劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン』の魅力と評価 -未来からきた神速のALFA-X-

劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン -未来からきた神速のALFA-X- レビューと推薦

2019年12月27日に公開された『劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン -未来からきた神速のALFA-X-』は、シンカリオンシリーズのファンにとって待望の劇場版作品であり、原作メディアがおもちゃというユニークな背景を持つこのシリーズの新たな展開を描いています。東宝映像事業部が配給し、79分というコンパクトな時間の中で、シンカリオンシリーズの魅力を最大限に引き出しています。このレビューでは、ストーリー、キャラクター、メカニック、音楽など、作品の全般的な評価と推薦を行います。

ストーリー

地球を奪うため、新たな敵・ナハネ、オハネフそして謎の巨大怪物体が宇宙から現れます。そのすべては、超進化研究所が密かに開発を進めていた「シンカリオン ALFA-X」が鍵を握っているという設定が物語の中心にあります。平穏な日々を過ごしていたハヤトら＜チームシンカリオン＞の戦いが再び幕を開けるという展開は、シリーズのファンにとっては非常にエキサイティングなものです。

突然の敵の攻撃により父・ホクトが行方不明になってしまい、不安を隠せないハヤト。そこに現れたのは、なんと時空を超えてやってきた“9歳のホクト”でした。光の粒子に包まれてタイムスリップしてきた＜少年ホクト＞は、地球を守るため、そして元の世界に戻るため、最新技術を結集し完成した「シンカリオン ALFA-X」の運転士になることを決心します。このタイムスリップという要素は、物語に新たな深みを与え、視聴者を引き込む重要なポイントとなっています。

二人の想いとともに、北海道支部・山形支部・大宮支部・名古屋支部・京都支部・門司支部から集結した＜チームシンカリオン＞は宇宙最強の敵に立ち向かいます。チームシンカリオンが日本の平和と安全を守ることができるのか、ハヤトが父・ホクトと再会することができるのかという問いかけは、視聴者に強い感情的な結びつきを提供します。

キャラクター

主人公の速杉ハヤトは、「シンカリオン　E5はやぶさ　MkII」の運転士であり、小学6年生の埼玉県出身です。新幹線超進化研究所・大宮支部所属で、何よりも純粋に新幹線が好きというキャラクター設定は、視聴者に共感を呼びます。新幹線の運転士になることが夢という彼の純粋な想いは、物語の中心的なテーマとも結びついています。

男鹿アキタは、「シンカリオン　E6こまち」の運転士で、小学6年生の秋田県出身です。新幹線超進化研究所・大宮支部所属で、スポーツのビームライフル競技では全国レベルの腕の持ち主です。ビームライフルの選手権で世界一になるのが夢という彼の目標は、視聴者に強い印象を与えます。クールな性格で、「話は読めた」と状況を一足先に理解することもあり、自分の気持ちを素直に言葉にすることはあまりないというキャラクター設定は、彼の魅力を引き立てています。実は甘党という意外な一面もあり、視聴者に親しみを感じさせます。

大門山ツラヌキは、「シンカリオン　E7かがやき」の運転士で、小学6年生の石川県出身です。新幹線超進化研究所・大宮支部所属で、建設会社の長男で自称「金沢の土木王」です。トンネルやお堀のような建築が大好きで、地形マニアというキャラクター設定は、彼の個性を強調しています。義理堅い性格の熱血漢で、「全くもって〇〇だ！」と豪快に言い切ることが多いという彼の言動は、視聴者に笑いを提供します。何かにつけて四字熟語を用いるが、使い方が間違っていることもしばしばという設定は、彼のユーモラスな一面を引き立てています。

月山シノブは、「シンカリオン　E3つばさ」の運転士で、小学5年生の山形県出身です。新幹線超進化研究所・山形支部所属で、代々続く忍者の家系で、シノブも忍術の修行中です。変幻自在の戦いを得意とし、フミキリシュリケンなどの技を使う「シンカリオン　E3つばさ」との相性は抜群というキャラクター設定は、彼女の戦闘シーンを盛り上げます。山形の方言が特徴という設定は、彼女の個性を強調しています。

セイリュウは、かつては「巨大怪物体」を出現させる謎の敵・エージェントの一人でしたが、チームシンカリオンとの戦いの末、人間と共存の道を選びハヤトたちの仲間となり、ブラックシンカリオンの運転士として新幹線超進化研究所・大宮支部所属となりました。スイーツ好きで、しばしばケーキにつられて行動することもあるというキャラクター設定は、彼の人間らしい一面を引き立てています。

メカニック

「シンカリオン ALFA-X(アルファエックス)」は、JR東日本高速運転試験車両E956形(ALFA-X)をベースに開発されたシンカリオンです。ブラックシンカリオンオーガとの決戦から3か月後に確認された宇宙からの未確認人工物体(ヴァルハラン)との戦闘を想定して、超進化研究所で極秘裏に開発が進められていた最新鋭のシンカリオンで、現在と未来を繋ぐ機体と呼ばれています。このメカニックのデザインと設定は、視聴者に強いインパクトを与えます。

音楽

エンディングテーマ「ガッタンゴットンGO!」は、Kanata OkajimaとHayato Yamamotoによる作詞・作曲で、Hayato Yamamotoによる編曲、BOYS AND MEN(Virgin Music)による歌唱です。この曲は、シンカリオンシリーズのテーマを反映した楽曲で、視聴者に強い印象を与えます。

挿入歌には、ゴジラのテーマ(ゴジラvsメカゴジラ)やChoo Choo TRAIN、チェンジ！シンカリオン　ミクver、残酷な天使のテーゼ、チェンジ！シンカリオン、進化理論など、様々な楽曲が使用されています。これらの楽曲は、物語の展開を盛り上げる重要な役割を果たしています。

推薦

『劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン -未来からきた神速のALFA-X-』は、シンカリオンシリーズのファンにとっては必見の作品です。ストーリーの展開、キャラクターの魅力、メカニックのデザイン、音楽のクオリティなど、全てにおいて高い評価を受けるに値する作品です。特に、タイムスリップという要素が物語に新たな深みを与え、視聴者を引き込む重要なポイントとなっています。また、各キャラクターの個性が強調され、視聴者に強い印象を与えます。メカニックのデザインと設定も、視聴者に強いインパクトを与えます。音楽のクオリティも高く、物語の展開を盛り上げる重要な役割を果たしています。シンカリオンシリーズのファンだけでなく、新たな視聴者にも強く推薦する作品です。