サイボーグ009 超銀河伝説の魅力と評価：第5話の深掘り

『サイボーグ009 超銀河伝説』の魅力と評価

『サイボーグ009 超銀河伝説』は、1980年に公開された劇場版アニメーションであり、石森章太郎の原作を基にした壮大な宇宙冒険物語です。この作品は、テレビアニメ版の後を受けて製作され、東映動画（現在の東映アニメーション）によって制作されました。以下では、この作品の魅力や評価、そして関連情報を詳しく紹介します。

ストーリー

物語は、宇宙を支配できるほどの力を持つ超エネルギー「ボルテックス」を手中に収めようとするダガス星の帝王ゾアの野望から始まります。ボルテックスの制御理論を発見した父をゾアにさらわれたコマダー星の少年サバが地球にたどり着き、サイボーグ009たちに助けを求めます。ゾアは地球を次なる攻撃目標としていると知ったサイボーグたちは、サバと共に宇宙へと飛び立ちます。敵の攻撃により傷つき、ファンタリオン星に漂着した彼らは、そこで女王タマラと出会いますが、悲しい別れを経て敵要塞に乗り込みます。004の自爆により要塞を破壊するも、ゾアはボルテックスに迫っていた…という展開です。

制作背景と評価

この作品は、1979年から1980年にかけて放送されたテレビアニメ版の後を受けて製作されました。テレビアニメ版では日本サンライズが製作協力として参加していましたが、劇場版は東映動画単独での製作となりました。また、『スターウォーズ』のスタッフとして知られるジェフ・シーガルを脚本協力に迎えるなど、当時の宇宙もの作品として壮大なスケールを持つことを目指していました。1979年公開の『銀河鉄道999』や1980年8月公開の『ヤマトよ永遠に』と並ぶ、宇宙ものアニメーションとして製作されたことが特徴的です。

公開当時、ニッポン放送が1980年放送・上映のアニメ作品の人気投票を聴視者から募集し、TBS系列で放送中の『ザ・ベストテン』形式でランキングを発表する『'80アニメーション ザ・ベストテン』と併映されました。このことからも、当時の人気と注目度の高さがうかがえます。

キャストとスタッフ

キャストには、009役の井上和彦をはじめ、001役の白石冬美、002役の野田圭一、003役の杉山佳寿子など、テレビアニメ版から引き続き出演している声優が多く参加しています。また、新たに登場するキャラクターのサバ役には小原乃梨子、タマラ役には鈴木弘子、ゾア役には大平透が起用されました。

スタッフ面では、監督に明比正行、脚本に中西隆三、脚本協力にジェフ・シーガル、作画監督とアニメーションキャラクターデザインに山口泰弘、メカニック作画監督とメカニックデザインに角田紘一、音楽にすぎやまこういちなど、豪華な布陣が揃っています。これらのスタッフが一丸となって、壮大な宇宙冒険物語を描き上げました。

メインキャラクタ

『サイボーグ009 超銀河伝説』には、個性豊かなキャラクターが多数登場します。以下に主要なキャラクターを紹介します。

• 009（島村ジョー）：天涯孤独の生い立ちで、少年院を脱走したところをブラック・ゴースト団に拉致され、改造されたハーフの若者。008までのサイボーグたちの長所を併せ持った最新鋭のサイボーグで、奥歯に仕込まれたスイッチを押すと加速装置が作動し、高速移動が可能になります。
• 001（イワン・ウイスキー）：ロシア人の赤ん坊で、脳改造により常人の十倍の知能と超能力を有するキャラクターです。
• 002（ジェット・リンク）：もとニューヨークのストリートギャングで、両脚にジェットブースターを持ち、マッハ5での飛行が可能です。
• 003（フランソワーズ・アルヌール）：プリマバレリーナを目指していたフランスの女学生で、レーダー・センサー能力を持ち、すぐれた聴覚と視力を誇ります。
• 004（アルベルト・ハインリヒ）：ドイツ出身で、マシンガン、マイクロミサイル、原爆までの武器を全身に仕込んでいます。
• 005（ジェロニモ・ジュニア）：砲弾に耐える強固な皮膚と怪力を与えられた巨漢で、ネイティブ・アメリカンです。
• 006（張々湖）：中国の貧農出身で、自殺しようとしたところをブラック・ゴーストによってサイボーグ化され、口から高熱の火炎を吐くことができます。ゼロゼロナンバーサイボーグ内におけるムードメーカーです。
• 007（グレート・ブリテン）：もと英国の舞台俳優で、細胞の分子配列を変化させ、生物はおろか無機物にも化けることが可能です。
• 008（ピュンマ）：アフリカ出身で、水中での活動のための人口えらと足裏の噴射口、水圧に耐える皮膚と内臓を持っています。
• アイザック・ギルモア博士：ブラック・ゴースト団のもとでゼロゼロナンバーサイボーグ達を誕生させるが、009を改造後、彼らを連れて脱走。サイボーグ達の父親的存在です。
• コズモ博士：ボルテックスを発見し、そのコントロール理論を打ち立てた宇宙科学者で、ギルモア博士とは旧知の仲です。
• タマラ：ファンタリオン星の女王で、ゾアによってイヤリングの中に閉じ込められていた。サイボーグ達に救出されてからは、009に淡い思いを抱きます。
• サバ：イシュメールに乗り込んで地球へ落ちのびたコマダー星の少年で、サイボーグ達に、ゾアに拉致された父の救出を依頼します。
• ゾア：欲望のままに宇宙の征服を企むダガス星の帝王で、ブレインタップを使ってボルテックスのコントロール理論を奪い取ろうとします。

関連作品

『サイボーグ009 超銀河伝説』は、石森章太郎の原作を基にしたシリーズの一つであり、以下の関連作品があります。

• 映画
  • 『サイボーグ009』
  • 『サイボーグ009 怪獣戦争』
  • 『009 RE:CYBORG』（2012年公開予定。フル3DCGアニメ）
• テレビアニメ
  • 『サイボーグ009』（第2作。1979～1980年）

作品の魅力と推薦ポイント

『サイボーグ009 超銀河伝説』は、壮大な宇宙冒険物語でありながら、個々のキャラクターのドラマや人間関係も描かれています。特に、009とタマラの関係や、サバの父親救出の物語は、視聴者に深い感動を与えます。また、ジェフ・シーガルを脚本協力に迎えたことで、当時の宇宙もの作品としてのスケール感や迫力が増しています。

さらに、豪華なキャストとスタッフ陣によるクオリティの高い映像と音楽も見逃せません。すぎやまこういちの音楽は、物語の緊張感や感動を引き立て、視聴者の感情を揺さぶります。また、山口泰弘のキャラクターデザインや角田紘一のメカニックデザインは、視覚的な魅力を大いに高めています。

この作品は、サイボーグ009シリーズのファンだけでなく、宇宙冒険ものやアクションアニメが好きな人にもおすすめです。特に、1980年代の日本アニメーションの黄金期を体験したい人には必見の作品と言えるでしょう。また、関連作品も多く存在するため、シリーズ全体を楽しむことも可能です。

まとめ

『サイボーグ009 超銀河伝説』は、石森章太郎の原作を基にした壮大な宇宙冒険物語であり、個性豊かなキャラクターと豪華なスタッフ陣によるクオリティの高いアニメーション作品です。1980年代の日本アニメーションの魅力を存分に味わえるこの作品は、サイボーグ009シリーズのファンだけでなく、幅広い視聴者に推薦できる一作です。関連作品も多く存在するため、シリーズ全体を楽しむことで、さらに深い感動と興奮を味わうことができるでしょう。