宇宙戦艦ヤマト2：松本零士の傑作を再評価する

宇宙戦艦ヤマト2：銀河の旅と地球の平和を守る戦い

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

アニメオリジナル

■放送期間

1978年10月14日 ～ 1979年04月07日

■放送局

日本テレビ

■分数

30分

■話数

26話

■原作

西崎義展、松本零士、舛田利雄

■監督

松本零士

■制作

よみうりテレビ、アカデミー製作

■著作

©東北新社

■ストーリー

平和が戻った地球に、宇宙からの侵略者、白色彗星帝国の魔の手が伸びようとしていた。太陽系外周艦隊に配属されていた宇宙戦艦ヤマトは、地球の平和を守るべく、再び銀河の旅に出る。かつての宿敵との再戦や、強力な白色彗星帝国を相手に激しい戦いを繰り広げていく。

■解説

『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの、テレビアニメ第２作目。先だって上映された劇場版アニメ『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』を、テレビシリーズ用にリメイクした作品である。一部の設定や物語の結末などは、劇場版から大幅に変更されており、登場キャラクターの生死も異なるものとなっている。当時の“ヤマトブーム”の時流にも乗り、視聴率は好調で関連玩具商品も好売上を記録した。

■キャスト

・古代進／富山敬
・森雪／麻上洋子
・島大介／仲村秀生
・真田士郎／青野武
・佐渡酒造／永井一郎
・アナライザー／緒方賢一
・テレサ／岡本茉利
・デスラー／伊武雅刀

■メインスタッフ

・企画・製作／西崎義展
・原案／西崎義展、松本零士、舛田利雄
・監督／松本零士
・アニメーションディレクター／石黒昇
・総作画監督／小泉謙三
・美術監督／勝又激
・設定協力／板橋克己
・共同デザイン／スタジオぬえ
・撮影監督／細野正
・音響監督／佐藤敏夫
・音楽／宮川泰
・演出助手／広川和之
・制作／よみうりテレビ、アカデミー製作
・主題歌
OP
「宇宙戦艦ヤマト」
作詞／阿久悠
作曲／宮川泰
歌／ささきいさお、ミュージカル・アカデミー

ED
「テレサよ永遠に」
作詞／阿久悠
作曲／宮川泰
歌／ささきいさお、フィーリング・フリー

■メインキャラクタ

・古代進
再建復興を遂げる地球で、資源輸送艦隊の護衛任務についていた青年。地球の危機を知り、宇宙戦艦ヤマトの艦長代理として、白色彗星帝国との戦いに挑む。

・島大介
艦船の操縦を担当するヤマトの乗組員。慎重かつ保守的な性格で、ヤマトで強引に出航しよとした古代と反発するも、折れて乗艦する。

・真田志郎
地球防衛軍科学局局長。新兵器開発やヤマトのチューンナップなどを行い、戦いをサポートする。未熟な古代を、時には年長者として導いたりもした。

・森雪
古代の恋人であるヤマトの乗船員。勝気で男勝りな性格だが、美貌の持ち主。古代のことで行き過ぎた行動をとってしまうこともある。

・佐渡酒造
ヤマトの軍医。無類の酒好きで、戦闘中でも飲酒している姿が見受けられる。若い乗組員たちのいさかいを止める役目も担う

・テレサ
地球の危機を伝えてきた超能力を持つ女性。ヤマトとの通信を繰り返すうちに、島と恋中になるが、最期は自身の能力をすべて開放し、死をもってヤマトの危機を救った。

・デスラー
ガミラス帝国の総統で、かつてヤマトと激しい戦いを繰り広げた。白色彗星帝国の同盟者として、再びヤマトと相まみえることとなる。

■サブタイトル

・第1話／2201年ヤマト帰還せよ!
・第2話／彗星出現・ヤマトを改造せよ!
・第3話／地球の危機に起てヤマト!
・第4話／未知への発進!
・第5話／主砲全開!目標ヤマト!!
・第6話／激戦!空間騎兵隊
・第7話／逆襲!姿なき潜宙艦（スペース・サブ）
・第8話／宇宙気流!脱出不可能
・第9話／突撃!ヤマトを爆沈せよ!
・第10話／危機突破!吠えろ波動砲
・第11話／復讐の鬼・デスラー総統
・第12話／ヤマト空洞惑星に死す!?
・第13話／猛攻!テレザート上陸作戦
・第14話／反撃!テレサを発見せよ
・第15話／テレサ・愛のはじまり
・第16話／テレサ・愛と別れ
・第17話／テレザート・宇宙に散る!
・第18話／決戦・全艦戦闘開始!
・第19話／ヤマト・激突ワープ!!
・第20話／ヤマト・奇襲に賭けろ!
・第21話／壮烈・土方艦長の死!
・第22話／ヤマト・徹底抗戦せよ!
・第23話／宿命の対決!
・第24話／死闘 二人の勇士!
・第25話／ヤマト 都市帝国攻略作戦
・第26話／ヤマトよ永遠に

■関連作品

『宇宙戦艦ヤマト』
『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』
『宇宙戦艦ヤマトIII』
『宇宙戦艦ヤマト2199』
劇場版『宇宙戦艦ヤマト』
『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』
『ヤマトよ永遠に』
『宇宙戦艦ヤマト 完結編』
『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』
『YAMATO2520』
『大ヤマト零号』

