毎日ブルーベリー一箱を食べたらどうなるでしょうか？本当に肌が白くなるのでしょうか？本当に視力は改善するのでしょうか？

近年、ブルーベリーは栄養価の高い果物として、人々の生活にますます浸透してきました。

多くの人にとって、歩きながら新鮮なブルーベリーを一掴みして口に放り込み、一口ごとにはじけるブルーベリーの味を味わうことほど満足感を得られることはありません。

最近、「毎日ブルーベリー一箱を食べるとどうなるか」という検索が流行っています。多くのネットユーザーは、甲状腺の症状を和らげ、肌を白くし、視力を改善する効果があると言っている。これはすべて本当ですか?

画像出典: Weiboスクリーンショット

01

ブルーベリーにはどんな栄養素が含まれていますか？

ブルーベリーは「果物の王様トップ10」の1つとしてよく言及されており、インターネット上で出回っている「スーパーフルーツ」のリストにも必ず名前が挙がります。しかし、ブルーベリーはどれくらい栄養価が高いのでしょうか?

ブルーベリーの栄養について話すとき、人々は通常、アントシアニンとビタミン C の2 つについて言及します。

ブルーベリーのビタミン C 含有量は通常 10 ～ 34 mg/100 g の範囲ですが、最高でも 34 mg/100 g しかありません。この含有量は果物や野菜の世界では平均的なもので、実際にはイチゴ、キウイ、ナツメなどよりも少ないです。

著作権画像、転載禁止

アントシアニンには強力な抗酸化作用があります。データによると、ブルーベリーの品種によって栄養成分含有量は異なり、最も高いものは 100 g あたり 400 mg を超えます。これは確かに果物や野菜の世界では非常に豊富です。

02

甲状腺を緩和しますか?

画像出典: インターネット

一部のネットユーザーは、甲状腺の症状を和らげることができると言っている。甲状腺機能が変化するケースは数多くあります。

①甲状腺機能亢進症は甲状腺の活動が過剰になる病気です。一般的な症状としては、食欲増加、発汗、震え、睡眠障害などがあります。

②甲状腺機能低下症は甲状腺機能が低下する病気です。一般的な症状としては、疲労、眠気、便秘、筋力低下などがあります。

③甲状腺腫は甲状腺の不規則な増殖であり、甲状腺全体が肥大する形で現れる場合もあれば、不規則な細胞増殖として現れ、甲状腺内に1つまたは複数のしこり（結節）が形成される形で現れる場合もあります。

④甲状腺結節は、遺伝や環境などさまざまな原因により、甲状腺内に1つまたは複数の異常な塊構造が生じることで発生します。原因は複雑であり、まだ完全には解明されていません。

「甲状腺を緩和する」と言うのは、実は文法的な間違いです。おそらく彼女は「甲状腺の健康を促進する」と言いたかったのでしょう!ブルーベリーにはビタミン C が含まれており、甲状腺の健康を促進する可能性があることを示唆する研究もあります。

しかし、ブルーベリーは果物の中では特にビタミンCが豊富というわけではありません。また、ビタミンCは確かに健康に良い栄養素ですが、甲状腺に特別な効果をもたらすわけではありません。本当に甲状腺機能の病気がある場合、健康的な食事の一環としてブルーベリーを食べることは問題ありませんが、医師のアドバイスに従い、適切な時間に薬を服用する必要があります。

03

肌を白くする？

画像出典: インターネット

ブルーベリーが肌を白くする主な理由は、ビタミン C が豊富で、優れた抗酸化作用があるからです。チロシンの活性化を阻害し、チロシンがメラニンに変換されないようにし、美白効果を発揮します。

この発言は理にかなっていますが、実際にはそれを裏付ける十分な証拠がありません。しかし、ビタミンCは皮膚を構成するコラーゲンの合成原料でもあるので、やはり肌に良いのです。したがって、ビタミン C の補給は肌に一定の効果があると考えられますが、美白効果は期待したほど効果的ではない可能性があります。肌を白くしたいなら、毎日しっかり日焼け対策をする必要があります。

さらに、野菜や果物にはビタミンCが豊富に含まれています。野菜や果物をもっと食べるように気をつけましょう。また、野菜や果物自体も健康に良いです。ビタミン C をさらに摂取したい場合は、最も安いものを購入してください。

04

視力は改善されますか？

画像出典: インターネット

ブルーベリーを食べると視力が改善される理由は、主にブルーベリーに含まれるアントシアニンによるものです。

実際、研究では、アントシアニンが網膜色素上皮細胞の成長を促進することがわかっており、視力を保護する潜在的な役割も持っている可能性があることを示唆しています。

しかし、現時点ではアントシアニンが視力に及ぼす効果を証明する証拠は不十分であり、ブルーベリーは近視を予防または治療することはできません。欧州食品安全機関はかつて、アントシアニンを含む別の果物であるブラックカラントに関する健康効果を評価し、「視力を改善し、暗視を促進する」という健康効果を裏付ける証拠が不十分であると結論付けた。

