ロード オブ ヴァーミリオン -紅蓮の王- レビューと推薦
■概要
『ロード オブ ヴァーミリオン -紅蓮の王-』は、スクウェア・エニックスの人気ゲームを原作としたTVアニメシリーズで、2018年7月14日から9月29日までTOKYO MXとBS11で放送されました。全12話、各話30分の構成で、監督は菅沼栄治、制作はアスリード ティアスタジオが担当しています。この作品は、突如として東京を襲った「大共鳴」から始まり、赤い霧に包まれた東京を舞台に、英血の力を得た若者たちの戦いと成長を描いています。
■ストーリー
突如、東京を襲った大共鳴!それを耳にした全都民が一瞬にして昏睡する。人々が目覚めると、東京は赤い霧に包まれてしまっていた。脱出を図る者もいたが、無事に赤い霧を通り抜けた者はなく、東京は陸の孤島と化してしまう。脱出不可能、影の孤島と化した東京!それから五ヵ月後。たった一人最後の最後まで眠り続けていた大学生、神名千尋が目覚めたことで、凄絶なる紅蓮の伝説が幕を開ける!
■解説
舞台は2030年東京。突如、東京近郊一帯で高周波の共鳴音が観測され、同時に街は紅い霧に包まれる。そして、その音を聞いたものは、動物、人問わず、意識を失ってしまう。首都機能のマヒに伴い、政府は一時的に同機能を大阪に移転、この現象を正体不明ウイルスと予測し、さらなるエピデミックを懸念して、東京を封鎖する。しかし、この「大共鳴」より6日後、意識を失っていた人々は何事もなかったかのように目を覚ます。その後、封鎖都市・東京は徐々に街としての機能を取り戻していくが、その日を境に様々な「異常事件」が起こり始め、人々は次第に、さらなる非日常へと浸食されていくこととなる。そんな中、血に秘められた力を解き放ち「英雄の器」へと目覚めゆく若者たち。彼らはお互いの力に引かれ、否応なしに出会い、心を通わせ、命を削り合う、過酷な運命の連鎖へと飲み込まれていく。
■キャスト
・神名千尋/梶裕貴
・道明寺虎鉄/日野聡
・花島笙子/茅野愛衣
・柿原一心/東地宏樹
・赤谷犬樹/森川智之
・咲山小梅/悠木碧
・白木優羽莉/福圓美里
・葵順/諏訪部順一
・水上晴/寺島拓篤
・カーク鏑木/三木眞一郎
・チユ/斎藤千和
・一条樹里亜/堀江由衣
・十文字駿河/石田彰
・黒髪マリエ/小林ゆう
・真鶴椿/釘宮理恵
・原吹晶/佐藤利奈
・ドゥクス/井上小百合 (乃木坂46)
・立風つばさ/東城日沙子
・森園英子/中村知子
・尾張郁郎/土岐隼一
・バン・ドレイル/檜山修之
・白木・A・グラマン/速水奨
■メインスタッフ
・原作/スクウェア・エニックス
・監督/菅沼栄治
・シリーズ構成/鈴木雅詞
・キャラクターデザイン/川村敏江
・制作会社/アスリードティアスタジオ
・製作/LORD of VERMILION 製作委員会
■メインキャラクタ
・神名千尋
上恵大学に通う大学2年生。両親を失っており、虎鉄の家である道明寺剣術道場に居候している。普段から争いを忌避し、シェイクスピアを愛読する優しい性格だ。東京を襲った『大共鳴』の後、ただひとり五ヶ月間も昏睡し続けていた。目覚めた後、自身の血に秘められていた『英血の器』の力に覚醒していく。その一方で親しい人が無残な死を迎える夢に悩まされており、何か過去に秘密がありそうだ。
・道明寺虎鉄
上恵大学に通う大学1年生。自分の家である道明寺剣術道場に居候する千尋を、兄のように慕っている。道明寺流の師範格であり、剣術の腕前も一流だが、正攻法にこだわりすぎて、千尋には勝てたことがない。曲がったことが大嫌いで、猪突猛進な性格だが、意外に繊細で臆病なところもある。父を失う事件をきっかけに『英血の力』に目覚め、千尋のよき相棒として戦いに身を投じていく。
