ノブナガン：歴史とSFの融合が生む新たな戦いの魅力

ノブナガン - 歴史と未来が交差する戦いの物語

2014年に放送されたTVアニメシリーズ「ノブナガン」は、久正人の原作漫画を基にした作品であり、歴史上の偉人たちの遺伝子を受け継いだ戦士たちが、地球を侵略しようとする「進化侵略体」と戦う姿を描いています。この作品は、歴史とSF、そしてアクションが融合した独特の世界観を持ち、視聴者に新鮮な驚きを提供しました。

ストーリー

物語は1582年の本能寺の変から始まります。織田信長が明智光秀の謀反に遭い、炎に包まれる中、遮光器土偶に似た謎の生命体と遭遇します。そして時は流れ、現代。台湾への修学旅行中に「進化侵略体」の襲撃に遭遇した女子高生、小椋しおは、E遺伝子ホルダー「切り裂きジャック」と出会います。しおの中に眠っていた織田信長のE遺伝子が目覚め、彼女は「ノブナガン」として戦うことになります。

この物語は、歴史上の偉人たちのE遺伝子を受け継いだ戦士たちが、地球を守るために戦う姿を描いています。各エピソードでは、織田信長、切り裂きジャック、マハトマ・ガンジー、アイザック・ニュートンなど、様々な歴史的人物のE遺伝子を持つキャラクターが登場し、彼らの個性や能力が物語を盛り上げます。

キャラクター

主人公の小椋しおは、兵器オタクで特撮好きという女子高生らしからぬ趣味を持つ少女です。団体行動が苦手で、人付き合いも苦手と自称する彼女ですが、織田信長のE遺伝子を受け継いだことで、戦闘時には大胆な言動と驚くべき戦闘勘を発揮します。彼女のAUウェポンは、可変可能な右腕からくり出す巨大な銃で、25人目のE遺伝子ホルダーとして注目を集めます。

切り裂きジャックことアダム・ミューアヘッドは、自信家で皮肉屋の男性です。独断専行をとることもしばしばですが、その能力は本物で、当初はしおを「半人前」と見下していました。彼のE遺伝子はかつてロンドンを騒がせた殺人鬼のもので、身の丈ほどのナイフで戦います。

マハトマ・ガンジーことマヘシュ・ミルザは、鉄壁のバリアで戦うE遺伝子ホルダーですが、本人は「バリア」をダサいと嫌っています。変わり者ぞろいのE遺伝子ホルダーの中では穏やかな常識人ですが、平常時には打って変わって積極的（特に女性に対して）な一面も見せます。

アイザック・ニュートンことジェス・ベッカムは、高慢かつ攻撃的な女性で、誰に対しても容赦しません。しかし、非戦闘時には誰彼構わずキスをする博愛主義者（？）に変貌します。彼女の能力は重力を操り、踏みつけた物を重くすることができます。

その他にも、ロバート・キャパ、フランソワ・ヴィドック、ガリレオ・ガリレイ、ジョン・ハンター、ジェロニモ、スーホ、アントニ・ガウディなど、個性豊かなキャラクターが登場し、物語を盛り上げます。また、進化侵略体に滅ぼされた母星から地球に飛来した異星人「土偶」や、超国家機関DOGOOの創設者「司令」、彼女を補佐する「サンジェルマン」など、謎多きキャラクターも登場します。

メカウェポンとアイテム

「ノブナガン」では、E遺伝子ホルダーたちが使用するメカウェポンやアイテムが重要な役割を果たします。進化侵略体には、揚陸艇型、歩兵型、飛行艇型など様々な種類があり、それぞれが異なる脅威を地球にもたらします。

E遺伝子ホルダーたちのメカウェポンには、AUボール、ノブナガン、信長の銃、降下ポッドなどがあり、それぞれのキャラクターの個性や能力に合わせたデザインが施されています。これらのメカウェポンは、戦闘シーンを盛り上げるだけでなく、物語の進行にも大きな影響を与えます。

サブタイトルとエピソード

「ノブナガン」は全13話で構成されており、各エピソードには「一ノ銃」「二ノ銃」といったサブタイトルが付けられています。各エピソードでは、E遺伝子ホルダーたちの戦いや成長、そして進化侵略体との戦いが描かれ、物語は徐々にクライマックスへと向かいます。

特に印象的なエピソードとしては、「三ノ銃／キャパの島」ではロバート・キャパの過去が明らかになり、「七ノ銃／ムサシ・ワンダー」では新たなE遺伝子ホルダーが登場するなど、物語の展開に大きな影響を与えるエピソードが多数含まれています。また、「十一ノ銃／ストーンフォレスト作戦・前編」と「十二ノ銃／ストーンフォレスト作戦・後編」では、E遺伝子ホルダーたちの団結と戦いが描かれ、物語のクライマックスへと繋がります。

主題歌と楽曲

「ノブナガン」のオープニングテーマは、Pay money To my Painによる「Respect for the dead man」です。この曲は、E遺伝子ホルダーたちの戦いと覚悟を象徴するような力強い楽曲で、視聴者に強い印象を与えます。

エンディングテーマは、「ちいさな星 ver.α」と「ちいさな星 ver.β」の2種類が使用されています。「ちいさな星 ver.α」は小椋しお（武藤志織）、ニュートン（浅川悠）、ガリレオ（上坂すみれ）による歌唱で、「ちいさな星 ver.β」は小椋しお（武藤志織）、ジェロニモ（斉藤千和）、スーホ（田村睦心）、ガウディ（村瀬歩）による歌唱です。これらの楽曲は、E遺伝子ホルダーたちの絆や友情を表現しており、物語の感動を引き立てます。

制作スタッフ

「ノブナガン」の監督は近藤信宏、副監督は古田丈司が務めました。シリーズ構成は山口宏、キャラクターデザインはKAZZ・Tと松下浩美、メカニックデザインは高瀬健一と中田博文が担当しました。また、美術監督は高橋麻穂、色彩設計は舟田圭一、撮影監督は佐藤勝史、編集は坂本久美子、音楽は新屋豊、音響監督は土屋雅紀が務めました。アニメーション制作はブリッジ、製作著作は「ノブナガン」製作委員会が行いました。

放送情報

「ノブナガン」は2014年1月5日から3月30日まで放送されました。放送局はTOKYO MX、読売テレビ、中京テレビ、BS11、AT-Xなどで、各局ごとに異なる時間帯で放送されました。また、ニコニコ動画、日テレオンデマンド、バンダイチャンネル、ビデオマーケット、NTTぷらら、showtime、DMM.com、テレビドガッチ、HAPPY!動画、U-NEXT、GyaO！など、様々なネット配信サービスでも視聴可能でした。

評価と感想

「ノブナガン」は、歴史とSF、そしてアクションが融合した独特の世界観と、個性豊かなキャラクターたちが魅力的な作品です。E遺伝子ホルダーたちの戦いや成長、そして進化侵略体との戦いが描かれる中で、視聴者は彼らの絆や友情に感動し、物語の展開に引き込まれます。また、メカウェポンやアイテムのデザインも秀逸で、戦闘シーンを盛り上げるだけでなく、物語の進行にも大きな影響を与えます。

しかし、一方で「ノブナガン」は、物語の展開がやや急ぎ足で、キャラクターの掘り下げが十分でない部分もありました。また、進化侵略体の背景や目的が明確に描かれていないため、物語の全体像が見えにくいという意見もありました。それでも、「ノブナガン」はその独特の世界観と魅力的なキャラクターたちで、多くの視聴者に愛されました。