『フリージング ヴァイブレーション』OVAの感動と興奮を振り返る

フリージング ヴァイブレーション 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA - フリージング ヴァイブレーション フルエチャウ フリージング ヴァイブレーションオーブオエー

■公開メディア

OVA

■原作メディア

漫画

■発売日

2013年12月25日

■発売・販売

・販売元／メディアファクトリー

■分数

5分

■話数

6話

■原作

・原作／林達永、金光鉉(コミックヴァルキリーWeb版連載中・キルタイムコミュニケーション刊)

■監督

・監督／渡部高志

■制作

・アニメーション制作／A・C・G・T
・製作／フリージング　ヴァイブレーション製作委員会

■著作

©2013 林達永・金光鉉・アートリムメディア・キルタイムコミュニケーション／フリージング ヴァイブレーション製作委員会

■ストーリー

人類を襲う謎の敵《異次元体ノヴァ》との戦いで最愛の姉を失った少年・アオイ=カズヤは、ノヴァに対抗できる力を持った戦士《パンドラ》とそのパートナー《リミッター》の育成機関の一つ《ウエストゼネティクス》へ編入する。

そこでカズヤは《接触禁止の女王》として恐れられる少女・サテライザー=エル=ブリジットと出会う。亡き姉の面影を残したサテライザーに惹かれるカズヤは、拒絶されながらも彼女と共に戦いへと身を投じ、徐々にその距離を縮めていく。

そんな中、《ゼネティックス》の上位機関である《シュバリエ》の命令によって、カズヤたちはアラスカにある基地へと派遣される。そこでは新たなノヴァへの対抗策として、人工的にパンドラを作り出す《Eパンドラ計画》が進められていた。

■解説

2013年12月25日発売、パッケージ版フリージング ヴァイブレーション Vol.1に収録。新作ショートアニメのOVA。

■キャスト

・サテライザー=エル=ブリジット／能登麻美子
・アオイ=カズヤ／市来光弘
・ラナ=リンチェン／花澤香菜
・エリザベス=メイブリー／甲斐田裕子
・シフォン=フェアチャイルド／井上麻里奈
・キャシー=ロックハート／釘宮理恵
・ロックサンヌ=エリプトン／寺川愛美
・シャルル=ボナパルト／山口立花子
・ユリア=ムンベルク／東城日沙子
・アミリア=エヴァンス／三森すずこ
・ジーナ=パープルトン／橘田いずみ
・ラトル／桑原由気
・スカーレット=大原／雪野五月
・アオイ=源吾／斧アツシ

■メインスタッフ

・原作／林達永、金光鉉(コミックヴァルキリーWeb版連載中・キルタイムコミュニケーション刊)
・監督／渡部高志
・助監督／羽多野浩平
・シリーズ構成、脚本／赤星政尚
・キャラクターデザイン、総作画監督／渡辺真由美
・アクション作画監督／須賀重行
・美術監督／諸熊倫子
・設定デザイン／きむらひでふみ
・メカデザイン／川原智弘
・色彩設定／西表美智代
・撮影監督／武原健二
・編集／西山茂
・音響監督／辻谷耕史
・音楽／横山克
・音楽制作／KADOKAWA(メディアファクトリー)
・プロデュース／エスウッド
・アニメーション制作／A・C・G・T
・製作／フリージング　ヴァイブレーション製作委員会

■メインキャラクタ

・サテライザー＝エル＝ブリジット
《接触禁止の女王》として恐れられる2年生最強のパンドラ。ゼネティックスの企業母体である軍事複合企業エル＝コーポレーションの令嬢であもある。カズヤをリミッターとして認めてはいるが、洗礼は行っていない。

・アオイ＝カズヤ
サテライザーのリミッターに自ら志願した少年。イレインバーセットなしで、フリージングを発動できる。最愛の姉・カズハをノヴァによって失った過去を持つ。《聖痕体》と呼ばれる特異体質者。

・ラナ＝リンチェン
チベットからの留学生。運命の殿方（リミッター）を見つけるべく、ウエストゼネティックスにきた。カズヤのことを気に入り、自分のリミッターにしようとしている。生まれながらにして聖痕をその身に宿している。

・キャシー＝ロックハート
《イーストゼネティックス》の3年生で、同ゼネティックスの学年順位1位。《神速》の異名を持つ。全ゼネティックスの3年生の中で最強と呼ばれている五人のうちの一人に数えられる実力者。リミッターは水瀬恭一。

