.hack//Quantum 1のレビュー：新たな冒険の始まりとその魅力

.hack//Quantum 1 - ドットハック クァンタム イチ - の詳細な評測と推薦

■公開メディア

OVA

■原作メディア

ゲーム

■発売日

2011年01月

■発売・販売

バンダイビジュアル

■分数

51分

■話数

1話

■原作

.hack Conglomerate

■監督

橘 正紀

■制作

アニメーション制作／キネマシトラス

■ストーリー

攻略不可能と言われるイベント「ザワン・シン」
そこに無謀にも挑む３人組のパーティがあった。
双剣士のサクヤ、斬刀士トービアス、そして撃剣士メアリ。
彼女達は迷宮で道に迷い、モンスターに追われている間に冒険者ギルド「八咫鏡」と遭遇する。が、うっかり発動させたトラップにギルドメンバーをはめてしまい大惨劇を引き起こす。翌日、賞金首となってしまった彼女達はタウン内でも付け狙われることに。
逃げ惑うサクヤの前に、ハーミットと名乗る猫型プレイヤーが現れこう尋ねてくるのだった「キミ、あそこで何か変わったもの拾わなかった？」はたしてハーミットの探し物とは！？

■解説

【.hack】とは・・・
全世界で1000万人を越すプレイヤーが参加している、多人数が同時に参加することのできるオンラインRPG『The World』。 2022年現在、提供されているのは「R:X(リビジョンエックス)」であり、CC社によって運営されている。

2018年に休止となった「R:2」から２年のブランクはできてしまったが、
『The World』は再び多くのユーザーにとっての日常となっていた。

文字通り「世界」といえる規模と自由な操作性を提供するこのゲームは、システムとして用意されているクエストやルールだけでなく、プレイヤー達の主体性から生まれた秩序と多種多様な楽しみ方がなされており、新たなコミュニケーションの場として活気づいていた。

サクヤ、トービアス、メアリの3人組パーティも御多分に漏れず、自由気ままにこの世界を満喫している。
時にはクエストクリアを目指して冒険に出かけ、またある時は心の趣くまま目的地も定めず旅立ち、そしてまたある時は、チャットをして過ごす。
ゲーム画面の彼方には、プレイヤーにとって仮想ではない、もう一つの世界が間違いなくあるのだ。

とあるクエストでの出会いをきっかけに、サクヤたちの冒険は大きく変わっていくことになる。

■キャスト

・サクヤ／花澤香菜
・トービアス／沢城みゆき
・メアリ／藤村 歩
・ハーミット／小倉 唯
・シャムロック／小林沙苗
・スミス／岩崎征実

■メインスタッフ

・原作／.hack　Conglomerate
・監督／橘 正紀
・脚本／浜崎達也
・キャラクター原案／貞本義行、細川誠一郎、喜久屋めがね
・キャラクターデザイン、総作画監督／長谷部敦志
・クリーチャーデザイン／安藤賢司
・メカニカルデザイン／高倉武史
・セットデザイン／菱沼由典
・美術監督／竹田悠介
・色彩設計／加藤里恵
・編集／奥田浩史
・撮影監督／木村俊也
・３Ｄ監督／井野元英二
・音響監督／たなかかずや
・音楽／大谷 幸
・音楽制作／フライングドッグ
・監修／松山 洋（サイバーコネクトツー）、新里裕人（サイバーコネクトツー）、内山大輔（バンダイナムコゲームス）、中田理生（バンダイナムコゲームス）
・アニメーション制作／キネマシトラス

■メインキャラクタ

■プレイヤーキャラ
・サクヤ
～双剣士　興味がわくと後先考えずに行動してしまうおかげで、常に周りをトラブルへと巻き込んでしまう。落ちているものがあるとなんでも拾ってしまう癖があり、それが騒動の原因となることも。
・トービアス
～斬刀士　美青年の彼は「情報屋のトービアス」と呼ばれるほどの「The World」通。その名に違わずクエストに対しては用意周到、準備万端。クールに冒険を推し進める。
・メアリ
～斬撃士　面倒見が良いために、先走るサクヤと計算高いトービアスにいつも振り回されている彼女。今回も否応なしに後始末をさせられることに…。
・シャムロック
～魔導士　冒険者ギルド「八咫鏡（やたのかがみ）」のギルドマスター（ギルマス）。攻略不能と言われている「ザワン・シン」討伐クエストにメンバーを引き連れて挑む。
・ハーミット
～？？？　サクヤ達が知り合うことになる謎のネコ型キャラ。その外見は仕様外のものであり、PCかNPCかも不明である。何かを探しているようだが・・・
・スミス
～重槍士　シャムロックの副官を務めている寡黙な戦士。その大柄なボディの肩にシャムロックを乗せていることが多い。
・Iyoten（イヨテン）
～斬刀士　ＰＫ（プレイヤーキラー）が盛んになった「R:2」からのプレイヤーであり、かなりの手練。クエストをサクヤ達に邪魔されたことにより、「八咫鏡（やたのかがみ）」のメンバーをそそのかし、ギルド名を用いて彼女達に懸賞金をかけ、追いかける。
・アスタ
～撃剣士　Iyotenとコンビを組むＰＫ。Iyotenと共に、今回は「ザワン・シン討伐」クエストにフリーで参加する。リアルは男性なので、ネカマを演じている。Iyotenとはリアルでも高校時代からの知り合い。２人とも、『.hack//Roots』『.hack//G.U.』シリーズにも登場している。
■プレイヤー
・アスミ（相田亜澄：アイダアスミ）
サクヤのプレイヤー。青森県在住の女子高生。明るく楽観的で、後先考えずに行動してしまうリアルの自分のままに「The Wold」を楽しんでいる。エリ、イオリと異なり勉強は苦手。
・イオリ（生田衣織：イクタイオリ）
トービアスのプレイヤー。アスミ、エリと同じ高校のクラスメイト。ゲーム内での美意識は、リアルでの自分の格好には全く反映していない残念美人。実家は青森でも有数の老舗温泉宿。
・エリ（江藤衿：エトウエリ）
メアリのプレイヤー。幼馴染みのアスミに誘われて「The World」をするようになる。遅刻スレスレのアスミを毎朝迎えにいくなど、生真面目で面倒見の良い性格。
・佐伯令子
かつては兄の番匠屋淳の死の謎を探るためにCC社に在籍していたが、2018年からは国連下部組織の１つであり、デジタルネットワークの監視を専門とする機関であるNABに所属している。

