『夏のあらし! ～春夏冬中～』の魅力と評価：感動のストーリーとキャラクターの深み

夏のあらし! ～春夏冬中～ レビューと推薦

「夏のあらし! ～春夏冬中～」は、2009年10月4日から12月27日までテレビ東京ほかで放送された全13話のTVアニメシリーズです。この作品は、小林尽氏による同名の漫画を原作としており、スクウェア・エニックスの『月刊ガンガンWING』で連載されました。監督は新房昭之氏、アニメーション制作はシャフトが担当し、製作は「夏のあらし!製作委員会」が行っています。

ストーリー

物語は、古くから営まれる街の喫茶店「方舟」を舞台に展開されます。主人公の少年・八坂一は、夏休みを利用して祖父の家にやってきます。そこで彼は、喫茶店で働く年上の女子高生・嵐山小夜子（通称あらし）と出会います。あらしは自らを幽霊と称し、八坂と手をつなぐことで過去へと飛べる不思議な少女でした。八坂はあらしと共に過ごす夏休みの中で、かけがえのない日々を送ることになります。

物語は、八坂とあらしを中心に、彼らを取り巻く個性的なキャラクターたちと共に進行します。あらしを追うグラサン男や、八坂と同じ中学一年生の上賀茂潤、そしてドイツ人の少女カヤなど、様々なキャラクターが登場し、タイムリープを駆使したコメディと感動のドラマが繰り広げられます。

キャラクター

主要キャラクターは以下の通りです。

• 嵐山小夜子（あらし）：喫茶店「方舟」で働く謎の女子高生。男の子と通じることで過去へと飛べる能力を持つ。
• 八坂一：夏休みを利用して祖父の家にやってきた正義感溢れる中学一年生。
• カヤ：あらしとは同級生のドイツ人留学生。あらしと同じように過去へ飛べる能力を持つ。
• 上賀茂潤：地元、横浜に住む中学一年生。方舟で八坂と出会い友達になる。
• マスター：札付きの女詐欺師。現在は方舟のマスターをしている。
• グラサン（村田英雄）：何者かの依頼であらしを付け狙う謎の大男。筋骨隆々で日本刀を持つ。
• 伏見やよゐ：加奈子と一緒に洋館で暮らす少女。館にひきこもり外出はしない。趣味は読書。
• 山崎加奈子：横浜の洋館にやよゐと二人で暮らす少女。やよゐの身の回りの世話をしている。

制作スタッフ

この作品の制作には、多くの才能あふれるスタッフが関わっています。監督は新房昭之氏、シリーズ構成は高山カツヒコ氏、キャラクターデザインと総作画監督は大田和寛氏が担当しました。また、音楽はken sato氏が手掛け、音響監督は鶴岡陽太氏が務めています。アニメーション制作はシャフト、制作協力はガンジスが行い、製作は「夏のあらし!製作委員会」が担当しました。

放送情報

「夏のあらし! ～春夏冬中～」は、以下の放送局で放送されました。

• テレビ東京：2009年10月4日～2009年12月27日（毎週日曜 25:30～26:00）
• TVQ九州放送：2009年10月5日～2010年1月4日（毎週月曜 26:53～27:23）
• テレビ大阪：2009年10月6日～2010年1月5日（毎週火曜 26:05～26:35）
• テレビ愛知：2009年10月7日～2009年12月28日（毎週水曜 25:28～25:58）
• テレビせとうち：2009年10月8日～2010年1月7日（毎週木曜 25:58～26:28）
• テレビ北海道：2009年10月9日～2010年1月8日（毎週金曜 26:00～26:30）
• AT-X：2009年10月10日～2010年1月2日（毎週土曜 8:30～9:00）

エピソード

各エピソードのサブタイトルは以下の通りです。

• 第1話：夏休み（2009/10/04）
• 第2話：ギャランドゥ（2009/10/11）
• 第3話：時をかける少女（2009/10/18）
• 第4話：みずいろの雨（2009/10/25）
• 第5話：Romanticが止まらない（2009/11/01）
• 第6話：ギザギザハートの子守唄（2009/11/08）
• 第7話：天城越え（2009/11/15）
• 第8話：コンピューターおばあちゃん（2009/11/22）
• 第9話：淋しい熱帯魚（2009/11/29）
• 第10話：昭和ブルース（2009/12/06）
• 第11話：ハイスクールララバイ（2009/12/13）
• 第12話：レーダーマン（2009/12/20）
• 第13話：君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。（2009/12/27）

主題歌・挿入歌

この作品の主題歌と挿入歌は以下の通りです。

オープニングテーマ

• 「おやすみパラドックス」
• 作詞：ティカα
• 作曲・編曲：近田春夫
• 歌：やくしまるえつこ

エンディングテーマ

• 「乙女の順序」
• 作詞：村野直球
• 作曲：岡田実音
• 編曲：祖堅正慶
• 歌：嵐山小夜子（白石涼子）、カヤ（名塚佳織）、やよゐ（野中藍）、加奈子（堀江由衣）

