機動戦士ガンダム：リアルロボットアニメの金字塔を再評価する

機動戦士ガンダム - キドウセンシガンダム

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

アニメオリジナル

■放送期間

1979年04月07日～ 1980年01月26日
毎週土曜日17時30分～18時

■放送局

名古屋テレビ

■分数

30分

■話数

43話

■原作

原作/矢立肇、富野喜幸

■監督

総監督/富野喜幸

■制作

名古屋テレビ、創通エージェンシー、日本サンライズ

■著作

©創通・サンライズ

■ストーリー

人類が、地球のまわりに巨大なスペースコロニーを築き、宇宙移民を始めて半世紀あまり。宇宙世紀0079年、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。サイド7に暮らす平凡な少年アムロ・レイは、連邦軍の新型モビルスーツ、ガンダムを偶然り、“赤い彗星”のシャア・アズナブル率いるジオン軍部隊の侵入を撃退する。これを機に、生き延びるため宇宙空母ホワイトベースに乗りこむことになった少年たちは、戦場で様々な苦難と出会いを繰り返し、成長してゆく。

『サンライズ全作品集成』より

■解説

現実の宇宙計画を下敷きにした世界観、巨大ロボットを軍事兵器とするメカ設定、人類間の戦争を背景にした重厚な人間ドラマなど、「ロボットもの」の枠を踏襲しつつ、思いきったリアリズムを導入し、アニメ誌やプラモデルのブームを通じて熱狂的な人気を獲得。以後のアニメや周辺文化に大きな影響を与えた。サンライズ最大のヒットとなり、時代を越えて連綿と派生作品が作られる一大シリーズに発展する。

『サンライズ全作品集成』より

■キャスト

・アムロ・レイ／古谷徹
・ブライト・ノア／鈴置洋孝
・カイ・シデン／古川登志夫
・ハヤト・コバヤシ／鈴木清信
・フラウ・ボゥ／鵜飼るみ子
・ミライ・ヤシマ／白石冬美
・セイラ・マス／井上瑤
・シャア・アズナブル／池田秀一
・ララァ・スン／潘恵子
・ナレーター／永井一郎

■メインスタッフ

・企画／日本サンライズ
・原作／矢立肇、富野喜幸
・キャラクターデザイン／安彦良和
・メカニカルデザイン／大河原邦男
・美術設定／中村光毅
・アニメーションディレクター／安彦良和
・編集／鶴渕友彰、小谷地文雄
・音響監督／松浦典良
・音楽／渡辺岳夫、松山ゆう【示偏にツクリが右】士
・総監督／富野喜幸
・プロデューサー／関岡渉(名古屋テレビ)、大熊伸行(創通エージェンシー)、渋江靖夫(日本サンライズ)

■サブタイトル

・第1話／「ガンダム大地に立つ」
・第2話／「ガンダム破壊命令」
・第3話／「敵の補給艦を叩け!」
・第4話／「ルナツー脱出計画」
・第5話／「大気圏突入」
・第6話／「ガルマ出撃す」
・第7話／「コア・ファイター脱出せよ」
・第8話／「戦場は荒野」
・第9話／「翔べ!ガンダム」
・第10話／「ガルマ散る」
・第11話／「イセリナ恋のあと」
・第12話／「ジオンの脅威」
・第13話／「再会、母よ」
・第14話／「時間よ止まれ」
・第15話／「ククルス・ドアンの島」
・第16話／「セイラ出撃」
・第17話／「アムロ脱走」
・第18話／「灼熱のアッザム・リーダー」
・第19話／「ランバ・ラル特攻」
・第20話／「死闘!　ホワイト・ベース」
・第21話／「激闘は憎しみ深く」
・第22話／「マ・クベ包囲網を破れ」
・第23話／「マチルダ救出作戦」
・第24話／「迫撃!トリプル・ドム」
・第25話／「オデッサの激戦」
・第26話／「復活のシャア」
・第27話／「女スパイ潜入!」
・第28話／「大西洋・血に染めて」
・第29話／「ジャブローに散る!」
・第30話／「小さな防衛線」
・第31話／「ザンジバル迫撃!」
・第32話／「強行突破作戦」
・第33話／「コンスコン強襲」
・第34話／「宿命の出会い」
・第35話／「ソロモン攻略戦」
・第36話／「恐怖!機動ビグ・ザム」
・第37話／「テキサスの攻防」
・第38話／「再会、シャアとセイラ」
・第39話／「ニュータイプ、シャリア・ブル」
・第40話／「エルメスのララァ」
・第41話／「光る宇宙」
・第42話／「宇宙要塞ア・バオア・クー」
・第43話／「脱出」

