『青の6号』レビュー：サッカーアニメの新たな魅力とは？

青の6号 - アオノロクゴウ - の魅力と評価

■公開メディア

OVA

■原作メディア

漫画

■発売日

1998年10月25日

■発売・販売

バンダイビジュアル

■分数

30分

■話数

4話

■原作

原作／小澤さとる

■監督

監督／前田真宏

■制作

制作／GONZO

■著作

©1998小澤さとる／バンダイビジュアル・EMI Music Japan Inc.

■ストーリー

近未来、天才科学者・ゾーンダイクの反乱により、海面水位が上昇。世界は水没した。さらなる惨劇を阻止せんと、国際組織「青」の艦隊は反撃を開始する。そんな時、新宿ベイに寄港中の日本艦「青の6号」が、テロリスト・ベルグの襲撃を受けた。ある事件以来「青」を離れていた凄腕のサブマリナー・速水は、再び小型高速潜航艇・グランパスに乗り込む。しかし、彼が目の当たりにした「敵」は、人間ではなかった・・・

■解説

1967年より「週刊少年サンデー」にて連載された漫画を原作に、GONZOが1998～2000年にかけてOVA化したもの。OVAとしては世界初のフルデジタルアニメーションで、潜水艇をはじめとする多くのメカニックは3DCGにて描写。また、アニメーションで最も難しいとされる「水」の表現を高次元で実現させるなど、技術面においても見所は多い。2000年にはプレイステーションとドリームキャストにてゲーム版が発売された。

■キャスト

・速水　鉄／郷田ほづみ
・紀之真弓／ゆかな（野上ゆかな）
・伊賀徳弘／有本欽隆
・ユーリ・マヤコフスキー／鈴置洋孝
・山田マキオ／垂木　勉
・黄　美鈴／斎藤彩夏
・ゾーンダイク／若松　武史
・ベルグ／森久保祥太郎
・ミューティオ／長沢美樹

■メインスタッフ

・製作／渡辺　繁、宍戸史紀、村濱章司
・企画／川城和実、原澤和実
・原作／小澤さとる
・プロデューサー／杉山　潔、永山孝雄、中島伸治
・脚本／山口　宏
・演出／千明孝一
・美術監督／菊地正典
・音響監督／鶴岡陽太
・音楽／THE THRILL
・キャラクターデザイン／村田蓮爾、草●琢仁（※●：弓へんに前）
・アニメーションキャラクターデザイン／村田俊治、新井 浩一、本田 雄
・メカニカルデザイン／河森正治、前田真宏、草●琢仁（※●：弓へんに前）、山下いくと、きお誠児、海老川、兼武、村田蓮爾
・2DCGディレクター／福士　亨
・3DCGIディレクター／鈴木　朗
・製作／バンダイビジュアル、東芝EMI、GONZO
・監督／前田真宏

