学園戦記 ムリョウ[総集篇]の魅力と評価：見逃せない名作アニメ

学園戦記 ムリョウ[総集篇] - ガクエンセンキ ムリョウ[ソウシュウヘン]

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

アニメオリジナル

■放送期間

2001年08月28日 ～ 0000年01月01日

■放送局

NHK教育テレビ

■分数

30分

■話数

1話

■原作

佐藤竜雄

■監督

佐藤竜雄

■制作

マッドハウス

■著作

©2001-2002 佐藤竜雄・マッドハウス・学園戦記ムリョウ製作委員会(Team MURYOU)

■ストーリー

時は2070年、日本に侵略兵器と思われる謎の巨大物体が出現。それを追い払ったのは、これも謎の巨人でした。そんな事件があった直後に、天網(てんもう)市の御統(みすまる)中学に、統原無量(スバル・ムリョウ)が転校してきます。彼は、この時代には珍しい学生服を着た、不思議な雰囲気の男の子です。そして、彼と知り合った事から、ごく普通の男子中学生、村田始は宇宙規模の大きな事件に巻き込まれていくのでした。

■解説

『学園戦記ムリョウ』は、『飛べ！イサミ』『機動戦艦ナデシコ』や『ねこぢる草』等で知られるアニメーション監督の佐藤竜雄が、原作・シリーズ構成・監督を務めたＴＶ　アニメーションです。2001年5月8日から12月4日まで、ＮＨＫ衛星第２で放映されました。

ジャンルとしてはＳＦアニメになりますが、決して現実離れした内容のものではありません。ごく普通の学園や街を舞台に、ごく普通に人達が活躍する“普通”の物語です。いえ、学校の生徒会の人達が不思議な力をもって戦っていたり、街にアロハシャツを着た宇宙人がウロウロしたりしているのですから、ちょっと“普通”ではないかもしれません。『学園戦記ムリョウ』は“普通”感覚だけど、ちょっと“普通”じゃない、不思議な味わいのアニメーションなのです。全体のムードは、清々しくて爽やか。また、佐藤竜雄監督らしい和風のテイストも、本作の魅力です。

キャラクターデザインは今までに『新世紀ＧＰＸ　サイバーフォーミュラ』や『ＴＲＩＧＵＮ』等を手がけ、また、マンガ家・サムシング吉松としても知られる吉松孝博。アニメーション制作は『カードキャプターさくら』『ＭＥＴＲＯＰＯＬＩＳ』等を作ってきた老舗のプロダクション、マッドハウスです。音楽を『ルパン三世』等で知られる大野雄二が担当しているのも話題のひとつ。彼が『ルパン三世』以外のアニメの音楽を手がけたのは、17年ぶりだったのだそうです。

■キャスト

・統原無量(スバル・ムリョウ)／宮崎一成
・村田始(ムラタ・ハジメ)／野島健児
・守山那由多(モリヤマ・ナユタ)／朴璐美
・守口京一(モリグチ・キョウイチ)／杉田智和
・峯尾晴美(ミネオ・ハルミ)／浅野真澄
・津守八葉(ツモリ・ハチヨウ)／上田祐司
・守機瞬(モリハタ・シュン)／小林由美子
・統原 瀬津名(スバル・セツナ)／山崎和佳奈
・阿僧祇(アソウギ)／石森達幸
・村田今日子(ムラタ・キョウコ)／日高のり子
・村田双葉(ムラタ・フタバ)／釘宮理恵
・山本忠一(ヤマモト・タダカズ)／石原凡
・ヴェルン星人ジルトーシュ／小野健一
・真守百恵(サネモリ・モモエ)／京田尚子
・磯崎公美(イソザキ・ヒロミ)／佐々木瑶子
・川森篤(カワモリ・アツシ)／小野健一
・成田次郎(ナリタ・ジロウ)／阪口大助
・三上利夫(ミカミ・トシオ)／遠近孝一
・稲垣ひかる(イナガキ・ヒカル)／松本さち
・ザイグル星人　ウェンヌル／渋谷茂
・ソパル星人／肥後誠
・ザイグル星人 ヴェロッシュ／長嶝高士

