『ファイ・ブレイン神のパズル』レビュー：謎解きのスリルとドラマの融合

ファイ・ブレイン神のパズル - 究極のパズルバトルと青春の物語

「ファイ・ブレイン神のパズル」は、2011年10月2日から2012年4月1日までNHK Eテレで放送されたアニメシリーズです。原作は矢立肇、監督は佐藤順一、制作はサンライズとNHKエンタープライズが担当しました。この作品は、パズルをテーマにした学園アドベンチャーであり、主人公の大門カイトとその仲間たちが謎の頭脳集団POGと対決しながら、神のパズルを解き明かす物語です。

ストーリー

パズルが大好きな高校生・大門カイトは、幼なじみの井藤ノノハとともに、学園近くの地下遺跡に隠された「解けない迷路」に挑みます。その迷路は、謎の頭脳集団POGが作り出した【賢者のパズル】で、挑戦者の命を奪うワナがいくつも仕掛けられていました。カイトは【オルペウスの腕輪】という「財」を手に入れ、世界のどこかにある【神のパズル】を解くことができる存在＝【ファイ・ブレイン】の候補者として認められ、【アインシュタインの称号】を受けます。これをきっかけに、カイトとノノハ、そして彼らの周りに集うファイ・ブレインの候補者たちは、POGとの命がけのパズル・バトルに挑むことになります。

キャラクター

主人公の大門カイトは、イギリスから帰国して私立√（ルート）学園高等部1年に編入した少年です。賢者のパズルを開放したことで【アインシュタインの称号】を得て、何よりもパズルを解くのが好きな【生粋のソルヴァー】です。挑むパズルが難しいほど集中力・直感力・洞察力を発揮し、【パズルの作者の思い】を感じ取る繊細さを持っています。カイトの幼なじみで同級生の井藤ノノハは、明るく活発な少女で、スポーツ万能で記憶力も抜群ですが、パズルだけは苦手です。彼女のスイーツ作りが趣味で、カイトはそれが苦手という面白い設定もあります。

カイトのライバル・ソルヴァーである逆之上ギャモンは、【ガリレオの称号】を持ち、パズル能力もカイトに匹敵します。「俺の頭脳は金になる」と言い放ち、独占的でスタンドプレイな行動が多いですが、情に弱いところもあります。キュービック・G（ガロア）は【エジソンの称号】を持ち、様々な発明品を生み出す少年で、カイトに興味を持ち追跡するのが趣味です。アナ・グラムは【ダ・ヴィンチの称号】を持ち、美術室に閉じこもって創作に没頭する生徒で、芸術全般に優れた才能を発揮します。

軸川ソウジは√学園の生徒会長＆パズル部部長で、飄々としてやさしい性格ですが、不穏な言動も見え隠れします。解道バロンは√学園の学園長で、世界各地から才能がある少年少女を集め、歴史上の天才たちの名を称号として与えています。POGの幹部ギヴァーであるルーク・盤城・クロスフィールドは、カイトにこだわり次々とパズル・バトルを仕掛けてきます。ビショップはルークの側近で、ルークの指示のもとカイトたちにバトルを仕掛けてきます。ヘルベルト・ミューラーはPOG極東本部長で、カイトを倒すためパズル・バトルの指揮を執ります。

制作スタッフ

この作品の原作は矢立肇、監督は佐藤順一、ディレクターは遠藤広隆、シリーズ構成は関島眞頼、脚本は関島眞頼、樋口達人、野村祐一、根元歳三、小林英造、加藤陽一が担当しました。キャラクターデザインは佐々木洋平、パズルデザインは郷内邦義、美術監督は中村典史、色彩設計は井上あきこ、撮影監督は千葉洋之、音楽は井筒昭雄、音響監督は鶴岡陽太、アニメーションプロデューサーは梅崎淳志と古里尚丈、制作統括は福田貴美子、野島正宏、尾崎雅之が務めました。アニメーション制作はサンライズ、制作はNHKエンタープライズ、制作・著作はNHKとサンライズです。

エピソード

全25話からなるこのシリーズは、各話ごとに異なるパズルとキャラクターの成長を描いています。第1話「迷宮にひそむ契約」から始まり、第25話「パズルタイムの始まりだ！＜終＞」で完結します。各エピソードでは、カイトと仲間たちが新たなパズルに挑戦し、POGとの戦いを通じて成長していく姿が描かれています。

評価と推薦

「ファイ・ブレイン神のパズル」は、パズルをテーマにしたアニメとしては非常にユニークで、視聴者を引き込むストーリーとキャラクターが魅力です。特に、パズルを解くシーンは緊張感があり、視聴者も一緒に考えさせられるような作りになっています。また、キャラクターの成長や友情、ライバル関係など、青春ドラマとしての要素も豊富で、幅広い層に楽しめる作品です。

推薦するポイントとしては、まずパズル好きの人には必見です。各エピソードで登場するパズルは実際に解くことができるものもあり、視聴後の余興として楽しむことができます。また、学園アドベンチャーとしても楽しめるので、青春ドラマが好きな人にもおすすめです。さらに、謎解きや頭脳バトルが好きな人にも満足できる内容となっています。

この作品は、NHK Eテレで放送されたこともあり、家族で見ることができる内容でもあります。子供から大人まで楽しめるので、ぜひ一度視聴してみてください。パズルの世界に引き込まれ、キャラクターたちの成長と冒険に心を打たれることでしょう。