『怪人開発部の黒井津さん』レビュー：独特な世界観と魅力的なキャラクター

怪人開発部の黒井津さん - 独特な世界観と魅力的なキャラクターたち

2022年に放送されたTVアニメシリーズ「怪人開発部の黒井津さん」は、水崎弘明による同名の漫画を原作としています。この作品は、悪の秘密結社アガスティアの怪人開発部で働く黒井津燈香とその仲間たちの奮闘を描いたもので、独特な世界観と魅力的なキャラクターたちが特徴です。以下では、このアニメの詳細な情報と評価、そしておすすめポイントを紹介します。

■作品概要

「怪人開発部の黒井津さん」は、2022年1月9日から4月3日までABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットで放送されました。全12話で構成されており、各話30分の放送時間となっています。アニメーション制作はQuadが担当し、監督は斎藤久が務めました。原作はフレックスコミックスの「COMICメテオ」で連載されている水崎弘明の漫画で、悪の秘密結社アガスティアの怪人開発部を舞台に、ヒーローを倒す怪人を開発する研究員たちの日常を描いています。

■ストーリー

正義と悪がぶつかり合う世界で、人知れず戦う人々がいました。それは、幾度となく正義のヒーローに倒されていく定めの悪の怪人を作り出す開発部で働く人々です。地下深くに存在する秘密結社アガスティアの研究室で、彼らは実験や研究だけではなく、開発の予算取りからスケジュール管理、そして幹部の決裁をもらうためのプレゼンという名の戦いの日々を過ごしています。アガスティアでヒラ研究員として働く黒井津燈香は、佐田巻博士と共に数々の難関をかいくぐり、ヒーローを打倒する怪人を見事作り出すことができるのか？その宿敵として黒井津たちの前に立ちはだかるのは、無名で無敗の変身ヒーロー・剣神ブレイダーです。この物語は、ヒーローを倒す怪人を開発すべく奮闘する、もうひとつのプロフェッショナルたちの日々の記録です。

■キャラクター

本作の魅力は、個性的なキャラクターたちにあります。主人公の黒井津燈香は、悪の秘密結社アガスティアに所属するヒラ研究員で、幹部を目指し仕事一筋で、女子力を磨くことへの興味はあまりありません。既存の概念にとらわれないアイデアで怪人開発に臨むも、宿敵剣神ブレイダーにはまだ一度も勝てていません。彼女の同僚であるウルフ・ベートは、狼男として開発されていたが、首領の鶴の一声で見た目は美少女になってしまった悲しき狼型怪人です。メンタルは中学生男子で、開発部に配属され、無茶振りに翻弄されています。行動を共にすることが多い黒井津を異性(?)として意識するようになります。佐田巻始博士は、アガスティアの開発責任者で、つねに白衣にARゴーグルを装着しています。研究以外の事にあまり執着がなく、基本的にはクールな性格ですが、締め切りに追われてハイになることもあります。ゴーグルを外した素顔は意外と2枚目です。絶対零度参謀メギストスは、アガスティアの参謀であり頭脳で、多くのカリスマ性を兼ね備え事実上組織の運営決定権を持つ存在です。立場上、怪人開発で黒井津と意見を異にすることもありますが、その実はとても部下思いです。悪の組織にありながらある意味理想的な上司とも言えます。アガスティア首領アカシックは、悪の秘密結社アガスティアの首領で、見た目や言動は幼い少女でしかありませんが、その能力は組織最強です。思いつきで行動しがちで、彼女の一言で組織の方針や怪人のコンセプトが急に変わり、黒井津たちを振り回すことも多々あります。剣神ブレイダーの正体は、弁当屋で日々バイトに勤しんでいる若者・佐田巻健司で、基本性格は素直で誠実、正義に燃えている好青年ですが、その生真面目さ故か女性に対しては全く免疫がありません。実はアガスティア佐田巻博士の実弟です。その他にも、カノン・サンダーバード、ヒュドラ、メルティ、マミー、不滅のカミュラ、フェンリル、ウォーリア・オブ・ジャガー、エルドリッジ、アマノイワト、クラーケン、サラマンダー、アラクネ、アンクル、スキュラ、フルーレティ、ペリュトン、ファフニール、式島玲央/マギアローゼ、日賀谷雄杜/マギアズワルト、峰円小春/ドクター峰円、エルバッキー、赤マント将軍、水木香恋、松山平気など、個性的なキャラクターが多数登場します。

