『機甲猟兵メロウリンク』レビュー：戦場のリアルとドラマの融合

機甲猟兵メロウリンク - キコウリョウヘイメロウリンク

■公開メディア

OVA

■原作メディア

アニメオリジナル

■発売日

1988年11月21日

■発売・販売

バップ

■分数

40分

■話数

12話

■原作

原案／江田文行、原作／高橋良輔

■監督

監督／神田武幸

■制作

バップ、サンライズ

■著作

©サンライズ

■ストーリー

メロウリンク・アリティは、味方が無事に撤退するための捨て石にされたシュエップス小隊の、唯一の生き残り兵士。しかし彼は軍法廷で敵前逃亡、公金横領の濡れ衣を着せられてしまう。これがどさくさ紛れに物資を隠匿した軍高官たちの陰謀だと知ったメロウリンクは、死んだ戦友たちの恨みを晴らすための復讐を開始する。

■解説

『装甲騎兵ボトムズ』と同じ世界観で作られた物語はTV版『ボトムズ』第1話の4ヶ月前、つまり百年戦争終結2ヶ月後からスタートする。ストーリーは『ボトムズ』に依拠しないオリジナルだが、事件発端の大元の部分ではクロスオーバーしている。

■キャスト

・メロウリンク／松本保典
・ルルシー／玉川紗己子
・キーク／大塚明夫
・ドックマン／永井一郎
・フォックス／納谷六朗
・スタブロス／加藤精三
・ゴメス／飯塚昭三
・ゴルフィ／若本規夫
・ガナード／岸野一彦
・ボイル／兼本新吾
・バンス／仲木隆司
・ヌメリコフ／三田松五郎
・シュエップス／森功至
・スタルコス／田中信夫
・ヘルメシオン／阪脩

■メインスタッフ

・企画／伊藤梅男(バップ)、渋江靖夫(サンライズ)
・原案／江田文行
・原作・シリーズ構成／高橋良輔
・キャラクターデザイン・作画監督／谷口守泰
・メカニックデザイン／大河原邦男
・美術／平川栄治
・色彩設定・色指定／前とも子
・撮影／奥井敦
・編集／掛須秀一、石田悟、牧岡栄吾
・音響／浦上靖夫
・音楽／乾裕樹
・監督／神田武幸
・プロデューサー／平山博志(バップ)、指田英司(サンライズ)

■サブタイトル

・Stage 01 ／「ウイルダネス」
・Stage 02 ／「コロシアム」
・Stage 03 ／「ジャングル」
・Stage 04 ／「リーニングタワー」
・Stage 05 ／「バトルフィールド」
・Stage 06 ／「プリズン」
・Stage 07 ／「レイルウェイ」
・Stage 08 ／「ゴーストタウン」
・Stage 09 ／「フォレスト」
・Stage 10 ／「キャッスル」
・Stage 11 ／「ベース」
・Last Stage ／「ラストステージ」

機甲猟兵メロウリンクの魅力と評価

『機甲猟兵メロウリンク』は、1988年にOVAとしてリリースされた作品であり、サンライズが制作した『装甲騎兵ボトムズ』の世界観を共有するスピンオフ作品です。この作品は、メロウリンク・アリティという一人の兵士の復讐劇を描いており、その深いストーリーと緻密なキャラクター描写が高く評価されています。

ストーリーの魅力

メロウリンク・アリティは、シュエップス小隊の唯一の生き残りであり、味方の撤退を助けるために捨て石にされた過去を持つ兵士です。しかし、彼は軍法廷で敵前逃亡と公金横領の罪を着せられ、軍高官たちの陰謀に巻き込まれます。この不条理な状況から、彼は戦友たちの恨みを晴らすための復讐を開始します。

このストーリーは、メロウリンクの個人的な復讐劇でありながら、同時に戦争の残酷さや人間の業を描き出しています。メロウリンクの旅路は、様々なキャラクターとの出会いや対話を通じて、彼自身の成長と変化を描いており、視聴者に深い感動を与えます。また、各エピソードごとに異なる舞台設定が用いられており、視覚的な魅力も大きな特徴です。

