劇場版『そらのおとしもの』レビュー：時計じかけの哀女神の魅力とは？

『劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神』 - 感動と興奮のスクリーン・デビュー

『そらのおとしもの』は、水無月すうによる同名の漫画を原作としたアニメシリーズで、2009年から2010年にかけてテレビ放送され、その後も根強い人気を誇る作品です。そして、2011年6月25日に公開された『劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神』は、このシリーズの集大成とも言える作品であり、新たな魅力と感動をスクリーンに描き出しました。この記事では、劇場版の詳細な情報と評価、そしておすすめポイントを紹介します。

■作品概要

『劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神』は、角川書店の配給で公開され、映倫番号119011、100分の全1話から成る作品です。監督は斎藤久（総監督）と柳沢テツヤ（監督）、アニメーション制作はAIC ASTAが担当し、製作は新大陸発見部（角川書店、クロックワークス、NTTドコモ、グロービジョン、アニメインターナショナルカンパニー）が行いました。著作権は「©2011水無月すう／角川書店／新大陸発見部」に帰属します。

■ストーリー

新たなる天使、降臨―。「本当に、あなたの事が、好きでした。」

「平和が一番」をモットーにする少年、桜井智樹と、空から落ちてきた未確認生物≪イカロス≫、≪ニンフ≫、≪アストレア≫の交流を描くハートウォーミング・コメディ（？）『そらのおとしもの』。テレビシリーズ２期、２６話に渡って繰り広げられてきた智樹の学園生活を、ひっそりと見守っていた、一人の少女がいました。引っ込み思案で、恥ずかしがり屋の少女、≪風音日和（かざねひより）≫。自分とは対照的に、元気に学園を賑わす智樹に対し、密かな憧れを持っていた彼女は、意を決して、智樹のいる"新大陸発見部"へと入部。メンバーたちと交流を深め、友情を育んでいく。そんな矢先・・・。悲劇が日和を襲いました。謎に包まれているイカロスたちの故郷　"シナプス"からの脅威が襲いかかる！智樹とイカロスたちは、空美町を・・・そして、悲しい運命に囚われた日和を、救う事が出来るのだろうか。

■解説

キミも、日和と一緒に　"新大陸発見部"に入ろう！驚異の≪エンジェル・ビジョン方式≫とは．．．？

あのハチャメチャな『そらおと』が映画になる！？果たして、どんな映画になるのか？序盤から前半にかけては、21世紀のアニメシーンにセンセーションを巻き起こした『お祭り』『文化祭』『雪合戦』、そして『空飛ぶパンツ』と言った『そらおと』名場面を、新ヒロイン≪風音日和≫を加えて再構成。熱心なファンも「あのシーンに、実は日和がいた！」という、新鮮な驚きを味わう事が出来る。そして本作で新たにメインストーリーとして描かれるのが日和の"新大陸発見部"入部後のエピソード。テレビでは決して明かされなかった≪新大陸シナプスの謎≫を軸に、大スクリーンならではの壮大なスペクタクルが、完全新作映像で描かれる。テレビシリーズを観ておらず、この劇場版で初めて『そらおと』に触れる人も、日和と一緒に、スムーズに『そらおと』世界に入る事が出来るだろう。これが驚異の≪エンジェル・ビジョン方式≫である。角川シネマ新宿・シネマサンシャイン池袋　他、6月25日全国ロードショー

未体験の≪感動≫と≪興奮≫は、いつも≪そら≫から落ちてくる！全世界震撼の≪叱られアニメ≫が、ついにスクリーン・デビュー！

『空飛ぶパンツ』で世界的センセーションを巻き起こし、毎回変わる懐メロエンディング、そして破壊的なギャグと、行きすぎたお色気で関係各位のお叱りを受けながら、21世紀のアニメシーンを引っ掻き回し、話題を独占してきた「そらのおとしもの」。

2009年10月からの第一期、そして2010年10月からの第二期シリーズ「そらのおとしもの ｆ（フォルテ）」の放送終了後も根強い人気を誇り、関連商品やイベントがめじろおしのアニメ界最終兵器が、ついにスクリーン・デビュー！！

美しい自然に囲まれた小さな町、空美町。 そこに住む桜井智樹は「平和が一番」をモットーにする普通の学生だった。 だが、ある日空から降ってきた未確認生物≪イカロス≫によって、平穏な日常がどんどん壊されていくことになる。《愛玩用エンジェロイド》と名乗り、地上で最初に出会った智樹を《マスター》と呼ぶイカロスは、彼の願いを叶える不思議な力を持っていた！さらにツンデレな≪ニンフ≫、おヴァカな≪アストレア≫と、ぞくぞく増えていく未確認生物により、破壊されていく智樹の日常。果たして映画では、どんな衝撃が待っているのか！？

