装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ - 深掘りレビュー

装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ - 深掘りレビュー

『装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』:キリコの過去とレッドショルダーの秘密

■公開メディア

OVA

■原作メディア

アニメオリジナル

■発売日

1988年03月19日

■発売・販売

東芝映像ソフト

■分数

60分

■話数

1話

■原作

原案/矢立肇、原作/高橋良輔

■監督

監督/高橋良輔

■制作

サンライズ

■著作

©サンライズ

■ストーリー

味方にさえもその全貌が明らかにされない謎の特殊部隊レッドショルダー。キリコ・キュービィーはその本拠地、惑星オドンに転属する。だがそこは基地とは名ばかりの、過酷な生存競争を強いる異様な惑星だった。この不気味な惑星で、キリコは失った過去を取り戻そうとするのだが……。

■解説

主人公キリコのTVシリーズ以前の物語を描いた作品。OVA『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』に登場した、特殊部隊レッドショルダーの創設者ペールゼンが見出した、死なない戦士キリコ(異能生存体)への妄執を物語の軸とし、キリコの秘密の一端が明かされる。

■キャスト

・キリコ/郷田ほづみ
・グレゴルー/小林清志
・バイマン/塩沢兼人
・ムーザ/中尾隆聖
・カースン/竹村拓
・リーマン/池田勝
・マッカイ/田原アルノ
・ネハルコ/渡部猛
・ラーキンソン/塚田正昭
・ペールゼン/大塚周夫

■メインスタッフ

・原案/矢立肇 
・原作/高橋良輔
・脚本/吉川惣司
・キャラクターデザイン/塩山紀生
・メカニカルデザイン/大河原邦男
・美術/岡田和夫、宮前光春
・作画監督/塩山紀生
・編集/鶴渕映画
・音響/浦上靖夫
・音楽/乾裕樹 
・演出/今西隆志
・監督/高橋良輔
・プロデューサー/長谷川徹

■詳細な評測と推薦

■作品の背景と制作

『装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』は、1988年にOVAとしてリリースされた作品であり、TVシリーズ『装甲騎兵ボトムズ』の前日譚にあたる。監督は高橋良輔、制作はサンライズという、ボトムズシリーズの主要スタッフが手掛けている。この作品は、主人公キリコ・キュービィーの過去を掘り下げ、特殊部隊レッドショルダーの創設者ペールゼンの野望とキリコの秘密を描くことで、シリーズ全体の深みを増す重要なエピソードとなっている。

■ストーリーの魅力

本作のストーリーは、キリコがレッドショルダーの本拠地である惑星オドンに転属されるところから始まる。惑星オドンは、過酷な生存競争が繰り広げられる異様な環境であり、キリコはその中で自身の過去を探求する。物語は、ペールゼンのキリコに対する異常な執着と、キリコ自身の異能生存体としての秘密を中心に展開される。この設定は、視聴者に深い感動と興奮を与えるだけでなく、シリーズ全体の謎を解明する重要な鍵となる。

■キャラクターの魅力

キリコ・キュービィーは、郷田ほづみの声優としての演技が光るキャラクターである。彼の過去と秘密が明らかになるにつれて、視聴者は彼の苦悩と成長に共感し、物語に引き込まれる。また、ペールゼン役の大塚周夫の重厚な演技も見逃せない。ペールゼンの狂気と野望が、大塚の声によってリアルに描かれ、物語に深みを与えている。その他にも、グレゴルー役の小林清志やバイマン役の塩沢兼人など、個性的なキャラクターが物語を盛り上げる。

■メカニックデザイン

メカニカルデザインは大河原邦男が担当しており、ボトムズシリーズの象徴とも言えるAT(アーマードトルーパー)のデザインが見事に描かれている。特にレッドショルダーのATは、他の部隊とは一線を画すデザインとカラーリングが特徴的で、視覚的なインパクトを与える。また、惑星オドンの過酷な環境に適応したATの描写も見どころの一つであり、メカファンには必見の内容となっている。

■音楽と音響

音楽は乾裕樹が担当し、緊張感あふれる戦闘シーンや、キリコの内面を描くシーンに合わせたBGMが物語を盛り上げる。特に、惑星オドンの不気味な雰囲気を演出する音楽は、視聴者を物語の世界に引き込む力を持っている。また、音響監督の浦上靖夫による効果音や声優の演技も、作品のリアリティを高める重要な要素となっている。

■映像と演出

演出は今西隆志が担当し、60分という短い時間の中で物語を効果的に描き出す手腕が光る。特に、惑星オドンの異様な環境を描くシーンや、キリコとペールゼンの対峙シーンは、視覚的なインパクトと緊張感が絶妙に表現されている。また、作画監督の塩山紀生によるキャラクターデザインも、キリコの表情や動きを通じて彼の内面を描き出すことに成功している。

■推薦ポイント

『装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』は、ボトムズシリーズのファンにとっては必見の作品である。キリコの過去とレッドショルダーの秘密が明らかになることで、シリーズ全体の理解が深まるだけでなく、視聴者に深い感動と興奮を与える。また、メカニックデザインや音楽、音響、映像と演出の全てが高水準であり、OVAという形式の中で最大限の魅力を引き出している。特に、キリコの成長とペールゼンの狂気を描く物語は、視聴者に強い印象を残すことだろう。

■関連作品と視聴順序

本作は、TVシリーズ『装甲騎兵ボトムズ』の前日譚にあたるため、シリーズ全体を楽しむためには、TVシリーズを先に視聴することをお勧めする。特に、OVA『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』と合わせて視聴することで、レッドショルダーとキリコの物語をより深く理解することができる。また、シリーズの他のOVAや映画作品も、キリコの冒険と成長を描く重要なエピソードとなっているため、ぜひチェックしてほしい。

■まとめ

『装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』は、キリコの過去とレッドショルダーの秘密を描くことで、シリーズ全体の深みを増す重要な作品である。物語の魅力、キャラクターの魅力、メカニックデザイン、音楽と音響、映像と演出、全てが高水準であり、視聴者に強い印象を与える。ボトムズシリーズのファンだけでなく、メカニックアクションや深いストーリーを楽しみたい視聴者にも強く推薦する作品である。

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