いねむりぶうちゃん：癒しの眠りを求めての感想と評価

いねむりぶうちゃん - イネムリブウチャン

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

1959年10月

■分数

12分

■話数

1話

■監督

神保まつえ

■制作

学研映画局／古岡勝／神林伸一

■ストーリー

子豚、狐、狸、リス、兎が協力して小麦を作るが、最初は皆働くのだが、だんだん怠ける様になる。リスだけが働き、粉にしてパンを焼く。いいにおいで皆がよって来る。親切なリスは皆にパンを分けてやる。出典：日本アニメーション映画史P257

■解説

学研の名プロデューサーとして数々の人形アニメを製作した神保まつえの第一作。出典：日本アニメーション映画史P257

■メインスタッフ

・企画／原正次、山本英夫
・演出・脚本／神保まつえ
・人形アニメーション／中村協子、飛田三千子
・撮影／林伸好
・指導／松村誠
・音楽／宇野誠一郎
・録音／木村一、田中義造

■メインキャラクタ

・川久保潔
・斉藤隆
・白坂道子

■詳細な評論

1959年に公開された『いねむりぶうちゃん』は、神保まつえ監督の初作品であり、学研映画局が制作した人形アニメーション作品です。この作品は、子豚、狐、狸、リス、兎という動物たちが協力して小麦を作る物語を描いています。物語の展開はシンプルながらも、動物たちの性格や行動を通じて、協力と怠惰、そして親切心というテーマを巧みに表現しています。

物語の始まりは、動物たちが一丸となって小麦を育てるシーンから始まります。しかし、時間が経つにつれて、子豚や狐、狸、兎が次第に怠け始め、リスだけが最後まで働き続けます。このシーンは、視覚的に非常に効果的で、リスの努力と他の動物たちの怠惰が対比されることで、視聴者に強い印象を与えます。リスが小麦を粉にしてパンを焼くシーンでは、手作業の温かみが感じられ、リスの親切心がさらに引き立てられます。そして、パンを焼く良い香りに誘われて集まってきた動物たちに、リスがパンを分け与えるシーンは、視聴者に感動を与えるとともに、協力と親切心の大切さを教えてくれます。

神保まつえ監督は、この作品で人形アニメーションの可能性を最大限に引き出しました。人形アニメーションは、動きが滑らかでないことが多いですが、この作品では、動物たちの動きが自然で、感情が豊かに表現されています。これは、中村協子と飛田三千子の人形アニメーションの技術が非常に高いことを示しています。また、林伸好の撮影技術も見事で、動物たちの表情や動きを鮮明に捉えています。さらに、宇野誠一郎の音楽は、物語の雰囲気を盛り上げ、視聴者の感情を引き立てる役割を果たしています。

この作品は、子供向けのアニメーションとしてだけでなく、大人も楽しめる作品です。協力と親切心の大切さを描いたストーリーは、視聴者に深い感動を与え、考えさせる力があります。また、人形アニメーションの美しさと技術の高さは、視覚的な楽しみを提供します。1959年の作品でありながら、今見ても新鮮さを感じることができるのは、神保まつえ監督の才能とスタッフの技術力によるものでしょう。

■推薦理由

『いねむりぶうちゃん』は、子供から大人まで楽しめる作品です。特に、協力と親切心の大切さを学びたい人にはおすすめです。また、人形アニメーションの美しさと技術の高さを堪能したい人にもおすすめです。1959年の作品でありながら、今見ても新鮮さを感じることができるので、古いアニメーションに興味がある人にもおすすめです。

■関連作品

神保まつえ監督の他の作品もおすすめです。特に、人形アニメーションの技術が高く評価されている『人形の家』や『おもちゃの国』などは、ぜひ見てほしい作品です。また、同じく学研映画局が制作した『こねこのらくがき』も、人形アニメーションの魅力を感じることができる作品です。

■視聴方法

『いねむりぶうちゃん』は、現在ではDVDやブルーレイで視聴することができます。また、インターネット上で配信されている場合もありますので、そちらを利用するのも一つの方法です。古い作品のため、視聴できる場所が限られている場合がありますが、見つける価値のある作品です。

■まとめ

『いねむりぶうちゃん』は、神保まつえ監督の初作品であり、学研映画局が制作した人形アニメーション作品です。協力と親切心の大切さを描いたストーリーと、人形アニメーションの美しさと技術の高さが魅力の作品です。子供から大人まで楽しめる作品であり、古いアニメーションに興味がある人にもおすすめです。ぜひ一度見てみてください。