男性のうつ病は腸内細菌がテストステロンを消費することで引き起こされる可能性があります。

最近、武漢大学の研究では、うつ病の男性患者の腸からテストステロンを分解できる細菌を分離し、細菌叢の中でテストステロンを特異的に分解する遺伝子を特定しました。

テストステロンは、精巣、副腎、脂肪組織によって生成される神経活性ステロイドホルモンです。

テストステロンは肝臓で代謝された後、胆汁を介して腸に排泄され、その後83％が血液中に再吸収されます。

これらのホルモンは腸を通過するため、腸内細菌は活性型と不活性型の比率を変えることで、一部のステロイドホルモンのレベルに影響を与える機会を得ます。

そのため、腸内微生物によるステロイドホルモンの代謝は、特定の疾患の発症や治療に影響を及ぼす可能性があります。

うつ病患者の腸内細菌叢は健康な対照群とは大きく異なり、プロテオバクテリア、放線菌、バクテロイデス属の菌数の増加が特徴です。

プロテオバクテリアと放線菌はステロイドを分解できることが確認されています。

そのため、うつ病患者の腸内細菌叢は、健常者よりもステロイドを分解する能力が強い可能性がある。

この研究は、腸内細菌叢の観点から男性うつ病の考えられるメカニズムを明らかにし、その後の標的介入の基礎を築きました。

おそらく、将来的にうつ病を治療する方法は、腸内細菌叢を変えることなのでしょう。

Di Li et al、腸内細菌によって発現される3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素はテストステロンを分解し、男性のうつ病に関連している、Cell Host & Microbe、2022年。