『TRIGUN Badlands Rumble』レビュー:荒野の銃撃戦と深い人間ドラマの融合

『TRIGUN Badlands Rumble』レビュー:荒野の銃撃戦と深い人間ドラマの融合

トライガンバッドランズランブル - 荒野の狂宴と伝説の賞金首

2010年4月24日に公開された「トライガンバッドランズランブル」は、内藤泰弘の人気漫画「トライガン」を原作とした劇場版アニメーション作品である。この作品は、12年ぶりのアニメ化ということで、ファンにとっては待望の再会となった。ここでは、その魅力と詳細を深く掘り下げてみたいと思う。

■公開メディアと原作

「トライガンバッドランズランブル」は劇場公開作品であり、原作は「月刊ヤングキングアワーズ」にて連載された内藤泰弘の漫画である。原作は星雲賞を受賞しており、その人気と評価の高さが伺える。過去にはマッドハウスによってTVアニメ化もされており、国内外で多くのファンを獲得した。今回の劇場版は、その12年後の新たな挑戦であり、原作の世界観をさらに広げる一作となっている。

■ストーリー

物語の舞台は、流砂に囲まれた町・マッカ。伝説の大強盗ガスバックが町を狙っているという噂が流れ、町の権力者ケプラーは町を守るために荒くれ者を集めていた。ガスバックの賞金目当てに次々と町にやってくる賞金稼ぎたち。その中には、女賞金稼ぎのアメリアの姿もあった。保険の査定のために町を訪れたメリル&ミリィはその状況に驚愕する。さらに、一行の中にはあの人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)ヴァッシュ・ザ・スタンピードも紛れていて……!?それぞれの思惑が錯綜する中、アウトローどもが繰り広げる荒野の大狂宴(バッドランド ランブル)が、今、幕をあける!!

■解説

「トライガンバッドランズランブル」は、原作の世界観をそのままに、TVシリーズのキャラクターや雰囲気を踏襲しつつ、アクションシーンを大幅にパワーアップさせた作品である。監督は西村聡、脚本には小林靖子が参加し、12年前のメインキャスト、スタッフが再集結したことも話題となった。銀幕に展開される痛快無比のガンアクションは、ファンにとって新たな驚きと感動を与えることだろう。

■キャスト

主要キャストには、ヴァッシュ・ザ・スタンピード役の小野坂昌也、ニコラス・D・ウルフウッド役の速水奨、メリル・ストライフ役の鶴ひろみ、ミリィ・トンプソン役の雪野五月、アメリア・アン・マクフライ役の坂本真綾、ガスバック・ガロン・ゲッタウェイ役の磯部勉、ケイン・フラッカーノ(ケプラー)役の島田敏、メチーオ・タント・オゴラーレ役の立木文彦、ドリーノ・オーレ・タディスキー役の飛田展男、シェイン・B・グッドマン役の楠大典、アメリアの母役の井上喜久子など、豪華な声優陣が名を連ねている。彼らの演技は、キャラクターの魅力を最大限に引き立てている。