■メインスタッフ

・原作、シリーズ構成／佐藤竜雄
・企画／丸山正雄、後藤克彦
・キャラクターデザイン、総作画監督／吉松孝博
・メカニックデザイン／井上邦彦
・オープニングアニメーション／宮沢康紀
・美術監督／池田祐二
・美術／二嶋隆文
・色彩設計／秋山久美
・撮影監督／森下成一
・編集／松村正宏
・助監督／田中洋之、増井壮一
・音響監督／三間雅文
・音響制作／テクノサウンド
・音楽／大野雄二
・アニメーションプロデューサー／諸澤昌男
・アニメーション制作／マッドハウス
・企画協力／ガンジス
・総合プロデューサー／高原敦
・プロデューサー／山本敦、森山敦
・アシスタントプロデューサー／山田知博、橋本果奈
・製作／学園戦記ムリョウ製作委員会(NHKエンタープライズ21、日本放送出版協会、NHKソフトウェア、キングレコード)
・監督／佐藤竜雄

■メインキャラクタ

・統原無量(スバル・ムリョウ)
宇宙人騒動の真っ只中、この時代には珍しい学生服を着て転校してくる。穏やかで淡々としていて、育ちが良さそうな印象だが、実は強大なチカラを持つ。つっかかってくる那由多や京一にも、常に自然体で接し、それがますます二人を煽ってしまう。だが本人は一向に気にする様子はない。彼の出現でさまざまなことが大きく変わり始めた。
・村田始(ムラタ・ハジメ)
もう一人の主人公でムリョウの同級生。ムリョウのクラスの学級委員を務める、優等生タイプな男の子。 誰からも好かれる、といっても八方美人ではなく、敵も味方も何となく和んでしまう奇特な人物。ムリョウと知り合ったがゆえに色々なトラブルにまきこまれることになるが、その経験から、やがて大きく成長することになる。
・守山那由多(モリヤマ・ナユタ)
真守五家が一つ、北の守山家の嫡女で"シングウ"のメイン操縦者。ムリョウと同じく中学二年生で生徒会副会長。きつい性格でプライドも高く、学校では近寄りがたい存在。ムリョウに対抗意識をもっていて、ことあるごとにやり合うが、いつも一人相撲で自滅してしまう。ムリョウやハジメとの付き合いで、彼女本来の地が出てくる。
・守口京一(モリグチ・キョウイチ)
真守五家が一つ、東の守口家の嫡男。中学三年生で生徒会副会長。一見するとクールな二枚目だが、実は一番の激情家。斜に構えてそうだが、すぐムキになる。転校早々のムリョウを呼び出した張本人。古武道の有段者だが、戦闘能力としてのチカラではムリョウには遠く及ばない。晴美のことが気にかかっている。
・峯尾晴美(ミネオ・ハルミ)
生徒会書記。中学二年生。天網流古武術の後継者。京一を守る使命を負っている。おとなしく控えめな性格だが、実は古武道『天網流』の後継ぎであり、腕も立つ。京一を守らなければ、という思いと、京一に対する恋心の間でゆれる。
・津守八葉(ツモリ・ハチヨウ)
真守五家が一つ、南の津守家の次男。中学三年生で生徒会長。見た目どおりのおっさんくさい好人物。生徒会の司会ぶりも朴訥ながらもてきぱきしていて、いつも笑いをとっている。その人柄ゆえ、厚い信頼を寄せられている。彼もまた、実は相当なチカラの使い手である。
・守機瞬(モリハタ・シュン)
真守五家が一つ、西の守機家の三男坊。中学二年生で生徒会会計。かわいいルックスで上級生女子に人気があるが、本人もそれを意識して行動している、なかなか計算高い少年。生徒会の面々の中では、八葉と並んで精神的に落ち着いていて大人だが、いたずらっぽい茶目っ気もある。メディア委員も兼ねていて、司会などでも才能を発揮する。
