『中二病でも恋がしたい! -Take On Me-』の映画版を徹底評価！

映画『中二病でも恋がしたい！ -Take On Me-』の詳細な評測と推薦

■公開メディア

劇場

■原作メディア

ライトノベル

■公開日

2018年01月06日 ～ 0000年01月01日

■配給会社

松竹

■分数

96分

■話数

1話

■原作

・原作 ／虎虎 (KAエスマ文庫／京都アニメーション)

■監督

・監督／石原立也

■制作

・アニメーション制作／京都アニメーション
・製作／中二病でも製作委員会

■著作

©虎虎／京都アニメーション／中二病でも製作委員会

■ストーリー

「十八歳。高校最後の年。なのに六花は……まだ中二病だった」

大学受験も見えてきた高校三年間近の夏休み。相も変わらず富樫勇太は小鳥遊六花と共同生活をしていた。しかし未だに上級契約も結べていない様子…。

そんなある日、姉の十花が六花をイタリアに連れて行くと宣言する。仕事も安定したので、家族で移住すると言うのだ。焦る勇太だったが、大学進学も危うい六花をこのままにしてはおけない、という十花の意見はごもっともだった。

このままでは二人が引き裂かれてしまう。心配した丹生谷らのいつものメンバーから、勇太はなんと"駆け落ち"を提案される。こうして、日本全国を舞台にした二人の逃走劇が、今始まるのだった。

■解説

語られるは、隠匿されし暗黒神話の最終章。さあ!一緒に旅に出よう

■キャスト

富樫勇太/福山 潤
小鳥遊六花/内田真礼
丹生谷森夏/赤﨑千夏
五月七日くみん/浅倉杏美
凸守早苗/上坂すみれ
七宮智音/長妻樹里
一色 誠/保志総一朗
小鳥遊十花/仙台エリ
富樫樟葉/福原香織
九十九七瀬/井上喜久子
六花の母/岩男潤子

■メインスタッフ

・原作/虎虎(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
・監督/石原立也
・脚本/花田十輝
・キャラクターデザイン/池田和美
・美術監督/篠原睦雄
・色彩設計/竹田明代
・設定/髙橋博行
・撮影監督/浦 彰宏
・3D監督/山本 倫
・音響監督/鶴岡陽太
・音楽/虹音
・主題歌アーティスト/ZAQ
・アニメーション制作/京都アニメーション
・製作/中二病でも製作委員会
・配給/松竹

■メインキャラクタ

・小鳥遊六花
邪王真眼の使い手を自称する、中二病の女の子。諸々の理由で同じマンションに住んでいた勇太と同居していたが、姉の十花に言われてイタリアに連れて行かれることに。大学に進学でも期待できれば日本に留まれるのだが、彼女にその学力は期待できず…。やむを得ず駆け落ちを決めた勇太に連れられて、十花から逃げ出すことになる。

・富樫 勇太
かつてダークフレイムマスターを自称していた元中二病の男の子。現中二病である六花と恋人であり、同居もしている。しかし未だにキスすらも碌にできておらず、本人もそれを焦っていないご様子。そんな折、六花がイタリアに連れて行かれることを知り、その時事実に焦りを覚える。その結果、くみんの助言もあって駆け落ちを決意する。

・丹生谷 森夏
勇太たちの友人。かつては彼女も「モリサマー」を自称するなど中二病を患っていたが、今はその過去を消し去りたいほどに後悔している。勇太と六花の進展しない恋愛関係にやきもきしていて、男らしくない勇太をよく責め立てている。それもあって二人の駆け落ちに賛同していたが、十花に弱みを握られてしまい、一転追いかける立場となる。

・五月七日くみん
常に枕を持ち歩き、どこでも眠ることができる程に睡眠をこよなく愛する女の子。勇太たちの一つ上の先輩でありこの冬に卒業を迎えたが、居心地の良さから未だ部室に足繁く通っている。六花がイタリアに連れていかれてしまうという勇太の相談に対し、駆け落ちを提案した張本人。

・凸守 早苗
邪王真眼である六花を崇拝し彼女のサーヴァントを名乗る中二病の女の子。一方で、現在は私立銀杏学園の生徒会長を務めるなど、真面目な面を持ち合わせている。彼女もまた十花に弱みを握られてしまい、保身のために丹生谷とともに六花を追いかけることになる。

・七宮 智音
魔法廃王少女ソフィアリング・SP・サターン7世──と名乗る中二病の女の子。勇太の旧友で、かつて勇太に恋をしていたが、恋よりも中二病であることを選んだ。六花と違い、中二病であることを自覚している。二人の駆け落ちを後押ししてくれ、逃走中も情報を届けてくれる。似た立場の六花を誰よりも心配している。

・小鳥遊十花
六花には「不可視境界線管理局のプリーステス」と呼ば警戒されている、六花の姉。六花にとって苦手な相手であり、六花の中二病をにべもなくあしらう。姉として六花の将来を心配しており、このままではダメだと六花をイタリアへ連れて行こうとする。非常に抜け目ない性格をしており、駆け落ちした勇太たちを容赦なく追い詰める。

■関連作品

・中二病でも恋がしたい!/KAエスマ文庫

■主題歌・楽曲

OP1
・JOURNEY
・歌 -/ZAQ

ED1
・こころのなまえ
・歌 -/ZAQ

映画『中二病でも恋がしたい！ -Take On Me-』の詳細な評測

映画『中二病でも恋がしたい！ -Take On Me-』は、2018年に公開された京都アニメーション制作の劇場版アニメーション作品です。この作品は、虎虎によるライトノベル『中二病でも恋がしたい！』を原作としており、原作のファンだけでなく、新たな視聴者にも広く受け入れられました。以下では、この映画のストーリー、キャラクター、制作背景、音楽、そして視聴者への推薦について詳しく解説します。