■メインスタッフ

原作は内藤泰弘、監督は西村聡、製作は佐々木史朗、落合正美、戸田利吉郎、酒匂暢彦、企画は小松茂明、丸山正雄、プロデューサーは北山茂、小池由紀子、筆谷芳行、武智恒雄、アソシエイトプロデューサーは吉田勇樹、野々口嘉孝、沼田知己、ストーリー原案は内藤泰弘と西村聡、脚本は小林靖子、音楽は今堀恒雄、アニメーション制作はマッドハウス、絵コンテは西村聡、増井壮一、井上英紀、演出チーフは井上英紀、演出は川村賢一、竹内浩志、migmi、西村聡、キャラクターデザインと総作画監督は吉松孝博、メカニックデザインは神宮司訓之、総作画監督補佐は竹内杏子、メイン作画監督は竹内浩志、島村秀一、稲留和美、西澤千恵、レイアウト監修は木村雅広、エフェクト作画監督は有田周平、エフェクト作画監督補佐は佐藤千春、銃器監修は山内則康と西村聡、シーン作画監督は熊谷哲矢、吉田大輔、宮本佐和子、Cindy H.Yamauchi、作画監督補佐は箕輪豊、林祐一郎、林千博、清水健一、青木哲郎、江本正弘、林秀夫、加藤優、井上英紀、CO-RUN(南伸一郎)、原画は浜崎博嗣、澤田英彦、橋本聡之、宗崎暢芳、宮澤康紀、菊池聡延、野田卓雄、橋本純一、西位輝実、小松英司、遠藤栄一、中野涼子、金錦樹、北野幸広、吉田南、重国勇二、井野真理恵、青柳重美、谷口守泰、兵頭敬、武本大介、石井将人、佐藤哲也、刀根川恵、平林孝、李カンミン、若林漢二、中島美子、渡辺英樹、久米一成、坪内克幸、橋本浩一、新井浩一、小池健、桜井邦彦、林祐一郎、神谷智大、宮本佐和子、竹内杏子、稲留和美、西澤千恵、熊谷哲矢、島村秀一、吉田大輔、オフィスていくおふ(青木真理子、楠知津子、児玉亮、武藤和浩、高田三郎)、スタジオ九魔(青鉢芳信、粟井重紀、新井貴宏、外山陽介、Lee Ho Se)、サニーサイドアップ(山本正文、舘崎大、岸祐弥、櫻本愛佳、八田典子)、CO-RUN(安東信悦)、第二原画は阿比留隆彦、今野亜希子、嶋謙一、鈴木孝典、鈴木信也、正岡恩、内田真樹、杉泊朋子、山口真未、樋口聡美、武藤信宏、増井直子、大舘康二、矢吹智美、横山愛、雪村愛、河井さやか、桑原剛、小磯由佳、林千博、細居美恵子、DR MOVIE(Woo Jin-Woo、Lee Young-mi)、オフィスていくおふ(吉田信亮、比舎千恵子、清水明日香、飯塚葉子、輿石暁、吉本智恵、守屋麻美、北村晋哉、梅田光、小磯沙矢香)、スタジオ九魔(尾関晴美、奥居久明、辻智子、Choi Kyung Seok、渡邊浩、星野円哉)、サニーサイドアップ(清水由紀子、蟹江健二、片田敬信)、CO-RUN(多田康之)、サンライズ(東賢太郎、長友望己、山村直己、杉薗直希)、遊歩堂、A.P.P.P、銀河屋、ワオワールド、年代動画、リバティー、スタジオ牙嗚、C2C、DEF.C、ドロップ、サンシャイン、ヘバラキ、動画チェックは坂詰かよ、動画チェック補佐は大島明子、DR MOVIE(Lim Jong youl、Jeon Hye Jin)、オフィスていくおふ(武藤和浩)、動画はマッドハウス(下田正太郎、曽々木安恵、今門卓也、雪村愛、玉木李枝、加藤美穂、滝野茉美、YANG HEE DONG、中村佑美子、山岸舞、南井尚子、東亮太、長命幸佳、大口茜、渡辺佐紀子)、DR MOVIE(Kang Jin Ah、Kim Mi Youn、Kim Min Kyoung、Kin Young ji、Kim Yoon Jung、Kim Cheong A、Kim Hye Jung、Kim Hye Jin、Min Hong Yi、Lee Hyun Jeong、Cho Yun Hui、Hwang Kyeng Chan、Hwang Mi Sun、Hwang Ji Hyun)、サニーサイドアップ(寺田眞佐子、原則子、蟹江健二)、DR BUSAN、MSJ、Triple A、孝仁動画、ファンアウト、常州日昇動画制作有限公司、色指定は田中文子、仕上げ検査はスタジオエル(中西礼子、沼田貴子、高橋由紀子、丹波美佳、三村理紗、都丸陽子、沼田千晶、小松尚子、鈴木ようこ、田中文子)、仕上げ検査補佐はDR MOVIE(Kim A Jin、Jung Hye Ra)、スタジオOZ(橋本沙保里、細谷明美)、オフィスていくおふ(戸塚由紀子)、仕上はスタジオエル(林大樹、吉田亜希、田中照佳、相田晃一、大久保雄介、大田薫、木下美佳、黒木舞、武井規晋、西條晴香、藤田和実、森脇弘史、角美智子、黒目綾子、小久保真希、近藤直登、太田良之、平良真希子、小野淳、青木翔太、五十嵐優也、石田恭子、伊藤美紀、稲見雄次、今村雪絵、上野辰夫、上原崇勤、大場将生、奥秋元規、喜多原絵理、酒井静美、真水由貴、鈴木愛子、砂川渚、高橋貢、中川沙弥佳、中司あやの、橋本真希、藤澤亮子、妻鹿真琴、横尾亜由美、吉田里美、吉田真由、渡部勇輔)、DR MOVIE(Park Jeong Ah、Jung Su Hyun、Park Joung Hyan、Ku Kyoung Ran、Lee Jeong Eun、Park Hyo Sun、Chung Kyung Ai、Hwang Boo Young、Lee Nam Hee)、サニーサイドアップ(上村修二、佐藤秀一)、スタジオOZ(磯崎昭彦)、DR BUSAN、MSJ、Triple A、ファンアウト、常州日昇動画制作有限公司、孝仁動画、ロケットビジョン、KOEI、特殊効果はチームタニグチ(谷口久美子、荒畑歩美、小林香織)、制作協力はオフィスていくおふ(渚美帆、岩渕拓央、福島優子)、スタジオ九魔(坂本裕一)、サニーサイドアップ(斉藤康隆、谷内勇介、松橋厚至)、CO-RUN、美術監督は秋葉みのる、美術ボードは高橋和博、色彩設計は飯島孝枝、色彩設計協力は磯崎昭彦、CG監督は井野元英二、撮影監督は五十嵐慎一、編集は寺内聡、音響監督は本田保則、音響効果は倉橋静男(サウンドボックス)、オフライン編集助手は河西直樹、HD編集は板倉玄、立川貴巳、HDカラーコレクションは庄司光裕、HD編集スタジオはキュー・テック、編集スタジオ営業は田畑孝之、音楽プロデューサーは澤井宏始(SISTEMA)、井上裕香子、音楽録音エンジニアは河上達也(THE TINYTONE STUDIO)、音楽制作はFlying Dog、録音は阿部智佳子(タバック)、録音助手は松田悟(タバック)、録音スタジオはタバック、ダビングスタジオは東京テレビセンター(堀田英二、鈴木修二)、音響制作はアーツプロ(庄司明、中里圭祐)、ドルビーフィルムコンサルタントは河東努、森幹生、コンチネンタルファーイースト(株)、デジタル光学録音は西尾曻、フィルム&デジタルラボはIMAGICA、IMAGICAレコーダー~realtime~、タイミングは平林弘明、上野芳弘、HDリアルタイムレコーディングは稲垣知康、ラボコーディネイターは佐藤祐梨子、ラボマネージャーは長澤和典、フィルムは富士フィルム、報映産業株式会社、アニメーションプロデューサーは諸澤昌男、制作担当は林雅紀、設定制作は小瀬敬子、制作進行チーフは田中将士、動画・仕上げ進行は光田康広、CG進行は富田喜允、制作進行補佐は大崎正美、牛嶋新一郎、村岡朋美、制作管理は丸山宣子、木村愛弓、内村恵美子、谷田道彦、瀧真砂里、宣伝プロデューサーは菅原貴範、広告デザインは内古閑智之(CH Production)、宣伝協力は武井風太、小島則子、深瀬和美、上阪優、予告篇制作はかくれが本舗(上村貴史、二瓶無我)、配給はクロックワークス(根上哲、宮崎聡)、製作はトライガン製作委員会(フライングドッグ、マッドハウス、少年画報社、クロックワークス)である。これらのスタッフが一丸となって作り上げた作品は、原作の魅力を最大限に引き出し、新たな視点から「トライガン」の世界を描き出している。

