『おとぎストーリー 天使のしっぽ』レビュー：魅力的なファンタジーの世界へ

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』：不運な青年の奇跡の物語

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』は、2001年に放送されたTVアニメシリーズで、原作は六月十三によるアニメオリジナル作品です。WOWOWで放送され、全12話、各話25分という構成で、監督は越智一裕、制作は東京キッズが担当しました。著作権はワンダーファームと『天使のしっぽ』プロジェクトに帰属しています。

ストーリー

あるところに、ひとりの「ツイていない」青年がいました。彼の名前は睦悟郎。動物を愛する心優しい青年ですが、就職先の会社は倒産、財布は落とす、道を歩けば看板にぶつかる、などなどまるでこの世の不幸をすべて背負ったかのような不運ぶりでした。しかし、彼の生活はひとりの占い師との出会いで一変します。その占い師がかけた魔法の力で、携帯電話から「守護天使」と名乗る可愛い女の子たちが現われたのです。「めいどの世界」からやってきた守護天使たちは、かつて青年が過去に飼っていたペット達の生まれ変わりでした。彼女たちは、青年に可愛がってもらった恩返しをするために、再び彼のもとにやってきたのです。はてさて、どんな生活が待ち受けていることやら…。

解説

2000年8月、学研『メガミマガジン』誌上での読者参加企画（連載名は『P.E.T.S.3』・学研よりムック本が発売中）から、アニメーション、ゲーム、コミックス等、その世界を大きく広げていった『天使のしっぽ』。この作品は、動物愛護のテーマを背景に、人間と動物の絆を描いたファンタジー作品として多くのファンを魅了しました。特に、守護天使たちの個性的なキャラクターと、彼女たちが前世で抱えたトラウマを克服していく過程が見どころとなっています。

キャスト

・睦悟郎／菅沼久義
・キンギョのラン／田中理恵
・インコのツバサ／野川さくら
・ハムスターのクルミ／仁後真耶子
・ヘビのユキ／氷上恭子
・ウサギのミカ／ゆかな
・カメのアユミ／川澄綾子
・キツネのアカネ／千葉紗子
・タヌキのミドリ／小林晃子
・ネコのタマミ／大沢千秋
・サルのモモ／平野綾
・イヌのナナ／長谷川静香
・カエルのルル／清水芽衣
・メガミ様／幸田夏穂
・青龍のゴウ／森川智之
・玄武のシン／櫻井孝宏
・朱雀のレイ／宮田幸季
・白虎のガイ／吉野裕行

メインスタッフ

・企画／有栖川ケイ
・原作、シリーズ構成／六月十三
・監督／越智一裕
・キャラクターデザイン、総作画監督／小林多加志
・脚本／岡田麿里
・美術監督／菅原清二
・撮影監督／久保博志
・編集／今井剛
・音響プロデューサー／本田保則
・音響監督／吉田知弘
・音響制作／アーツプロ
・音楽プロデューサー／井上俊次
・音楽／平岩嘉信
・音楽制作／ランティス
・制作プロデューサー／木村健吾
・アニメーション制作／東京キッズ
・制作／ワンダーファーム
・製作／『天使のしっぽ』プロジェクト

メインキャラクタ

・睦悟郎
動物が大好きで心優しい青年。生傷が絶えずよく物を落とすなど、とにかくツイていない人生を歩んできた。いきなり現れた女の子たち守護天使のご主人様になることに…。
・キンギョのラン
3級守護天使。15歳。前世はキンギョ。溺死したため、水がトラウマ。ご主人様に対する敬愛が、言葉の端々から感じられる丁寧な口調が特徴。おしとやかでお嬢様的な性格。
・インコのツバサ
4級守護天使。14歳。前世はインコ。転落死したため、高所がトラウマ。歌と踊りが大好きで、スポーツも大好き。明るくて、活発な元気印の女の子。
・ハムスターのクルミ
6級守護天使。13歳。前世はハムスター。餓死したため、空腹がトラウマ。天真爛漫・天衣無縫といった感じの女の子。キョーレツな食いしん坊。「～なのー」の口調が特徴。
・ヘビのユキ
1級守護天使。18歳。前世はヘビ。焼死したため、熱さや火がトラウマ。落ち着いた物腰が特徴。守護天使としての知識も豊富で、みんなのまとめ役にもなっている。
・ウサギのミカ
3級守護天使。17歳。前世はウサギ。孤独死したため、孤独がトラウマ。ことあるごとにご主人様を独占しようと画策する。ナイスバディーの持ち主で、ちょっとわがままな女の子。
・カメのアユミ
2級守護天使。16歳。前世はカメ。圧死したため、閉所や暗所がトラウマ。頭脳明晰であり、物事を論理的にとらえる。口調はおだやかだが、意見はしっかりと貫く頑固な一面も。
・キツネのアカネ
5級守護天使。12歳。前世はキツネ。銃殺されたため、音や破裂音がトラウマ。クールな物腰の女の子。前世の印象から人間にはあまり良い印象をもっていない。変化の能力がある。
・タヌキのミドリ
6級守護天使。11歳。前世はタヌキ。食中毒で死んだため、偏食がトラウマ。おっとりした性格で、ひなたぼっこが大好き。「～れす」の口調が特徴。変化能力がある。
・ネコのタマミ
4級守護天使。10歳。前世はネコ。交通事故で死んだため、車輪などがトラウマ。とても器用で計算や仕事をこなす女の子。年上の守護天使たちに生意気な態度をとることも…。
・サルのモモ
7級守護天使。9歳。前世はサル。感電死したため、電化製品がトラウマ。とってもおとなしくてシャイな女の子。話すときも小声でささやくように話すことが多い。
・イヌのナナ
8級守護天使。8歳。前世はイヌ。衰弱死したため、方向音痴がトラウマ。おてんばな女の子。極度の方向音痴だが、ご主人様とのお散歩が大好き。ルルとモモとは大の仲良し。
・カエルのルル
8級守護天使。7歳。前世はカエル。凍死したため、寒さがトラウマ。かわいさあふれる女の子。本人は「れでぃー」になりたいと思っている。舌足らずなしゃべり方が特徴。

