『戦う司書』の魅力と評価：戦闘と知識の融合が生む感動

『戦う司書』：魂の記憶を守る戦士たちの物語

『戦う司書』は、2009年10月2日から2010年4月2日まで放送されたTVアニメシリーズで、山形石雄によるライトノベルを原作としています。この作品は、死者の魂が「本」となって地中に埋められ、その記憶を守るために戦う「武装司書」たちの物語です。ここでは、作品の詳細な情報や魅力、そしておすすめポイントを紹介します。

作品概要

『戦う司書』は、集英社スーパーダッシュ文庫から刊行されている山形石雄のライトノベルシリーズを原作としています。アニメーション制作はdavid productionが担当し、監督は篠原俊哉が務めました。全27話で構成されており、各話の放送時間は30分です。放送局はANIMAX、BS11、バンダイチャンネルで、ネット配信もバンダイチャンネルで行われました。

ストーリー

『戦う司書』の世界では、人は死ぬと「本」になります。地中に埋められた死者の魂は自然に生命力が抜けていき、生命力が抜けきった魂は結晶化して「本」となります。この「本」には、その人間の持つ記憶のすべてが収められており、手を触れればその人間の記憶を追体験することができます。過去神バントーラが作った新立バントーラ図書館に収められたこれらの「本」を管理するのが「武装司書」たちです。彼らは館長代行のハミュッツ=メセタを頂点に、全員が桁外れの戦闘力と歴史学者並みの知識を持ち、世界で一番なるのが難しいと言われている職業です。しかし、そんな彼らが管理する世界に「神溺教団」が出現し、唯一絶対の教義に基づいてすべての欲望を肯定する彼らの目的とは何なのか、物語はその謎を追っていきます。

主要キャラクター

『戦う司書』には、個性豊かなキャラクターが多数登場します。以下に主要キャラクターを紹介します。

ハミュッツ

神立バントーラ図書館の館長代行にして、最強の武装司書です。見えない「糸」を張り巡らせて周囲の様子を伺う「触覚糸」という能力を使い、投石器で敵を攻撃します。射程範囲は35キロと超遠距離攻撃が可能です。普段はのんびりしているように見えますが、性格は冷酷非道です。声優は朴?美が担当しています。

マットアラスト

一級武装司書の一人で、ハミュッツの右腕的存在です。常に2秒先を予知する「未来予知」という能力を使い、敵の攻撃をかわして正確な攻撃を繰り出します。天性の嘘つきを自称していますが、最年少で武装司書となった実力の持ち主です。声優は大川透が担当しています。

ミレポック

武装司書の一人で、顔と名前が一致する相手であれば、距離にかかわりなく複数の相手と同時に交信することが可能な「思考共有能力」の使い手です。作戦遂行では欠かせない存在となっています。休暇をとっただけで周囲に戦慄が走るほどに、まじめな仕事人間です。声優は沢城みゆきが担当しています。

ノロティ

まだ武装司書見習いで、絶対に人を殺さないという信念のもと、戦うときは常に素手です。馬鹿が付くほど真面目で、武装司書に向かない面もあるが、皆に愛されています。声優は戸松遥が担当しています。

ヴォルケン

先代の館長代行に育てられ、武装司書の理想と正義感にあふれる青年です。生まれながらに自らの分身を作り出す能力を持ち、その力を他人に分け与えることが可能です。金属の輪から2本の剣が飛び出す舞剣という武器を使用して戦います。将来の館長代行と目されています。声優は中村悠一が担当しています。

サブタイトル

『戦う司書』の各話のサブタイトルは以下の通りです。

第1話：爆弾と本と沈み行く船（2009/10/02）
第2話：爆弾と姫君と灰色の街（2009/10/09）
第3話：爆弾と人間と死の神の病（2009/10/16）
第4話：夕方とシロンとコリオ（2009/10/23）
第5話：裏切りと杯と迷いの小道（2009/10/30）
第6話：雷と怪物と殴る少女（2009/11/06）
第7話：笑顔と仮面と死にたがりの男（2009/11/13）
第8話：沼と仲間と浜辺の貝殻（2009/11/20）
第9話：真人と戦場と私の世界（2009/11/27）
第10話：変人と母親と黒蟻の巣（2009/12/04）
第11話：弱者と迷宮と女王の指し手（2009/12/11）
第12話：過去と理不尽とパイプの煙（2009/12/18）
第13話：休暇と絵本と赤錆の髪（2009/12/25）
第14話：落日と語りべと幾つかの寓話（2010/01/01）
第15話：少女と少女と神の寝床（2010/01/08）
第16話：禁書と腑抜けと聖浄眼（2010/01/15）
第17話：帰還と出会いと燃えあがる緑（2010/01/22）
第18話：プロペラと追想と鉛の人間（2010/01/29）
第19話：阿呆と虚空と踊る人形（2010/02/05）
第20話：弔鐘と本と死にたがりの少年（2010/02/12）
第21話：憎しみと蒼と荒縄の姫君（2010/02/19）
第22話：空と結末と彼女の世界（2010/02/26）
第23話：脱獄と道具と砂漠の菫（2010/03/05）
第24話：真実と恋と第二封印書庫（2010/03/12）
第25話：静寂と惰眠と絶望の物語（2010/03/19）
第26話：贖罪と惑と本の中の本（2010/03/26）
第27話：世界の力（2010/04/02）