■スタッフ

本作のスタッフも豪華です。原作は水崎弘明、監督は斎藤久、シリーズ構成は高山カツヒコ、キャラクターデザインは森前和也、サブキャラクターデザインは新谷真昼、ヒーローデザインは山根理宏とことぶきつかさ、怪人デザインは森木靖泰、衣装デザインは監物ケビン雄太、レジェンド&ローカルヒーロープロデュースは鈴村展弘、ヒーローキャプテンはまさひろ山根、ローカルヒーローキャプテンは鷲北恭太、美術監督は甲斐政俊、美術設定は赤樹壱磨、色彩設計はながさか暁、撮影監督は今泉秀樹、3DCGは渡辺哲也、編集は木村祥明、音響監督は飯田里樹、音楽はmanzo、音楽制作はCREST、アニメーション制作はQuad、製作は「怪人開発部の黒井津さん」製作委員会です。

■放送情報

「怪人開発部の黒井津さん」は、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットで2022年1月9日から4月3日まで毎週日曜2:00～2:30に放送されました。また、BS11では2022年1月10日から4月4日まで毎週月曜0:00～0:30、AT-Xでは2022年1月12日から4月6日まで毎週水曜23:00～23:30に放送されました。ネット配信では、dアニメストア、dアニメストア ニコニコ支店、dアニメストア for Prime Video、ひかりTVが最速配信を行い、Amazonプライム・ビデオ、U-NEXT、アニメ放題、ABEMA、バンダイチャンネル、GYAO!、dTV、FOD、ニコニコチャンネル、TVer、Hulu、ニコニコ生放送、TELASA、J:COMオンデマンド、milplusが順次配信を行いました。

■主題歌・楽曲

オープニングテーマは「Special force」で、作詞・作曲は天才凡人、歌はAXXX1Sが担当しました。エンディングテーマは「Destiny」と「曖昧あいでんてぃてぃ」で、「Destiny」は作詞・作曲・編曲をRYOKOと菊池諒、豊田健甫が担当し、歌はメイビーMEが担当しました。「曖昧あいでんてぃてぃ」は作詞・作曲・編曲を大塚剛毅が担当し、歌はメイビーMEが担当しました。挿入歌には「ラミラミLOVE ME BABY」、「きみドローム」、「ミラクルステップ」が使用され、それぞれ作詞・作曲・編曲・歌唱を横健介、豊田健甫、haruka、えとゆま、菊池諒、えとゆま、磯谷佳江、fu_mou、櫻澤ヒカル、YURiKAが担当しました。

■評価とおすすめポイント

「怪人開発部の黒井津さん」は、独特な世界観と魅力的なキャラクターたちが魅力の作品です。悪の秘密結社アガスティアの怪人開発部を舞台に、ヒーローを倒す怪人を開発する研究員たちの日常を描いたこの作品は、ユーモアとシリアスが絶妙に融合したストーリー展開が特徴です。特に、主人公の黒井津燈香の成長や、彼女を取り巻く個性的なキャラクターたちの関係性が見どころです。また、怪人開発というテーマを通じて、仕事や組織の運営、人間関係など、現実社会の問題を風刺的に描いている点も評価できます。さらに、豪華なスタッフ陣によるクオリティの高いアニメーションや、印象的な主題歌・楽曲も見逃せません。視聴者に笑いと感動を提供するこの作品は、幅広い層に楽しめる内容となっています。特に、ヒーローものや怪人ものが好きな人、ユーモアとシリアスが混在したストーリーが好きな人にはおすすめです。また、仕事や組織の運営に興味がある人にも、参考になる点が多い作品です。ぜひ一度視聴してみてください。