この夏。ハイパー・デンジャラス可愛い『そらのおとしもの』から、目が離せない！

■キャスト

・桜井智樹／保志総一朗
・イカロス／早見沙織
・見月そはら／美名
・守形英四郎／鈴木達央
・五月田根美香子／高垣彩陽
・ニンフ／野水伊織
・ダイダロス／大亀あすか
・アストレア／福原香織
・風音日和／日笠陽子

■メインスタッフ

・原作／水無月すう（月刊「少年エース」連載、角川コミックス・エース刊）
・総監督／斎藤久
・監督／柳沢テツヤ
・脚本／柿原優子
・キャラクターデザイン／渡邊義弘
・SD・エフェクト総作画監督／鷲北恭太
・デザインワークス／鷲尾直広
・美術監督／杉山祐子、合六弘
・色彩設定／日比智恵子
・コンポジット・ディレクター／平林奈々恵、今泉秀樹
・編集／櫻井崇
・音響監督／高橋剛
・音響効果／今野康之・上野励（スワラ・プロ）
・音響制作／グロービジョン
・音楽／岩崎元是
・音楽プロデューサー／植村俊一
・音楽制作／日本コロムビア
・主題歌／blue drops〈吉田仁美＆イカロス(早見沙織)〉
・アニメーション・プロデューサー／黄樹弐悠
・制作／ＡＩＣ　ＡＳＴＡ
・製作／新大陸発見部

■メインキャラクタ

・戦略エンジェロイド・タイプα（アルファ）イカロス
空にある新大陸・シナプスから降ってきた、羽のはえた未確認生物。智樹の願いをかなえる不思議なカードを持っている。無敵の強さを持ち、シナプスでは「空の女王（ウラヌス・クイーン）」と恐れられていた。また可変ウイングシステムを全開にする事により、大量の戦闘兵器を搭載した戦闘ユニット　"ウラヌスシステム"を異次元より召還する事が出来る。飛行速度マッハ２４、無酸素活動時間連続７２０時間、圧壊深度3000メートル、バスト８８ウエスト５７ヒップ８５。智樹やそはら達と毎日を送るうち、少しずつ人間らしくなった・・・はずだが、相変わらず先の読めない珍騒動を繰り広げる。
・桜井 智樹（さくらい ともき）
空美町で一人暮らしをしている平凡な少年。「平和が一番」をモットーにしていたが、イカロスと出会う事により、その日常は破壊。中２病魂全開で、様々な男の夢をかなえてゆく。窮地に陥ると、じいちゃんの回想に勇気付けられ、一気に男らしくなる。イカロスの量子変換器で、少女バージョン"トモ子"に変身した際は、異様なテンションを発揮した。
・見月 そはら（みつき そはら）
智樹の隣家に住む幼なじみ。元気で明るい性格。一人暮らしの智樹の事を、なにかと気にかけている。成長途中のわがままバディ。智樹のセクハラに対しては、必殺の「そはらチョップ」が炸裂する。面倒見の良い性格で、イカロスやニンフの世話をなにかと焼くが、家事が苦手なため、彼女たちの優秀さに落ち込む事も。ちょっと（かなり？）妄想癖あり。
・守形 英四郎（すがた えいしろう）
智樹たちの通う学校にある「新大陸発見部」の、ただ一人の部員・・・だったが、前シリーズでは強引な手段で智樹たちを部員にした。手作りの飛行機で飛ぶ事と、空に浮かぶ「新大陸」の発見に情熱をかけており、学校内では変わり者として有名。なぜか河原でテントを張って自給自足の生活をしており、服は学生服一着しか所持していない。
・五月田根 美香子（さつきたね みかこ）
智樹の通う学校の生徒会長。空美町いちばんのセレブ。守形とは幼なじみ。美人で物腰は柔らかいが、腹黒い性格。お祭り好きで、有り余る財力と、底知れぬコネで、一学生の範疇を超えた大掛かりなイベントを企画する。空美町で怒らせると、一番怖い人物。
・電子戦用エンジェロイド・タイプβ（ベータ）ニンフ
イカロスに続いて、空からやってきた第二の未確認生物。ちょっとわがままな性格で、ツンデレの気あり。昼ドラとお菓子が大好き。その正体は、イカロスを連れ帰るために来たシナプスの手先だったが、智樹たちと交流していくうちに、人間に引かれていくようになる。前シリーズの最後に、シナプスからの刺客・ハーピーに背中の翼をむしり取られるが、智樹たちによって鎖を切断され、シナプスの支配から自由になった。電子戦用のため、ジャミングやハッキングが得意。その反面　攻撃力は劣り、超々超音波振動子（パラダイス＝ソング）という必殺技を持つが、劇中では有効なダメージを敵に与えた事はない。
・局地戦闘用エンジェロイドタイプΔ（デルタ）アストレア
イカロスとニンフの故郷、新大陸"シナプス"から送り込まれた、第三のエンジェロイド。桜井智樹の抹殺を使命とし、彼の命を執拗につけ狙う。近接戦闘に特化しており、それについてはイカロス以上の強さを誇る。主要装備である超振動光子剣「chryusaor（クリュサオル）」は、イカロスの絶対防御圏「aegis（イージス）」をも、軽々と斬り裂く。身長：159センチ／体重：48キロ。バスト９１ウエスト５６ヒップ８６。