・シフォン＝フェアチャイルド
《ウエストゼネティックス》の生徒会長で、《怪物》の異名を持つ無敗の実力者。全ゼネティックスの3年生の中で最強と呼ばれている五人のうちの一人。その目はいつも笑っている。リミッターはユジン。

・エリザベス＝メイブリー
《ウエストゼネティックス》のNo.2で、3年生を取り仕切る中心人物。正義感が強く、弱き者を守るためには自分の危険を恐れない勇気を持っている。大財閥メイブリーグループの令嬢。リミッターはアンドレ。

・ロックサンヌ＝エリプトン
《アメリカゼネティックス》の3年生で、同ゼネティックス学年順位1位。《不死身》の異名を持つ。全ゼネティックスの3年生の中で最強と呼ばれる五人のうちの一人で、明るい姉御肌。リミッターはハン＝シジン。

・シャルル＝ボナパルト
《フランスゼネティックス》の3年生で、同ゼネティックス学年順位1位。全ゼネティックスの3年生の中で最強と呼ばれる五人のうちの一人。小柄な少女で、常にヘッドフォンをつけている。リミッターはシトロエン。

・ユリア＝ムンベルク
《ドイツゼネティックス》の3年生で、同ゼネティックス学年順位1位。全ゼネティックスの3年生の中で最強と呼ばれる五人のうちの一人で、《異端児》の異名を持つ。無表情で感情の起伏がない。

・アミリア＝エヴァンス
第1期Eパンドラたちのリーダー格。Eパンドラとしての自分や仲間に誇りを持っており、Eパンドラ計画を進める大原に信頼を寄せている。仲間たちを大切にしており、彼女たちのためなら、自己犠牲を厭わないほど。

・ラトル
Eパンドラの一人。餓えずにすむという理由から、Eパンドラへ志願した少女。

・ジーナ＝パープルトン
Eパンドラの一人。親に売られ、たらい回しにされる生活から逃れようと、Eパンドラとなった。

・スカーレット＝大原
《Eパンドラ計画》の最高責任者。かつてはカズヤの祖父であるアオイ＝源吾の下で研究に携わっていたが、とある理由から彼の元を去った過去を持つ。

■メインロボ・アイテム

・パンドラ
全ての現代兵器を無力化するノヴァと戦うことが出来る能力を持つ女性のこと。体に埋め込んだ聖痕の能力によって、常人の比ではない身体能力、及び驚異的な治癒能力を持つ。この聖痕との適性が一定値に満たないものはパンドラになれない。

・リミッター
ノヴァが使うフリージングと同じ能力を使える男性のこと。戦いの際にはパンドラのパートナーとなり、ノヴァのフリージング能力を中和し、パンドラの移動領域を確保する。リミッターになる為にはパンドラの身体で熟成された聖痕を一つ以上移植させなければならない。リミッターの適合率はパンドラより年下の男性が一番高いとされている。

・ゼネティックス
対異次元体対応組織。パンドラおよびリミッターを育成する士官学校。全世界に存在する。

・ボルトテクスチャ
パンドラが聖痕の力を使って装着する特殊形状分子。強力な防御能力を持つ様々なコスチュームを具現化させる事が出来る。長時間使用すると聖痕と肉体に負荷がかかるため、戦闘時のみ使用する。しかし、熟練されたパンドラの中には戦闘時だけではなく、日常的に制服をボルトテクスチャで生成する者もいる。装着の際、身体の能力も活性化されるので視力なども上昇する。

・ボルトウェポン
パンドラが聖痕の力を使って生成する武器。形態はパンドラによってことなる。

・イレインバー
ニューロンよりずっと深いところから人間の五感をコントロールする未知の感覚器官。

・イレインバーセット
パンドラとリミッターがイレインバーを共有すること。戦闘中、イレインバーセットを行うことにより、リミッターはフリージングが使えるようになる。

・フリージング
ノヴァが使用するこの世の全ての物理的行動を停止する特殊能力。ゼネティックスの聖痕技術で、男性のリミッターも使用することが出来、ノヴァのフリージング能力を中和出来るようになった。しかし、ノヴァの力は強大なため、リミッターがノヴァ本体の動きを止める事は不可能。

