14種類の恐ろしく奇妙な治療法。どんな病気を治療していると思いますか?

現代医学はヒルや水疱の治療から大きく進歩しましたが、腎臓結石、望まない妊娠、感染症、そして…目の裂傷など、古代人と同じ問題がまだ残っています。

麻酔、超音波、抗生物質が登場する前は、これらの病気はどのように治療されていたのでしょうか?以下にいくつかの治療法を示します（治療法とは言えず、医師による患者への介入に過ぎないものもあります）。これらが何に使われるのかは、あなた次第です。この記事を読めば、16 世紀から 19 世紀にかけての有名なヨーロッパやアメリカの医師と比べて、自分がどれだけ優れているかがわかるでしょう。

1530年、尊大で自慢好きなパラケルススは、患者に排尿とよだれを垂らさせるために水銀塩を使うことを推奨しました。同時代の人の中には、患者の口の中に水銀を注ぎ、唾液を3パイント（約1,700ml）流し込むと病気が治ると提唱した人もいた。では、この方法は 16 世紀によく見られたどのような病気を治療するために考案されたのでしょうか?

18 世紀になっても、水銀は依然として同じ役割を果たしていました。この写真はジョン・シンテラーの作品「マーキュリーの殉教」です。 |ウェルカム図書館、ロンドン

答えは梅毒です。この性感染症は、スペインの探検家がアメリカから帰国した後、ヨーロッパで急速に広まりました。パラケルススは、梅毒は人から人へと広がる目に見えない粒子によって引き起こされると信じていました（彼の考えは的外れではありませんでした。梅毒は実際にトレポネーマ・パリダムと呼ばれる小さな細菌によって引き起こされました）。また、過剰な唾液分泌によってこれらの粒子が患者の体から洗い流されると考えていました。感染がそれほど重くない場合は水銀が梅毒菌を殺しますが、潰瘍、腎不全、脳障害、そして死を引き起こすこともあります。

修道士アグスティン・ダビラ・パディーヤは 1596 年に、ある年配の修道士が医師の指示で「インディアンが『チョコレート』と呼んでいたものを飲んだ」と記録しています。彼らは「ココア」と呼ばれるアーモンドのような粒子を少量のお湯に溶かし、そこにスパイスと砂糖を加えました。」医者はこのおいしい飲み物でどんな病気を治そうとしていたのでしょうか?

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答えは腎臓病です。ダビラ・パディーヤは、修道士の苦しみは「感染した尿」によるものだと暗に示唆した。長い間、アステカ人はチョコレートを通貨、食料、薬として使っていました。スペインの征服者によってヨーロッパに持ち帰られ、その甘い味と消化器系や神経系の病気を治す効能により、すぐに人気を博しました。しかし、チョコレートが万能薬であるという評判には、反対する人々もいる。1662年、イギリス国王チャールズ2世の王室医師は、チョコレートの治療効果について迷信を信じないよう特に警告する記事を書いた。

チョコレート好きの修道士たちは、彼らと同時代のイギリス人、ジョン・ジェラードを認めなかっただろう。ジラールは、1597 年に『植物学一般史』を出版した植物学者です。その著書の中で、彼はジュニパーベリーを「ワインに入れて煮て飲む」ことを推奨しています。これはどのような病気を治療することを目的としたのでしょうか?

ジュニパーベリー | Pixabay

答えは「月経遅れ」です。はっきり言って、予期せぬ妊娠です。ジラールは、他のテューダー朝の医師たちと比べて異例なほど率直で、ジュニパー飲料は「月経血を排出し、胎盤を排出し、死産を阻止し、問題を解消する」、つまり妊娠後期を中絶できると述べている。歴史家たちは、チューダー朝の女性たちがジュニパーなどの中絶誘発薬を使用していたと考えています（ジュニパーは牛の流産を引き起こすという噂は今でも残っています）。なぜなら、信頼できる避妊法がなかった時代としては、非嫡出子の出生率が驚くほど低かったからです（100 出生中 3 程度のみ）。さらに、当時は100人の出産のうち1人が母親の死亡に至っていたため、テューダー朝時代の女性たちは妊娠中絶に非常に熱心でした。

ロンドンの有名な医師トーマス・ウィリスは 1675 年に亡くなりましたが、彼の著書『Dr. Willis's Receipts for the Cure of All Distempers』の第 4 版は 26 年経ってもまだ購入されていました。この本の中で、故ウィリス博士は、牡丹の根を粉末にして琥珀と「男性の頭蓋骨」と混ぜると、どのような病気を治療できると推奨していますか。

頭蓋骨を使用するということは、治療する病気が頭部に関係している可能性もあるのでしょうか？ |出典:

答えは脳卒中だ。 17 世紀には、人間の骨、血液、脂肪が人気の薬用成分であり、イギリス国王チャールズ 2 世は人間の頭蓋骨を蒸留した「王の滴」をよく飲んでいました。頭蓋骨を使って脳卒中を治療するという原理は、ホメオパシーの「同類療法」の概念に基づいています。しかし、点眼薬を服用したにもかかわらず、チャールズ2世は脳卒中を起こし、1685年に亡くなりました。

