STRATOS4 X - ストラトス・フォー エックス - の全方位的評価と推薦
■公開メディア
OVA
■原作メディア
アニメオリジナル
■発売日
2004年05月28日
■発売・販売
バンダイビジュアル
■分数
28分
■話数
2話
■原作
スタジオ・ファンタジア
■監督
もりたけし
■制作
アニメーション制作/スタジオ・ファンタジア
■著作
©2004スタジオ・ファンタジア/バンダイビジュアル
■ストーリー
地球に帰還した美風たちを待っていたのは何にも変わらない、いつもの訓練とバイトの日々!つかの間の平和……忍び寄る新たな脅威!
“ストラトス・フォー”を駆り宇宙へ飛び立った美風、香鈴、彩雲、静羽の4人。彼女達は図らずも、巨大彗星“ナイジェル87”の衝突から地球を救ったのだった。しかし、下地島基地に帰還すると、再び、訓練とバイトの日常が待っていた。そんなある日、軌道上の第7オービタルステーションでは異変が起きつつあった……!?
■キャスト
・本庄美風/かかずゆみ
・菊原香鈴/折笠富美子
・中村彩雲/菊池志穂
・土井静羽/清水香里
・如月沙也華/大原さやか
・岩崎和馬/辻谷耕史
・藤谷 圭/関 智一
・佐古浩一郎/岩田光央
・宮沢 翼/田坂秀樹
・池田 空/吉野裕行
・テイトク/浅野まゆみ
・御厨リン/京田尚子
・御厨ラン/根谷美智子
・宙 美春/沢海陽子
・久保千鶴/平松晶子
・クリス・C/浅川 悠
・アネット・K/豊口めぐみ
・ベティ・B/雪野五月
・ロバート・R/秋元羊介
・月野(査問官)/大塚明夫
■メインスタッフ
・原作/スタジオ・ファンタジア
・監督/もりたけし
・キャラクターデザイン、メカニックデザイン、総作画監督/山内則康
・3Dメカニックデザイン、3D監修/川原智弘
・3DCGディレクター/松浦裕暁
・美術監督/糸満昭
・美術設定/小林徳光
・色彩設計/三笠修
・撮影監督/福士亨
・編集/重村建吾
・音楽/天野正道
・音響監督/鶴岡陽太
・プロデューサー/杉山潔、月野正志
・アニメーション制作/スタジオ・ファンタジア
・製作/バンダイビジュアル
・協力/下地島空港施設株式会社、航空自衛隊
■メインキャラクタ
・本庄美風(ほんじょうみかぜ)
16歳♀。下地島基地でコメットブラスターになるための訓練をうけているパイロット。身内は全てパイロットといういわばエリートの家系に育ち、なんの疑問もなくここまで辿り着いてしまった少女。しかし、初めての出撃で、今までぼやけていた目標がはっきりと形となって見えたところから、少しずつ変わっていく。宇宙へ行きたいという素直な願望が少女をグレートーンの世界からフルカラーの世界へと導いたのである。
・菊原香鈴(きくはらかりん)
15歳♀。同じく下地島基地でコメットブラスターになるための訓練をうけているパイロット。なぜか、テイトク(猫)が苦手らしく極力近づかないようにしている。4人の中では最年少で口数も少なく、若干表情にも乏しいところがあるのだが、実はこれには幼少の頃の悲惨な体験が関係しているらしい。いつも携帯で誰かにメールを打っていて、他人を拒絶するようなところも見え隠れしていたのだが、美風たちと触れ合っていく中で少しずつ心を開いていく。
・中村彩雲(なかむらあやも)
17歳♀。同じく下地島基地でコメットブラスターになるための訓練をうけているパイロット。熱血で正義感の固まり、地球の平和は自分が守る!と言う、一昔前なら主人公なタイプである。常に前向きで、やる気の見えない美風にいらつき叱咤する場合もあるのだが根に持つタイプではない。いつも自分の思ったとおりに行動しようとするとてもわかりやすい性格の女の子である。
・土井静羽(どいしずは)
16歳♀。同じく下地島基地でコメットブラスターになるための訓練をうけているパイロット。様々な資格をもっているライセンス・マニア。(非常時には何かと重宝する。)いつもしっかりしていて、見かけはみんなのお姉さん的な存在であるが、実は、こんなご時世なので将来のためにいろいろな資格を取っておこうとしているらしく、コメットブラスターを目指すのも彼女にとってはその中のひとつでしかないらしい。
・如月沙也華(きさらぎさやか)
29歳♀。下地島基地の教官でパイロットでもあるのだが、過去に事故を起こしたときのトラウマによって、今は迎撃機には乗っていない。4人組にとっては厳しい教官として見られているのだが、一番彼女たちのことを気にかけている存在でもある。和馬に気があるらしく、それとなくモーションをかけたりもするが相手にされなかったりといった可哀想なキャラクターである。
