『ポロンギター』の魅力と評価：音楽と冒険の融合

ポロンギター - 心を揺さぶる美しい旋律と人形アニメーションの魅力

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

1959年09月05日 ～ 0000年01月01日

■分数

27分

■話数

1話

■監督

小野豪

■制作

学習研究社(学研映画局)
古岡勝
神林伸一

■ストーリー

貧しい花売り娘は美しい心の持ち主。この町に旅の貧しい老人がやって来てレストランへ入るが、お金を持ってないので放り出される。町の人は知らぬ顔。娘は老人を助け起こし、花が売れないのでお金もパンも上げられないが、せめて花でもと差し出す。老人はいつの間にか消えて古びたギターが残されていた。娘がギターに触れると一人でギターは鳴り踊りだす。あまりに楽しい曲なので娘も踊り出す。町の人々も皆踊りだし、皆は幸せな気分に酔った。花も全部売れた。娘はギターを大事に枕元に置いて眠る。夜中、泥棒が忍び込み、ギターを盗むが、ギターが町中に大きな音をボロン、ボロンと出したので、驚いて逃げ出す。翌朝、広場でけんかしていた兄弟もギターの美しい音色に踊り出す。再び町中の人が楽しく踊る。そこへ不思議な老人が現れ静かにギターを持ち去る。（出典：日本アニメーション映画史P257）

■解説

四万三千コマの撮影を要したミュージカル仕立ての人形映画。第六回教育映画祭動画部門最高賞。第七回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第四位。

■メインスタッフ

・企画／原正次、山本英夫
・脚本・演出／小野豪
・人形アニメーション／有馬征子、新免郁子、千原玲子
・人形装置／高山良策、佐々木章（日本アニメーション映画史P256のみ記載）
・衣装／高山とし子（日本アニメーション映画史P256のみ記載）
・撮影・照明／中村聖、平井寛
・作曲／林光
・録音／田中義造
・振付／谷桃子バレエ団（日本アニメーション映画史P256のみ記載）
・出演者／川久保潔、須永宏、加藤玉枝、伊島幸子、斉藤隆、白坂道子（NFCのみ記載）

■詳細な評測

「ポロンギター」は、1959年に公開された日本のアニメーション映画であり、その美しいストーリーと人形アニメーションの技術が高く評価されています。この作品は、貧しい花売り娘と不思議なギターを通じて、人々の心の温かさと音楽の力が描かれています。以下では、この作品の魅力と評価について詳しく解説します。

ストーリーの魅力

「ポロンギター」のストーリーは、シンプルながらも深い感動を与えるものです。貧しい花売り娘が、旅の老人を助けようとする優しい心を持っていることが物語の中心にあります。彼女の純粋な心が、ギターを通じて町の人々を幸せにするという展開は、見る者に感動を与えます。また、ギターが町中に響くシーンでは、音楽の力が人々を一つにするというメッセージが強く伝わってきます。このようなストーリーは、視聴者に希望と温かさを感じさせ、心を癒す効果があります。

人形アニメーションの技術

「ポロンギター」は、人形アニメーションという手法を用いて制作されています。この作品では、四万三千コマもの撮影が行われており、その緻密さと美しさが際立っています。人形アニメーションは、手作業で一コマずつ撮影するため、非常に時間と労力がかかりますが、その分、リアルで美しい動きを実現することができます。「ポロンギター」では、人形の動きが自然で滑らかであり、特にギターが一人で鳴り踊るシーンでは、その技術の高さが感じられます。また、人形の表情や動きから感情が伝わってくるため、視聴者は物語に深く没入することができます。

音楽の役割

「ポロンギター」では、音楽が物語の重要な要素となっています。林光による作曲は、物語の展開に合わせて美しい旋律を奏で、視聴者の感情を引き立てます。特にギターの音色は、町の人々を踊らせるだけでなく、視聴者にもその魅力を感じさせます。音楽が人々を一つにし、幸せな気分にさせるというテーマが、効果的に表現されています。また、谷桃子バレエ団による振付も、音楽と一体となって物語を盛り上げています。

評価と受賞

「ポロンギター」は、その高い芸術性と技術力が評価され、多くの賞を受賞しています。第六回教育映画祭動画部門最高賞、第七回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第四位など、数々の賞を受賞したことで、その価値が証明されています。これらの評価は、「ポロンギター」が単なるエンターテイメント作品ではなく、芸術作品としても高い価値を持つことを示しています。

■推薦内容

「ポロンギター」は、音楽とアニメーションの美しさを堪能したい人、心温まるストーリーを求める人に強く推薦します。また、人形アニメーションの技術に興味がある人にとっても、見逃せない作品です。特に、家族で見ることで、子供たちに優しさや音楽の力を教える良い機会になるでしょう。さらに、この作品をきっかけに、他の日本のアニメーション映画も楽しむことができるかもしれません。

■関連作品

「ポロンギター」と同様に、人形アニメーションや音楽をテーマにした作品として、以下の作品がおすすめです。

• 「ピノキオ」 - ディズニーのクラシック作品で、人形が主人公の感動的な物語です。
• 「ファンタジア」 - 音楽とアニメーションが融合した、ディズニーの名作です。
• 「千と千尋の神隠し」 - スタジオジブリの作品で、音楽とアニメーションの美しさが際立っています。

■まとめ

「ポロンギター」は、美しいストーリーと人形アニメーションの技術、そして音楽の力が融合した素晴らしい作品です。貧しい花売り娘の優しい心と、不思議なギターを通じて、人々の心を温かくする物語は、見る者に感動を与えます。また、人形アニメーションの緻密さと美しさ、音楽の魅力も、この作品の大きな魅力です。多くの賞を受賞したこの作品は、芸術作品としても高い価値を持ち、家族で楽しむことができる一作です。ぜひ、「ポロンギター」を通じて、音楽とアニメーションの美しさを感じてください。