・花島笙子
聖マルディウス教会に仕えるシスター。最も早く目覚めた『英血の器』の一人で、仮面の少女ドゥクスに見出される。以後はドゥクスの命じるまま、混沌の手先と戦うべき仲間たちを集め、新世界創世のために働いている。愛想はいいが、その言葉は全てうわべだけで、心の奥底を他人に見せない。教会に拾われた孤児だったため、誰よりも生き抜くことに固執していて、そのために手段は選ばない。
・柿原一心
フリーのジャーナリスト。かつては大新聞の敏腕記者だったが、或る無理心中事件に固執するあまり、組織を離れて千尋を追い続けている。千尋を目の敵にしており、蛇の如くつきまとっている。皮肉屋で群れることを嫌っており、人付き合いは悪い。記者の目は一流で、AVAL科学財団を始めとする様々な企業汚職を暴いてきた実績がある。弟子で後輩のつばさにだけは頭が上がらないようだ。
・赤谷犬樹
上恵大学付属病院の医師。大共鳴によって昏睡した人々を専門で診ており、千尋の主治医。看護士の咲山小梅とは良きパートナーで、二人だけで化け物にされた人々を元に戻そうと研究を続けている。責任感が強く、なんでも一人で抱え込んでしまうところがある。いち早く目覚めた『英血の器』の一人だが、自分の中から溢れ出そうになる〝力〟を恐れ、密かに解決方法を模索しているらしい。
・咲山小梅
赤谷犬樹と共に上恵大学付属病院に勤務する看護士。トレードマークはツインテールと左眼の眼帯。性格は明るいが、行動と言動は粗野で粗暴。その一方で他人を思いやる優しい面もある……ようなのだが。いち早く目覚めた『英血の器』で、聖マルディウス教会ではムードメーカー的存在である。しかし、〝ある実験〟に参加させられた過去があり、それが彼女の戦う強い理由となっているようだ。
・白木優羽莉
千尋の前に度々現れる謎の美少女。謎の共鳴音によって人々を化け物に変える勢力に属し、何度となく千尋を襲ってくるが、どこか悲しげでもある。千尋とは顔なじみであるかのような言動を繰り返し、行方不明になっている千尋の母とも関係があるようだが、素性は明らかではない。優羽莉との出会いが千尋に影響を与え、運命の歯車を大きく変えていくことになる。
・葵順
カラーギャング『ブルースカル』のリーダー。圧倒的カリスマで巨大チームをまとめあげ、数々の武勇伝を残す。強い信念を持ち、それを貫くには自身を含め、どんな犠牲をも厭わない。指を鳴らす共鳴音を用いて次々と人々を化け物に変え、千尋たちを抹殺しようとする。強力な血晶武装を使い、組織の突撃隊長的存在。児童養護施設の出身で、赤谷犬樹とは深い関係にありそうだが……。
・水上晴
日々河学園高校の2年生。将来を嘱望されたトライアスロン部のエースだったが、最近はカラーギャング『ブルースカル』に入り浸っており、リーダーである葵順に心酔している。そのため、同郷の幼馴染である原吹晶がいくら忠告しても、聞く耳をもたない。一本気な性格で、尊敬する葵順に命じられれば、どんなことであろうとも従おうと決めている。
・カーク鏑木
世界的に著名なピアニスト。狂おしいほど悲しみに満ちた曲を作ることから〝退廃の音楽家〟と呼ばれている。熱狂的なファンが多く、彼の旋律を聴いた者は瞬く間にその旋律の虜になってしまうのだという。彼自身も何かに取り憑かれたような妄執を抱えており、そのためにはこの世の人間がどうなっても構わないと考えている。死を賛美し、圧倒的な戦闘力を持つがゆえに〝死神〟と自分を称している。
・チユ
