／「ヨップ捜せば大混戦」
・第44話／「アーサー様・お大事に」
・第45話／「太陽に向って立て」
・第46話／「アーサー様がんばる」
・第47話／「エルチ目覚めよ」
・第48話／「永遠のアーサー様」
・第49話／「決戦！　Ｘポイント」
・第50話／「みんな走れ！」

戦闘メカ ザブングル - 詳細な評測と推薦

■作品の背景と制作

『戦闘メカ ザブングル』は、1982年から1983年にかけて放送されたロボットアニメで、総監督は富野由悠季、制作は日本サンライズが行いました。この作品は、富野由悠季が『機動戦士ガンダム』の成功後に手掛けた作品の一つであり、そのリアルな世界観と人間描写はガンダムシリーズの影響を強く受けています。しかし、ザブングルはガンダムとは異なるアプローチを採用し、西部劇風の活劇性を前面に押し出した点が特徴的です。

制作背景としては、当時のロボットアニメ市場が飽和状態にあった中で、サンライズは新たな視点からロボットアニメを制作することを目指しました。特に、ガソリンで動くウォーカーマシンという設定は、従来の宇宙を舞台にしたロボットアニメとは一線を画すものであり、視聴者に新鮮な驚きを与えました。また、主人公ジロンが途中で新型機に乗り換えるという展開は、後のロボットアニメの定石となる手法を確立しました。

■ストーリーとテーマ

『戦闘メカ ザブングル』のストーリーは、特権階級「イノセント」に支配された惑星ゾラを舞台にしています。主人公ジロン・アモスは、両親を殺された復讐心から「三日間の掟」を無視し、仇を追い続ける姿を描いています。この「三日間の掟」は、どんな犯罪も三日間逃げ切れば時効となるという不文律で、ゾラの社会システムを象徴しています。

物語はジロンがエルチやラグたちと出会い、彼らの共闘を通じてゾラの社会を変革していく過程を描いています。テーマとしては、個人の自由と社会の秩序、復讐と赦し、成長と友情などが描かれており、視聴者に深い感動を与えます。また、コメディタッチの演出も随所に見られ、重いテーマを軽やかに描くことで、幅広い層に受け入れられました。

■キャラクターとキャスト

主人公ジロン・アモスを演じるのは小滝進で、彼の熱い演技がジロンのキャラクターを引き立てています。エルチ・カーゴ役の横尾まりは、ジロンに対する優しさと強さを表現し、視聴者の心を捉えました。ラグ・ウラロ役の島津冴子は、少年野盗団のリーダーとしてのカリスマ性と人間味あふれる演技で、視聴者に深い印象を与えました。

その他にも、ブルメ役の古川登志夫、チル役のTARAKO、コトセット役の広森信吾など、個性豊かなキャラクターが物語を盛り上げています。特に、田中崇が演じるティンプやナレーターは、物語の進行に重要な役割を果たし、視聴者の理解を深める助けとなりました。

■メカニックデザインとバトルシーン

メカニカルデザインは大河原邦男が担当し、ガソリンで動くウォーカーマシンという独特の設定を活かしたデザインが特徴的です。主人公メカのザブングルは、初期型と新型の2台が登場し、それぞれ異なるデザインと性能を持っています。初期型のザブングルは重機のようなデザインで、地上戦に特化した機体です。一方、新型のザブングルはより洗練されたデザインで、戦闘能力も向上しています。

バトルシーンは、西部劇風の活劇性を前面に押し出した演出が特徴的です。ガソリンで動くウォーカーマシンが砂漠や荒野を駆け抜けるシーンは、視覚的なインパクトを与え、視聴者を引きつけました。また、ジロンが新型機に乗り換える展開は、視聴者に新たな興奮を提供し、物語の進行に大きな影響を与えました。

■音楽と演出

音楽は馬飼野康二が担当し、劇伴音楽は物語の雰囲気を盛り上げる重要な役割を果たしました。特に、オープニングテーマ「ザブングルグラフィティ」は、視聴者の心に強く残る曲として知られています。また、エンディングテーマ「風の伝説」も、物語のテーマを象徴する美しい曲として評価されています。

演出面では、富野由悠季の独特な視点が随所に見られます。リアルな世界設定と人間描写を基盤にしながらも、コメディタッチの演出を交えることで、視聴者に新鮮な驚きを与えました。また、少年たちの成長を描くことで、視聴者に深い感動を提供しました。

■視聴者の反応と評価

『戦闘メカ ザブングル』は、放送当時から高い評価を受けており、特にそのリアルな世界観と人間描写が評価されました。また、西部劇風の活劇性を前面に押し出した演出も、視聴者に新鮮な驚きを与えました。特に、ジロンが新型機に乗り換える展開は、後のロボットアニメの定石となる手法を確立し、視聴者に大きな影響を与えました。

視聴者の反応としては、ジロンの熱い生き様やエルチの優しさと強さ、ラグのカリスマ性など、キャラクターの魅力に引きつけられた声が多く見られました。また、ガソリンで動くウォーカーマシンという独特の設定や、西部劇風のバトルシーンも、視聴者に強い印象を与えました。さらに、馬飼野康二の音楽や富野由悠季の演出も、視聴者の心を捉えました。

■推薦と関連作品

『戦闘メカ ザブングル』は、リアルな世界観と人間描写、バイタリティあふれる活劇性を楽しみたい視聴者に強く推薦します。また、ガソリンで動くウォーカーマシンという独特の設定や、西部劇風のバトルシーンを楽しみたい視聴者にもおすすめです。さらに、ジロンの熱い生き様やエルチの優しさと強さ、ラグのカリスマ性など、キャラクターの魅力に引きつけられたい視聴者にも推薦します。

関連作品としては、同じく富野由悠季が手掛けた『機動戦士ガンダム』や『伝説巨神イデオン』が挙げられます。これらの作品も、リアルな世界観と人間描写を基盤にしながらも、独特の視点から物語を描いており、視聴者に深い感動を提供します。また、西部劇風の活劇性を楽しみたい視聴者には、『ダーティペア』や『マクロス』もおすすめです。これらの作品も、独特の設定とバトルシーンで視聴者を引きつけます。

以上、『戦闘メカ ザブングル』の詳細な評測と推薦をお届けしました。この作品は、リアルな世界観と人間描写、バイタリティあふれる活劇性を楽しみたい視聴者に強く推薦します。ぜひ、視聴してその魅力を感じてください。