ストーリーの魅力

映画のストーリーは、高校3年生の夏休みを迎えた富樫勇太と小鳥遊六花の物語です。六花の姉、十花が六花をイタリアに連れて行くと宣言したことから、勇太は六花との別れを恐れ、友人たちの助言を受けて駆け落ちを決意します。この駆け落ちを中心に展開する物語は、青春の甘酸っぱさと中二病の独特な世界観が絶妙に融合しています。

特に印象的なのは、勇太と六花の関係性です。二人は同居しながらも、未だに上級契約（キス）を結べていないという状況が、視聴者に共感を呼びます。また、駆け落ちという大胆な行動を通じて、二人の絆が深まる過程が丁寧に描かれており、青春映画としての魅力が十分に感じられます。

さらに、物語の舞台が日本全国に広がることで、視覚的な豊かさも加わります。各地の風景や文化が描かれることで、視聴者は勇太と六花の旅路に感情移入しやすくなります。この点も、映画の魅力を高める要素となっています。

キャラクターの魅力

映画のキャラクターは、それぞれが個性的で魅力的です。特に、主人公の勇太と六花のキャラクター設定は、原作の魅力を引き継ぎつつ、映画独自の深みを加えています。

勇太は、かつて中二病だった過去を持つ元中二病の少年です。彼の成長と六花への想いが、視聴者に共感を呼びます。一方、六花は中二病を自称する少女で、彼女の独特な言動や行動が物語にユーモアと感動を与えます。彼女の「邪王真眼」の設定は、原作ファンにとってはお馴染みですが、映画ではさらに深化しています。

また、丹生谷森夏、五月七日くみん、凸守早苗、七宮智音といったサブキャラクターも、物語を盛り上げる重要な役割を果たしています。特に、森夏の勇太へのツッコミや、くみんの独特なキャラクターが、視聴者に笑いを提供します。また、早苗と智音のキャラクターは、六花との関係性を通じて、物語の深みを増しています。

六花の姉、十花のキャラクターも見逃せません。彼女の冷静で計算高い性格が、勇太と六花の駆け落ちを追い詰める一方で、姉としての愛情も感じられます。このキャラクターの多面性が、物語に緊張感とドラマ性を加えています。

制作背景とスタッフの功績

映画『中二病でも恋がしたい！ -Take On Me-』は、京都アニメーションの制作によるものです。京都アニメーションは、美しいビジュアルと丁寧な作画で知られるスタジオであり、この映画でもその技術力が遺憾なく発揮されています。

監督の石原立也は、原作の世界観を尊重しつつ、映画独自のストーリーを構築しました。彼の演出は、視聴者に感情移入を促すとともに、物語のテンポを巧みにコントロールしています。また、脚本の花田十輝は、原作の魅力を引き出しつつ、映画の尺に合わせた展開を描き出しました。

キャラクターデザインの池田和美は、原作のキャラクターを忠実に再現しつつ、映画独自のビジュアルを加えています。特に、六花の「邪王真眼」の描写は、視覚的に非常にインパクトがあります。また、美術監督の篠原睦雄と色彩設計の竹田明代は、美しい背景と色彩で物語を彩りました。撮影監督の浦彰宏と3D監督の山本倫は、映像の美しさを追求し、視聴者に感動を与えました。

音響監督の鶴岡陽太は、キャラクターの声優たちの演技を引き出し、視聴者の感情を揺さぶる効果音やBGMを配置しました。音楽の虹音は、物語の雰囲気に合わせた美しいメロディを提供し、視聴者の心を捉えました。主題歌アーティストのZAQは、OPの「JOURNEY」とEDの「こころのなまえ」で、物語のテーマを歌い上げました。これらのスタッフの功績により、映画は視覚的にも聴覚的にも非常に高い完成度を誇っています。

音楽の魅力

映画の音楽は、物語の雰囲気を盛り上げる重要な要素です。特に、ZAQによるOP「JOURNEY」とED「こころのなまえ」は、視聴者の心に深く響きます。「JOURNEY」は、勇太と六花の旅路を象徴するような力強い曲で、視聴者に冒険心を喚起します。一方、「こころのなまえ」は、二人の絆と愛情を歌い上げる感動的な曲で、視聴者の涙を誘います。

また、虹音によるBGMも、物語の展開に合わせて巧みに配置されています。特に、勇太と六花の駆け落ちシーンや、十花との対峙シーンでは、音楽が視聴者の感情を引き立てる役割を果たしています。これらの音楽が、映画の魅力をさらに高めています。

視聴者への推薦

映画『中二病でも恋がしたい！ -Take On Me-』は、原作ファンだけでなく、新たな視聴者にも強く推薦できる作品です。青春の甘酸っぱさと中二病の独特な世界観が融合したストーリーは、視聴者に共感と感動を与えます。また、個性的で魅力的なキャラクターたちが、物語を盛り上げる重要な役割を果たしています。

さらに、京都アニメーションの美しいビジュアルと丁寧な作画、ZAQと虹音による感動的な音楽も、映画の魅力を高めています。視聴者は、勇太と六花の旅路に感情移入し、二人の絆と愛情に涙することでしょう。

この映画は、青春映画やアニメーション映画が好きな人、原作のファン、そして新たな視聴者にとって、必見の作品です。ぜひ、劇場で、または配信サービスで視聴し、勇太と六花の感動的な物語を体験してください。