■評論

『機動戦士ガンダム』は、1979年に放送されたアニメシリーズであり、その影響力は今なお色褪せていない。監督の富野喜幸が描くリアルな戦争の描写と、人間ドラマの深さは、当時のロボットアニメの枠を超え、社会現象とも言えるブームを巻き起こした。この作品は、単なるエンターテイメントとしてだけでなく、戦争の恐ろしさや人間の成長、そして新たな可能性を追求するニュータイプの概念など、多くのテーマを内包している。

物語は、宇宙世紀0079年、ジオン公国と地球連邦政府の戦争を背景に展開される。主人公のアムロ・レイは、偶然にも新型モビルスーツ「ガンダム」に乗り込み、ジオン軍の侵攻を防ぐことから物語が始まる。アムロは戦場で成長し、仲間たちと共にホワイトベースという宇宙空母で戦い続ける。アムロの成長と、彼を取り巻く人間関係の変化は、視聴者に深い感動を与える。また、敵側のキャラクターであるシャア・アズナブルやララァ・スンとの対話や戦闘シーンは、戦争の悲劇性と人間の尊厳を描き出す重要な要素となっている。

この作品の成功は、メカニックデザインやキャラクターデザインのクオリティも大きい。大河原邦男によるメカニカルデザインは、現実の兵器を基にしたリアルなデザインで、視聴者の想像力を刺激した。また、安彦良和のキャラクターデザインは、各キャラクターの個性を際立たせ、視覚的な魅力を高めた。さらに、渡辺岳夫と松山祐士による音楽は、物語の緊張感や感動を引き立てる重要な役割を果たしている。

『機動戦士ガンダム』は、その後のアニメ業界に大きな影響を与えた。リアルロボットアニメという新たなジャンルを確立し、プラモデルやフィギュアといった関連商品のブームを引き起こした。また、派生作品やリメイク作品が数多く制作され、シリーズ全体としても大きな成功を収めている。特に、1981年の映画『機動戦士ガンダム』や、1985年の『機動戦士Ζガンダム』、1986年の『機動戦士ガンダムΖΖ』などは、ファンの間で高い評価を得ている。

さらに、この作品は社会的なテーマも描いており、戦争の非道さや人間の尊厳、そして新たな可能性を追求するニュータイプの概念など、多くの視点から考察することができる。アムロとシャアの対話や、ララァとの出会いなどは、視聴者に深い感動と思考を促す。また、戦争の悲劇性を描くことで、平和の大切さを改めて認識させる作品でもある。

■推薦

『機動戦士ガンダム』は、リアルロボットアニメの金字塔であり、戦争と人間の成長を描いた深遠な作品である。特に、戦争の悲劇性や人間の尊厳を描くシーンは、視聴者に深い感動を与える。また、メカニックデザインやキャラクターデザインのクオリティも高く、視覚的な魅力も大きい。さらに、音楽も物語を引き立てる重要な要素となっている。この作品は、アニメファンだけでなく、戦争や人間の成長に興味がある人にも強く推薦する。派生作品やリメイク作品も多く、シリーズ全体を楽しむことができるだろう。

特に、以下の点が推薦の理由となる。