『えとたま』レビュー：癒しと笑いの絶妙なバランス

『えとたま』 - 干支娘たちの華やかな戦いと成長の物語

『えとたま』は、2015年に放送されたアニメオリジナル作品で、干支をモチーフにした少女たち「えと娘」が主人公の物語です。彼女たちは神の使いとして、人々と神々を繋げる存在であり、60年に一度開催される「干支神選抜祭・ETM12」を目指して戦います。この祭りで勝利すれば、干支神として認められることができるのです。そんな中、猫のえと娘「にゃ～たん」が主人公として登場し、普通の高校生「天戸タケル」と出会うことで物語が始まります。

■作品概要

『えとたま』は、白組とダブリエ・コミュニケーションズが原作を務め、追崎史敏が監督を務めた作品です。放送期間は2015年4月9日から6月25日まで、全12話がTOKYO MXで放送されました。アニメーション制作は白組とエンカレッジフィルムズが担当し、著作権はえとたま製作委員会に帰属しています。

■ストーリー

『えとたま』の舞台は現代の日本、特に秋葉原を中心に展開されます。干支娘たちは、60年に一度の「干支神選抜祭・ETM12」に参加するために全国から集まります。この祭りで十二支全員に勝利することが干支神になる条件であり、二千年間誰も達成できなかった難関です。そんな中、猫のえと娘「にゃ～たん」は、ネズミ属の「チュウたん」から執拗に狙われながらも、干支神になる夢を追い続けます。彼女の前に現れた普通の高校生「天戸タケル」との出会いが、物語の大きな転機となります。

にゃ～たんは、天戸タケルに「萌力【ソルラル】」を狙われ、押しかけ居候を始めます。タケルは無気力な性格ながらも、にゃ～たんの夢を支える存在となります。物語は、にゃ～たんが干支神になるための戦いと、タケルとの友情、そして他のえと娘たちとの交流を通じて進んでいきます。

■キャラクター

『えとたま』のキャラクターは、干支をモチーフにした少女たちが中心です。以下に主要キャラクターを紹介します。

にゃ～たん（猫）

声優：村川梨衣

猫のえと娘で、干支神になることを目指しています。常に目標に向かってまっすぐ進む天真爛漫な性格で、通称「猫のえと娘」です。干支ランクはランク外で、守護地はなし。彼女の萌力祭具は「にゃ～たんハンマー」です。

天戸タケル

声優：下野紘

秋葉原に越してきた高校生で、にゃ～たんに「萌力【ソルラル】」を狙われてしまいます。無気力な性格ながらも、にゃ～たんの夢を支える存在です。通称「主人公/人間」であり、干支ランクは関係ありません。

チュウたん（子）

声優：大原さやか

ネズミ属の最強干支神で、干支ランクは1位。実直で真摯な性格ですが、ネコ属に対する憎悪が強く、人間とえと娘の交流も嫌悪しています。守護地は南関東地方で、萌力祭具は「千舞葉剣（ウィップソード）」です。

モ～たん（丑）

声優：松井恵理子

ウシ属の干支神で、干支ランクは2位。草食のベジタリアンで巨乳の持ち主です。にゃ～たんに対する愛情が偏愛し、変態的な面も見せます。守護地は東海地方で、萌力祭具は「二丁拳銃『ハラミ』&『マルチョウ』」です。

シマたん（寅）

声優：巽悠衣子

トラ属の干支神で、干支ランクは3位。ナニワの中国拳法使いで、にゃ～たんの力と技の師匠です。守護地は近畿地方で、萌力祭具は「手甲両節棍（てっこうりょうせつこん）『電光石火』」です。

ウサたん（卯）

声優：相坂優歌

ウサギ属の干支神で、干支ランクは4位。ワンダーランドなお嬢様にして天才プロデューサーです。「ウサたんカンパニー（UTC）」という事業を立ち上げています。守護地は北陸地方で、萌力祭具は「不思議な時計『キャロル』」です。

