『魔神英雄伝ワタル』の魅力と評価：伝説のアニメを深掘り

『魔神英雄伝ワタル』：80年代後半の名作アニメを振り返る

1988年から1989年にかけて放送された『魔神英雄伝ワタル』は、サンライズ制作のTVアニメシリーズとして、多くの子供たちに愛された作品です。この記事では、作品の概要から魅力、そしてその後の展開までを詳しく解説し、ファンや新たな視聴者に向けておすすめポイントを紹介します。

作品概要

『魔神英雄伝ワタル』は、戦部ワタルという小学4年生の少年が主人公の冒険ファンタジーアニメです。ワタルは、学校からの帰り道に池で黄金の龍と出会い、異世界である神部界のモンジャ村に連れていかれます。そこでは、魔界の王ドアクダーによって神々が住む創界山が支配されており、ワタルは救世主としてその平和を取り戻すために戦うことになります。

ワタルは、モンジャ村のオババから託された勇者の剣を使い、救世主の証である魔神「龍神丸」を呼び出します。そして、忍部一族のヒミコ、剣の師匠シバラク、鳥の姿をしたクラマと共に、龍神丸で敵の魔神と戦いながら創界山の頂上を目指す冒険が始まります。

放送情報

公開メディア: TVアニメシリーズ
原作メディア: アニメオリジナル
放送期間: 1988年04月15日～ 1989年03月31日、毎週金曜日17時～17時30分
放送局: 日本テレビ
分数: 30分
話数: 45話
原作: 矢立肇
監督: 総監督井内秀治
制作: ASATSU、サンライズ
著作: ©サンライズ・R

ストーリー

戦部ワタルは、学校からの帰り道に池で黄金の龍と出会い、異世界である神部界のモンジャ村へ連れていかれます。神部界では、魔界の王ドアクダーによって神々が住む創界山が支配されてしまっていました。ワタルはモンジャ村のオババから、創界山に平和を取り戻す救世主として呼ばれたのだと明かされます。突然の出来事に驚いたワタルでしたが、オババから託された勇者の剣で、救世主の証である魔神「龍神丸」を呼び出すことに成功します。そして、忍部一族のヒミコ、剣の師匠シバラク、鳥の姿をしたクラマを仲間に加えたワタルは、龍神丸で敵の魔神と戦いながら創界山の頂上を目指します。

解説

『魔神英雄伝ワタル』は、低年齢層をターゲットにした冒険ファンタジー物語です。主人公たちが操縦するロボットは、子供たちにとって親しみが持てる三頭身のスタイルを採用しています。また、敵の強さを数値で表すなど、TVゲーム風の表現方法を取り入れている点も特徴的です。本編は主人公ワタルの成長と仲間たちとの友情がメインテーマですが、予想がつかないストーリー展開に加えて、個性的なキャラクターがつむぎだすギャグによって痛快かつ愉快な演出を目指しています。

TV終了後の1989年にはOVA『真魔神英雄伝ワタル魔神山編』が発売され、1990年にはTV『魔神英雄伝ワタル2』を放映しました。1993年にはOVA『魔神英雄伝ワタル終わりなき時の物語』が発売され、1997年には再び新作TVシリーズ『超魔神英雄伝ワタル』が製作されるなど、息の長いタイトルとなっています。

キャスト

戦部ワタル: 田中真弓
忍部ヒミコ: 林原めぐみ
剣部シバラク: 西村知道
龍神丸: 玄田哲章
渡部クラマ: 山寺宏一
忍部幻龍斎: 緒方賢一
虎王(翔龍子): 伊倉一恵
ドアクダー: 飯塚昭三
EXマン: 龍田直樹、柴田由美子、吉田古奈美

メインスタッフ

企画: サンライズ
企画協力: レッド・カンパニー
原作: 矢立肇
チーフライター: 小山高生
キャラクターデザイン: 芦田豊雄
メカデザイン: 中沢数宣
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 奥井敦
編集: 布施由美子(井上編集室)
音響監督: 藤野貞義
音楽: 兼崎順一、門倉聡
総監督: 井内秀治
プロデューサー: 武井英彦、伊藤響(NTV)、佐川祐子(ASATSU)、吉井孝幸(サンライズ)