■評論

『宇宙戦艦ヤマト2』は、1978年から1979年にかけて放送されたテレビアニメシリーズであり、松本零士監督のもとで制作された。シリーズの第二作目として、劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』を基にリメイクされたこの作品は、視聴者に新たな感動と興奮を提供した。以下では、ストーリー、キャラクター、制作背景、視聴率、関連商品などについて詳細に解説し、さらにその魅力と評価を探る。

ストーリーとテーマ

『宇宙戦艦ヤマト2』のストーリーは、地球が再び平和を取り戻した後の新たな脅威、白色彗星帝国の侵略から始まる。ヤマトとその乗組員たちは、地球を守るために再び銀河の旅に出る。この旅の中で、彼らはかつての宿敵デスラーとの再戦や、強力な敵との戦いを繰り広げる。物語は、勇気と友情、そして愛をテーマに描かれており、視聴者に深い感動を与える。

特に印象的なのは、テレサという超能力を持つ女性の存在だ。彼女は地球の危機を伝え、ヤマトの乗組員たちと心を通わせる。テレサの犠牲と愛は、物語のクライマックスで感動的なシーンを生み出し、視聴者の心を強く揺さぶる。また、デスラーとの再戦は、過去の因縁を引き継ぎつつ、新たな展開を見せることで、視聴者を引き込む。

キャラクター

『宇宙戦艦ヤマト2』のキャラクターは、個性豊かで魅力的である。主人公の古代進は、地球の危機を知り、再びヤマトの艦長代理として戦う勇敢な青年だ。彼の成長と決断力は、視聴者に共感を呼ぶ。森雪は古代の恋人であり、勝気で男勝りな性格を持つが、美貌と優しさも兼ね備えている。彼女の行動は、古代との関係性を通じて物語に深みを与える。

島大介は、ヤマトの操縦を担当する慎重な乗組員であり、古代との対立と和解を通じて成長していく。真田志郎は、科学局局長として新兵器開発やヤマトのチューンナップを担当し、戦いをサポートする。佐渡酒造は、無類の酒好きで、戦闘中でも飲酒する姿が印象的だが、若い乗組員たちのいさかいを止める役割も果たす。テレサは、超能力を持つ女性として、地球の危機を伝え、島と恋に落ちるが、最期は自身の能力をすべて開放し、ヤマトの危機を救う。デスラーは、ガミラス帝国の総統として、かつての宿敵ヤマトと再び対峙する。

制作背景

『宇宙戦艦ヤマト2』は、劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』をテレビシリーズ用にリメイクした作品である。制作にあたっては、一部の設定や物語の結末が大幅に変更され、登場キャラクターの生死も異なるものとなった。これは、視聴者に新鮮な驚きと感動を提供するための工夫であり、成功を収めたと言える。

監督の松本零士は、原案者としても参加し、独自の世界観とストーリーテリングを駆使して作品を完成させた。アニメーションディレクターの石黒昇、総作画監督の小泉謙三、美術監督の勝又激など、優れたスタッフが集結し、作品のクオリティを高めた。また、音楽を担当した宮川泰の劇伴は、視聴者の心を捉え、物語の感動を一層引き立てた。

視聴率と関連商品

『宇宙戦艦ヤマト2』は、当時の“ヤマトブーム”の時流に乗り、視聴率が好調であった。特に、物語の展開やキャラクターの魅力が視聴者に受け入れられ、多くのファンを獲得した。また、関連玩具商品も好売上を記録し、社会現象とも言えるブームを巻き起こした。

玩具商品としては、ヤマトの模型やキャラクターフィギュア、さらには主題歌のレコードなどが発売され、子供から大人まで幅広い層に支持された。これらの商品は、視聴者が作品の世界観をより深く体験する手段として機能し、ファンコミュニティの形成にも寄与した。

評価と影響

『宇宙戦艦ヤマト2』は、視聴者から高い評価を受けた。ストーリーの展開、キャラクターの成長、音楽の感動など、多くの要素が視聴者の心を捉えた。また、リメイク作品として成功を収め、シリーズのさらなる発展を促した。

この作品は、後のアニメ作品にも大きな影響を与えた。特に、SFアニメのジャンルにおいて、物語の深みやキャラクターの魅力を追求する姿勢は、多くのクリエイターに影響を与えた。また、視聴者とのコミュニケーションを重視し、関連商品を通じてファンコミュニティを形成する手法も、後のアニメ作品のマーケティングに影響を与えたと言える。

■推薦

『宇宙戦艦ヤマト2』は、SFアニメのファンだけでなく、感動的なストーリーや魅力的なキャラクターを求める全ての視聴者におすすめできる作品である。特に、シリーズのファンにとっては、劇場版からのリメイクという新たな視点で物語を楽しむことができるだろう。また、初めてこのシリーズに触れる視聴者にとっても、勇気と友情、愛のテーマが描かれた感動的な物語は、心に深く響くはずだ。

さらに、この作品は、関連商品を通じてファンコミュニティを形成する楽しみも提供する。ヤマトの模型やキャラクターフィギュア、主題歌のレコードなどを収集することで、作品の世界観をより深く体験することができるだろう。『宇宙戦艦ヤマト2』は、視聴者に感動と興奮を提供するだけでなく、ファンコミュニティの一員としての喜びも与えてくれる作品である。