奇鋼仙女 ロウラン - キコウセンニョ ロウラン -
■公開メディア
TVアニメシリーズ
■原作メディア
漫画
■放送期間
2002年11月15日 ~ 2003年05月30日
キッズステーション 2002年11月15日~2003年5月30日(1回~28回)毎週金曜 20:30~21:00
■放送局
キッズステーション
■分数
30分
■話数
28話
■原作
ガンジス
■監督
監督/平野 俊弘 助監督/岩永 彰
■制作
アニメーション制作/ゼクシズ
製作/ロウラン製作委員会
■著作
©ガンジス/ロウラン製作委員会
■ストーリー
何かに導かれるように大海をゆく一艘の小舟。その上には無垢な瞳の少女、名はロウラン。その名以外、少女は過去と呼べるものを持たない。
今からさほど遠くない時代の日本。国連軍に編入された自衛隊は今はなく、体制への従属を拒む人々は東京の臨海地区に居留地を形成し、自らそこを「東京桃源郷」と呼んでいた。心優しく逞しい青年・建智鉄也は、自由人の一人として、ひっそりとそこに暮らしていた。が…
突如、東京湾に現れた巨大な怪物。オカルティックな秘術で城護衆が作り出した妖怪・雷獣である。それを迎え撃つのは、世界で初めて平和維持のためだけに結成された組織・ASYの人型兵器・鋼仙。一見、正義と悪の戦いだ、しかし城護衆もASYもそれぞれ「何か」を求めて戦っていた。鋼仙のパイロット・神子上ヤマト、妹のまほろたちはまだそれを知らない。
激闘の末、雷獣を倒した鋼仙・銀子を爆撃の振動が襲う。驚愕するヤマトの眼前には、宙に浮かぶ不思議な少女の姿が。「ロウラン…オマエを壊すためにきた!」
科学力と霊力が激突する戦いの中、人々は自らの真実に目覚めて行く…。
■キャスト
・ロウラン/今野宏美
・建智鉄也/三木眞一郎
・神子上ヤマト/保志総一朗
・神子上まほろ/大本眞基子
・神子上正彦/内田直哉
・浅海しょう/長沢美樹
・天道 優/村井かずさ
・秋月あおい/浅野真澄
・粕屋/麦人
■メインスタッフ
・企画、原作/ガンジス
・原案/平野俊弘、會川昇
・漫画連載/ユナイト双児(講談社「マガジンZ」連載)
・監督、キャラクター原案/平野俊弘
・助監督/加藤洋人、岩永彰
・ストーリーエディター/會川昇
・キャラクターデザイン/宮田奈保美
・メインメカデザイン/出渕裕
・メカデザイン/中原れい、阿部統
・設定デザイン/寺岡賢司、小川浩
・3Dデザイン/丸義則、岡島宣弘
・美術監督/谷村心一
・色彩設計/坂井憲興
・撮影監督/大平幸輝
・編集/田熊純
・音響監督/藤山房伸、小泉紀介
・音楽/垣見嘉良、渡辺宙明
・プロデューサー/森山敦、川崎とも子
・アニメーション制作/ゼクシズ
・製作/ロウラン製作委員会
■メインキャラクタ
●naturalFree
・ロウラン
自分の名前以外、記憶を持たない謎の美少女。普段は穏やかでボーッとしているが、鋼仙や僵屍の存在を感知すると、戦闘モードに変身し、ひたすら破壊を求める存在になってしまう。
・建智鉄也
東京桃源郷に暮らす青年。元は城護衆に属していたが、あるキッカケから組織を離脱。彼もまた、自分の過去に闇と謎を秘めている。
・ユウリ
東京桃源郷で祖父や鉄也たちと暮らす中国系の明るい少女。誰とでも仲良くなれる無邪気さの反面、口調は生意気でちょっとおませ。
・万華
ロウランに対して計り知れない憎悪を抱き、戦いを挑んでくる銀色の少女戦士。その正体と目的は謎に包まれている。