・ノヴァ
人類を襲う謎の敵。実在する全ての現代兵器を無力化する力を持っている。詳細不明。

・第8次ノヴァクラッシュ
四年前の、異次元体ノヴァの八度目の本格的な侵攻。タイプSが日本に出現し、カズヤの姉であるカズハがその命と引き換えに倒した。

・カーニバル
各学年ごとに、実戦を想定して行われる公式戦。パンドラの学年ランクを決定するための戦いなので、リミッターの参加は不可。

・ノヴァウェポン
聖痕をより活性化し、ボルトウェポンよりノヴァに近い組織で進化させた武器。強力であるが、聖痕のオーバーフローを起こす可能性が高い。

・ノヴァフォーム
聖痕を限界まで活性化させ、人体をノヴァに近い性質に変化させること。驚異的な戦闘能力が得られるが、限界を超えてしまうと死亡するかノヴァ化してしまう。

・ノヴァクラッシュ
ノヴァによる地球への侵攻事態の呼称。現在第10次ノヴァクラッシュまで発生している。

・パンドラモード
パンドラが聖痕を活性化し過ぎた時、オーバーフローを抑えるためための制御システム。通常時より能力はアップし、限られた時間ならフリージング領域での活動も可能。ノヴァフォームより性能は劣るが、暴走を制御しているためパンドラの安全は保障されている。通常は３年生から装着されるが、一部の２年生にも実験的に装着されている。ただし、実験運用中なので使用には許可が必要。

・ハイエンドスキル
第8次ノヴァクラッシュの際にアオイ＝カズハが編み出した技術を原型として開発された聖痕戦闘スキル。1、2年生はまだ聖痕の熟成度が低く負担になるため使用が禁止されている。 速度を高める「アクセル・ターン」、分身で攻撃回数を増やす「テンペスト・ターン」など存在する。

・アクセル・ターン
ハイエンドスキルの代表的な技のひとつ。移動の効率を高めるための技。限界まで引き上げた体への負担を一気に爆発させ加速する。移動速度が飛躍的に上がるが、方向転換がしにくくなる欠点がある。

・ダブル・アクセル
アクセル・ターンの進化形。アクセルを掛けた状態で再度アクセルを掛け、２度目のアクセルを掛ける際に方向転換を行う。速度も通常のアクセル・ターンより、1.5～2倍まで速くなる。

・トリプル・アクセル
ダブル・アクセルを強化したもの。3度までアクセルを掛け、同時に方向転換も可能。速度はアクセル・ターンの3倍以上。

・クワトロフル・アクセル
アクセル系スキルの最終形態。4度までアクセルと方向転換が可能。現在、これ以上のアクセルを使いこなせたパンドラは存在していない。

・ノー・インターバル・ダブル・アクセル
一般のアクセル・ターンのように2度のアクセルを掛けて速度を上げるのではなく、最初からダブル・アクセルをインターバルなしで行う技。通常のダブル・アクセルより速度が速い。また、アーネットはこの技を「スタートダブル・アクセル」と呼んでいる。

・テンペスト・ターン
ハイエンドスキルの代表的な技のひとつ。聖痕のボルトテクスチャの機能を応用し、物理的な分身を生み出して攻撃回数を増やす技。しかし、すぐオーバーフローを起こしてしまうため、分身の数と維持時間に限度がある。

・イリュージョン・ターン
シフォン＝フェアチャイルドが使用するハイエンドスキル。目でとらえる事も、気配を感じる事も不可能な技。時間を停止させているのか、テレポート移動なのか、未だにその原理は不明。

・エル・コーポレーション
世界各国の経済界はおろか、ゼネティックスにさえも大きな影響力を持つ巨大なグローバル企業。表の世界、裏の世界ともに絶対的な力を持っている。総帥はサテライザーの父、ハワード＝エル＝ブリジッド。

・聖痕
ゼネティックスがノヴァの組織を研究して作成した最新技術のチップ。「聖痕はノヴァの遺伝子そのものを使用しているのではないか？」と噂が流れているがゼネティックス側は黙秘している。適合者の適合率によって移植数が決まり、通常は２個～４個。数に応じて得られる能力も増える。

・洗礼
パンドラとリミッターが正式なパートナーとなるための儀式。パンドラが自らの体内で1年以上熟成させた聖痕を、リミッターに再移植することで儀式は完了となる。この時点からリミッターにフリージング能力が生まれ、パンドラとイレインバーセットする事でフリージングが使えるようになる。

