『魔法の天使クリィミーマミ』レビュー:80年代のアニメの魅力と現代への影響

『魔法の天使クリィミーマミ』レビュー:80年代のアニメの魅力と現代への影響

魔法の天使クリィミーマミ:80年代の魔法少女アニメの金字塔

1983年から1984年にかけて放送された「魔法の天使クリィミーマミ」は、スタジオぴえろが制作した魔法少女アニメシリーズの第一作目であり、80年代のアニメファンにとっては忘れられない作品の一つです。この作品は、従来の魔女っ子アニメの枠を超え、主人公の心の成長や日常生活を描くことで新たな視点を提供しました。また、主人公の声優として起用された太田貴子が実際にアイドルとして活動していたことも話題となり、フィクションとリアルが交錯する新しい試みが注目されました。

ストーリー

ごく普通の女の子・森沢優は、ある日、助けた妖精にもらった魔法のステッキで、10歳の優から17歳の優に変身できるようになります。そして変身した姿で歩いているところをスカウトされ、芸能界へデビューすることに!「クリィミーマミ」として一躍有名になるが、「優がマミ」ということを誰かに知られると魔法が使えなくなってしまう。優は誰にも気づかれないよう、優として、マミとして、慌ただしい毎日を送ることになります。

解説

「魔法の天使クリィミーマミ」は、スタジオぴえろの魔法少女シリーズの第一作であり、ぴえろ初のオリジナルTVアニメシリーズとして制作されました。従来の魔女っ子アニメと同様、コメディを基調として描かれてはいるものの、多感な年頃である主人公の心の揺らめきや、日常描写を重視したドラマ展開は、これまでにない新鮮味を醸し出しています。主人公の声優として、主題歌の歌唱も担当した新人アイドル歌手の太田貴子を起用。空想のアイドル・クリィミーマミと、実在のアイドル・太田貴子とを巧みにクロスオーバーさせた画期的な新戦略が大いに話題を集めました。

キャスト

・森沢 優/太田貴子
・クリィミーマミ/太田貴子
・大伴俊夫/水島 裕
・綾瀬めぐみ/島津冴子
・立花慎吾/井上和彦
・森沢哲夫/村山 明
・森沢なつめ/土井美加
・ネガ/肝付兼太
・ポジ/三田ゆう子
・如月みどり/安西正弘
・木所マネージャー/亀山助清

メインスタッフ

・企画/布川ゆうじ
・プロデューサー/堀越 徹(日本テレビ)、大野 実(読売広告社)、鈴木義瀧(スタジオぴえろ)
・総監督/小林 治(亜細亜堂)
・原案・構成/伊藤和典
・脚本/伊藤和典、島田 満、戸田博史、柳川 茂、土屋斗紀雄、金子修介、小西川博、川崎智子、丸尾恵子
・絵コンテ/演出/小林 治、立場 良、望月智充、橋本なおと、水谷貴哉、安濃高志、玉野陽美、大町 繁、向後知一
・絵コンテ/高橋資祐、青木悠三、石田晋一、案納正美
・演出/市川五領、本郷みつる
・キャラクターデザイン/高田明美
・作画監督/河内日出夫、高橋信也、高田明美、古瀬 登、山内昇寿郎、後藤真砂子、大坂竹志、遠藤麻未、昆 進之介、千葉順三、ほか
・美術監督/小林七郎
・撮影監督/若菜章夫
・原画/岡田敏靖、川端 宏、矢沢則子、種本武美、練木正宏、新留俊哉、小林一三、高橋資祐、小林慶輝、千葉順三、兼島広光、志村宣子、清水 環、ほか
・編集/森田清次、河野淳子
・制作担当/津布久仁子
・音楽/馬鵜野康二
・音響監督/藤山房延
・音響効果/佐々木純一(アニメサウンド)
・選曲/中村 修
・調整/伊東忠美
・背景/小林プロダクション
・アニメ撮影/スタジオぎゃろっぷ
・編集室/森田編集室
・録音制作/ザック・プロモーション
・録音スタジオ/新坂録音
・現像/東京現像所
・制作/スタジオぴえろ
・音楽制作/日本テレビ音楽、徳間ジャパン

メインキャラクタ

・森沢 優【もりさわゆう】
幼なじみの俊夫に片想いをしている10歳の普通の女の子。魔法世界の妖精からもらった魔法のステッキで1年間だけ魔法が使えるようになる。その魔法の力でクリィミーマミに変身しアイドル歌手として活躍する。
・クリィミーマミ
優が魔法の力で変身した17歳の少女。街を歩いているところを芸能プロダクションにスカウトされ、それがきっかけでアイドルデビューすることに。
・大伴俊夫【おおともとしお】
明るくて元気な優の幼なじみで、マミの大ファン。好奇心旺盛な反面、女の子の気持ちには鈍感で優の気持ちには全く気づいていない。
・ネガ
フェザースター(魔法世界)の妖精で、優のお目付け役。地上では雄猫の格好をしている。性格は怠け者で皮肉屋。
・ポジ
フェザースター(魔法世界)の妖精で、優のお目付け役。地上では雌猫の格好をしている。性格は楽天的でしっかり者。