チャールズ2世の死後間もなく、後継者のジェームズ2世は1686年に、サー・グルドンに「キンポウゲ、プリムローズ、シャクヤク、ツゲの葉の根」と「カニの爪の黒い部分」を混ぜて潰し、煮て、新月と満月の前の3日間毎日飲むよう処方箋を出すよう命じました。幸いなことに、このものは「砂糖やシロップで甘くする」こともできます。では、カニの爪と牡丹の根を煮て甘くしたこの飲み物は、どんな病気の治療に使われるのでしょうか？

月の満ち欠けとこの病気を結びつける考え方は、古代中国のある考え方と少し似ています。

答えは狂犬病です。狂犬病は、感染した動物（通常は犬）に噛まれることで感染します。グールドンは、カニの爪と牡丹の根をミルクに浸したものを犬に与えることを提唱した。狂犬病は、1885年にパスツールがワクチンを発明するまでは不治の病でした。今日に至るまで、狂犬病は依然として致命的な病気であり、毎年何万人もの人がこの病気で亡くなり、1,500万人以上が噛まれた後にワクチン接種を受けています。

英国貴族にとって、18世紀は「贅沢の時代」であり、食卓にはローストビーフや狩猟肉を詰めたパイやプディングが溢れていた。 1718 年、英国の薬剤師ジョン・クインシーは『Compleat English Dispensatory』を出版しました。これには、蜂蜜、クローブ、ショウガ、アサガオ、および「コルチカムの根」を混ぜたシロップが含まれていました。クインシーはこの処方箋でどんな病気を治療したいのでしょうか?

イギリスの画家ジェームズ・ギルレイはこの病気をテーマにした作品を数多く制作している。 |ウェルカム図書館、ロンドン

答えは痛風です。この「王様病」は、贅沢な食事や大量のアルコールと関係していることが多く、金持ちだけが罹る病気です。クインシーが処方箋にコルヒチンを含めたのは、何かの目的があったのかもしれない。コルヒチンにはコルヒチンが含まれており、これは今日医師が痛風患者の痛みや炎症を和らげるためによく使用する。痛風はすべて、不適切な食事や遺伝的要因による尿酸の蓄積によって引き起こされる。しかし、クインシーの時代には、痛風患者の中には、痛風が他の病気から身を守ってくれると信じていたため、痛みを歓迎する人もいました。

イギリス人医師トーマス・エアリーが26歳の貧しい未亡人を治療したのも「放縦の時代」のことでした。 1744年に彼は未亡人のためにチンキ剤を作り、「それを数滴頻繁に」飲むようにと伝えた。この不幸な女性は、チンキ剤を調合し、腕から血を抜き、食事を米とスープに限定することで、一体何を治すつもりだったのでしょうか。

ほとんどの病気に対する適切な理解が欠如していた時代に、瀉血はほぼ普遍的な治療法となりました。この絵は18世紀の絵画で、作者は不明です。 |ウェルカム図書館、ロンドン

答えは、目にフォークです。患者が負傷したのは12月26日なので、この事故はクリスマスと関係があるのか​​もしれないが、エイリーさんはクリスマスについては触れず、「普通のディナーフォークの鋭い先端によって右目の角膜に損傷を受けた」とだけ書いた。この若い女性は、エアリーのチンキ剤で目を洗い、定期的に腕から血を出し、頭皮に水ぶくれを作り、制限された食事を摂らなければならなかった。彼女にとってそれはつらい時期だったが、2か月後には「視界の右側がわずかに暗くなった」以外はほぼ回復した。

エアリーは 18 世紀に成功した唯一の医師ではありませんでした。 1758年、パトリック・ブライドンという人物も自身の業績について誇らしげに書いています。彼によると、コールディンガム出身の45歳の労働者、ロバート・ヘイグスは、通常の電気ショックを受けた後、回復した。「30回か40回の激しい電気ショックを受けた後、彼の顔は青ざめ、足取りは不安定になり、誰かが支えていなかったら、地面に倒れていただろう。」それで、このヘイグス氏は「激しい電気ショック」を必要とするどんな病気にかかっていたのでしょうか?

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答えはマラリアとしても知られる三日熱マラリア原虫です。ブライデン氏は、ヘッグス氏が立ち上がれなくなるまで繰り返し電気ショックを与えた後、このかわいそうな患者の「マラリア症状は消え、4か月間健康に暮らした」と嬉しそうに書いている。 16世紀のチョコレートと同様に、1746年に電流を蓄え、送ることができるライデン瓶が発明されて以来、電気ショックも万能薬と見なされるようになった。

1761 年、ニューイングランドの外科医ストロング氏は、ライデン瓶が不足しているにもかかわらず研究を止めませんでした。患者を治療するために、彼はまず「細かい海塩を一掴み取り、患者の体にたっぷりと吹きかけて擦り付け」、次にゴボウの根で作った湿布を患者に塗り、そしてサフラン、水、トネリコの樹皮で作った飲み物を与えて嘔吐を誘発した。 2日後、患者は「完全に回復」したが、ストロング氏はこれは塩のおかげだと述べた。では、塩まみれになり頻繁に嘔吐していたこのアメリカ人入植者は、どんな病気にかかっていたのでしょうか?