・スティグマ・サテライト・システム
光線攻撃などを使用できないパンドラに、遠距離攻撃が出来るように作られた衛星ビーム兵器システム。衛星から送られて来るビームを、パンドラが具現したスティグマ・サテライト・システムに反射し、対ノヴァ用ビームに変換して攻撃する。瞬時に攻撃対象の座標を計算し、ビームを対ノヴァ用の攻撃に変換できる能力を持たなければならないので、この技を操れるパンドラは数少ない。

・フリージング・中和
相手のフリージング能力を、自分のフリージング能力で相殺する事。使用者の能力が高ければ、相手の力を中和した上、さらにフリージングさせる事も可能。

■関連作品

・フリージング（2011年1月）

フリージング ヴァイブレーション 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA - フリージング ヴァイブレーション フルエチャウ フリージング ヴァイブレーションオーブオエー 評測と推薦

「フリージング ヴァイブレーション 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA」は、2013年12月25日に発売されたOVA作品で、原作は林達永と金光鉉による漫画「フリージング」です。このOVAは、メディアファクトリーから販売され、全6話で構成されています。アニメーション制作はA・C・G・Tが担当し、監督は渡部高志が務めました。物語は、人類を襲う謎の敵《異次元体ノヴァ》との戦いを描いており、主人公のアオイ=カズヤが姉を失った後、《パンドラ》と《リミッター》の育成機関《ウエストゼネティクス》に入学し、《接触禁止の女王》サテライザー=エル=ブリジットと出会うことから始まります。

この作品の魅力は、何と言ってもその独特な世界観とキャラクターの深みにあります。ノヴァという未知の敵と戦うために生まれたパンドラとリミッターの関係性は、単なる戦士とパートナーという枠を超えて、人間ドラマとしても非常に興味深いものです。特に、カズヤとサテライザーの関係は、拒絶と惹かれ合いの間で揺れ動く彼らの心の動きが丁寧に描かれており、視聴者を引き込む力があります。また、Eパンドラ計画という新たな要素が加わることで、物語にさらなる深みと緊張感が生まれています。

キャラクターの設定も非常に魅力的です。サテライザーは冷徹な外見とは裏腹に、内面には深い傷を抱えており、そのギャップが彼女の魅力を引き立てています。カズヤは姉を失った過去を持つ一方で、強い意志と優しさを持ち合わせたキャラクターとして描かれています。また、ラナやキャシー、シフォンなど、個性豊かなキャラクターが多数登場し、それぞれの背景や成長が描かれることで、物語全体が豊かになっています。

OVAの制作スタッフも豪華で、キャラクターデザインと総作画監督を渡辺真由美が担当し、アクション作画監督には須賀重行が名を連ねています。美術監督の諸熊倫子や設定デザインのきむらひでふみ、メカデザインの川原智弘など、各分野のプロフェッショナルが集結しており、そのクオリティの高さが作品全体に反映されています。特に、アクションシーンの描写は非常にリアルで迫力があり、視聴者を引き込む力があります。

キャストも豪華で、サテライザー役の能登麻美子やカズヤ役の市来光弘、ラナ役の花澤香菜など、声優陣の演技がキャラクターの魅力を最大限に引き出しています。特に、能登麻美子のサテライザーは、冷徹さと脆さを絶妙に表現しており、視聴者の心を捉えます。また、市来光弘のカズヤも、強い意志と優しさを感じさせる演技が印象的です。

このOVAは、原作のファンだけでなく、アクションやSFが好きな人にもおすすめです。短いエピソードながらも、濃密なストーリーとキャラクターの魅力が詰まっており、何度でも楽しめる作品となっています。また、Eパンドラ計画という新たな要素が加わることで、原作とはまた違った視点から物語を楽しむことができます。

さらに、この作品は関連作品として「フリージング」（2011年1月）があり、そちらも合わせて視聴することで、より深く世界観を理解することができます。「フリージング」は、ノヴァとの戦いやパンドラとリミッターの関係性を中心に描かれており、OVAと合わせて見ることで、より一層の楽しみが得られるでしょう。

総じて、「フリージング ヴァイブレーション 震えちゃう♥フリージング ヴァイブレーションOVA」は、独特の世界観と魅力的なキャラクター、そして高品質な制作スタッフとキャストによって支えられた、非常に見応えのある作品です。アクションやSFが好きな人、原作のファンにはぜひおすすめしたい一作です。