■メインキャラクタ

・速水　鉄【はやみてつ】
裏のサルベージ屋として荒んだ生活を送る、元・「青」の腕利きサブマリナー。伊賀の命令を受けて訪れた紀之に興味を抱き、青の6号に復帰する。

・紀之真弓【きのまゆみ】
青の6号でグランパスのパイロットを務める少女。世界を水没させたゾーンダイクを激しく憎んでいる。自堕落な速水には反感を持っていたが…。

・伊賀徳洋【いがとくひろ】
青の6号艦長。ベルグとは過去に幾度となく渡り合う、歴戦のベテラン。速水はかつての教え子だった。

・ユーリ・マヤコフスキー
ロシア出身の青の6号副艦長。速水とは士官学校での同期で、当時から彼をライバル視していた。

・ユング・ゾーンダイク
かつては「青」の海洋開発リーダーも務めた天才科学者。突然反旗を翻してテロ組織を作り上げ、人類への攻撃を開始する。

・ベルグ
テロ組織リーダーで、残忍な性格を持つ鮫のミュータント。ゾーンダイクの手を放れて暴走し、人類滅亡を目論んでいる。

・ミューティオ
人類に敵対する女性型ミュータントの総称。その中のある個体が速水に命を救われ、彼に好意を抱くようになる。

■メインロボ・アイテム

・青の6号【りゅうおう】
速水たちが搭乗する、日本が「青」に派遣した攻撃型潜水艦。特殊な感覚システムを装備し、イルカのような機動性を見せる。

・グランパス
「青」の多くの艦艇に搭載される、2人乗りの小型潜水艇。両腕のようなアームを解放した、水中格闘モードへの変形機能も持つ。

■サブタイトル

・第1話／BLUES
・第2話／PILOTS
・第3話／HEARTS
・第4話／MINASOKO

■主題歌・楽曲

・ED
・みなそこに眠れ
・作詞／Yukarie
・作曲／Yukarie
・編曲／Yukarie
・歌／Yukarie

青の6号 - アオノロクゴウ - の魅力と評価

「青の6号」は、1998年にOVAとしてリリースされた作品であり、その技術的な革新性と深みのあるストーリーで多くのファンを魅了しました。この作品は、近未来の水没した世界を舞台に、国際組織「青」の艦隊がテロリストと戦う姿を描いています。特に注目すべきは、世界初のフルデジタルアニメーションとして制作された点で、3DCGを用いたメカニックの描写や、水の表現が非常に高次元で実現されています。

ストーリーは、天才科学者ゾーンダイクの反乱により世界が水没した後、国際組織「青」が反撃を開始するというものです。主人公の速水鉄は、かつて「青」を離れていたサブマリナーですが、テロリスト・ベルグの襲撃を受けた「青の6号」に復帰し、再び戦いに身を投じます。しかし、彼が対峙する「敵」は人間ではなく、ミュータントという新たな脅威でした。この設定は、視聴者に新鮮な驚きを与え、物語に深みを加えています。

キャラクターの描写も非常に魅力的です。速水鉄は、荒んだ生活を送る元サブマリナーとして描かれ、彼の過去や葛藤が物語を豊かにしています。紀之真弓は、ゾーンダイクへの強い憎しみを持つ少女で、彼女の成長と速水との関係性が物語の中心にあります。また、伊賀徳洋やユーリ・マヤコフスキーといったキャラクターも、個々の背景や人間関係が丁寧に描かれており、視聴者に深い印象を与えます。

メカニックデザインも見逃せません。「青の6号」はイルカのような機動性を持つ攻撃型潜水艦で、その特殊な感覚システムやデザインが視覚的に楽しませてくれます。また、グランパスは2人乗りの小型潜水艇で、水中格闘モードへの変形機能を持つなど、戦闘シーンを盛り上げる重要な要素となっています。これらのメカニックは3DCGで描かれており、そのリアルな動きと美しさが作品の魅力を引き立てています。

音楽も「青の6号」の魅力を高める重要な要素です。エンディングテーマ「みなそこに眠れ」は、Yukarieによって作詞・作曲・編曲・歌唱がなされており、作品の雰囲気を引き立てる美しい曲となっています。音楽はTHE THRILLが担当し、緊張感あふれる戦闘シーンや感動的な場面を盛り上げる役割を果たしています。

「青の6号」は、技術的な革新性だけでなく、深みのあるストーリーと魅力的なキャラクター、そして美しいメカニックデザインと音楽によって、OVAとして非常に高い評価を受けています。特に、水の表現や3DCGの活用は、当時としては非常に先進的であり、今見てもそのクオリティに驚かされます。また、ゲーム版もリリースされ、ファンの間で広く愛されました。

この作品は、近未来の水没した世界という独特の設定と、人間とミュータントの戦いという新たなテーマを描き出し、視聴者に深い感動と興奮を与えました。OVAとして短い話数ながらも、濃密なストーリーとキャラクターの成長が描かれており、何度見ても新たな発見がある作品です。「青の6号」は、技術的な革新と物語の深みを兼ね備えた、まさに傑作と言える作品です。

「青の6号」をまだ見たことがない方には、ぜひ一度視聴してみることをお勧めします。特に、メカニックやCGに興味がある方、深いストーリーとキャラクターの成長を楽しみたい方にはぴったりの作品です。また、ゲーム版もプレイしてみると、さらに作品の世界観を深く理解することができるでしょう。「青の6号」は、OVAの歴史を語る上で欠かせない一作であり、その魅力は今も色褪せることなく、多くのファンに愛され続けています。