・統原瀬津名(スバル・セツナ)
ムリョウの姉。妙に色っぽいところと無邪気なところが同居している、自称ヒマな女子大生。今は東京で一人暮らしをしているようだが、何かというと天網市に出没してはムリョウ達にちょっかいを出す。実ははかりしれない過去と秘密を持っているらしい。特技(？)は全国の名産品の収集。
・村田双葉(ムラタ・フタバ)
ハジメの妹で小学6年生。生意気ざかりだが、とっても『おちゃっぴい』な明るい女の子。面食いで惚れっぽい。ムリョウにひと目ぼれしてしまい、そのアタックぶりは日毎に熱が上がっている。
・村田今日子(ムラタ・キョウコ)
始の母。闊達でテキパキした人。いい意味の友達感覚で、子供と接する母。料理も上手い。商社マンである夫・和夫は現在単身赴任中である。
・阿僧祇(アソウギ)
ムリョウの育ての親で通称「じっちゃん」。自らを仙人と称するように外見は年寄りだが、ムリョウすらかなわぬ"チカラ"の使い手。それでいて、妙にくだけたところもある。真守百恵とは旧い縁があるようだ。
・真守百恵(サネモリ・モモエ)
真守五家の当主。穏やかな中にも凛とした雰囲気が漂い、分家の人々からも絶大な信頼を寄せられている。若かりし頃、今の那由多と同じく、シングウのチカラを持っていた。那由多の良き相談相手。
・川森篤(カワモリ・アツシ)
同じくムリョウと始のクラスメート。でかい図体だが、気持ちの優しい少年である。ところどころに人の良さが出ている。それゆえに、ムリョウと始のクラブ活動にも参加する羽目に…。
・成田次郎(ナリタ・ジロウ)
ムリョウと始のクラスメート。2年C組一のお調子者で、事あるごとに、先生やクラスメートにちょっかいをかけている。人の良さゆえか、後々始のクラブ活動にも巻き込まれていく。
・三上利夫(ミカミ・トシオ)
ムリョウと始のクラスメート。パソコンなど、メカに詳しい。いつも淡々としていてあまり動じないタイプだが、実は照れ屋さんでもある。過去、双葉にふられた経験が？「祭りクラブ」の設立に際しては、冷静ながらも大活躍を見せる。
・稲垣ひかる(イナガキ・ヒカル)
御統中学3年生。メディア委員長として、イベントの司会などで活躍中。取材したソースの公表を控えるなど、なかなかのしたたか者。生徒会長の八葉と良い雰囲気だったりもする。
・山本忠一(ヤマモト・タダカズ)
ムリョウの担任教師。担当は日本史。天網市の秘密を知る一人。もっさりした田舎の親父さんという印象。だが、実は独特の体術を用いたり、チカラも使えたりと、相当に強い。
・磯崎公美(イソザキ・ヒロミ)
御統中学体育教師で八葉の担任であるが、本職は銀河連邦所属安全保障委員の太陽系方面観察者でアルティン星人。いつもクールで、周囲の宇宙人達からも一目おかれているが、実はかなりお酒が好きらしい。
・ヴェルン星人ジルトーシュ
正体不明の、アロハ姿の浮かれた遊び人。へらへらしていて何を考えているのかわからない。妙に義侠心にあついところもある。銀河連邦お墨付きの第一級外交官であるが、謎が多い人物でもある。
・ザイグル星人　ウェンヌル
お茶好きの宇宙人。何事も冷静に分析し、行動するという、真面目すぎるくらいの性格を持つ。当初は警戒していたヴェルン星人・ジルトーシュとも一時休戦、今は同居中である。
・ザイグル星人 ヴェロッシュ
ザイグル星の高級士官で、ウェンヌルの上司。宇宙戦艦ジルトン号艦長。「シングウ」のチカラを手に入れるために、地球にやって来た。部下からも厚い信頼を寄せられている。

