歌舞伎町シャーロック：現代の名探偵が織りなすミステリーの魅力

歌舞伎町シャーロック - カブキチョウシャーロック - 評測と推薦

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

アニメオリジナル

■放送期間

2019年10月12日～ 2020年03月28日
1:55～

■放送局

TBS、BS-TBS

■分数

30分

■話数

24話

■監督

吉村愛

■制作

・アニメーション制作／Production I.G

■著作

©歌舞伎町シャーロック製作委員会

■ストーリー

新宿区イーストサイド… 混沌を極めたその街の中心には、ネオン瞬く、歌舞伎町が広がっていた。光が強けりゃ影も濃い。悪人どもの潜む暗がりの、そのまた奥に探偵長屋の明かりが灯る。パドソン夫人の営むその長屋は、なくて七癖、曲者ぞろい。野心満々のケッペキ探偵に、男を化かす姉妹探偵。はたまた刑事くずれのオッサン探偵がいるかと思えば、ヤクザを破門されたアンチャン探偵……そして真打は、落語をこよなく愛する天才探偵シャーロック・ホームズ。切り裂きジャックによる猟奇殺人、が起きたその夜、舞台の幕は上がった。探偵どこの化かし合いを横糸に、シャーロック、ワトソン、モリアーティ、三つどもえの友情を縦糸に…. ミステリー? いやコメディ? なんともはや、判別不能ドラマのはじまりはじまり~。

■キャスト

・シャーロック・ホームズ／小西克幸

・ジョン・H・ワトソン／中村悠一

・ジェームズ・モリアーティ／山下誠一郎

・京極冬人／斉藤壮馬

・メアリ・モーンスタン／東山奈央

・ルーシー・モーンスタン／東内マリ子

・ミッシェル・ベルモント／青山穣

・小林寅太郎／橘龍丸

・ハドソン夫人／諏訪部順一

・雅也☆彡／木村昴

・ディラン／中西伶郎

・ヨシオ／田村睦心

・レン子／本渡楓

・ユウヤ／白石晴香

・サブロー／麦穂あんな

・ジュリ／楠木ともり

・ライチ／若井友希

・兼古信雄／宝亀克寿

・セバスチャン・モラン／楠見尚己

・マイクロフト・ホームズ／置鮎龍太郎

・アイリーン・アドラー／坂本真綾

・トニー茂／上別府仁資

・アルバート・トレヴァ／大塚芳忠

・ケイト・カーライル／井上喜久子

■メインスタッフ

・監督／吉村愛
・シリーズ構成／岸本卓
・キャラクターデザイン・総作画監督／矢萩利幸
・プロップデザイン／清池奈保、津坂美織、久原陽子
・色彩設計／藤田恵里香
・美術設定／金平和茂
・美術監督／片平真司(スタジオアカンサス)
・3D監督／磯部兼士(ランドック・スタジオ)
・特殊効果／村上正博
・2Dワークス／濱中亜希子
・撮影監督／荒幡和也
・モーショングラフィックス／大城丈宗
・編集／濱宇津妙子
・音響監督／長崎行男
・音楽／伊賀拓郎
・アニメーション制作／Production I.G

■メインキャラクタ

・シャーロック・ホームズ
探偵長屋で探偵業を営んでいるメンバーの一人。頭の出来はとびきりだが生粋の変人で、五感をフルに使って情報を収集する。常人とはかけ離れた味覚の持ち主でもある。落語をこよなく愛し、謎解きの際には自作の『推理落語』を披露する。

・ジョン・H・ワトソン
ウエストにある大学病院の法医解剖医にして、とりたてて特徴のない常識人。ある日を境に周囲で不穏な出来事が起きるようになり、壁を越えてイーストに逃げてきた。平穏な日々を取り戻すため探偵長屋を訪れシャーロックに依頼をしようとするが…。

・ジェームズ・モリアーティ
探偵長屋によく遊びに来る高校生。一見、今時の生意気な少年だが、実はシャーロックに迫る推理能力を持ち、彼とウマが合う唯一の人物。妹のために四つ葉のクローバーを見つけては摘んでいる可愛い一面も。歌舞伎町の子供たちによって結成された遊撃隊の隊長。

