『TALES OF THE ABYSS』スペシャルファンディスクの新作スキット風アニメを徹底評価！

『テイルズ オブ ジ アビス スペシャル ファン ディスク シンサクスキットフウアニメ』の魅力と評価

『テイルズ オブ ジ アビス スペシャル ファン ディスク シンサクスキットフウアニメ』は、2009年12月22日に発売されたOVA作品であり、原作はバンダイナムコゲームスの人気RPG『テイルズ オブ ジ アビス』である。このファンディスクは、ゲームのファンにとっては待望の新作スキット風アニメを含む特別なコンテンツであり、シリーズの魅力を再確認する機会ともなっている。本記事では、この作品の詳細な内容、制作背景、キャラクター、ストーリー、そしてその評価と推薦について詳しく解説する。

作品概要

『テイルズ オブ ジ アビス スペシャル ファン ディスク シンサクスキットフウアニメ』は、OVAとして50分の1話構成で、サンライズが制作し、バンダイビジュアルとバンダイナムコゲームスが共同で製作した。監督はこだま兼嗣が務め、オリジナルキャラクターデザインは藤島康介が担当している。この作品は、ゲーム本編のストーリーを補完する新作スキット風アニメや、メインキャストによるスペシャル座談会、名シーン集、シリーズ全26話のストーリーダイジェストなど、ファンにとって嬉しい内容が詰まっている。

ストーリー

『テイルズ オブ ジ アビス』の世界は、惑星オールドラントを舞台にしている。千年前、星の誕生から消滅までの記憶を持つ「星の記憶」を巡る戦乱が続いていた。この戦乱は、人々だけでなく惑星自体をも荒廃させ、大規模な地殻変動が「障気」を生み出した。第七音素（セブンスフォニム）から「星の記憶」を詠み取る力を持つ天才譜術士ユリア・ジュエは、預言（スコア）に従って障気を封じ込め、惑星の滅亡を回避することに成功する。しかし、その偉大な功績は、預言を盲信するきっかけを人々に与え、ローレライ教団が発する預言に次第に支配されていった。

そして現在、世界はキムラスカ・ランバルディア王国とマルクト帝国の2大国に分割され、危うい均衡で平和が保たれている。しかし、ローレライ教団の幹部のみが知る惑星預言（プラネットスコア）に導かれ、世界は再び戦乱の世を迎えようとしていた。7年前に誘拐されてから屋敷での軟禁生活を強いられていたファブレ公爵家のワガママ息子ルークは、剣の師匠であり、ローレライ教団の主席総長であるヴァンを狙って屋敷に侵入したローレライ教団兵の少女・ティアと超振動を起して、敵国のマルクト帝国に飛ばされてしまう。誘拐以前の記憶がないため、初めて触れる外の世界に驚きと戸惑いを隠せないルーク。ティアの助けで、故郷キムラスカへの帰路を急ぐが、途中、マルクトの軍人・ジェイドに捕えられ、マルクト皇帝・ピオニー九世が派遣したという和平交渉の使者であり、ローレライ教団の最高指導者でもある、導師イオンと出会う。しかし、和平を嫌うローレライ教団の一派は、六神将を放ち、イオンを襲撃。ルークの行く先には、惑星の命運を左右する恐るべき謀略が仕組まれていた。

キャラクター

本作の主人公であるルーク・フォン・ファブレは、ファブレ公爵家の一人息子であり、キムラスカ国王の妹を母に持つ。7年前に誘拐事件に遭い、それ以前の記憶はない。成人するまでは屋敷内で軟禁状態で暮らすよう命じられていたが、剣術の師匠・ヴァンを襲ったティアと超振動を起こして、マルクト帝国領に飛ばされ、帰還の旅を始める。しかし、世界の根幹を揺るがす謀略にはめられ、アクゼリュス崩落を起こして多大な犠牲者を出す。拭いきれない罪を贖罪するため、生まれ変わろうと努力を始め、謀略阻止の為に仲間達と動き出す。

ヒロインのティア・グランツは、数少ない第七音素の使い手であり、ヴァン暗殺を謀り、ファブレ家に潜入、ルークと超振動を起こして、マルクトに飛ばされる。以後、ルークと行動を共にしていく。彼女はローレライ教団の神託の盾オラクル騎士団の第一小隊所属の響長であり、唱士として活躍する。

ジェイド・カーティスは、マルクト帝国皇帝ピオニー九世の懐刀といわれる切れ者であり、知略政略に優れ、譜術の腕も戦闘技術も超一流だが、非の打ち所は意地の悪い性格だけというくせ者。いつも飄々として笑顔を浮かべているが、仲間達全員に対してサド心を発揮し、身も蓋もない冗談で煙に巻くなどして楽しんでいる。

アニス・タトリンもまた、神託の盾騎士団の一員で、導師イオンの守護役であり、身の回りのお世話も務める。年上好きで、ちょっと狡猾なところのある女の子。教団兵に志願したのは3年前だが、人形士パペッターとしてめきめき頭角を現し、導師の守護役に昇格した。ぬいぐるみのトクナガを巨大化させて戦う。

ガイ・セシルは、ファブレ家の奉公人であり、外に出られないルークの兄貴分であり、忠実な僕。明るくおおらかな性格で面倒見も良く、周囲からの信頼も厚い。譜業に詳しく、音機関好きである。