キャラクターの魅力

メロウリンク・アリティを演じる松本保典の声優としての演技は、主人公の苦悩や決意をリアルに表現しており、視聴者の共感を引き出します。また、ルルシー役の玉川紗己子やキーク役の大塚明夫など、脇を固めるキャストも個性的で、物語を盛り上げる重要な役割を果たしています。

特に、ルルシーはメロウリンクの心の支えとなる存在であり、彼女との関係性は物語の重要な要素となっています。キークはメロウリンクの復讐を助ける一方で、彼の行動に疑問を投げかけるキャラクターであり、メロウリンクの内面を深く掘り下げる役割を果たしています。

メカニックデザインの魅力

『機甲猟兵メロウリンク』のメカニックデザインは、大河原邦男の手によるものであり、そのリアルさと洗練されたデザインが特徴です。特に、メロウリンクが使用するAT（アーマードトルーパー）は、戦闘シーンでの動きや操作感がリアルに描かれており、視覚的な魅力と共に物語の緊張感を高めています。

また、各エピソードごとに異なる環境での戦闘が描かれており、メカニックのデザインとその環境との相性も見事です。ジャングルやゴーストタウン、キャッスルなど、多様な舞台設定がメカニックの魅力を引き立てています。

音楽の魅力

乾裕樹による音楽は、メロウリンクの心情や物語の展開を巧みに表現しており、視聴者の感情を引き立てる重要な要素となっています。特に、戦闘シーンでの緊張感を高めるBGMや、メロウリンクの孤独を象徴するメロディーは、物語の深みを増す役割を果たしています。

評価と推薦

『機甲猟兵メロウリンク』は、深いストーリーと緻密なキャラクター描写、リアルなメカニックデザイン、そして感動的な音楽が融合した作品であり、OVAとして高い評価を受けています。特に、メロウリンクの復讐劇を通じて描かれる戦争の残酷さや人間の業は、視聴者に深い感動と考えさせる機会を提供します。

この作品は、『装甲騎兵ボトムズ』のファンだけでなく、一般のOVAファンやメカニックアニメの愛好者にも強く推薦します。メロウリンクの旅路とその成長を追うことで、視聴者は自身の人生や価値観についても考えさせられることでしょう。また、各エピソードごとの異なる舞台設定や戦闘シーンは、視覚的な魅力と共に物語の緊張感を高め、視聴者を引き込む力があります。

関連作品と視聴順序

『機甲猟兵メロウリンク』は、『装甲騎兵ボトムズ』の世界観を共有するスピンオフ作品であり、TV版『ボトムズ』の第1話の4ヶ月前にあたる物語です。ストーリーは『ボトムズ』に依拠しないオリジナルですが、事件発端の大元の部分ではクロスオーバーしています。そのため、『装甲騎兵ボトムズ』を視聴した後に『機甲猟兵メロウリンク』を視聴することで、より深い理解と楽しみを得ることができます。

視聴順序としては、まず『装甲騎兵ボトムズ』のTVシリーズを視聴し、その後に『機甲猟兵メロウリンク』を視聴することを推薦します。これにより、両作品の世界観やキャラクターの関係性をより深く理解することができます。また、『装甲騎兵ボトムズ』の他のスピンオフ作品や映画も視聴することで、さらに広い視野でこの世界観を楽しむことが可能です。

結論

『機甲猟兵メロウリンク』は、深いストーリーと緻密なキャラクター描写、リアルなメカニックデザイン、そして感動的な音楽が融合した傑作OVAです。メロウリンクの復讐劇を通じて描かれる戦争の残酷さや人間の業は、視聴者に深い感動と考えさせる機会を提供します。この作品は、『装甲騎兵ボトムズ』のファンだけでなく、一般のOVAファンやメカニックアニメの愛好者にも強く推薦します。ぜひ、メロウリンクの旅路とその成長を追い、自身の人生や価値観についても考えさせられる時間を過ごしてみてください。