・京極冬人
探偵長屋の一員。探偵稼業を足掛かりにイーストを抜け出し、ウエストで成り上がろうとしている。目下の狙いは、連続殺人犯の通称『切り裂きジャック』。潔癖症で常に手袋を着用。パイプキャットの常連客マキにベタ惚れだが、奥手のためなかなか仲が進展しない。

・メアリ・モーンスタン
ルーシーの妹。男の気持ちを読むことに長けており、周囲の人々を振り回す小悪魔。ルーシーのことも手のひらの上で転がしている。ノリの軽いギャルだが、意外と冷静に物事を見極めている。ルーシーとは真逆の策士タイプで、二人のチームワークを活かして探偵業を営んでいる。

・ルーシー・モーンスタン
探偵長屋の一員で、妹のメアリとチームを組んでいる。一見クールだが、まっすぐな性格の人情家。趣味は相撲観戦。メアリを溺愛しており、メアリのためなら自身の危険も顧みない。青森の漁師町出身で、数年前、探偵長屋に流れ着いた。考えるより先に身体が動く行動派。

・ミッシェル・ベルモント
探偵長屋の一員で、イースト署の元刑事。当時はレストレイド警部の上司だったが、不祥事を起こして懲戒免職になり、妻子にも捨てられた。狡猾な性格で、警察関係者やヤクザとの人脈を駆使して事件解決にあたる。競艇やパチンコ、カジノなどに通い詰めているギャンブル狂。

・小林寅太郎
探偵長屋の一員。生まれも育ちも歌舞伎町のジモティーで、元ヤクザ。顔はいかつく強面だが、素直で愛嬌満点のあんちゃん。推理力はイマイチだが、地の利と行動力を活かして探偵業を営む。大小問わず依頼を引き受け、時にはパイプキャットでバイトをして食いつないでいる。

・ハドソン夫人
歌舞伎町の顔役であり探偵長屋のオネエ主人(未工事)。パイプキャットのオーナー兼店長でもある。愛情深い性格のため歌舞伎町にたむろする子供たちを可愛がっている。美声の持ち主であり、パイプキャットのショーでその歌声を披露することもしばしば。

・パイプ
ハドソン夫人の飼っている巨大なオスのラグドール(工事済)。パイプキャットをねぐらとするが、気まぐれな性格ゆえに神出鬼没で歌舞伎町を自由にうろついている。夫人とバーテン以外の人間にはめったに懐かず、長屋の探偵たちは全員下僕とみなしている。

・雅也☆彡
歌舞伎町のキャバクラ「ホワイトローズ」のオーナーで、以前はホストクラブ「種馬牧場」のNo.1ホストだった。目立つのが大好きで、しょっちゅう自分が主役のパーティーやイベントを開催している。そのド派手な風貌と独特な口調が嫌でも目につくため、歌舞伎町の住人には顔が知られている有名人。

・ディラン
長屋の面々とは顔馴染み。シャーロックや京極には毎回すげなく断られているが、懲りずに声を掛け続けている。小林は常連客。

・バーテン
パイプキャットのバーテン。常に無口で、彼の声を聞いたことがある者はほとんどいない。ハドソン夫人の良き話し相手で、夫人が愚痴をこぼせる唯一の人物。奔放な夫人に代わって一人店番を務めることも多い。また、パイプの世話も担当しており、パイプに懐かれている貴重な存在。

