黒執事Ⅱ - 深淵の主従と闇の邂逅
「黒執事Ⅱ」は、2010年に放送されたTVアニメシリーズで、原作は枢やなによる同名の漫画作品です。原作が掲載されているのは、スクウェア・エニックスの月刊「Gファンタジー」であり、ファンタジーとダークな要素が交錯する世界観が特徴的です。このシリーズは、シエル・ファントムハイヴと彼の執事セバスチャン・ミカエリスの物語を中心に展開しつつ、新たなキャラクターであるアロイス・トランシーとその執事クロード・フォースタスの登場により、さらに深みを増したストーリーとなっています。
放送情報
「黒執事Ⅱ」は、2010年7月2日から9月17日まで毎日放送(MBS)をはじめとするTBS系列で放送されました。具体的な放送スケジュールは以下の通りです。
- 毎日放送:2010年7月2日~2010年9月17日(毎週金曜 1:20~1:50)
- TBSテレビ:2010年7月3日~2010年9月18日(毎週土曜 1:55~2:25)
- 静岡放送:2010年7月3日~2010年9月18日(毎週土曜 2:10~2:40)
- 東北放送:2010年7月4日~2010年9月19日(毎週日曜 2:23~2:53)
- 中国放送:2010年7月4日~2010年9月19日(毎週日曜 2:43~3:13)
- 北海道放送:2010年7月5日~2010年9月20日(毎週月曜 2:00~2:30)
- 熊本放送:2010年7月5日~2010年9月20日(毎週月曜 2:20~2:50)
- RKB毎日放送:2010年7月6日~2010年9月21日(毎週火曜 2:25~2:55)
- 山陽放送:2010年7月6日~2010年9月21日(毎週火曜 2:50~3:20)
- 中部日本放送:2010年7月8日~2010年9月23日(毎週木曜 2:00~2:30)
- アニマックス:2010年11月2日~2011年1月25日(毎週火曜 22:00~22:30)
また、ネット配信も行われ、ニコニコチャンネル、アニメモビ、バンダイチャンネル、ShowTimeなどで視聴することができました。
ストーリー
シエル・ファントムハイヴは、自らに屈辱を与えた者への復讐を志しながらも、気高き魂を失わない少年です。彼の側には常に執事セバスチャン・ミカエリスが控えています。一方、アロイス・トランシーは、残虐な振る舞いと暗闇におびえる脆さを併せ持つ名門貴族の若き当主で、彼には漆黒の執事クロード・フォースタスが付き従っています。深き闇を抱える主と、その主の命を完璧にこなす執事。2組の主従が邂逅する時、物語は滔々と流れ始めます。
解説
「黒執事VS黒執事」はじまる――。シエル・ファントムハイヴは、自らに屈辱を与えた者への復讐を志しながらも、気高き魂を失わない少年です。彼の側には常に執事セバスチャン・ミカエリスが控えています。一方、アロイス・トランシーは、残虐な振る舞いと暗闇におびえる脆さを併せ持つ名門貴族の若き当主で、彼には漆黒の執事クロード・フォースタスが付き従っています。深き闇を抱える主と、その主の命を完璧にこなす執事。2組の主従が邂逅する時、物語は滔々と流れ始めます。
キャスト
主要なキャストは以下の通りです。
- セバスチャン・ミカエリス:小野大輔
- シエル・ファントムハイヴ:坂本真綾
- クロード・フォースタス:櫻井孝宏
- アロイス・トランシー:水樹奈々
- エリザベス:田村ゆかり
- ルカ:井上麻里奈
- グレル・サトクリフ:福山潤
- ハンナ・アナフェローズ:平野綾
- エドワード・アバーライン:菅沼久義
- バルドロイ:東地宏樹
- メイリン:加藤英美里
- フィニアン:梶裕貴
- タナカ:藤村俊二
- 葬儀屋:諏訪部順一
- ソーマ・アスマン・カダール:立花慎之介