05

ブルーベリーはいかがですか？

果物としてのブルーベリーには、他の果物の利点と独自の特徴があります。味も美味しいですよ。気に入ったらもちろん食べてもいいですよ。

しかし、ブルーベリーの健康効果の誇張された話を信じているなら、あまり期待しすぎないようにすることをお勧めします。

実際、ブルーベリーのさまざまな健康効果は、基本的にアントシアニンの「抗酸化」効果に由来しており、直接的な臨床試験データはありません。さらに、主張されている健康上の利点は誇張されている疑いがあります。

さらに、アントシアニンを多く摂取すればするほど良いのです。アントシアニンは、フリーラジカルによるダメージから体を守る強力な抗酸化物質です。しかし、アントシアニンが多すぎるとミネラルの吸収を妨げる可能性もあります。貧血や亜鉛欠乏症の人はアントシアニンを摂りすぎないようにしてください。胃腸の弱い方は食べ過ぎないようにご注意ください。

ブルーベリーの値段は安くありません。通常、小さな箱でも10元以上かかります。小さな箱には通常100グラムしか入っていないため、1キログラムあたりの価格は50元以上になることが多いです。 1日1箱食べると貧乏になると言う人がいるのも不思議ではありません。これは実際に可能だと思います。実際の状況に応じて果物を選択することをお勧めします。

アントシアニンを摂取したい場合でも、選択肢はたくさんあります。基本的に、赤、紫、黒、青の食べ物にはアントシアニンが含まれています。紫ナス、真っ赤なリンゴ、紫キャベツ、桑の実、紫サツマイモなど、一部の果物や野菜の皮にはアントシアニンが含まれています。アントシアニンだけを摂取したいのであれば、ブルーベリーだけを食べる必要はありません。費用対効果を考えると、紫イモや紫ナスの皮などの食品の方が安くなります。

参考文献:

[1] Ge Cuilian、Huang Chunhui、Xia Sijin、他。ブルーベリー10品種の主な栄養素と色素含有量の分析[J]。中国南部果樹、2012年、41(4):33-35。

[2] 朱金燕、王岳華、張建立。ブルーベリーの品種ごとの栄養成分とアントシアニンの種類に関する研究[J]。ニューアグリカルチャー、2016(9):10-14。 DOI:10.3969/j.issn.1002-4298.2016.09.003。

[3] ying Haisong、Tang Weihua、Zhang Renkuan、他。野生および栽培ブルーベリーの栄養素と抗酸化作用の分析[J]。食品研究開発、2015年、36(18):39-41。 DOI: 10.3969/j.issn.1005-6521.2015.18.010。

[4] 周暁麗、陳立、王瑞、他。ブルーベリーのさまざまな部分に含まれる従来の栄養素と活性物質の比較分析[J]。食品産業科学技術、2016年、37(9):363-366。翻訳：伊藤 健太郎

[5] ヤン・ヤメイ、ダイ・ヤンマン、ラン・リンウー、他。 Lycium barbarumと5種類の果物と野菜のアントシアニン組成とin vitro抗酸化活性の比較[J]。食品産業科学技術、2014年、35(16):133-136。

[6] 中国栄養学会栄養補助食品の使用に関する科学的コンセンサス作業部会栄養補助食品の使用に関する科学的コンセンサス[J]。栄養学ジャーナル、2018年、40(6):521-525。 DOI: 10.3969/j.issn.0512-7955.2018.06.001。

[7] 中国住民のための食事ガイドライン（2022年）三宅 誠・高橋 暢・佐々木 正治 他アントシアニンを豊富に含むビルベリー抽出物による網膜炎症時の視力保護：細胞および分子メカニズム。ラボインベスト92、102–109（2012）。 https://doi.org/10.1038/labinvest.2011.132

[8]ゴンサルベスAC、ヌネスAR、ファルカンA、アウベスG、シルバLR。アントシアニンの食事による人間の健康への影響：包括的レビュー。医薬品（バーゼル）。 2021年7月18日;14(7):690.出典：10.3390/ph14070690. ID: 34358116; PMCID: PMC8308553。

[9]レム、DW;ギアハート、DL; Davey, PG 栄養はデジタル眼精疲労の緩和に役立つのでしょうか?栄養素2022、14、4005。https://doi.org/10.3390/nu14194005

https://doi.org/10.2903/j.efsa.2011.2204

著者：阮光鋒、科新食品栄養情報交流センター科学技術部長

レビュー |張娜、北京大学公衆衛生学院准研究員、博士課程指導者

この記事の表紙画像と画像は著作権ライブラリから取得しています

画像コンテンツの複製は許可されていません