・ヨシオ
歌舞伎町遊撃隊
歌舞伎町に住む子供達が結成した部隊。
家庭の事情は様々だが、親が基本的に放任主義のため、日々パイプキャットに入り浸っている。

・レン子
歌舞伎町遊撃隊
歌舞伎町に住む子供達が結成した部隊。
家庭の事情は様々だが、親が基本的に放任主義のため、日々パイプキャットに入り浸っている。

・ユウヤ
歌舞伎町遊撃隊
歌舞伎町に住む子供達が結成した部隊。
家庭の事情は様々だが、親が基本的に放任主義のため、日々パイプキャットに入り浸っている。

・サブロー
歌舞伎町遊撃隊
歌舞伎町に住む子供達が結成した部隊。
家庭の事情は様々だが、親が基本的に放任主義のため、日々パイプキャットに入り浸っている。

・ジュリ
歌舞伎町遊撃隊
歌舞伎町に住む子供達が結成した部隊。
家庭の事情は様々だが、親が基本的に放任主義のため、日々パイプキャットに入り浸っている。

・ライチ
歌舞伎町遊撃隊
歌舞伎町に住む子供達が結成した部隊。
家庭の事情は様々だが、親が基本的に放任主義のため、日々パイプキャットに入り浸っている。

・兼古信雄
歌舞伎町最大のヤクザ組織「兼古組」組長。歌舞伎町を取り仕切る親分であり、子分や町の人々に慕われている人格者。北九州弁を操るが、その出自は謎に包まれている。ハドソン夫人とは昔馴染みで、シャーロックら長屋の探偵たちとも交流がある。

・セバスチャン・モラン
現新宿区長。政界に大きな影響力のある人物を後ろ盾に持ち、4期12年区長を務めている老獪な政治家。イースト、とりわけ歌舞伎町の住民たちを見下しており、ウエストの資産家たちを優遇する施策ばかり展開しているため、歌舞伎町の人々にはあまり好かれていない。半年前にジャックに殺害された一人娘・アレクサンドラのことを溺愛していた。

・マイクロフト・ホームズ
シャーロックの実の兄にして、セバスチャン・モラン新宿区長の第一秘書官。表向きはモランの忠実な部下だが、本心からモランを慕っているのか、彼を利用して政界でのし上がろうとしているのかは不明。何かと理由をつけて探偵長屋にやって来ては、シャーロックの動向を探るなど、怪しげな行動も見せる。

・アイリーン・アドラー
教育評論家や経済アナリストなど様々な肩書を持つ、ウエスト在住の有名人。アレクサンドラの家庭教師も務めていた。シャーロックに勝るとも劣らぬ頭脳の持ち主で、その知性と美貌で数多の男を虜にしている。愛と金は別と割り切っており、つい最近までモラン新宿区長とは愛人関係にあったらしい。

・トニー茂
歌舞伎町の雀荘を根城にしている孤高のジャーナリスト。古今東西、ありとあらゆる情報に精通しているため、彼の元には情報の売買を求める人々が毎日のようにやってくる。趣味は詩を書くこと。現在、新聞「角スポ」にて「トニー茂はAB型」というコラムを連載中。

・セシリア・モラン
10年前、モリアーティが5歳の時に自宅で事故死した、モランの妻。夫と子を心から愛する、優しく美しい女性で、かつては国民的な女優だった。モランから熱烈なプロポーズを受け、結婚を機に引退。当時、世間では金目当ての結婚だと噂されたが、仲睦まじい夫婦だった。

・アルバート・トレヴァ
東京第七刑務所に収監中の爆弾魔。懲役500年。目立つのが何より好きな劇場型犯罪者で、これまで起こした爆破事件では数百人の死傷者を出している。刑務所では、囚人たちのヒエラルキーのトップに君臨しており、か弱い囚人をいびるのが日課。最近は新入りのモリアーティに執心している。

・ケイト・カーライル
長年モラン家に仕えている家政婦。モリアーティとアレクサンドラが幼い頃から世話をしており、特に体が弱いアレクサンドラにはつきっきりで看病していた。切り裂きジャック殺害後もモリアーティのことを心から大事に思っており、父親であるモランとの確執に胸を痛めている。

■サブタイトル

・#01／「はじめまして探偵諸君」
・#02／「泣きぼくろ見つめ隊はいかが」
・#03／「エース・京極冬人の夢は」
・#04／「お湯は基本熱め」
・#05／「立合いはフライングぎみッ」
・#06／「漢小林、やるっす」
・#07／「ワイフ、未来を見つめる」
・#08／「水着を脱がせるな」
・#09／「あの女のねぐら」
・#10／「霊媒師急募」
・#11／「切り裂きジャック」
・#12／「にゃんにゃん打破」
・#13／「はじまりの月夜」
・#14／「取り戻せメロンのココロ」
・#15／「あの人はいずこ」
・#16／「ミッシェルとあほぼん」
・#17／「振り返ればサウダーデ」
・#18／「動物たくさんデス」
・#19／「グランギニョールの幕を」
・#20／「モリアーティ、享受」
・#21／「絶入」
・#22／「イースト菌について語るスレ」
・#23／「8時、全員集合だよ」
・#24／「歌舞伎町で会おう」