・岩崎和馬(いわさきかずま)
32歳♂。下地島基地の教官であり元コメットブラスターだった優秀なパイロット。常に冷静で礼儀正しく四人組の頼れるお兄さん的存在である。和馬も昔、広陳で下宿していたことがあるらしく、その頃からなのかランにほのかな恋心を抱いているらしい。
・藤谷圭(ふじたにけい)
30歳♂。下地島基地のパイロット。主に和馬機のナビゲーターを務める。明るく陽気で女好き、女の子たちにちょっかいだしてはフラれるという和馬とは正反対なオトボケキャラ。
・佐古浩一郎(さここういちろう)
36歳♂。下地島基地の整備主任。もともとはSS計画に深く関わっていた技術者。しかし、なんらかの理由で妻と別れてからは、この基地でうだつのあがらない口うるさいただの親父になりさがっている。
・ロバート・レイノルズ(ろばーと・れいのるず)
63歳♂。下地島基地の司令である。初老の白髪紳士。イギリス人らしい。極東の小さな基地になぜ赴任してきたのかは定かではないのだが、天体危機管理機構の要職についていた経験もあり、SS計画にもかなり深く関わっていたらしい。
・御厨リン(みくりやりん)
68歳♀。広陳の主で、ランの祖母。長年、基地に通う生徒の下宿屋をしていたので、基地にはリン婆さんに世話になった者も多く、上層部にもこの人だけは頭が上がらない者も多い。彼女の夫は生前SS計画に関わっており、ロバートとも交流があった。
・御厨ラン(みくりやらん)
22歳♀。中華屋・広陳の看板娘。下宿している主人公達の世話役で、相談役でもある。
・御厨アリス(みくりやありす)
18歳♀。広陳で飼われているデブ猫。この下宿の古株で、どっしりした貫禄から通称・提督と呼ばれている。店の客が残り物をくれる(くれない時はくれるまで待つ)ので、大きく太ってしまった。店が満員のときは、店の入口に座っている。夢は飛行機のパイロットになることらしい。
・宮沢翼(みやざわつばさ)
17歳♂。下地島基地でコメットブラスターになるための訓練をうけているパイロット。なにかと美風につっかかっていたのだが、やる気のない美風にいらついていただけで、徐々にお互いを認め合うようになってからは何かと手助けをするようになる。
・池田空(いけだそら)
16歳♂。下地島基地でコメットブラスターになるための訓練をうけているパイロット。おっとりとした静かな少年で、いつも周りの人のことを気遣っている。
・久保千鶴(くぼちづる)
25歳♀。コメットブラスターの一員。第七オービタルステーションに駐留。
・アネット=ケイリ―(あねっとけいりー)
21歳♀。コメットブラスターの一員。第七オービタルステーションに駐留。
・ベティー ブーゼマン(べてぃーぶーぜまん)
21歳♀。コメットブラスターの一員。第七オービタルステーションに駐留。
・クリス=カルマン(くりすかるまん)
23歳♀。コメットブラスターの一員。第七オービタルステーションに駐留。
・宙美春(おおぞらみはる)
28歳♀。第七オービタルステーションの司令。
■メインロボ・アイテム
・超高々度迎撃機(メテオスイーパー機)TSR.2MS
1957年に超音速攻撃機&偵察機としてイギリスで開発がスタートし、1964年に初飛行した試作機TSR.2をベースに製作された。地上基地のトレーラーに搭載され、ZELL(Zero Length Launch=零距離発進)により発進する。発進に際しては2発のジェット・エンジンと、パイロンを介して両主翼下に2機搭載したRATO(Rocket Assisted Take Off)ポッドの推力を併用してほぼ垂直に離陸する。RATOポッドの燃焼が終了すると、尾翼付け根に後付けされたロケットブースターに点火してさらに成層圏外縁部まで上昇、胴体下部に搭載された迎撃ミサイルを発射する。つまり、超高々度まで可能な限り迅速にミサイルを運ぶことを目的に開発されたミサイル・キャリアである。成層圏で反応弾が爆発すると、強烈な電磁波が発生する。そのEMP効果は、範囲内にある半導体を使用した電子回路を全て破壊してしまう。超高々度迎撃機には、その影響を避けるために2系統の電子回路が組まれている。一方は通常のシリコンチップによるコンピューター。もう一方は、一切の半導体を使わず真空管で構成された電子回路である。