●ASY(アシュ)
・神子上ヤマト
ASYの隊員、鋼仙・銀子のパイロット。素顔はボクシング部所属の高校生。正義感に溢れ、自分の戦いを平和のためと信じてきたが、ロウランと接触したことをキッカケに心に変化が生じていく。
・神子上まほろ
ヤマトの妹で、普段は同じ高校へ通っている。ヤマトが鋼仙で出撃時には富士轟のブリッジ要員として戦闘をサポート。その尋常ではない兄に対する思いの深さは、何か秘密が…
・神子上博士
ASYの創設者にして最高責任者。ヤマトとまほろの父でもある。城護衆との来るべき戦いに備えて、5体の鋼仙と富士轟を開発した。
・中原玄海
ASY戦闘指揮官。富士轟が移動基地として発進後は、艦長としてヤマトたちに直接命令を下す。
・浅海しょう
鋼仙・闇角のパイロット。戦闘経験の浅いヤマトやまほろをフォローする。
・秋月あおい
富士轟艦橋オペレーター。ぶっきらぼうな性格。だが、ヤマトに対しては特別な思いがあるらしい。
・大地 真
富士轟艦橋オペレーターで、鋼仙を駆って戦闘に参加することも。基本的にお調子者。
・天道 優
富士轟官制員。世話好きで、ブリッジでは真やあおい、まほろの言い争いを収める係。
・相馬龍太郎
鋼仙・未骸のパイロット。ニヒル皮肉めいた口調だが、戦闘の技量は超一流。ASYの存在が公になる以前、自衛隊員として、対城護衆作戦に参加していた。
●城護衆(しろもりしゅう)
・粕屋
城護衆を率いる老オカルティスト。屍解仙女の細胞から作り出した生命体・僵屍を操り、屍解仙女の復活を果たさんと企んでいる。
・オニマル
妖怪・鬼童に変身する能力を持つ僵屍。人間体でも優れた戦闘能力を持ち、城護衆実働隊長的な役割を持つ。鉄也とは過去に因縁があるらしいが…?
・イテヅキ
粕屋に付き従う少女のような出で立ちをした城護衆。幕屋に潜む粕屋の言葉を伝え、僵屍たちに命令を下す。
■メインロボ・アイテム
●用語集
・ASY(アシュ)
日本政府が創設した平和維持組織。国連PKOに編入された自衛隊に替わり、日本国民、牽いては人類の安全を守るために戦う軍隊である。創設者の神子上博士が開発した五体のロボット・鋼仙や移動基地・富士轟などの超科学装備で、悪の秘密結社・城護衆と戦う。
・城護衆(しろもりしゅう)
オカルティックな力で日本を影から操り続けてきた秘密結社。首領は粕屋翁であり、様々な姿で人間社会に潜伏した僵屍たちを配下に持つ。数ヶ月前ASYが本拠地を襲撃した際に全滅したと思われていたが、孤島の屋敷をアジトにASYへの報復、鋼仙破壊のために活動を開始した。
・鋼仙(ゴウセン)
各々特殊能力を備えた五体の巨大ロボット。ASYの強力な戦闘力の根拠となっている。全ての鋼仙が内部に仙骨を内蔵しているが、起動システムを完全に把握しているのは開発者である神子上博士のみ。ロウランはしばしば鬼(キ)と呼ぶ。
・仙骨(せんこつ)
鋼仙のブラックボックス内に格納され、そのエネルギー源となっている未知の物体。人間の手では壊すことができないが、ロウランには打ち砕くことができる。また、これを破壊されると鋼仙を再生することはできない。
・屍解仙女(しかいせんにょ)
城護衆が潜伏する屋敷の遥か地下に祀られている仙女。中国大陸でミイラ状で発見されて以来70年間眠っていたが、ロウランが銀子の仙骨を破壊したときから目覚めはじめ、歌声を響かせるようになる。
・僵屍(きょうし)