■メインキャラクタ

ヴァッシュ・ザ・スタンピードは、600億$$(ダブルドル)の賞金がかけられた流れ者の賞金首。「ヒューマノイド・タイフーン(人間台風)」の異名を持ち、超絶的なガンテクニックの持ち主だが、そのじつ「ラブ&ピース」をモットーに不殺を貫く平和主義者である。ニコラス・D・ウルフウッドは、さすらいの巡回牧師。孤児院の出身で、孤児たちの養育費を稼ぐために旅を続けるうちにヴァッシュ一行と出会い、行動をともにするようになる。武器を仕込んだ巨大な十字架を抱えている。なぜか関西弁を話す。メリル・ストライフは、ベルナルデリ保険協会から派遣された女性調査員。一見強気でやかまし屋に見えるが、心優しい内面を持つ。マイペースなヴァッシュの態度に毎回食って掛かるが、やがてヴァッシュに惹かれるようになる。ミリィ・トンプソンは、メリルの後輩。メリルとは対照的におっとりのんびりした性格だが、その一方で芯に強いものを持っている。ガスバックは、「世の中、つまるところは奪い合い!」という己の哲学を身上に、強盗稼業に命をかける稀代の大強盗である。アメリアは、ガスバックを狙う美貌の女賞金稼ぎ。極度の男嫌いである。これらのキャラクターが織りなすドラマは、原作の魅力を引き立てつつ、新たな展開を見せることだろう。

■関連作品

「トライガンバッドランズランブル」は、原作「トライガン」と深く関連している。原作の世界観を踏襲しつつ、新たなストーリーを展開することで、ファンにとっては新鮮な驚きと感動を与える作品となっている。また、TVシリーズ「TRIGUN」も関連作品として挙げられる。これらの作品を鑑賞することで、「トライガン」の世界をより深く理解し、楽しむことができるだろう。

■評価と推薦

「トライガンバッドランズランブル」は、原作のファンにとっては待望の新作であり、12年ぶりのアニメ化ということで大きな話題となった。原作の世界観をそのままに、TVシリーズのキャラクターや雰囲気を踏襲しつつ、アクションシーンを大幅にパワーアップさせた本作は、ファンにとって新たな驚きと感動を与えることだろう。また、豪華な声優陣とスタッフの力によって、キャラクターの魅力が最大限に引き立てられている。特に、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの「ラブ&ピース」を貫く姿勢や、ニコラス・D・ウルフウッドの関西弁、メリル・ストライフの強気な態度と優しい内面、ミリィ・トンプソンのおっとりとした性格と芯の強さなど、各キャラクターの個性が際立っている。ガスバックやアメリアといった新たなキャラクターも、物語に深みを与えている。

本作は、原作のファンだけでなく、アクションアニメや西部劇を好む人々にもおすすめできる作品である。特に、ガンアクションのシーンは見応えがあり、視覚的な楽しみを提供してくれる。また、キャラクターのドラマや人間関係も深く描かれており、ストーリー性も高い。さらに、原作やTVシリーズと関連させることで、より深い理解と楽しみを得ることができるだろう。

「トライガンバッドランズランブル」は、原作の魅力を最大限に引き出し、新たな視点から「トライガン」の世界を描き出した傑作である。ぜひ、劇場でその迫力を体感してほしい。

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