AVAL科学財団のグラマン博士が秘蔵している謎の少女。見た目は幼いものの、IQ350という超天才的頭脳を有している。科学者としてAVAL科学財団を大きく成長させたのも彼女の才能があったと言われている。非常に有能だが、無感情な合理主義者であり、その言動は浮世離れしている。財団の人間ですらその姿を見たものはごく少数に限られており、全ては謎に包まれている。
・一条樹里亜
日々河学園高校の三年生で生徒会長。〝国を禍いから護る〟ことを目的とした『鎮護国禍』を取り仕切る一条家の出身。性格は高潔にして冷徹。自分にも他者にも完璧を求めるがゆえに近寄りがたい雰囲気を持つ。若くして『鎮護国禍』の頭首となり、様々な超常的事象を隠密に処理してきた。
・十文字駿河
日々河学園高校の三年生で風紀委員長。十文字家は一条家の分家であり、一条樹里亜とは従兄妹である。『鎮護国禍』の一員で、いつも率先して戦おうとする。分家としてのコンプレックスがあり、自身の実力を必要以上に誇示することで、いずれ『鎮護国禍』の頭首に成り代わろうとしている。本来は心優しい性格で、野心的行動は樹里亜のこととも関係があるようだ。
・黒髪マリエ
警視庁捜査一課の刑事。道明寺道場事件を担当したことで千尋や虎鉄と出会う。呪術組織『鎮護国禍』の一員でもあり、大共鳴後の東京に様々な超常現象的事件が起きていることを察している。性格は冷静沈着で頼れる存在。が、事件に対処し、敵を斃すだけでは〝人々を本当に救えてはいない〟と感じている。元々はレディース『朱夏』の初代総長で、椿と仲がいい。
・真鶴椿
レディースチーム『朱夏』の二代目総長。明るく元気いっぱいで自由気まま、飄々とした性格である。実家は呪術組織『鎮護国禍』の鎮守社である朱御山神社。天才的呪術師としての能力は高いが、使命に囚われるのを嫌っている。が、初代総長の黒髪マリエに憧れており、彼女が『鎮護国禍』であることもあって、使命を疎かにしようとは思っていない。
・原吹晶
日々河学園高校の2年生。トライアスロン部の主将であり、中学時代に「ネオ・トライアスロン」のトップアスリートとして活躍していた。明るくさばさばした性格であり、考えるよりもまず行動するタイプ。同じ部の水上晴とは同郷の幼馴染だが、彼がカラーギャングに入ったのを心配し、行動を追ううちに戦いに巻き込まれる。『鎮護国禍』の一員でもある。
・ドゥクス
仮面をつけた謎の少女。手にした日傘がトレードマーク。年齢・経歴・その正体は、一切が不明。聖マルディウス教会の指導者として英血の器たちを集め、混沌の手先たちに対抗している。暗示、暗喩めいた物言いを好み、相手の反応を楽しんでいるかのようである。
・立風つばさ
柿原一心の助手。新人カメラマンとして柿原と組んだのをきっかけに、自らもジャーナリストを目指したいと考えるようになる。明るくざっくばらんな性格で、柿原にこき使われてもへこたれない。
・森園英子
上恵大学2年生で、千尋と同じゼミに入っている。その正体は守護使い魔のセルディッド。常に千尋を中心に物事を考え、行動しており、千尋のためならどんな犠牲をも省みないドライな一面を持つ。
・尾張郁郎
上恵大学2年生。千尋や虎鉄の親友であり、道明寺道場の門下生でもある。剣術よりも学生ライフを満喫しているタイプで、大共鳴後も変わらず日常を楽しんでいる。
・バン・ドレイル
全身にタトゥーを入れた謎の男。性格は軽薄にして粗暴。しかし、どこか得体の知れない何かを秘めている不気味さを漂わせている。
・白木・A・グラマン
AVAL科学財団を築き上げた天才科学者であり、アルカナ因子研究の第一人者。財団トップとして政財界にも大きな影響力を持つ。高慢かつ冷静な自信家。
■サブタイトル
・第1話/我が命は敵に払う借金か
・第2話/君はまだ、ぼくという人間を知らないのだ
・第3話/だれだ、古い争いに新たに火をつけたのは?