- アグニ:安元洋貴
- 劉:遊佐浩二
- 藍猫:矢作紗友里
- アーサー・ランドル:青山穣
- ポーラ:伊月ゆい
- ドルイット子爵:鈴木達央
- ロナルド・ノックス:KENN
- ウィリアム・T・スピアーズ:杉山紀彰
- アーノルド・トランシー:星野充昭
- マーガレット:津田匠子
- ターナー:志村貴博
- エレン:石川綾乃
- エレンの夫:樋口智透
- アクロイド郷:齋藤龍吾
- トランシー伯爵:ふくまつ進紗
メインスタッフ
主要なスタッフは以下の通りです。
- 原作:枢やな(掲載/月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊)
- 企画:夏目公一朗、田口浩司、竹田靑滋、峯岸卓生、安田正樹
- シリーズ構成:岡田麿里
- キャラクターデザイン:芝美奈子
- キーアニメーター:坂﨑忠
- 美術設定:金平和茂
- 美術監督:緒続学
- 色彩設定:古市裕一
- CG・撮影監督:古川貴之
- 編集:後藤正浩
- プロップデザイン:宮川治雄
- 音楽:岩崎琢
- 音楽制作:アニプレックス
- 音響監督:小林克良
- 音響効果:三井友和
- 音響調整:山田陽
- 音楽プロデューサー:外村敬一
- 原図スキャン:平田浩章
- 編集助手:水津太盛
- 調整助手:松下春香
- 録音スタジオ:ブーメランスタジオ
- 音響制作担当:佐々木聡
- 音響制作:トリニティサウンド
- フォーマット編集:白井基記、本田裕樹
- ロゴデザイン:中川ユウヰチ
- 考証協力:村上リコ
- WEB宣伝プロデューサー:都築理恵
- 宣伝:小松慎太郎、丸山紗津貴、安藤ひと実、斎藤亜希子、塩谷総司
- 宣伝協力:長谷川博巳
- 制作事務統括:石川恵子
- 制作事務:北村佳子
- システム管理:吉岡正善
- 制作デスク:賀部匠美
- 設定制作:菊池礼乃
- アニプレックス:越智武、瀬尾勝、佐々木宏、西田丈彦、金沢利幸、本木円、塚本浩恵
- スクウェア・エニックス:居福明子、渡辺希和
- 博報堂DYメディアパートナーズ:小岐須泰世
- ムービック:太布尚弘
- 毎日放送:田村健彦、関谷祐輔、宮岡修武、加々本裕樹
- A-1 Pictures:武末治
- エグゼクティブプロデューサー:勝股英夫、植田益朗、落越友則、倉重宣之
- アソシエイトプロデューサー:木村康貴、前田俊博、金庭こず恵、征矢春香、細川修
- スーパーバイザー:熊剛
- 宣伝プロデューサー:山本和子
- プロデューサー:岩田幹宏、清水博之、丸山博雄、斎藤俊輔
- 制作:A-1 Pictures
- 監督:小倉宏文
- 製作:「黒執事II」製作委員会(アニプレックス、スクウェア・エニックス、博報堂DYメディアパートナーズ、ムービック)、毎日放送
メインキャラクタ
主要なキャラクターは以下の通りです。
- シエル・ファントムハイヴ:ファントムハイヴ家当主。13歳ながら、英国一の玩具・菓子メーカー「ファントム社」を経営する。一方で”女王の番犬”として秩序を乱す悪を制裁する裏の顔を持つ。自らに屈辱を与えた者に復讐するため悪魔と契約を交わす。
- セバスチャン・ミカエリス:いかなる主人の命令も、完璧にこなす執事。その正体は、シエルが復讐を果たすために契約を交わした悪魔。契約を完了し、シエルの魂を食べるその瞬間まで、完全無欠の執事として彼に仕える。
- バルドロイ:通称バルド。ファントムハイヴ家の料理人だが火力重視の調理法のため、今までまともな料理を作ったことは一度もない。ファントムハイヴ家使用人のリーダー的存在。以前は有能な兵士だった。
- メイリン:ファントムハイヴ家の家女中。極度のドジで訛りの入った口調で話す。強度の遠視で常に眼鏡をかけている。セバスチャンに憧れているが、全く報われていない。元は狙撃手だった。