■関連作品

・学園戦記ムリョウ

■主題歌・楽曲

・OP1
・TAKE
・作詞／有森聡美
・作曲／大野雄二
・編曲／大野雄二
・歌／KAKO

・ED1
・begin
・作曲／大野雄二
・編曲／大野雄二

■評論

『学園戦記ムリョウ[総集篇]』は、2001年に放送された『学園戦記ムリョウ』の総集編として制作された作品です。この総集編は、シリーズ全体のエッセンスを凝縮し、視聴者に再びその魅力を伝えるために制作されました。以下では、この作品の詳細な評論と推薦を行います。

ストーリーとテーマ

『学園戦記ムリョウ[総集篇]』は、2070年の日本を舞台に、謎の巨大物体とそれを追い払う巨人の出現から始まります。この事件をきっかけに、統原無量（スバル・ムリョウ）が天網市の御統中学に転校してくることで、物語は展開します。ムリョウの登場により、普通の男子中学生である村田始（ムラタ・ハジメ）は、宇宙規模の事件に巻き込まれていくことになります。

この作品のテーマは、「普通」と「非普通」の境界線にあります。日常の学園生活と宇宙規模の戦いが交錯する中で、登場人物たちはそれぞれの「普通」を見つめ直し、成長していきます。特に、ムリョウと始の友情や、生徒会のメンバーたちの人間関係が深く描かれており、視聴者に共感を呼びます。

キャラクター

本作のキャラクターは、個性豊かで魅力的です。主人公のムリョウは、穏やかで強大な力を持つ謎の転校生であり、彼の存在が物語の中心となります。ムリョウの同級生である始は、優等生でありながらもトラブルに巻き込まれることで成長していく姿が描かれています。また、生徒会のメンバーたちもそれぞれに個性的で、那由多のプライドの高さや京一の激情、晴美の控えめな強さなどが物語を盛り上げます。

特に注目すべきは、ムリョウの姉である瀬津名のキャラクターです。彼女の色っぽさと無邪気さが同居するキャラクターは、視聴者に新鮮な印象を与えます。また、ムリョウの育ての親である阿僧祇や、真守五家の当主である百恵など、脇役も魅力的で物語を支えています。

ビジュアルと音楽

キャラクターデザインは吉松孝博が担当しており、彼の独特なタッチが作品に深みを与えています。特に、ムリョウの学生服や那由多の制服など、キャラクターの個性を引き立てるデザインが印象的です。また、メカニックデザインも井上邦彦の手により、SF感と和風のテイストが融合した独特の世界観を創出しています。

音楽は大野雄二が担当しており、彼の17年ぶりのアニメ音楽制作ということもあり、話題となりました。オープニングテーマ「TAKE」とエンディングテーマ「begin」は、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。大野雄二の音楽は、物語の展開に合わせて視聴者の感情を引き立てる力を持っており、作品の魅力をさらに高めています。

制作と演出

『学園戦記ムリョウ[総集篇]』は、佐藤竜雄が原作・シリーズ構成・監督を務めた作品です。佐藤竜雄は、『飛べ！イサミ』や『機動戦艦ナデシコ』などで知られるアニメーション監督であり、彼の独特の感性が本作にも反映されています。特に、和風のテイストを盛り込んだ演出は、視聴者に新鮮な印象を与えます。

アニメーション制作はマッドハウスが担当しており、彼らの技術力と経験が作品のクオリティを支えています。特に、戦闘シーンやメカニックの動きなど、細部までこだわった作画が見事です。また、色彩設計や美術も優れており、作品の世界観を豊かに表現しています。

推薦

『学園戦記ムリョウ[総集篇]』は、SFアニメが好きな方や、佐藤竜雄監督の作品が好きな方に強く推薦します。また、キャラクターの成長や友情を描いた物語が好きな方にもおすすめです。総集編という形式を取っているため、シリーズ全体を一度に楽しむことができ、初めて視聴する方にも最適です。

さらに、この作品は音楽やビジュアルにもこだわりがあるため、音楽やアニメーションの技術に興味がある方にも楽しんでいただけるでしょう。特に、大野雄二の音楽は、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっており、音楽ファンにもおすすめです。

関連情報

『学園戦記ムリョウ[総集篇]』は、NHK教育テレビで放送され、30分の1話構成となっています。原作はアニメオリジナルであり、佐藤竜雄が原作・シリーズ構成・監督を務めています。制作はマッドハウスが行い、著作権は佐藤竜雄、マッドハウス、学園戦記ムリョウ製作委員会（Team MURYOU）に帰属しています。

関連作品としては、『学園戦記ムリョウ』があり、こちらは2001年5月8日から12月4日までNHK衛星第2で放送されました。主題歌は、オープニングが「TAKE」（作詞：有森聡美、作曲・編曲：大野雄二、歌：KAKO）、エンディングが「begin」（作曲・編曲：大野雄二）となっています。

結論

『学園戦記ムリョウ[総集篇]』は、SFと学園生活が融合した独特の世界観と、個性豊かなキャラクター、そして佐藤竜雄監督のこだわりが詰まった作品です。総集編という形式を取っているため、シリーズ全体を一度に楽しむことができ、初めて視聴する方にも最適です。音楽やビジュアルにもこだわりがあるため、様々な視点から楽しむことができるでしょう。ぜひ、この作品を視聴して、その魅力を感じてください。