• 「ひと夏の経験」
• 作詞：千家和也
• 作曲：都倉俊一
• 編曲：山本英武
• 歌：嵐山小夜子（白石涼子）

• 「キラリフタリ」（パッケージ版のみ）
• 作詞：松井五郎
• 作曲：岡田実音
• 編曲：西川進
• 歌：白石涼子

挿入歌

• 「HERO（ヒーローになる時、それは今）」
• 作詞・作曲：甲斐よしひろ
• 編曲：山本英武
• 歌：グラサン（安元洋貴）

• 「秘密の花園」
• 作詞：松本隆
• 作曲：呉田軽穂
• 編曲：山本英武
• 歌：やよゐ（野中藍）

• 「夏休み」
• 作詞・作曲：吉田拓郎
• 編曲：山本英武
• 歌：八坂一（三瓶由布子）

• 「異邦人」
• 作詞・作曲：久保田早紀
• 編曲：山本英武
• 歌：加奈子（堀江由衣）

• 「プレイバックPart1」
• 作詞：阿木燿子
• 作曲：馬飼野康二
• 編曲：山本英武
• 歌：マスター（生天目仁美）

• 「みずいろの雨」
• 作詞：三浦徳子
• 作曲：八神純子
• 編曲：山本英武
• 歌：マスター（生天目仁美）

• 「想い出がいっぱい」
• 作詞：阿木燿子
• 作曲：鈴木キサブロー
• 編曲：山本英武
• 歌：八坂一（三瓶由布子）

• 「ギャランドゥ」
• 作詞・作曲：もんたよしのり
• 編曲：山本英武
• 歌：グラサン（安元洋貴）

• 「勝手にしやがれ」
• 作詞：阿久悠
• 作曲：大野克夫
• 編曲：山本英武
• 歌：上賀茂潤（小見川千明）

• 「ギザギザハートの子守唄」
• 作詞：康珍化
• 作曲：芹澤廣明
• 編曲：山本英武
• 歌：上賀茂潤（小見川千明）

• 「あらしわらべ歌」
• 作詞：植竹須美男
• 作曲：川田瑠夏
• 編曲：山本英武
• 歌：嵐山小夜子（白石涼子）

• 「淋しい熱帯魚」
• 作詞：及川眠子
• 作曲：尾関昌也
• 編曲：山本英武
• 歌：やよゐ&加奈子（野中藍&堀江由衣）

• 「時をかける少女」
• 作詞・作曲：松任谷由実
• 編曲：山本英武
• 歌：嵐山小夜子、カヤ、やよゐ、加奈子

• 「セーラー服と機関銃」
• 作詞：来生えつこ
• 作曲：来生たかお
• 編曲：山本英武
• 歌：嵐山小夜子（白石涼子）

• 「Romanticが止まらない」
• 作詞：松本隆
• 作曲：筒美京平
• 編曲：山本英武
• 歌：加奈子（堀江由衣）

• 「コンピューターおばあちゃん」
• 作詞・作曲：伊藤良一
• 編曲：山本英武
• 歌：やよゐ（野中藍）

• 「昭和ブルース」
• 作詞：山上路夫
• 作曲：佐藤勝
• 編曲：山本英武
• 歌：グラサン（安元洋貴）

• 「天城越え」
• 作詞：吉岡治
• 作曲：弦哲也
• 編曲：山本英武
• 歌：カヤ（名塚佳織）

• 「プレイバック Part2」
• 作詞：阿木燿子
• 作曲：宇崎竜童
• 編曲：山本英武
• 歌：カヤ（名塚佳織）

• 「レーダーマン」
• 作詞：高橋修
• 作曲：泉水敏郎
• 編曲：山本英武
• 歌：穴守好実（小林ゆう）

• 「ハイスクールララバイ」
• 作詞：松本隆
• 作曲：細野晴臣
• 編曲：山本英武
• 歌：塩谷 feat.山代武士&十五流一夫（杉田智和）

• 「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」
• 作詞・作曲：中原めいこ
• 編曲：山本英武
• 歌：嵐山小夜子&カヤ（白石涼子&名塚佳織）

レビュー

「夏のあらし! ～春夏冬中～」は、タイムリープというファンタジー要素を巧みに取り入れたコメディアニメです。新房昭之監督の独特な演出と、シャフトの個性的なアニメーションが相まって、視覚的にも非常に楽しめる作品となっています。特に、過去へのタイムリープを利用したエピソードは、懐かしさと新鮮さが同居しており、視聴者を引き込む力があります。

キャラクターたちも魅力的で、特にあらしと八坂の関係性は物語の中心にあり、彼らの成長や絆の深まりが感動を呼ぶシーンも多く見られます。また、グラサンやマスターなどの個性的なキャラクターが物語に彩りを添え、笑いと感動の両方を提供してくれます。

音楽もこの作品の魅力を引き立てる重要な要素です。オープニングテーマ「おやすみパラドックス」は、やくしまるえつこの独特な歌声と近田春夫の作曲がマッチし、作品の雰囲気を一層引き立てています。また、挿入歌として使用される昭和の名曲たちも、物語の背景やキャラクターの心情を効果的に表現しています。

推薦

「夏のあらし! ～春夏冬中～」は、タイムリープというファンタジー要素とコメディ、そして感動のドラマが融合した作品です。新房昭之監督の独特な演出とシャフトのアニメーションが好きな方、昭和の名曲を楽しみたい方、そしてキャラクターの成長や絆の深まりを描いた物語が好きな方に特に推薦します。また、原作の漫画も非常に面白いので、アニメを見た後に原作を読むのもおすすめです。

この作品は、夏の終わりに見るのにぴったりな一作であり、視聴者に忘れられない夏の思い出を提供してくれることでしょう。ぜひ一度、視聴してみてください。