天元突破グレンラガン 螺巌篇：熱血と感動の究極のバトルアニメを徹底解剖

天元突破グレンラガン 螺巌篇 - 圧倒的な物語とビジュアルの融合

2009年4月25日に公開された「天元突破グレンラガン 螺巌篇」は、GAINAXと中島かずきによるアニメオリジナル作品として、劇場版の形で我々の前に現れた。この作品は、テレビシリーズの続編でありながら、新たな視点と壮大なスケールで描かれた物語が、観客を引き込む魅力を持っている。130分という長さの中に詰め込まれた濃密な内容は、まさに「天元突破」の名にふさわしい一作だと言えるだろう。

ストーリー

「天に風穴が開いた日、明日に続く道を見た。」この一文から始まる物語は、運命と戦い続ける一人の男、シモンの物語である。カミナの死を乗り越え、螺旋王四天王を撃破し、王都テッペリンに迫る大グレン団の活躍から始まる。獣人軍との激戦の中、シモンは螺旋王ロージェノムと対峙し、壮絶な一騎打ちの末に勝利を収める。しかし、そのテッペリン攻略戦から7年後、地上を取り戻した人類は瞬く間に文明を構築し、繁栄を謳歌する。しかし、その手を宇宙にまで伸ばしたとき、正体不明の敵が現れる。人類は圧倒的な力の前に蹂躙され、「絶対的絶望」に囚われるが、シモンと大グレン団は再び立ち上がり、最後の戦いを始めるのである。

キャラクター

シモンは、王都テッペリン改めカミナシティに設立された新政府の総司令官に就任し、公務に忙殺される日々を送っている。気弱で幼かった少年の面影は残しつつも、表情や外見は男らしく成長している。一方、ニアはシモンやグレン団の仲間たちと共にカミナシティで生活しており、幼かった彼女も7年の間に美しい女性に成長している。ヨーコは新政府設立の際、就任を要請された役職を蹴り、新天地を求めて旅立つ。リーロン・リットナーは新政府の科学局長官に就任し、月面探査用ロケットガンメンなどを開発するなど、相変わらずの日々を送っている。ヴィラルはテッペリン攻略戦で行方不明になっていた後、ゲリラとして新政府に対抗する人々に協力していた。ダヤッカ・リットナーは新政府で食料局局長に就任し、テッペリン攻略戦のあとキヨウと結婚、幸せな家庭を築いている。キタン・バチカは新政府の法務局局長に就任し、血の気の多さは相変わらずのようだが、同時に今の立場に息苦しさも感じている模様。キヨウ・リットナーは黒の兄弟の長女で、テッペリン攻略戦のあとダヤッカと結婚し、幸せな家庭を築いている。キノン・バチカは黒の兄弟の次女で、新政府でロシウ補佐官の秘書をつとめる。キヤル・バチカは黒の兄弟の三女で、テッペンリン攻略戦後、ダヤッカ家に居候している。ロシウ・アダイはカミナシティにおいて、シモン総司令官の補佐に就任し、聡明さは7年前と変わらず、少々尺定規な性格は時折シモンを辟易させることも。ギミー・アダイはテッペリン攻略戦の頃は幼い少年だったが、今では新政府防衛隊に所属し、新型ガンメン・グラパールのエースパイロットとして活躍している。ダリー・アダイはギミーと共にグラパール隊に所属し、射撃の腕は超一流で、ギミーのよきパートナー。ココ爺はテッペリン攻略戦後の7年間で実は羊獣人(シーブス)と判明し、相変わらず何を考えているのかわからないが、恭しくニアに仕えている。ギンブレー&シベラはロシウ補佐官をサポートする若い秘書官で、新世代のエリートで、心酔するロシウ以外のグレン団の面々を軽蔑している素振りも。大グレン団はテッペリン攻略戦に生き残った彼らも新政府の役職についたり、別の仕事に従事したりとカミナシティでそれぞれの生活を営んでいる。マッケン&レイテ夫妻はテッペリン攻略戦後に結婚し、今では3人の子持ちで、カミナシティで修理工場を営んでいる。ロージェノムヘッドはロシウが極秘裏にロージェノムの遺伝子情報から頭脳だけを蘇らせた生体コンピューターで、その口から語られる「世界の真実」とは何か。メッセンジャー・ニアは地上の人間が100万人を超えた時、ニアが覚醒したもう一つの姿で、これまでの彼女の面影はなく、「アンチスパイラルの使い」と称し人類殲滅を図る。ブータはシモンの相棒ともいえるブタモグラで、普通なら大きくなっているはずだが、彼は子供のままらしい。

