魔神英雄伝ワタル終わりなき時の物語 - 感動のフィナーレとその評価

『魔神英雄伝ワタル終わりなき時の物語』：時を超えた英雄の新たな冒険

『魔神英雄伝ワタル終わりなき時の物語』は、1993年にOVAとしてリリースされた作品であり、サンライズが制作した『魔神英雄伝ワタル』シリーズの続編にあたる。原作は矢立肇、監督は井内秀治が務め、キャラクターデザインと総作画監督は芦田豊雄、メカデザインは中沢数宣が担当している。この作品は、シリーズのファンにとっては待望の新たな物語であり、ワタルの新たな冒険を描いている。

ストーリー

物語は、星界山での出来事からしばらく経った後のワタルの生活から始まる。5年生に進級したワタルは、平穏な日々を送っていたが、心の奥底に創界山崩壊のイメージが繰り返し去来し、調子がイマイチだった。そんな中、ワタルは不思議な老人と出会い、龍神池の桜にまつわる伝説を聞かされる。この桜は龍の化身とされ、ここ数年は花を咲かせていなかった。それは、龍神を守る子供たちが少なくなっているからだという。「天の国」には龍を飼い慣らし、自在に操る一族がいたが、やがて一族から地上に住む者が現れ、代々最初に生まれた男の子が龍神を守護する役目を負ったという。その子は「アダール」と名づけられ、永遠の命を持つ存在だった。「信じる心」と「大きな夢」を翼とし、「神の国」にも行くことができたアダール。その子孫は、今もこの世のどこかにいるという。老人は手にした釣り糸の先にある勾玉を見つめ、「わしの夢は、こんなに小さくなってしまって、もう行くことはできないがね」と呟くのだった。

咲かぬはずの桜が満開の花をつけたその夜、ワタルは龍神池で虎王と再会する。どうやら、創界山に新たな魔の手が迫りつつあるらしい。虎王のペガサスに乗り、ワタルは再び創界山へと足を踏み入れる。はたして、迫りくる魔の手から創界山に再び平和を取り戻すことが出来るのだろうか…。

メインスタッフ

原作：矢立肇
監督：井内秀治
キャラクターデザイン・総作画監督：芦田豊雄
メカデザイン：中沢数宣
企画協力：レッド・カンパニー
脚本：井内秀治
音楽：大島ミチル

サブタイトル

第１話：「救世主再び」
第２話：「天部界の嵐」
第３話：「永遠の伝説」

作品の魅力と評価

『魔神英雄伝ワタル終わりなき時の物語』は、シリーズのファンにとっては待望の新たな物語であり、ワタルの新たな冒険を描いている。OVAという形式を活かし、テレビシリーズでは描ききれなかった深みのあるストーリーとキャラクターの成長を描いている。特に、ワタルの心の葛藤や成長が丁寧に描かれており、視聴者に深い感動を与える。また、龍神池の桜にまつわる伝説や「アダール」の存在は、シリーズの世界観をさらに広げ、ファンタジー要素を強化している。

キャラクターデザインと総作画監督を担当した芦田豊雄の美しい作画は、視覚的な魅力を大いに高めている。特に、龍神池の桜のシーンや創界山の描写は、見事な色彩と動きで視聴者を引き込む。また、メカデザインを担当した中沢数宣のデザインも、シリーズの世界観を支える重要な要素となっている。

音楽を担当した大島ミチルによる壮大なサウンドトラックは、物語の雰囲気を盛り上げ、視聴者の感情を揺さぶる。特に、戦闘シーンでの緊張感や感動的なシーンでの美しい旋律は、作品の魅力をさらに引き立てている。