粕屋が屍解仙女の細胞から作り出した怪物。城護衆の実動部隊である生体兵器。平時は正体を隠して人間として暮らしているが、戦闘時には巨大な異形の怪獣に姿を変え、各々が持つ特殊な能力を発揮する。
・餌丹(じたん)
僵屍がこれを取り込むことで強い力を手に入れることができる。中国の古文書ホウボクシに記されているという秘薬。鬼童はこれにより幽冥宮を作り出す力を得た。
・東京桃源郷(とうきょうとうげんきょう)
日不法入国・滞在者など本土に住むことを禁じられた人々、また日本政府の改革に反抗した・城護衆に関ったとして公安に追われる者たちが生活している土地。元は東京湾岸の埋め立て地に造成された産廃処理場。ロウランは建智鉄也と共にここに住むことになる。
・屍解の術(しかいのじゅつ)
魂と肉体を分離させることで、永遠の命を得る仙術。特別な秘薬・丹を服用することで仮死状態に陥った術者の肉体は、魂が戻るまで決して滅ぶことはないという。
・神(しん)
男女の愛を交わすこと=房中術によって相手に分け与えることが出来る、仙女の持つ一種の生命エネルギー。
・仙界(せんかい)
天界の下、人間界の上にあるという世界。普通の人間が生身で立ち入ることのできない異空間であり、その秩序は守護者たる仙人たちによって守られている。
●メカニカル
・奇鋼仙女
戦闘体のロウランが召喚して搭乗する巨大ロボット。炎の竜を繰り出す技を持ち、ASYの鋼仙すらたやすく破壊できる力を持つ。
・富士轟
ASY本部ビルそのものが変形して飛行する移動基地。戦闘区域へ鋼仙を運搬するとき出動する。艦長は中原玄海。
・銀子
鋼仙の一つ。パイロットは神子上ヤマト。必殺技は背中に背負った巨大なパーツから発射するバ・ショウセン。上半身のみを変形させ銀子ジャイロとして分離、飛行できる。
・闇角
鋼仙の一つ。パイロットは浅海しょう。必殺技は、水を高圧で噴出させて刃と化し、ダイヤモンドをも削り取るクリスタル・カッター。
・闇角改
鋼仙・闇角の改良型。剣を新たに装備し、電磁バリヤーもマント型から盾型へ変更されている。
・砲焔
鋼仙の一つ。パイロットは大地真。必殺技は頭部の強力な主砲、傲来咆。
・飛行卯
ウサギの耳を思わせる長いセンサーを備えた鋼仙で、パイロットは秋月あおい。機動性に優れ、本体と分離・飛行するブレストビットを自在に操る。僵屍・姑獲鳥と合体し、冷凍光線による攻撃で一度は奇鋼仙女を凍り付かせ撃破した。
・未骸
相馬が操る、五大鋼仙の中でもひときわ大きく、異形の機体。羊の頭部を思わせる飛行形態から、人型へと変形。エネルギーを吸収し、跳ね返すリフレクター・ファントム、角状のジェネレーターから衝撃波を発するホーン・クライシス、太陽光を集積して放つ熱線・アーク・プロメテウスなど、数々の強力な武装を内蔵する。
・超奇鋼仙女
ロウランが愛する鉄也を救いたいと心の底から願ったとき、奇鋼仙女が新たなる変幻を遂げた姿。悪魔的な奇鋼仙女の風貌に比べ、その姿は天女を思わせる優美さを湛える。スピード・パワー共に奇鋼仙女を遙かに凌ぐが、操縦者のロウランに多大な体力の消耗を強いるため、活動時間は長くない。
・華光仙女
万華、そして屍解仙女が操る白い鋼仙。かつて仙女が建智の祖先のため威力を振るった機体であり、五大鋼仙の仙骨が砕かれたのを機に地上に復活した。背面の突起から放つ強力な雷撃、暗黒の異空間に敵を引きずり込む超能力など、並ぶものなき強さを誇る鋼仙である。
■サブタイトル
・第一回/鋼仙、出撃す
・第二回/正義の戦い
・第三回/変身のとき!