■サブタイトル

・第1話／Walking Par†y

■関連作品

・.hack//Quantum　2
・.hack//Quantum　3

■主題歌・楽曲

・主題歌
・『雫 -shizuku- 』
・作詞／尾澤拓実
・作曲／尾澤拓実
・編曲／尾澤拓実
・歌／南里侑香

■評測

.hack//Quantum 1は、.hackシリーズの最新作として2011年にリリースされたOVAであり、オンラインRPG『The World』の世界を舞台にした物語です。この作品は、ゲームの世界と現実世界の境界が曖昧になる中で、プレイヤーたちが直面する様々な問題や冒険を描いています。以下では、ストーリー、キャラクター、ビジュアル、音楽、そして全体的な評価について詳しく見ていきます。

ストーリー

.hack//Quantum 1のストーリーは、攻略不可能と言われるイベント「ザワン・シン」に挑む3人組のパーティ、サクヤ、トービアス、メアリの冒険から始まります。彼らは迷宮で道に迷い、冒険者ギルド「八咫鏡」と遭遇しますが、うっかりトラップを発動させてしまい、ギルドメンバーを巻き込んで大惨劇を引き起こします。その結果、彼女たちは賞金首となり、タウン内で追われる身となります。逃げる中で、サクヤは謎の猫型プレイヤー、ハーミットと出会い、彼の探し物について尋ねられます。この出会いが物語の大きな転機となり、彼女たちの冒険は新たな展開を見せます。

このストーリーは、.hackシリーズの特徴であるゲームと現実の境界を巧みに描いており、プレイヤーたちの行動がどのようにゲーム世界に影響を与えるか、またその逆も同様に描かれています。特に、サクヤたちの行動がギルド「八咫鏡」との対立を引き起こすシーンは、ゲーム内の人間関係の複雑さを象徴しています。また、ハーミットの登場は、物語にミステリアスな要素を加え、視聴者の興味を引きつけます。

キャラクター

サクヤ、トービアス、メアリの3人は、それぞれ異なる個性を持ちながらも、互いに補完し合う関係性が描かれています。サクヤは好奇心旺盛で行動力があり、トラブルメーカーとしての役割を果たします。トービアスは情報通で冷静な判断力を持ち、パーティのブレーンとしての役割を果たします。メアリは面倒見が良く、2人のトラブルを後始末する役割を担っています。これらのキャラクターの関係性は、視聴者に親しみやすさを感じさせると同時に、物語の進行に深みを与えています。

また、ハーミットやシャムロック、スミスなどのサブキャラクターも魅力的で、彼らの存在が物語に厚みを与えています。特にハーミットの謎めいたキャラクターは、視聴者の興味を引きつけ、次の展開への期待感を高めます。

ビジュアル

.hack//Quantum 1のビジュアルは、キネマシトラスによる高品質なアニメーションで描かれています。キャラクターのデザインは貞本義行、細川誠一郎、喜久屋めがねによるもので、.hackシリーズの世界観を忠実に再現しています。特に、ゲーム内の風景やモンスターのデザインは、リアルさとファンタジー感を両立しており、視覚的に非常に魅力的です。また、3D監督の井野元英二による3Dアニメーションも、ゲームの世界をリアルに再現しており、視聴者を引き込む効果を発揮しています。

音楽

音楽は大谷幸によるもので、.hackシリーズの雰囲気を引き立てる重要な要素となっています。特に、主題歌「雫 -shizuku-」は南里侑香の美しい歌声と尾澤拓実の情感豊かな作詞・作曲・編曲により、物語のテーマを深く表現しています。また、BGMもゲームの世界観を強調する役割を果たしており、視聴者の感情を引き立てる効果があります。

全体的な評価

.hack//Quantum 1は、.hackシリーズのファンにとっては必見の作品であり、新たな視聴者にとっても魅力的な物語を提供しています。ストーリーはゲームと現実の境界を巧みに描き、キャラクターの関係性や個性が物語に深みを与えています。ビジュアルと音楽も高品質で、視覚的・聴覚的に満足できる作品となっています。唯一の欠点は、1話完結ではなく、続編があるため、物語の結末が気になる点です。しかし、それもまた視聴者の興味を引きつける要素であり、全体として非常に高い評価に値する作品です。

■推薦

.hack//Quantum 1は、.hackシリーズのファンだけでなく、オンラインRPGやゲームをテーマにした作品が好きな人にも強く推薦します。特に、ゲームと現実の境界を描いた作品や、キャラクターの関係性に焦点を当てた作品が好きな人にはぴったりです。また、ビジュアルと音楽のクオリティを重視する人にも満足できる作品となっています。続編の.hack//Quantum 2と3も合わせて視聴することで、より深く物語を楽しむことができるでしょう。