メインロボ・アイテム

グレンラガンは7年前のテッペリン攻略戦で受けたダメージも回復し、新政府のシンボルとなっている。ラガンの機能に関しては相変わらず不明な点が多い。グラパールは新政府がグレンラガンをもとに開発した量産型グレンラガンで、従来のガンメンより扱いやすくなっている。ギミー専用の青いグラパールは基本性能は量産機と同等で、ハンドガン、ブレードなどを装備している。ダリー専用グラパールは基本性能は量産機と同等で、前に突出しがちなギミーのバックアップにまわることが多い。ムガンは地上の人間が100万人に達した時、突如飛来したアンチスパイラルの尖兵で、不安定な構造をしており、破壊すると細かく分裂し爆散する。アークグレンはカミナシティ地下で発見された超弩級スペースダイガンで、30万はいるシティおよび、近隣の住人を収容できるほど巨大で、ロージェノムの遺産であり、ロシウはこれで地球脱出を図るが…。上級ムガンはムガンよりもさらに大きいムガンで、大きさだけでなく攻撃力・防御力・爆散時の破壊力も桁違いで、下に多数のムガンをぶら下げている。キングキタン(スピンバリアー弾装備ver.)は対アンチスパイラル用にスピンバリアー弾を装備したキングキタンで、他にもレイテによって出力系などに大幅な改良が加えられている。ダヤッカイザー(スピンバリアー弾装備ver.)は対アンチスパイラル用にスピンバリアー弾を装備したダヤッカイザーで、ヨーコが搭乗する。大グレン団(対アンチスパイラル仕様)は対アンチスパイラル用にレイテによって大幅な改良が加えられた大グレン団のガンメンで、大気圏外での活動も可能になった。キョムガン・クウムガンは最上級クラスのムガンで、宇宙に脱出を図ったアークグレンを待ち受けていた。アークグレンラガンはグレンラガンとアークグレンが合体して誕生した超弩級ガンメンで、その拳の一撃は次元をも突き破る。超銀河ダイグレンはアンチスパイラルによって月に偽装されていた超々弩級ダイガンで、もとはロージェノムの旗艦「カテドラル・テラ」で、ギガコアドリルによりコントロールを取り戻し、新たに大グレン団の旗艦となる。スペースキングキタンは超銀河ダイグレン内で生産された、超大型ガンメンで、中にガンメン用の操縦席があり、キングキタンで操縦する。スペースダヤッカイザーは宇宙用超大型ガンメンで、ヨーコがダヤッカイザーで操縦し、長距離砲だけでなく、腕・脚部にミサイルポッドなどを装備している。スペースガンメンは宇宙用超大型ガンメンで、全て超銀河ダイグレン内で生産されたもの。アンチスパイラル艦隊はアンチスパイラル率いる巨大艦隊で、その圧倒的な数とワープ能力で大グレン団を翻弄する。超銀河グレンラガンは超銀河ダイグレンが変型し、誕生した超絶螺旋 超弩級ガンメンである。

制作スタッフ

原作はGAINAXと中島かずき、監督とメカ作画監督は今石洋之、副監督は大塚雅彦、脚本は中島かずき、絵コンテは今石洋之、演出は大塚雅彦と上村泰、キャラクターデザインと総作画監督とキャラクター作画監督は錦織敦史、メカデザインは吉成曜、テロップデザインは上杉季明と真鍋義明、モニターデザインは荒井宏文、デザインワークスはコヤマシゲト、アイキャッチは今石洋之、美術監督は平間由香(美峰)、色彩設計は高星晴美、撮影監督は山田豊徳、3DCGIはサンジゲン、3DCGIプロデューサーは松浦裕暁、編集は植松淳一、音響監督はなかのとおる、音響効果は小山健二(サウンドボックス)、音楽は岩崎琢、エグゼクティブプロデューサーは植田益朗、外山晃久、安田猛、橋荘一郎、高田佳夫、プロデューサーは鳥羽洋典と武田康廣、アニメーション制作はGAINAX、製作は劇場版グレンラガン製作委員会(アニプレックス、ガイナックス、コナミデジタルエンタテインメント、角川書店、テレビ東京、電通)、配給は角川書店とクロックワークスである。

キャスト

シモン役は柿原徹也、カミナ役は小西克幸、ニア役は福井裕佳梨、ヨーコ役は井上麻里奈、ブータ役は伊藤静、ヴィラル役は檜山修之、キタン役は谷山紀章、ロシウ役は斎賀みつき、リーロン役は小野坂昌也、ダヤッカ役は中村大樹、ギミー役は本田貴子、キヨウ役は佐藤利奈、キノン役は植田佳奈、キヤル役は阿澄佳奈、テツカン役は水島大宙、キッド役は近藤隆、アイラック役は桐井大介、ゾーシィ役は川上貴史、アーテンボロー役は桐井大介、マッケン役は神永レオ、ジョーガン役は四宮豪、バリンボー役は堂坂晃三、シベラ役は寺田はるひ、壮年シモン役は菅生隆之、ロージェノム役は池田成志、アンチスパイラル役は上川隆也である。

主題歌・楽曲

主題歌「TM1」は「涙の種、笑顔の花」で、作詞はmeg rock、作曲は黒須克彦、編曲はnishi-ken、歌は中川翔子である。挿入歌「IN1」は「空色デイズ -天元突破EDITION-」で、作詞はmeg rock、作曲は齋藤真也、編曲は齋須憲祐、歌は中川翔子である。

関連作品

関連作品としては、「天元突破グレンラガン」、「劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇」、「グレンラガン PARALLEL WORKS 1」、「グレンラガン PARALLEL WORKS 2」、「キラメキ☆ヨーコBOX Pieces of sweet stars」、「天元突破グレンラガン OVA 第5.5話」、「天元突破グレンラガン 6話 解放版」がある。

評価と推薦

「天元突破グレンラガン 螺巌篇」は、テレビシリーズの続編として、より深いテーマと壮大なスケールで描かれた作品である。シモンの成長と彼を取り巻く仲間たちのドラマは、観客に深い感動を与える。特に、シモンが「絶対的絶望」に立ち向かう姿は、視聴者に勇気と希望を与えるだろう。また、メカデザインや戦闘シーンのビジュアルは、GAINAXの技術力とクリエイティブな発想を存分に感じさせる。音楽も物語を盛り上げる重要な要素であり、中川翔子の歌声は作品の世界観をさらに引き立てている。

この作品は、既に「天元突破グレンラガン」を視聴したファンだけでなく、新たにこのシリーズに触れる人にも強く推薦したい。特に、壮大な物語とビジュアルを楽しみたい人、キャラクターの成長とドラマに感動したい人、そして何よりも「天元突破」の精神に共感したい人には必見の作品である。劇場版として完成されたこの作品は、まさに「天元突破」の集大成と言えるだろう。