・第四回/鋼の女
・第五回/オニマルが来る
・第六回/闇に舞う
・第七回/光の軍団~ヤマトの想い~
・第八回/暗黒淵の底~イテズキ独白~
・第九回/めぐりあう命
・第十回/仙骨消滅
・第十一回/鋼仙が呼ぶ
・第十二回/奇跡を呼ぶ歌声
・第十三回/あしき夢見し
・第十四回/悪夢の果てに
・第十五回/闇の記憶
・第十六回/戦いの聖女
・第十七回/標的、東京桃源郷
・第十八回/オニマル、炎上
・第十九回/悪魔の娘
・第二十回/凍てつく魂
・第二十一回/まほろ絶唱
・第二十二回/変幻のとき
・第二十三回/忌まわしき記憶
・第二十四回/背負いし罪
・第二十五回/富士轟咆哮
・第二十六回/華光仙女の挑戦
・第二十七回/総集編 訣別~あおいのつばさ~
・第二十八回/光芒
■主題歌・楽曲
・OP1
・覚醒
・作曲/千川修一
・編曲/千川修一
・ED1
・いろは詩
・作詞/鈴木利宗
・作曲/野上朝生
・編曲/飯吉高
・歌/本宮麻衣香
・ED1
・いろは詩
・作詞/鈴木利宗
・作曲/野上朝生
・編曲/飯吉高
・歌/鈴木利宗
奇鋼仙女 ロウラン - キコウセンニョ ロウラン - 評論
2002年から2003年にかけて放送された「奇鋼仙女 ロウラン」は、ガンジスの原作を基にしたTVアニメシリーズであり、その独特な世界観と深いストーリー展開で多くのファンを魅了しました。この作品は、科学とオカルティックな力が交錯する中で、記憶を失った少女ロウランが自身の存在意義を探し求める旅を描いています。以下では、この作品の魅力と評価について詳しく解説します。
ストーリーとテーマ
「奇鋼仙女 ロウラン」のストーリーは、記憶を失った少女ロウランが大海を漂うシーンから始まります。彼女は何者かに導かれるように東京桃源郷にたどり着き、そこで建智鉄也やユウリといった新たな仲間たちと出会います。しかし、平和な日々は長く続かず、突如として現れた城護衆の怪物・雷獣との戦いが始まります。この戦いの中で、ロウランは自身の力と使命を知ることになりますが、それは同時に彼女の運命を大きく変えるものでもありました。
この作品のテーマは「自己探求」と「運命」です。ロウランは自分の名前以外の記憶を持たず、自身の存在意義を探し求めます。一方で、ASYのパイロットである神子上ヤマトや彼の妹まほろもまた、自分の戦いとその意味を模索しています。城護衆の粕屋やオニマルもまた、自身の目的のために戦う姿が描かれ、各キャラクターがそれぞれの運命と向き合う姿が描かれています。
キャラクター
ロウランはこの作品の中心となるキャラクターであり、彼女の無垢さと戦闘時の冷酷さのギャップが魅力的です。建智鉄也はロウランの良き理解者であり、彼の過去と現在の葛藤が物語に深みを与えています。神子上ヤマトとまほろの兄妹関係もまた、物語の重要な要素であり、彼らの成長と変化が視聴者に感動を与えます。城護衆の粕屋やオニマルは、悪役ながらもその背景や動機が描かれており、単なる敵役ではなく、人間味あふれるキャラクターとして描かれています。
メカニックとバトルシーン
「奇鋼仙女 ロウラン」のメカニックデザインは、出渕裕を始めとする一流のデザイナーたちによって手掛けられています。特に、奇鋼仙女や鋼仙のデザインは非常に洗練されており、視覚的なインパクトを与えます。バトルシーンは、科学力と霊力が交錯する壮大なスケールで描かれており、視聴者を引き込む力があります。特に、奇鋼仙女の炎の竜や鋼仙の必殺技は見応えがあり、戦闘シーンのハイライトとなっています。
音楽と主題歌
音楽は垣見嘉良と渡辺宙明が担当し、作品の雰囲気を盛り上げる重要な役割を果たしています。特に、オープニングテーマ「覚醒」は千川修一の作曲・編曲による力強い曲で、物語の緊張感を高めます。エンディングテーマ「いろは詩」は鈴木利宗の作詞・作曲による美しい曲で、物語の感動を引き立てます。これらの音楽は、作品の世界観を深化させる重要な要素となっています。
評価と推薦
「奇鋼仙女 ロウラン」は、その独特な世界観と深いストーリー展開、魅力的なキャラクター、洗練されたメカニックデザイン、そして美しい音楽によって、高い評価を得ています。特に、科学とオカルティックな力が交錯する設定は、視聴者に新鮮な驚きを与えます。また、キャラクターの成長と運命の探求というテーマは、多くの視聴者に共感を呼びます。
この作品は、メカアニメやオカルトアニメが好きな人には特に推薦できます。また、深いストーリーとキャラクターの成長を楽しみたい人にもおすすめです。さらに、音楽やメカニックデザインに興味がある人にも、ぜひ見てほしい作品です。「奇鋼仙女 ロウラン」は、視聴者に感動と驚きを与える、忘れがたいアニメ体験を提供してくれるでしょう。 |