ナタリア・L・K・ランバルディアは、キムラスカ・ランバルディア王国王女であり、ルークの婚約者。気高く、誇り高く、責任感ある性格故に、自国の民を救う為に率先して動く、王族らしからぬ気性の持ち主。弓の名手で武闘派でもある。

ミュウは、ユリアと契約した聖獣チーグル族の一員であり、仔供ながら、ソーサラーリングの力で強力な炎を吐くことができる。過ってライガの巣を焼き、ライガの為にチーグル族が食料泥棒を行う原因を作った。泥棒退治に現れたルークに命を救われ、恩を返す為、季節がひと巡りするまでルークに仕えよと命じられ同行することに。ソーサラーリングの力で人の言葉を話せるようになったが、語尾に必ず「ですの」がつくので、癇に障ったルークからは「ブタザル」と呼ばれるが、可愛いモノ好きのティアは密かに喜んでいる。パーティのマスコットである。

イオンは、ローレライ教団最高指導者である導師であり、歴代の導師が世界平和の象徴と思われており、イオンも、マルクトとキムラスカの和平を率先して働きかける。質素を旨とし華美を嫌い、実直である。

ヴァン・グランツは、ルークの剣術の師であり、神託の盾騎士団の主席総長。ファブレ家にも出入りを許され、信頼も厚い。普段は非常にクールである。

六神将の一人である鮮血のアッシュは、主人公ルークのオリジナルの存在であり、本物のルーク。ルークとは正反対に、独立不羈、天上天下唯我独尊。口は悪く態度も大きい。おまけにひねくれ者で、誰も信じない、誰も愛さない俺様系。だが、剣術の師でもあるヴァンを信頼し、「世界を預言スコアの支配から解放し、新たな人類の秩序を作る」という理想を信じて協力してきた。しかし、外殻大地の崩落をきっかけに、盲目的なヴァンへの信頼を止め、憎んでいたルーク達の阻止計画に手を貸すようになる。

その他にも、魔弾のリグレット、妖獣のアリエッタ、死神ディスト、烈風のシンク、黒獅子ラルゴなど、個性豊かなキャラクターが多数登場し、物語を盛り上げる。

制作背景とスタッフ

『テイルズ オブ ジ アビス スペシャル ファン ディスク シンサクスキットフウアニメ』の制作は、ゲーム本編のファンに対する感謝の意を込めて行われた。サンライズが制作を担当し、バンダイビジュアルとバンダイナムコゲームスが共同で製作した。監督はこだま兼嗣、副監督は佐藤照雄、シリーズ構成は面出明美、キャラクターデザインは菱沼義仁、モンスターとメカニカルデザインは石垣純哉、美術監督は池田繁美、色彩設計は赤間三佐子、撮影監督は小川滋見、CGディレクターは小森稲穂と福士直也、編集は鶴渕友彰、音楽は桜庭統、音楽プロデューサーはMOR、小池克実、眞野昇、音響監督は木村絵理子、音響制作は東北新社、エグゼクティブプロデューサーは尾崎雅之、久保聡、吉積信、アソシエイトプロデューサーは槙木裕紀、前田俊博、プロデューサーは小形尚弘、桑園裕子、樋口義人、丸山博雄が務めた。

評価と推薦

『テイルズ オブ ジ アビス スペシャル ファン ディスク シンサクスキットフウアニメ』は、ゲーム本編のファンにとっては必見の作品である。新作スキット風アニメ「名医ジェイド？」「ご主人様とメイド」は、ゲーム本編では見られないキャラクターの新たな一面を描いており、ファンにとっては新鮮な驚きと喜びを提供する。また、メインキャストによるスペシャル座談会は、キャラクターへの愛情と作品への思い入れを感じさせ、ファンとの絆を深める機会となっている。さらに、シリーズ全26話のストーリーダイジェストは、物語の全体像を再確認するのに役立ち、初めてこの作品に触れる人にとっても理解しやすい内容となっている。

この作品の魅力は、何と言ってもキャラクターの魅力と深いストーリーにある。ルークの成長と仲間たちとの絆、そして惑星の命運を左右する壮大な物語は、視聴者を引き込む力を持っている。また、美しいビジュアルと迫力のある戦闘シーン、そして感動的な音楽も作品の魅力を高めている。

推薦するポイントとしては、まずゲーム本編のファンには必見の内容であること。新たなスキットや座談会、名シーン集など、ゲーム本編では見られない特別なコンテンツが満載である。また、初めてこの作品に触れる人にもおすすめであり、ストーリーダイジェストを通じて物語の全体像を把握し、キャラクターの魅力に触れることができる。さらに、アニメーションのクオリティや音楽の美しさも高く評価されており、視覚的にも聴覚的にも満足できる作品となっている。

総じて、『テイルズ オブ ジ アビス スペシャル ファン ディスク シンサクスキットフウアニメ』は、ゲーム本編のファンにとっては欠かせない作品であり、初めてこの作品に触れる人にも十分に楽しめる内容となっている。キャラクターの魅力、深いストーリー、美しいビジュアルと音楽が融合したこの作品は、多くの人々に愛されることだろう。