・第4話/憎らしい敵がなぜに慕わしい
・第5話/今日の暗い運命は、この先ずっと垂れ込める
・第6話/暗い心には明るい光が相応しい
・第7話/どうか二人の手を聖なる言葉で結んでください
・第8話/死ぬほどつらい悲しみも別の苦悩で癒えるもの
・第9話/死を前にして人は陽気になることがあるという
・第10話/我が名を呼ぶのは、我が魂
・第11話/か弱き花の蕾には、薬もあれば毒もある
・第12話/世界は広く、果てしない
■主題歌・楽曲
・OP
・天使よ故郷を聞け
・作詞/岩里祐穂
・作曲/TOMOYA、KENT(SALTY DOG)
・編曲/CHOKKAKU
・歌/May'n
・ED
・紅く、絶望の花。
・作詞/la la larks
・作曲/la la larks
・編曲/la la larks
・歌/JUNNA
■レビュー
『ロード オブ ヴァーミリオン -紅蓮の王-』は、ゲーム原作のアニメとしては非常に高い評価を受けた作品です。特に、ストーリーの展開やキャラクターの成長が見事に描かれており、視聴者を引き込む力があります。以下では、各要素について詳しくレビューします。
ストーリー
本作のストーリーは、突如として東京を襲った「大共鳴」から始まります。この大共鳴によって東京は赤い霧に包まれ、住民たちは昏睡状態に陥ります。そして、昏睡から目覚めた人々は、様々な異常現象に直面し、英血の力を得た若者たちが戦うことになります。この設定は非常にユニークで、視聴者を引き込む力があります。また、物語は徐々に展開し、謎が解明されていく過程が非常に面白いです。特に、神名千尋の成長と彼を取り巻く謎が物語の中心にあり、その解明が視聴者を最後まで楽しませます。
キャラクター
本作のキャラクターは非常に魅力的で、各々が独自の背景と成長を持っています。特に、主人公の神名千尋は、優しい性格でありながらも英血の力を得て戦う姿が印象的です。また、道明寺虎鉄や花島笙子など、他のキャラクターもそれぞれの信念を持ち、物語を盛り上げます。キャストの演技も素晴らしく、特に梶裕貴さんの千尋役や日野聡さんの虎鉄役は非常に評価が高いです。
ビジュアルと音楽
ビジュアル面では、赤い霧に包まれた東京の描写が非常に美しく、視覚的に楽しむことができます。また、戦闘シーンも迫力があり、見応えがあります。音楽面では、May'nさんのオープニングテーマ「天使よ故郷を聞け」とJUNNAさんのエンディングテーマ「紅く、絶望の花。」が物語の雰囲気を盛り上げており、特にオープニングテーマは非常に印象的です。
監督と制作
監督の菅沼栄治さんは、物語の展開やキャラクターの成長を丁寧に描き出し、視聴者を引き込むことに成功しています。また、制作会社のアスリード ティアスタジオも、ビジュアル面でのクオリティを高く保ち、視覚的に楽しめる作品を作り上げました。
■推薦
『ロード オブ ヴァーミリオン -紅蓮の王-』は、ゲーム原作のアニメとしては非常に高い評価を受けた作品であり、ストーリーやキャラクター、ビジュアル、音楽など全ての面で優れた作品です。特に、謎解きやキャラクターの成長を楽しみたい方にはおすすめです。また、赤い霧に包まれた東京という独特の世界観も魅力の一つであり、視覚的に楽しみたい方にもおすすめです。さらに、May'nさんやJUNNAさんの主題歌も非常に印象的であり、音楽を楽しみたい方にもおすすめです。全体として、非常に完成度の高い作品であり、多くの視聴者に推薦できる作品です。 |