■主題歌・楽曲

・OP
・「CAPTURE」
・歌／EGO-WRAPPIN’

・ED1
・期間／＃01～＃12
・「百億光年」
・歌／ロザリーナ

・ED2
・期間／#13～
・「パレード」
・歌／石崎ひゅーい

評測

「歌舞伎町シャーロック」は、2019年10月から2020年3月まで放送されたアニメシリーズで、Production I.Gが制作したオリジナル作品です。この作品は、シャーロック・ホームズを中心に、歌舞伎町を舞台にした探偵たちの活躍を描いています。以下では、この作品の魅力や特徴について詳しく解説します。

ストーリーと設定

「歌舞伎町シャーロック」の舞台は、新宿区イーストサイドの歌舞伎町。ネオンが瞬くこの街は、光と影が交錯する場所であり、探偵長屋がその中心に位置しています。探偵長屋には、個性豊かな探偵たちが集まっており、彼らが様々な事件を解決していく姿が描かれます。特に注目すべきは、シャーロック・ホームズが落語を愛する天才探偵として登場することです。彼の推理落語は、謎解きのシーンを盛り上げる重要な要素となっています。

物語は、切り裂きジャックによる猟奇殺人事件から始まります。この事件をきっかけに、シャーロック、ワトソン、モリアーティの三つ巴の友情と対立が描かれていきます。ミステリーとコメディが絶妙に融合したストーリーは、視聴者を飽きさせません。また、探偵たちの個々のエピソードも魅力的で、各キャラクターの背景や成長が丁寧に描かれています。

キャラクター

この作品の最大の魅力は、個性豊かなキャラクターたちです。シャーロック・ホームズは、天才的な推理力を持つ一方で、変人としての側面も強調されています。彼の五感を駆使した情報収集や、常人離れした味覚は、視聴者に新鮮な驚きを与えます。また、落語を愛する彼の姿は、伝統的な日本文化と西洋の探偵小説が融合したユニークなキャラクター像を形成しています。

ジョン・H・ワトソンは、法医解剖医として働く常識人ですが、周囲で起こる不穏な出来事に巻き込まれ、探偵長屋を訪れることになります。彼の視点から見た歌舞伎町の描写は、視聴者にリアルな感覚を与えます。ジェームズ・モリアーティは、高校生ながらシャーロックに匹敵する推理能力を持つキャラクターで、彼の妹への愛情や遊撃隊の隊長としてのリーダーシップも描かれています。

その他にも、野心家の京極冬人、姉妹探偵のメアリとルーシー、元刑事のミッシェル・ベルモント、元ヤクザの小林寅太郎など、多彩なキャラクターが登場します。彼らの個々のストーリーや人間関係は、作品全体を豊かにしています。

アニメーションと演出

Production I.Gによるアニメーションは、歌舞伎町の雰囲気をリアルに再現しています。ネオンの輝きや街の喧騒、探偵長屋の独特な雰囲気など、視覚的な要素が物語を引き立てています。また、キャラクターデザインや総作画監督を担当した矢萩利幸の仕事は、各キャラクターの個性を際立たせています。

演出面では、吉村愛監督の巧みな手腕が光ります。ミステリーとコメディのバランスを保ちつつ、各エピソードのテンポをうまくコントロールしています。また、シリーズ構成を担当した岸本卓のストーリーテリングも見事で、視聴者を引き込むストーリーが展開されています。

音楽

音楽もこの作品の魅力を高める重要な要素です。オープニングテーマ「CAPTURE」は、EGO-WRAPPIN’が担当し、歌舞伎町のエネルギッシュな雰囲気を表現しています。エンディングテーマは、#01～#12までがロザリーナの「百億光年」、#13以降が石崎ひゅーいの「パレード」となっており、それぞれの曲が物語の雰囲気を盛り上げています。また、伊賀拓郎による劇伴音楽も、各シーンの感情を巧みに引き立てています。