- フィニアン:通称フィニ。ファントムハイヴ家の庭師。不器用で庭の木をすべて枯らすことも。元気で人なつっこい性格。意にそわぬ人体実験により怪力を得た過去を持つ。
- タナカ:シエルの父の代から仕えるファントムハイヴ家の家令。常に2頭身でお茶をすすっているが、時にリアル化することもある。
- アロイス・トランシー:名門トランシー家の若き当主。生まれて間もなくさらわれ、行方不明となっていたが、漆黒の執事・クロードとともに帰還した。その体験ゆえか、少年らしい明るさと暗闇におびえる脆さを併せ持つ。
- クロード・フォースタス:名前以外のすべてが謎に包まれた執事。主人であるアロイスに絶対の忠誠を誓っており広大なトランシー邸の一切を切り盛りする。眼鏡の奥の瞳は冷静さを失うことがない。
- ハンナ・アナフェローズ:トランシー家に仕える唯一のメイド。物静かで、つねに憂いの表情を浮かべている。褐色の肌が、異国情緒を感じさせる美女。
- トンプソン/ティンバー/カンタベリー:クロードの下で、黙々とトランシー邸内の仕事をこなす使用人。同じ顔をした三つ子で、左から、ティンバー、トンプソン、カンタベリー。
- エリザベス:愛称はリジー。シエルのいとこにして許婚。フルネームは、エリザベス・エセル・コーディリア・ミッドフォード。シエルのことがとにかく大好き。
- 劉:表向きは、貿易会社「崑崙」支店長だが、実は上海マフィア「青幇(チンパン)」の幹部。とぼけた発言を繰り返すが、時として冷酷な一面をのぞかせることもある。
- 藍猫:劉(ラウ)の側にいつも寄り添う義妹。無表情で寡黙。丈の短いチャイナ服を身にまとう。武器を手に戦いに参加することも。
- ドルイット子爵:本名はアレイスト・チェンバー。独特の美学の持ち主で先代のトランシー伯爵とも親交があったようだ。
- エドワード・アバーライン:スコットランドヤードの刑事。ランドル卿の部下で、事件解決のためロンドンの街を捜査する。
- グレル・サトクリフ:赤髪の死神。セバスチャンにぞっこんDEATH★ 事あるごとにセバスチャンに付きまとうが手ひどく拒絶されている。死神の鎌(デスサイズ)は、チェーンソー型。
- 葬儀屋(アンダーテイカー):表向きは葬儀屋だが、報酬として「極上の笑い」を要求する裏社会の情報屋でもある。元々は「伝説の死神」で、前髪に隠された素顔はグレルが惚れるほどのイケメン。
- アーノルド・トランシー:先代トランシー伯爵の弟で、アロイスの叔父。突然、クロードとともに帰還したアロイスに疑念を抱いているようだ。
- トランシー伯爵:アロイスの父親で、先代のトランシー伯爵。屋敷の内装を金色や赤色に飾り立てるなど、あまり趣味が良くなかったようだ……。
サブタイトル
各話のサブタイトルは以下の通りです。
- 第一話:クロ執事(2010/07/02)
- 第二話:単執事(そろしつじ)(2010/07/09)
- 第三話:女郎執事(めろしつじ)(2010/07/16)
- 第四話:テロ執事(2010/07/23)
- 第五話:狼煙執事(のろしつじ)(2010/07/30)
- 第六話:夜露執事(よろしつじ)(2010/08/06)
- 第七話:殺執事(ころしつじ)(2010/08/13)
- 第八話:吐露執事(とろしつじ)(2010/08/20)
- 第九話:虚執事(うろしつじ)(2010/08/27)
- 第十話:零執事(ぜろしつじ)(2010/09/03)
- 第十一話:岐路執事(きろしつじ)(2010/09/10)
- 第十二話:黒執事(くろしつじ)(2010/09/17)
関連作品
「黒執事Ⅱ」に関連する作品は以下の通りです。
- 黒執事 サキドリSP 最強の黒執事は誰だ?