サブタイトル

第1話: 「救世主は小学四年生」
第2話: 「ふしぎアイテム・へん玉みっけ！」
第3話: 「クラマに御用心！」
第4話: 「ガラガラ村の恐怖パーティ」
第5話: 「ひびけ！神部の笛」
第6話: 「アベコベさかさまヘンなこと」
第7話: 「オオカミ男はおマルがお好き！？」
第8話: 「吸血鬼は十字架コレクター」
第9話: 「おどろき！　世紀の鏡探知機」
第10話: 「ウッソー！　ホントにこれが真実の鏡？」
第11話: 「アチアチ・メラメラ一本勝負」
第12話: 「マリアンネットのヤキヤキ記念日」
第13話: 「燃える闘魂！　9×9＝81攻撃！」
第14話: 「ヒャクニーンパワーは仙人パワー」
第15話: 「よみがえれ！　ファイヤードラゴン」
第16話: 「悲恋オーロラ伝説」
第17話: 「抜くに抜けない極寒の剣」
第18話: 「熱いの熱いの飛んでいけー！」
第19話: 「龍神丸　とびますとびます！」
第20話: 「龍神丸、ヒエヒエ神殿に散る！」
第21話: 「魔界プリンス、虎王登場！」
第22話: 「必見！　龍王丸誕生」
第23話: 「お待たせ！　幻神丸の正体」
第24話: 「爆走！　ワタルGENJIの大レース」
第25話: 「ミニミニワタルの大冒険」
第26話: 「ギョエーッ！　あんなところに緑龍」
第27話: 「ヨカッタネでよかったね」
第28話: 「魔法でウッフン！　シバラク先生」
第29話: 「変身！　ワタルのわんわん物語」
第30話: 「魔神墓場のゴースト軍団」
第31話: 「ヒミコの子守り大作戦」
第32話: 「最強魔法使い　アラ・ビアンの逆襲」
第33話: 「あまいお誘い　恐怖の魔道門」
第34話: 「難問、珍問、魔風門！」
第35話: 「天まで昇れ！　魔天門」
第36話: 「良い子？　悪い子？　魔界門」
第37話: 「ワタルとヒミコのアチアチアドベンチャー」
第38話: 「華麗！　怪傑ゾロリ参上」
第39話: 「虎王は宿命のライバル！」
第40話: 「激突！　龍王丸対邪虎丸」
第41話: 「出現！　恐怖の魔神殿」
第42話: 「戦えワタル!!　魔神殿の攻防」
第43話: 「決戦！　ドアクダー対ワタル」
第44話: 「輝け！　創界山の虹」
第45話: 「春だ祭りだモンジャ村」

作品の魅力

『魔神英雄伝ワタル』の最大の魅力は、その独特な世界観とキャラクターたちの個性です。ワタルを始めとする主人公たちは、異世界での冒険を通じて成長し、友情を深めていきます。また、敵の魔神たちも個性的で、視聴者を飽きさせません。特に、龍神丸や虎王などの魔神たちのデザインは、子供たちにとって非常に魅力的でした。

また、ストーリー展開も予想外の展開が多く、視聴者を驚かせることが多かったです。例えば、ワタルがミニミニサイズになったり、変身して犬になったりするエピソードは、子供たちに大いに受けました。また、ギャグ要素も豊富で、シバラクの「ウッフン！」やクラマの「クラマに御用心！」などのフレーズは、今でも多くのファンに愛されています。

音楽

『魔神英雄伝ワタル』の音楽も作品の魅力を引き立てる重要な要素です。オープニングテーマ「冒険少年」は、田中真弓の元気な歌声が印象的で、視聴者を冒険の世界に引き込む力がありました。また、エンディングテーマ「夢冒険」は、ワタルの成長と仲間たちとの絆を感じさせる優しいメロディーが特徴的です。BGMも、冒険の緊張感や感動を盛り上げる役割を果たしており、作品全体の雰囲気作りに貢献しています。

その後の展開

『魔神英雄伝ワタル』は、TVシリーズ終了後も多くの派生作品が制作されました。1989年にはOVA『真魔神英雄伝ワタル魔神山編』が発売され、ワタルの新たな冒険が描かれました。1990年にはTV『魔神英雄伝ワタル2』が放映され、ワタルと仲間たちの新たな挑戦が始まりました。1993年にはOVA『魔神英雄伝ワタル終わりなき時の物語』が発売され、1997年には再び新作TVシリーズ『超魔神英雄伝ワタル』が製作されるなど、息の長いタイトルとなっています。

これらの派生作品では、ワタルの成長や新たなキャラクターの登場、さらなる冒険の展開などが描かれ、ファンを楽しませました。また、ゲームやコミックなど、様々なメディアでも展開され、幅広い層に愛される作品となりました。