■主題歌・楽曲

・OP1
・SECOND
・歌／blue drops（吉田仁美＆イカロス（早見沙織））
・ED1
・そらとまぼろし
・歌／blue drops（吉田仁美＆イカロス（早見沙織））

■評価と感想

『劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神』は、原作の魅力を最大限に引き出しつつ、新たなキャラクターとストーリーを加えることで、シリーズのファンだけでなく、新規視聴者にも楽しめる作品に仕上がっています。特に、新ヒロインの風音日和の存在は、物語に新たな深みと感動を与えています。彼女のキャラクターは、引っ込み思案で恥ずかしがり屋という設定が、智樹や他のキャラクターとの対比で一層際立っており、視聴者の共感を呼びます。また、彼女の成長と友情の物語は、シリーズのテーマである「平和」と「友情」を象徴するエピソードとして、心に響くものがあります。

映像面でも、劇場版ならではの壮大なスペクタクルが描かれており、特にシナプスの謎を解き明かすシーンでは、視覚的なインパクトとストーリーテリングの巧妙さが際立っています。アニメーション制作を担当したAIC ASTAの技術力が遺憾なく発揮されており、キャラクターの動きや背景の美しさは、テレビシリーズを超えるクオリティを誇っています。

音楽もまた、作品の魅力を引き立てる重要な要素となっています。主題歌「SECOND」と「そらとまぼろし」を担当したblue drops（吉田仁美＆イカロス（早見沙織））の歌声は、物語の感動を倍増させ、視聴者の心を揺さぶります。また、岩崎元是によるBGMは、シーンごとの雰囲気を巧みに演出しており、視聴者の感情を巧みに引き立てます。

■おすすめポイント

1. **新ヒロインの風音日和**：彼女のキャラクターと成長が物語に新たな深みを与え、視聴者の共感を呼びます。彼女の存在は、シリーズのテーマである「平和」と「友情」を象徴する重要な要素です。
2. **壮大なスペクタクル**：劇場版ならではの映像美とストーリーテリングが、視覚的なインパクトを与えます。シナプスの謎を解き明かすシーンは特に見応えがあります。
3. **音楽の魅力**：主題歌とBGMが物語の感動を倍増させ、視聴者の感情を巧みに引き立てます。blue dropsの歌声と岩崎元是の音楽は、作品の魅力を一層引き立てます。
4. **シリーズの集大成**：テレビシリーズの名場面を再構成しつつ、新たなストーリーを加えることで、シリーズのファンにとっては感動の集大成となる作品です。また、新規視聴者にも楽しめる内容となっています。
5. **キャラクターの成長と友情**：智樹やイカロス、ニンフ、アストレアなどのキャラクターの成長と友情が描かれており、視聴者の心を温かくします。特に、日和の入部後のエピソードは、友情の絆を感じさせる感動的なシーンが満載です。

■関連商品とイベント

『劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神』の公開に合わせて、様々な関連商品やイベントが開催されました。ブルーレイやDVDの発売、キャラクターグッズの販売、ファンイベントや上映会など、ファンにとっては見逃せない機会が多く提供されました。また、原作漫画の最新巻や関連書籍も発売され、シリーズ全体の魅力を再確認する機会となりました。

■結論

『劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神』は、シリーズのファンにとっては感動の集大成であり、新規視聴者にとっても楽しめる作品です。新ヒロインの風音日和の存在、壮大なスペクタクル、音楽の魅力、キャラクターの成長と友情など、様々な要素が組み合わさって、心に響く物語が描かれています。ぜひ、この作品を通じて『そらのおとしもの』の世界を体験してみてください。