- 黒執事
- 黒執事 番外編
- 黒執事 映像特典
- 黒執事 Ⅱ 番外編
- 黒執事 Ⅱ 特別編
- 黒執事 Ⅱ 映像特典
- 黒執事 Book of Circus
- 黒執事 Book of Murder
- 黒執事 Book of the Atlantic
主題歌・楽曲
主題歌や挿入歌は以下の通りです。
- OP1:SHIVER
- 作詞:流鬼
- 作曲:the GazettE
- 編曲:the GazettE
- 歌:the GazettE
- ED1:Bird
- 作詞:前田たかひろ
- 作曲:Jin Nakamura
- 編曲:Jin Nakamura
- 歌:松下優也
- ED2:輝く空の静寂には
- 作詞:梶浦由記
- 作曲:梶浦由記
- 編曲:梶浦由記
- 歌:Kalafina
- IN1:輝く空の静寂には
- 作詞:梶浦由記
- 作曲:梶浦由記
- 編曲:梶浦由記
- 歌:Kalafina
評価と感想
「黒執事Ⅱ」は、原作の魅力を引き継ぎつつ、新たなキャラクターとストーリーを導入することで、シリーズの深化を図った作品です。特に、アロイス・トランシーとクロード・フォースタスの登場は、シエルとセバスチャンの関係性をより鮮やかに浮き彫りにし、物語に新たな緊張感とドラマ性をもたらしました。
アニメーションのクオリティも高く、A-1 Picturesの制作力が遺憾なく発揮されています。キャラクターデザインや背景美術の美しさは、視覚的な魅力を大いに引き立てています。また、音楽も岩崎琢の作曲による壮大なスコアが物語の雰囲気を盛り上げ、視聴者の感情を引き立てる役割を果たしています。
キャストの演技も見事で、小野大輔のセバスチャン、坂本真綾のシエル、櫻井孝宏のクロード、水樹奈々のアロイスなど、各キャラクターの個性がしっかりと表現されています。特に、水樹奈々のアロイスは、残虐さと脆さを絶妙に演じ分け、視聴者の心を強く引きつけました。
ストーリー展開も巧妙で、シエルとアロイスの対立、セバスチャンとクロードの戦い、そしてそれぞれの過去や内面が徐々に明らかになっていく過程は、視聴者を引き込む力があります。また、各エピソードごとのテーマやサブタイトルもユニークで、視聴者の興味を喚起する工夫がなされています。
しかし、一部のファンからは原作からの逸脱が大きいという批判もありました。特に、アロイスとクロードのストーリーは原作とは異なる展開が多く、原作ファンにとっては違和感を感じる部分もあったようです。それでも、アニメ独自の解釈と展開は、新たな視点から「黒執事」の世界を楽しむことができると評価する声もあります。
推薦
「黒執事Ⅱ」は、ダークファンタジーとミステリーが好きな人、キャラクターの深い内面描写や人間ドラマを楽しみたい人におすすめです。また、原作のファンであれば、アニメ独自の解釈と展開を楽しむことができるでしょう。さらに、美しいアニメーションや音楽を堪能したい人にもおすすめです。
視聴する際には、原作との違いを理解した上で楽しむことが重要です。アニメ独自のストーリー展開やキャラクターの魅力を存分に味わい、シエルとセバスチャン、アロイスとクロードの主従関係の深淵に触れてみてください。
関連作品として、「黒執事」シリーズの他の作品もチェックしてみると、より深く「黒執事」の世界を理解することができるでしょう。特に、「黒執事 Book of Circus」や「黒執事 Book of Murder」は、原作に忠実なストーリー展開が魅力です。
「黒執事Ⅱ」は、深淵の主従と闇の邂逅を描いた作品であり、その魅力は視聴者を引き込む力があります。ぜひ、この作品を通じて「黒執事」の世界を堪能してみてください。 |