【医療Q&A】テニスをしないのに「テニス肘」になるのはなぜ？

企画者: 中国医師会

評者: 天津第三中央病院副主任医師 ハン・リチアン

右肘の痛みを訴えて受診した患者の中には、整形外科医が診察後に「テニス肘」であると告げる人もいます。患者は混乱するかもしれません。「テニスをしたことがないのに、どうしてテニス肘になるのか？」実際、テニス肘はテニス選手に限ったことではありません。前腕の筋肉を繰り返し使う必要がある活動は、テニス肘を引き起こす可能性があります。

「テニス肘」の医学名は「上腕骨外側上顆炎」です。その根本的な原因は、慢性的な負担により上腕骨外側上顆の付着部にある前腕伸筋腱に無菌性の炎症が生じ、痛みを引き起こすことです。腱組織の変性疾患とも言えます。この病気はテニス選手に多く見られるため、「テニス肘」と呼ばれています。この病気はテニス選手以外にも、バドミントン選手、卓球選手、シェフ、画家、大工、主婦に多く見られます。これは、日常生活や仕事の中で、前腕を繰り返し回転させたり、肘を曲げたり伸ばしたりする必要があることに関係しています。テニス肘の主な症状は、患部の肘の外側の痛みです。多くの患者は、拳を握る、手首を伸ばす、重い物を持ち上げる、タオルをねじるなどの動作をするときに肘の痛みを経験します。病気が診断されると、治療の選択肢には、患肢の固定、経口非ステロイド性抗炎症薬、局所ブロックなどがあり、一般的に良好な結果が得られます。スポーツ選手の場合、職業上、患肢に比較的高い機能的要求が課せられるため、外科的治療（腱付着部再建）を行うことで、より優れた治療効果と肢機能を得ることができます。