主題歌・楽曲

『戦う司書』の主題歌と挿入歌は以下の通りです。

オープニングテーマ

OP1「堕天國宣戦」

作詞：宝野アリカ
作曲：片倉三起也
編曲：片倉三起也
歌：ALI PROJECT

OP2「星彩のRipieno」

作詞：佐咲紗花
作曲：小高光太郎
編曲：小高光太郎
歌：佐咲紗花

エンディングテーマ

ED1「Light of Dawn」

作詞：Annabel
作曲：myu
編曲：myu
歌：Annabel

ED2「Dominant space」

作詞：畑亜貴
作曲：myu
編曲：myu
歌：結城アイラ

制作スタッフ

『戦う司書』の制作スタッフは以下の通りです。

原作：山形石雄（集英社スーパーダッシュ文庫刊・「ウルトラジャンプエッグ」連載）
イラスト：前嶋重機
企画：鳥嶋和彦、川村明廣、井上俊次、沖浦泰斗
ゼネラルプロデューサー：渡辺直樹
プロデューサー：斎藤哲郎、川瀬浩平、伊藤善之、梶田浩司
シリーズ構成：岡田磨里
キャラクターデザイン：山田正樹
プロップデザイン：橋本英樹
総作画監督：山田正樹、かどともあき
アクション作画監督：光田史亮
美術ボード：丸山由紀子、高山八大
美術設定：池田繁美、大久保修一
美術チーフ：海老沢卓也
タイトルロゴ：ジースクエア、森脇崇公
録音スタジオ：STUDIO T&T
録音助手：小笠原頌
キャスティングマネージャー：白川大樹
音響制作担当：上田恵美香
音響制作：STUDIO MAUSU
編集スタジオ：リアル・ティ
編集助手：須藤瞳
フォーマット編集：キュー・テック
フォーマット編集担当：白井基記、南綾香
フォーマット編集デスク：岡本昌明、片田悠介
宣伝プロデューサー：飯田尚史、佐藤輝彦
宣伝：大井克治、伊澤正明、安藤美冬
宣伝協力：菅田肇、椙尾佐知子
公式ホームページデザイン：ハーティーウェア
アシスタントプロデューサー：高野貴志、戸井田真美
アソシエイトプロデューサー：佐々木朗、成毛克憲
番組協力：アニマックスブロードバンド・ジャパン
企画協力：スーパーダッシュ文庫編集部、丸宝行晴、鳥山浩、ウルトラジャンプ編集部、井藤涼、遠藤リエ
制作デスク：服部健太郎
設定制作：山村賢行、宮島梢
美術監督：池田繁美
色彩設計：大西峰代
撮影監督：北島直樹
特殊撮影：吉岡宏夫
3Dディレクター：ソエジマヤスフミ
編集：後藤正浩
音響監督：本山哲
録音調整：山田陽
音響効果：山谷尚人
音楽：平野義久
音楽プロデューサー：小池克実
アニメーションプロデューサー：笠間寿高
アニメーション制作：david production
監督：篠原俊哉
製作：バントーラ図書館

評価と魅力

『戦う司書』は、その独特な世界観と深みのあるストーリー展開が魅力の作品です。死者の魂が「本」となり、その記憶を守るために戦う「武装司書」たちの物語は、視聴者に新鮮な驚きを与えます。また、各キャラクターの個性や能力も魅力的で、特にハミュッツの冷酷さと戦闘力、マットアラストの未来予知能力、ミレポックの思考共有能力などは、物語を盛り上げる重要な要素となっています。

さらに、神溺教団との対立や、武装司書たちの内面的な葛藤など、人間ドラマも描かれており、視聴者を引き込む力があります。アニメーション制作を担当したdavid productionのクオリティも高く、戦闘シーンやキャラクターの表情などが細部まで丁寧に描かれています。