メインロボ・アイテム

・守護天使
「守護天使」とは、前世で受けた愛情や恩を返すために、ペットや動物たちが転生した姿です。その姿は、自分とご主人様との関わりの深かった人を模しています。「守護天使」は、その能力や悟りに応じて、９つの階級に分けられています。「ご主人様の幸せが自分の幸せ」である守護天使。
・メイドの世界
恩返しを夢見る動物たちの魂が集う場所……めいどの世界。この世界を統べるのは、１級守護天使から昇級したメガミ様。メガミ様の指導のもと、守護天使たちは勉強を積み、来るべきご主人様との再会を待つのです。

サブタイトル

・第1話／忘れえぬ絆
・第2話／トラウマなんて、こわくない！
・第3話／お世話はおまかせ、ご主人様！
・第4話／いやだよ、サヨナラ……
・第5話／思いだして、ご主人様……
・第6話／おソバ屋さんのご主人様
・第7話／ちっちゃな天使の小学校
・第8話／危険なアルバイト!?
・第9話／芽生えはじめたキモチ
・第10話／この身にかえてもお守りします！
・第11話／…別れはいつも、突然に
・第12話／ご主人様、だ～いすきっ！

関連作品

・天使のしっぽ Chu!
・毒天使のしっぽ
・セイント・ビースト～聖獣降臨編～
・セイント・ビースト～光陰叙事詩天使譚～

主題歌・楽曲

・OP1
・天使のしっぽ
・作詞／六月十三
・作曲／宮島律子
・編曲／須藤賢一
・歌／P.E.T.S.

・ED1
・One Drop
・作詞／谷口正明
・作曲／伊藤真澄
・編曲／伊藤真澄
・歌／野川さくら

・IN1
・愛の星
・作詞／谷口正明
・作曲／伊藤真澄
・編曲／伊藤真澄
・歌／伊藤真澄

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』の魅力と評価

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』は、その独特な設定とキャラクターの魅力で多くのファンを獲得しました。特に、守護天使たちが前世のトラウマを抱えながらも、ご主人様である睦悟郎の幸せのために奮闘する姿は、視聴者に感動を与えました。また、各エピソードごとに描かれる守護天使たちの成長や絆の深まりは、物語に深みを与えています。

この作品の魅力は、何と言っても個性的なキャラクターたちにあります。キンギョのラン、インコのツバサ、ハムスターのクルミなど、各守護天使が前世の動物の特徴を引き継ぎつつも、人間としての個性を持っている点がユニークです。また、彼女たちが抱えるトラウマを克服していく過程は、視聴者に共感を呼びます。特に、ユキやミカなどのキャラクターは、深い背景を持つことで物語に厚みを与えています。

また、音楽もこの作品の魅力を引き立てる重要な要素です。オープニングテーマ「天使のしっぽ」は、P.E.T.S.による歌唱で、物語のファンタジー感を強調しています。エンディングテーマ「One Drop」は、野川さくらの歌声で、守護天使たちの純粋な心を表現しています。挿入歌「愛の星」も、伊藤真澄の歌唱で、物語の感動的なシーンを盛り上げています。

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』の制作背景と影響

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』は、2000年8月に学研『メガミマガジン』誌上で行われた読者参加企画『P.E.T.S.3』から生まれました。この企画は、読者からのアイデアを基にストーリーを展開するという新しい試みで、多くのファンが参加しました。その結果、2001年にTVアニメシリーズとして放送されることとなりました。

この作品は、動物愛護のテーマを背景に、人間と動物の絆を描いたファンタジー作品として評価されました。また、守護天使という設定は、視聴者に新鮮な驚きを与え、多くのファンから支持を得ました。さらに、この作品はゲームやコミックスにも展開され、その世界観を広げていきました。

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』の影響は大きく、関連作品として『天使のしっぽ Chu!』や『毒天使のしっぽ』などが制作されました。また、同じくファンタジー要素を持つ『セイント・ビースト～聖獣降臨編～』や『セイント・ビースト～光陰叙事詩天使譚～』なども、この作品の影響を受けたと言われています。

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』の推薦ポイント

『おとぎストーリー 天使のしっぽ』は、ファンタジーと感動の物語を楽しみたい人におすすめです。特に、動物が好きな人や、人間と動物の絆を描いた作品が好きな人には、ぜひ見てほしい作品です。また、個性的なキャラクターたちの成長や絆の深まりを描いたエピソードは、心温まる感動を与えてくれます。

さらに、この作品は音楽も魅力の一つです。オープニング、エンディング、挿入歌のすべてが物語を盛り上げ、視聴者の心を捉えます。特に、P.E.T.S.や野川さくら、伊藤真澄の歌声は、物語の感動を倍増させます。

最後に、『おとぎストーリー 天使のしっぽ』は、ファンタジーと感動の物語を楽しみたい人、動物が好きな人、個性的なキャラクターたちの成長や絆の深まりを描いた作品が好きな人に強く推薦します。この作品は、視聴者に新鮮な驚きと感動を与えてくれることでしょう。