この真空管回路は、万一、EMPの影響で半導体回路がダウンした時のためのバックアップであると同時に、構成的には機体を制御するメイン回路でもある。安値で量産の出来る半導体回路は主に攻撃するまでの照準や兵装の管理に使われており、ミサイルを発射した後はたとえ壊れても、基地に帰るだけなので支障はない。ミサイルには最新の回路を使って上昇し、人間が帰る時は旧式の真空管だけになるのでパイロットからの評判は良くない。同様にコックピットは、主要な計器類はアナログメーターで構成されていて、CRTモニターによる集中火気管制装置と併用されている。もちろん操縦桿は、ただのサーボ(パワステ)である。なお、成層圏外縁部では機体のコントロールに必要な空気密度がないため、機首や主翼端などに装備したRCS(Reaction Control System)を使用して機体姿勢を制御する。
・対彗星宇宙迎撃機(コメットブラスター機)SAC-1
コメットブラスターが搭乗する複座宇宙迎撃機。巨大なリフティングボディ形状のフェアリングにミサイルと共に組み込まれて、衛星軌道に浮かぶオービタル・ステーションより発進する。地球の重力を利用しながらロケットエンジンで加速し、重力と揚力を併用した高速スウィング・バイで地球を周回しながら、特殊ミサイル「トライデント」で彗星を粉砕する。宇宙機なのに翼があるのは、重力だけでなく上層大気と翼による揚力を併用する事で、第一宇宙速度を超える高速でも飛び出す事なく地球を周回、それによりミサイルの発射から命中までの時間短縮と、危険宙域からの迅速な離脱を可能とするためである。また、上層大気を利用した操舵で高効率かつ迅速に軌道面を修正する事ができ、これらの効果でコメットブラスターの迎撃作戦はより成功率の高いものとなった。地球周回中の迎撃機は上層大気との摩擦で光を放つため、地上からその輝きを観測する事ができる。任務終了後は大気ブレーキで軌道速度を調整し、発進した元のステーションに帰投する。
・練習機 Yak-28MST
メテオスイーパーが普段飛行訓練を実施する際に使用する複座練習機。 旧ソ連が1961年にその存在を公開し、1962年から生産が開始されたといわれている超音速全天候迎撃機Yak-28をベースに製作された。 この機体を使った訓練では、飛行技術だけではなく、前席と後席のクルー・コーディネーションの練成にも主眼が置かれている。
・旧式超高々度迎撃機(ストラトス・ゼロ)
まだ迎撃部隊がメテオスイーパーとコメットブラスターに分かれる前に開発されていた機体で、現在ではここ下地島基地にその巨大な残骸を残すのみとなっている。佐古が私的な理由からコツコツとレストアしているらしい。
・彗星迎撃ミサイル トライデント
岩石質や金属質の隕石を相手に普通のミサイルを打ち込んでも、彗星表面で爆発するだけで効果は薄い。本当に破壊するなら、彗星に穴を開けて内部に爆弾を仕掛けなければいけない。しかし、無数に飛来する彗星や巨大隕石とランデヴーして穴を開けるのは、映画ならともかく現実には難しい。そこで開発されたのが彗星迎撃ミサイル「トライデント」である。このミサイルは発射と共に外殻を分離、目標に近付くと3個の反応弾を放出する。反応弾は中央からワイヤーでつながれており、遠ざかりながらもちょうどベンツのマークのように三角形の頂点の位置を維持しながら飛行する。そして、目標との距離が最適になったとき、その3個の弾頭は同時に爆発する。すると、各々反応弾の爆発は互いにその爆圧を偏向収束し、3方向に面状に広がる高温高圧のカッターと、前後方向に鋭く伸びるビームを形成する。このプラズマエネルギーの錘が、どんな物体であろうと瞬時に貫き粉砕するのだ。ちょうど普通の爆薬で言うところの成形炸薬弾のノイマン効果(モンロー効果)と同じ原理である。このビームで岩石質に穿孔、カッターで切断しつつ、その膨大な熱エネルギーで彗星内部の水分を急激に蒸発させ水蒸気爆発で細かく破砕する。コメットブラスター機及びメテオプラスター機は、このトライデントミサイルを搭載し、彗星迎撃に向かう。ギリシャ神話のポセイドンが使っていた、三つ又の矛がその名の由来となっている。かつては、このトライデントミサイルを大型化し、彗星が地球圏に到達する前に長距離迎撃する作戦もあったが、毎度アポロロケットを打ち上げるようなものなので、無数の彗星に対応するには非常に効率が悪く、また、遠距離から時間をかけて到達するミサイルの迎撃は「なぜか」命中率が著しく低下する事もあり、近距離まで引きつけてから高速ミサイルで短時間のうちに迎撃する現代の作戦に至っている。ミサイルの爆発エネルギーも地球側から命中するので、破壊後の破片と地球との相対速度も遅くなり、地上からの再迎撃も容易になり、落下時の運動エネルギーも少なくなり被害も少なくなる。
