蒼穹のファフナー THE BEYOND - 感動の続編を徹底評価

蒼穹のファフナー THE BEYOND - ソウキュウノファフナーザビヨンド -

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

2019年05月17日～ 2021年11月05日

■配給会社

ムービック

■分数

13分

■話数

12話

■原作

XEBEC

■監督

能戸隆

■制作

・アニメーション制作／XEBEC

■著作

©XEBEC・FAFNER BEYOND PROJECT

■ストーリー

人類とフェストゥムとの戦いは、さらに複雑さを増しながら続いていた。

「第五次蒼穹作戦」の名の元、奪われた同胞を取り戻すため、人型兵器ファフナーに乗り込んだ真壁一騎ら竜宮島部隊はフェストゥムとの激しい戦闘を繰り広げる。

「誰かが生きるために誰かが犠牲になる。そんな世界を捨てて生きよう。」

「お前を、居るべき場所へ還す」

奪われたのは竜宮島の人々にとって、かけがえのない存在。だがそれは、拮抗するものたちにとっても同じこと。そして、人類にとっても……。

終わりの見えない戦いが続く世界。そして、ここに今、また新たな物語が始まる――

■解説

平和な孤島・竜宮島に突如襲来した未知の生命体“フェストゥム”から人々を守るため、少年少女が人型兵器“ファフナー”に乗りこみ命を賭して戦う姿を描く、オリジナルアニメーション「蒼穹のファフナー」シリーズ。

2004年にTVシリーズ第1期「蒼穹のファフナー」の放送がスタートし、翌2005年、知られざる過去の戦いを紐解くTVスペシャル「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」が放送された。2010年、皆城総士の島への帰還を描いた劇場版「蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH」公開。2015年放送のTVシリーズ第2期「蒼穹のファフナー EXODUS」では、少年たちは更に複雑化した新たな戦いへと巻き込まれていった。

そして、2019年――シリーズ15周年を迎える今、彼らの運命は再び動き出す

■キャスト

・皆城総士／喜安浩平

・真壁一騎／石井真

・遠見真矢／松本まりか

・春日井甲洋／入野自由

・来主操／木村良平

・日野美羽／諸星すみれ

■メインスタッフ

・原作／XEBEC

・シリーズ構成／冲方丁

・キャラクターデザイン／平井久司

・メカニックデザイン／鷲尾直広

・CGアニメーションディレクター／井野元英二

・美術監督／野村正信、堀越由美

・美術デザイン／青木薫

・色彩設計／関本美津子

・撮影監督／師岡拓磨、越田竜大

・編集／伊藤潤一

・音楽／斉藤恒芳

・演奏／ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

・音響監督／三間雅文

・エグゼクティブプロデューサー／中西豪

・プロデューサー／須藤孝太郎

・アニメーションプロデューサー／明官ゆう子

・監督／能戸隆

・製作／FAFNER BEYOND PROJECT

■メインキャラクタ

・皆城総士

2151年11月23日生。第四次蒼穹作戦にてフェストゥムに同化され砕け散った皆城総士の生まれ変わり。転生前の皆城総士とは別の人格を有している。赤子の姿で発見されたのち、真壁一騎のもと海神島で育てられ、成長した姿を見せていたが……

・真壁一騎

2131年9月21日生。アルヴィスのファフナーエースパイロットとして、皆城総士と共にフェストゥムとの幾多の激闘を繰り広げ、人類を救い続けている。戦いの中で同化現象の極限状態に達したが、竜宮島のミールの祝福を受け生と死の循環を超越した存在となった。

・遠見真矢

2131年11月11日生。一騎と総士の幼なじみで、同世代で唯一の現役パイロット。優れた狙撃能力を持ち、ファフナー搭乗時は変性意識によって並はずれた冷静さを見せる。第四次蒼穹作戦の際にSDPを発現、複数の標的を一度に認識し、遠距離の標的も正確に捉えることのできる多次元視界を持つ。

・春日井甲洋

2131年5月7日生。一騎や真矢と同世代のファフナーパイロットであったが、同化されフェストゥムと融合した存在となる。身体を失った時でさえ、幾度となく一騎や竜宮島の人々を救ってきた。身体を得て帰還した後、発現したSDPの毒による黒い刃でフェストゥムを圧倒する。