ドラたん（辰）

声優：内田真礼

リュウ属の干支神で、干支ランクは5位。伝説の幻獣干支神で、にゃ～たんにソルラルを教える精神面の師匠でもあります。守護地は東山地方で、萌力祭具は「龍扇芭蕉」です。

シャアたん（巳）

声優：生天目仁美

ヘビ属の干支神で、干支ランクは6位。実力者ではあるが、全力は出さない主義で、本音が見えない不可思議なお姉さんです。守護地は中国地方で、萌力祭具は「シーシャ・アフアー（水煙草の蛇）」です。

ウマたん（午）

声優：小澤亜李

ウマ属の干支神で、干支ランクは7位。比較的ネガティブで、夢多き乙女ですが、いろいろと残念な性格です。守護地は九州地方で、萌力祭具は「オミクジタキオン」です。

メイたん（未）

声優：渕上舞

ヒツジ属の干支神で、干支ランクは8位。天然系の癒し女子で、回復系に特化しています。大いなる母性と慈愛の持ち主です。守護地は北海道地方で、萌力祭具は「メイプルシリンジ」です。

キーたん（申）

声優：戸田めぐみ

サル属の干支神で、干支ランクは9位。ポジティブな思考の持ち主で、イタズラっこな面も見せますが、ちゃんと反省します。守護地は北関東地方で、萌力祭具は「スゴい棒（正式名称：自由自在棒）」です。

ピヨたん（酉）

声優：佐々木未来

トリ属の干支神で、干支ランクは10位。三歩歩くと一番気になっていることを忘れるが、負の感情を蓄積しやすい性格です。守護地は東北地方で、萌力祭具は「我が道標を導きし愛人（わがみちしるべをみちびきしラマン）」です。

イヌたん（戌）

声優：本多真梨子

イヌ属の干支神で、干支ランクは11位。ポジティブな思考の持ち主で、キーたんと一緒にいることが多いです。表裏がなく、素直で純粋な性格です。守護地は四国地方で、萌力祭具は「首輪型ヨーヨー『猛々（ワンワン）』」です。

ウリたん（亥）

声優：花守ゆみり

イノシシ属の干支神で、干支ランクは12位。干支神たちのマスコット的存在で、全員の妹的ポジションです。守護地は沖縄地方で、萌力祭具は「エリュマントスの猪」「うり坊ビット」です。

■スタッフ

『えとたま』の制作には、多くのスタッフが関わっています。以下に主要スタッフを紹介します。

製作総指揮

白組

原作

白組、タブリエ・コミュニケーションズ

原案、設定

吠士隆、是空とおる

監督

追崎史敏

監督（CG）

平川孝充

シリーズ構成、脚本

赤尾でこ

アダルトキャラクター原案

渡辺明夫

プリティキャラクター原案

QP:flapper

アダルトキャラクターデザイン、総作画監督

小池智史

プリティキャラクターデザイン

高橋麻実

アニメーション制作

白組、エンカレッジフィルムズ

■エピソード

『えとたま』は全12話で構成されており、各話ごとに異なるサブタイトルが付けられています。以下に各話のサブタイトルを紹介します。

• 第壱話：猫娘揚々（ねこようよう）
• 第弐話：愛縁奇牛（あいえんきぎゅう）
• 第参話：亥突猛心（ちょとつもうしん）
• 第肆話：兎目兎耳（ともくとじ）
• 第伍話：滋羊強壮（じようきょうそう）
• 第陸話：虎計三笑（こけいさんしょう）
• 第漆話：縁縁長蛇（えんえんちょうだ）
• 第捌話：一騎当猫（いっきとうにゃん）
• 第玖話：花鳥歩月（かちょうふげつ）
• 第拾話：永久変態（えいきゅうへんたい）
• 第拾壱話：猫鼠異道（びょうそいどう）
• 第拾弐話：干支繚乱（えとりょうらん）

■主題歌・楽曲

『えとたま』の主題歌とエンディング曲は、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素です。以下に主題歌とエンディング曲を紹介します。