・オービタル・ステーション
衛星軌道上に浮かぶコメットブラスター部隊の基地。軌道上には複数のオービタル・ステーションが設置され、地球全域をカバーしている。常に彗星の接近を監視している天体危機管理機構本部より迎撃命令が下りると、ただちにSAC-1Bコメットブラスターを2機編成の編隊で発進させ、地球衝突コースに乗った彗星を迎撃する任に当たっている。
■サブタイトル
・CODE:X-1/RETURN TO BASE(2004/05/28)
・CODE:X-2/DISPERSION(2004/08/27)
■関連作品
・ストラトス・フォー
・ストラトス・フォー アドヴァンス
・ストラトス・フォー アドヴァンス 完結編
・STRATOS 4 SPECIAL FAN DISC
・STRATOS 4 SPECIAL FAN DISC Ⅱ
・STRATOS 4 LOG BOOK
・STRATOS 4.1 CODE:XXX DUTCH ROLL
■主題歌・楽曲
・OP1
・1st Priority
・作詞/日向めぐみ
・作曲/日向めぐみ
・編曲/関淳二郎
・歌/メロキュア
・ED1
・rainbow kind of feeling
・作詞/日向めぐみ
・作曲/日向めぐみ
・編曲/関淳二郎
・歌/メロキュア
■評価と推薦
「STRATOS4 X - ストラトス・フォー エックス -」は、2004年にOVAとしてリリースされた作品で、スタジオ・ファンタジアが手掛けたアニメオリジナル作品です。監督はもりたけし、キャラクターデザインとメカニックデザインは山内則康が担当し、音楽は天野正道が手掛けています。この作品は、2話構成で全28分という短い時間の中で、深いストーリーと魅力的なキャラクターを描き出しています。
ストーリーは、地球に帰還した美風たちが再び訓練とバイトの日常に戻る中、新たな脅威が迫るという展開です。彼女たちは「ストラトス・フォー」を駆り、巨大彗星「ナイジェル87」の衝突から地球を救った経験を持ちますが、日常に戻った後もその経験が彼女たちの成長に大きな影響を与えています。特に、軌道上の第7オービタルステーションで起きる異変が物語の核心となり、緊張感とスリルを感じさせます。
キャラクターはそれぞれ個性的で、特に4人のメインヒロインである美風、香鈴、彩雲、静羽の成長と変化が見どころです。美風はエリートの家系に育ちながらも、初めての出撃で目標を見つけ、宇宙への願望を抱く少女です。香鈴は幼少期のトラウマから他人を拒絶しがちですが、仲間との交流で心を開いていきます。彩雲は熱血で正義感あふれるキャラクターで、チームのムードメーカー的存在です。静羽はライセンス・マニアで、将来を見据えた行動力を持つキャラクターです。これらのキャラクターが織りなすドラマは、視聴者に深い感動を与えます。
メカニックデザインも見逃せません。超高々度迎撃機TSR.2MSや対彗星宇宙迎撃機SAC-1など、リアルなデザインと詳細な設定が魅力です。特に、彗星迎撃ミサイル「トライデント」の詳細な説明は、科学的な興味を引きつけます。また、オービタル・ステーションの設定も、宇宙開発の現実的な側面を描き出しています。
音楽も作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素です。オープニングテーマ「1st Priority」とエンディングテーマ「rainbow kind of feeling」は、メロキュアの歌声と日向めぐみの作詞・作曲により、作品の世界観を深く表現しています。天野正道のBGMも、緊張感や感動を引き立てる役割を果たしています。
「STRATOS4 X」は、短い時間の中で深いストーリーと魅力的なキャラクターを描き出すことに成功した作品です。特に、科学的な設定やメカニックデザインに興味がある人にはおすすめです。また、キャラクターの成長や人間ドラマに惹かれる人にも楽しめる作品です。関連作品も多く、シリーズ全体を楽しむこともできます。ぜひ一度視聴してみてください。 |