サブタイトル

・第1話/フェザースターの舟
・第2話/スター誕生!
・第3話/デビュー! デビュー!!
・第4話/スクランブルトップテン
・第5話/あぶない!? マミの秘密!
・第6話/伝説の雄鹿
・第7話/大親分に花束を!
・第8話/渚のミラクルデュエット
・第9話/ま夏の妖精
・第10話/ハローキャサリン
・第11話/パパは中年ライダー
・第12話/スタジオは大停電!
・第13話/鏡のむこうのマミ
・第14話/私のMr.ドリーム
・第15話/虹色の天使
・第16話/海に消えたメモリー
・第17話/時のねむる森
・第18話/ざしきわらしの冒険
・第19話/マミの一番長い日
・第20話/危険なおくりもの!
・第21話/かわいい恋のパーティ
・第22話/みどり君とプップクプー
・第23話/星のパラソル
・第24話/クマ熊オーディション
・第25話/波乱! 歌謡祭の夜
・第26話/バイバイ・ミラクル
・第27話/フェザースターへ!
・第28話/ふしぎな転校生
・第29話/ロープウェイ・パニック
・第30話/前略おばあちゃん
・第31話/優のフラッシュダンス
・第32話/二人だけのバレンタイン
・第33話/恐怖のハクション!
・第34話/スネークジョーの逆襲
・第35話/立花さん、女になる!?
・第36話/銀河サーカス1984
・第37話/マリアンの瞳
・第38話/ときめきファンクラブ
・第39話/ジュラ紀怪獣オジラ!
・第40話/くりみヶ丘小麦粉戦争
・第41話/勉強しすぎに御用心
・第42話/ママの思い出ステージ
・第43話/走れ優! カメよりも速く
・第44話/SOS! 夢嵐からの脱出
・第45話/悲しみの超能力少年
・第46話/私のすてきなピアニスト
・第47話/マミのファーストキッス
・第48話/優とみどりの初デート!
・第49話/潜入! 立花さんちの秘宝
・第50話/マミがいなくなる…
・第51話/俊夫! 思い出さないで
・第52話/ファイナル・ステージ

主題歌・楽曲

・OP
・デリケートに好きして
・作詞/古田喜昭
・作曲/古田喜昭
・編曲/大村雅朗
・歌/太田貴子

・ED
・パジャマのままで
・作詞/古田喜昭
・作曲/古田喜昭
・編曲/大村雅朗
・歌/太田貴子

・ED2
・LOVEさりげなく
・作詞/三浦徳子
・作曲/小田裕一郎
・編曲/西村昌敏
・歌/太田貴子

・IN
・BIN・KANルージュ
・作詞/岩里祐穂
・作曲/亀井登志夫
・編曲/岩本正樹
・歌/太田貴子

・IN
・美衝撃(ビューティフル・ショック)
・作詞/亜蘭知子
・作曲/織田哲郎
・編曲/西村昌敏
・歌/太田貴子

・IN
・囁いてジュテーム-Je t'aime-
・作詞/亜蘭知子
・作曲/織田哲郎
・編曲/岩本正樹
・歌/太田貴子

・IN
・ラストキッスでGOOD LUCK!
・作詞/古田喜昭
・作曲/古田喜昭
・編曲/馬飼野康二
・歌/島津冴子

・IN
・優のクリィミーマミ
・作詞/古田喜昭
・作曲/古田喜昭
・編曲/馬飼野康二
・歌/太田貴子

評価と影響

「魔法の天使クリィミーマミ」は、80年代の魔法少女アニメの中でも特に高い評価を受けており、その影響力は現在でも色濃く残っています。特に、主人公の森沢優が魔法のステッキを使ってクリィミーマミに変身するという設定は、後の魔法少女アニメに大きな影響を与えました。また、太田貴子が声優としてだけでなく、実際にアイドルとして活動していたことは、フィクションとリアルを融合させる新しい試みとして注目されました。このクロスオーバー戦略は、視聴者に新鮮な驚きを与え、作品の人気を一層高める要因となりました。

さらに、この作品はコメディ要素だけでなく、主人公の心の成長や日常生活を描くことで、視聴者に深い感動を与えました。優がマミとして芸能界で活躍しながらも、自分の正体を隠さなければならない葛藤や、幼なじみの俊夫への片想いなど、多感な年頃の少女の心の揺らめきがリアルに描かれています。これらの要素は、視聴者に共感を呼び、作品の魅力を引き立てました。

推薦ポイント

「魔法の天使クリィミーマミ」は、80年代の魔法少女アニメの金字塔であり、現在でもその魅力は色褪せていません。特に、以下のポイントが推薦ポイントとして挙げられます。

1. **新しい試みとクロスオーバー戦略**:太田貴子が声優とアイドルを兼ねることで、フィクションとリアルが交錯する新しい試みが注目されました。この戦略は、視聴者に新鮮な驚きを与え、作品の人気を高める要因となりました。

2. **主人公の心の成長と日常描写**:優の心の成長や日常生活を描くことで、視聴者に深い感動を与えました。多感な年頃の少女の心の揺らめきがリアルに描かれており、共感を呼びます。

3. **コメディとドラマのバランス**:コメディ要素とドラマ要素のバランスが絶妙で、視聴者を飽きさせません。笑いと感動の両方を楽しむことができます。

4. **音楽の魅力**:太田貴子が歌う主題歌や挿入歌は、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素です。特に、「デリケートに好きして」や「パジャマのままで」は、80年代のアイドルソングとしても人気がありました。

5. **キャラクターの魅力**:優やマミ、俊夫、ネガ、ポジなど、個性豊かなキャラクターが作品を彩っています。特に、優とマミの二重生活や、俊夫との関係性は、視聴者を引きつける魅力があります。

まとめ

「魔法の天使クリィミーマミ」は、80年代の魔法少女アニメの金字塔であり、その影響力は現在でも色濃く残っています。新しい試みとクロスオーバー戦略、主人公の心の成長と日常描写、コメディとドラマのバランス、音楽の魅力、キャラクターの魅力など、多くの要素が作品の魅力を引き立てています。80年代のアニメファンだけでなく、現在のアニメファンにもおすすめできる作品です。ぜひ一度、視聴してみてください。

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