・来主操

人の心を理解したスフィンクス型フェストゥムの影響で生まれた存在。ボレアリオス・ミールのコアで、空母ボレアリオスの主人として艦内に住んでいる。時間の流れを0.00000001秒単位で知覚できるSDPを発現し、周囲をスローモーションで見ることが可能。

・日野美羽

2147年4月1日生。竜宮島で初めて自然受胎で誕生した子供。人類最高のエスペラントで、ミールやフェストゥムとの優れた対話能力を持つ。母は日野弓子、真矢は叔母にあたる。フェストゥムとの無用な争いを望まず、可能な限り“お話し”することよって戦闘を避けようとする。

■サブタイトル

・第一話／蒼穹作戦

・第二話／楽園の子

・第三話／運命の器

・第四話／力なき者

・第五話／教え子

・第六話／その傍らに

・第七話／帰らぬ人となりて

・第八話／遺されしを伝え

・第九話／第二次L計画

■関連作品

TVアニメ「蒼穹のファフナー」

TVアニメ「蒼穹のファフナー EXODUS」

■主題歌・楽曲

・OP

・「叫べ」

・angela

評測と推薦

「蒼穹のファフナー THE BEYOND」は、シリーズの最新作として2019年から2021年にかけて公開された劇場版アニメーションです。この作品は、長年にわたってファンを魅了してきた「蒼穹のファフナー」シリーズの新たな章であり、既存のファンだけでなく、新たな視聴者にも強く訴える内容となっています。

ストーリーとテーマ

「蒼穹のファフナー THE BEYOND」は、「第五次蒼穹作戦」を中心に展開される物語です。シリーズを通じて描かれてきた人類とフェストゥムの戦いは、より複雑で深遠なテーマへと進化しています。奪われた同胞を取り戻すための戦いが描かれる中で、犠牲と救済、生と死、そして人間の存在意義が問われます。特に、「誰かが生きるために誰かが犠牲になる。そんな世界を捨てて生きよう」というセリフは、作品の核心を突くテーマを象徴しています。

また、「お前を、居るべき場所へ還す」というセリフは、奪われた存在を救い出すための決意と、人間関係の深さを表現しています。奪われた存在は、竜宮島の人々にとってかけがえのないものであり、それはフェストゥムや人類にとっても同様です。この点が、作品のテーマをより深く、広く描き出しています。

キャラクターと成長

本作のメインキャラクターたちは、それぞれが独自の成長と変化を遂げています。皆城総士は、第四次蒼穹作戦でフェストゥムに同化され砕け散った後、別の人格を持つ生まれ変わりとして登場します。彼の成長と新たな人格は、シリーズの新たな展開を象徴しています。一方、真壁一騎は、アルヴィスのファフナーエースパイロットとして、フェストゥムとの戦いを続けながらも、生と死の循環を超越した存在へと変わります。これらのキャラクターの成長は、視聴者に深い感動と共感を与えます。

遠見真矢、春日井甲洋、来主操、日野美羽といったキャラクターも、それぞれが独自の能力と個性を持ち、物語を豊かにしています。特に、日野美羽のフェストゥムとの対話能力は、戦闘を避けるための新たなアプローチを示しており、作品のテーマをさらに深化させています。

ビジュアルと音楽

「蒼穹のファフナー THE BEYOND」のビジュアルは、XEBECの高品質なアニメーション制作により、美しく、リアルな戦闘シーンとキャラクターの表情を描き出しています。特に、ファフナーのメカニックデザインは、鷲尾直広の卓越したデザインセンスにより、視覚的な魅力を最大限に引き出しています。また、CGアニメーションディレクターの井野元英二の技術により、戦闘シーンはよりダイナミックでリアルに描かれています。

音楽面では、斉藤恒芳の作曲とワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏により、壮大で感動的なサウンドトラックが提供されています。特に、angelaによるオープニングテーマ「叫べ」は、作品のテーマとキャラクターの心情を強く表現しており、視聴者の心を揺さぶります。