オープニングテーマ

「リトライ☆ランデヴー」

• 作詞：Junky
• 作曲：Junky
• 歌：にゃ～たん（村川梨衣）

エンディングテーマ

「blue moment」

• 作詞：赤尾でこ
• 作曲：Starving Trancer
• 編曲：Starving Trancer
• 歌：ソルラルBOB（にゃ～たん）

エンディング曲「blue moment」は、各話ごとに歌うキャラクターが増えていくというユニークな形式を採用しています。以下に各話ごとの歌唱メンバーとエピソードを紹介します。

• 第1話：ソルラルBOB（にゃ～たん）
• 第2話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん）
• 第3話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん）
• 第4話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん）
• 第5話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん、メイたん）
• 第6話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん、メイたん、シマたん）
• 第7話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん、メイたん、シマたん、シャアたん）
• 第8話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん、メイたん、シマたん、シャアたん、ウマたん）
• 第9話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん、メイたん、シマたん、シャアたん、ウマたん、ピヨたん）
• 第10話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん、メイたん、シマたん、シャアたん、ウマたん、ピヨたん、キーたん、イヌたん）
• 第11話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん、メイたん、シマたん、シャアたん、ウマたん、ピヨたん、キーたん、イヌたん、ドラたん）
• 第12話：ソルラルBOB（にゃ～たん、モ～たん、ウリたん、ウサたん、メイたん、シマたん、シャアたん、ウマたん、ピヨたん、キーたん、イヌたん、ドラたん、チュウたん）

■評価と感想

『えとたま』は、独特の世界観とキャラクターたちの魅力が際立つ作品です。干支をモチーフにした少女たちが戦うという設定は新鮮で、視聴者を引き込む力があります。また、にゃ～たんの成長とタケルとの友情が描かれることで、物語に深みが加わっています。

キャラクターの個性も豊かで、各々の干支ランクや守護地、萌力祭具などが詳細に設定されている点も魅力です。特に、にゃ～たんの天真爛漫な性格や、チュウたんの強さと憎悪、モ～たんの偏愛など、キャラクターの多様性が物語を盛り上げています。

また、主題歌やエンディング曲も作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。「リトライ☆ランデヴー」はにゃ～たんの明るさを象徴するような曲で、「blue moment」は各話ごとに歌うキャラクターが増えていくことで、視聴者の期待感を高めています。

アニメーション制作も高品質で、白組とエンカレッジフィルムズの技術力が光っています。特に、戦闘シーンやキャラクターの動きは細部までこだわっており、視覚的な楽しみも十分に提供しています。

■推薦ポイント

『えとたま』は、以下のポイントで推薦できる作品です。

1. 独特の世界観

干支をモチーフにした少女たちが戦うという設定は、他のアニメでは見られない独特の世界観を形成しています。この世界観が視聴者の興味を引きつけ、物語に引き込む力があります。

2. 魅力的なキャラクター

各キャラクターの個性が豊かで、干支ランクや守護地、萌力祭具などが詳細に設定されている点も魅力です。特に、にゃ～たんの成長やタケルとの友情、他のえと娘たちとの交流が物語を盛り上げています。

3. 高品質なアニメーション

白組とエンカレッジフィルムズの技術力が光るアニメーションは、視覚的な楽しみを提供します。特に、戦闘シーンやキャラクターの動きは細部までこだわっており、視聴者の目を楽しませます。

4. 印象的な主題歌とエンディング曲

「リトライ☆ランデヴー」と「blue moment」は、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素です。「blue moment」が各話ごとに歌うキャラクターが増えていくというユニークな形式も、視聴者の期待感を高めます。

■結論

『えとたま』は、干支をモチーフにした少女たちの戦いと成長を描いた作品で、独特の世界観と魅力的なキャラクターが視聴者を引き込む力があります。高品質なアニメーションと印象的な主題歌、エンディング曲も作品の魅力を高めています。干支神になる夢を追い続けるにゃ～たんの物語は、視聴者に感動と笑いを提供し、心に残る作品となっています。ぜひ一度視聴してみてください。