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答えは、彼がガラガラヘビに噛まれたということです。入植者は「左足の親指と人差し指の間をガラガラヘビに噛まれた」。傷口を切り開いた後、ストロングは（文字通り）そこに塩をすり込んだ。

1828年、イギリスのブリストルで、外科医ヘンリー・ペリーが一部の患者に厳しい治療を施しました。彼が最初に行ったのは瀉血（「カッピングまたはヒルによる」）と水ぶくれの形成でした。 2 番目のステップは、アンチモンを使用して患者の嘔吐を誘発し、「患者が空嘔吐を続けるが、実際に嘔吐しないようにする」ことです。 3 番目のステップは、患者が少しよだれを垂らす程度の水銀を投与することです。最後に、「患者が寝る前に、バトリーのアノダインのような少量の麻薬を与えることは何ら問題ない」としている。では、血が漏れ、水ぶくれができ、吐き気を感じ、意識不明の状態だったペリーの患者たちは、いったい何が悪かったのでしょうか?

瀉血と同様に、患者の皮膚に水疱を作って体液を放出させる方法は、かつてはさまざまな病気の治療手段として使用されていました。 11 世紀のこの絵画には、アルブカシスが患者に水疱を生じさせている様子が描かれています。 |アーネスト・ボード/ウェルカム図書館、ロンドン

答えは肺炎です。ペリー氏は、肺の問題を引き起こす感染症は、暑さに震えていた人が突然寒くなったり濡れたりして血管が収縮し、血液が肺に押し込まれることで起こると考えた。ペリーは、この「炎症」は瀉血によって緩和できると主張した。おそらく、患者の症状はバートリーの鎮痛剤によって実際に緩和されたのだろう。

1832年、スコットランドのエディンバラの医師トーマス・ラッタは、犬を対象に行われたいくつかの実験について読み、「お湯を用意し、塩を水に溶かし」、高齢の女性に30分かけて6パイント（約3,400ml）をゆっくりと注入しました。この時までに、女性は「あらゆる従来の治療を受けた」が、効果がなかった。彼女は生理食塩水の注射を受けた後に死亡したが、ラタさんの2人目の患者は同様の注射を受けた後2日以内に回復した。この史上初の生理食塩水注入はどのような病気の治療に使われたのでしょうか?

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答えはコレラです。 1831年、この恐ろしい下痢性疾患がイギリスで発生しました。別のスコットランド人医師が、コレラ患者の血液中の塩分と水分の不足に初めて気づいた。彼は犬に生理食塩水を注射する実験を行い、その結果を 1831 年にランセット誌に発表しました。これに触発されて、ラタはコレラ患者にも同様のアプローチを試みました。残念ながら、ラッタは 1833 年に亡くなり、彼の塩水治療法は 50 年後に同様の別の方法が提案されるまで使われなくなりました。現在でもコレラは毎年12万人の命を奪っており、重症の場合は生理食塩水などの静脈注射で治療されることが多い。

1867年、イギリスの医師ウィリアム・ドメット・ストーンは、「FG」という名の26歳の独身男性の治療について報告した。ストーン医師は「患者に肉をたくさん食べ、毎朝卵を2個吸うように教え」、また鉄粉とタラ肝油を混ぜた特別なシロップを1日2回飲むように指示した。肉をもっと食べ、卵を2個、タラ肝油シロップを食べることで、どんな病気を治そうとしているのでしょうか？

残念ながら、この病気は栄養失調と直接関係があるようには思えません。 Pixabay

答えは、自慰行為によって引き起こされる麻痺性精神異常です。当時の多くの医師と同様、ストーン博士も「過度の精神労働と不十分な栄養、過剰な性欲が、単独または組み合わせで、麻痺性精神異常につながる可能性がある」と確信していた。彼はまた、FGに自慰行為をするかと尋ねたところ、「やらない人なんているの？」と返されたと怒りを込めて書いた。

ストーンが反省しない患者と対峙してから13年後、イギリス人医師ウィリアム・ロバート・スミスは「最も苦痛な慢性症状の多く」に対する治療法を提案した。彼はこう書いている。「夜にスプーン一杯の冷たい水を飲む、朝に冷たいお風呂に入って腹部に冷たい湿布を当てる、果物をたくさん食べる、オートミールを飲む、ふすまパンを食べる、朝食後に葉巻を吸う、毎日散歩する、といったことをすれば、望ましい効果が得られる。」では、朝食後のブランパンと葉巻はどんな病気を治してくれるのでしょうか?

この病気は食生活に関係しています！ Pixabay

答えは便秘です。葉巻のヒント以外にも、運動や高繊維食品を利用して「望ましい効果」を達成するなど、スミス氏のその他の提案はすべて、慢性便秘の治療に関するメイヨー・クリニックのアドバイスと一致している。

1887年、イギリス人医師エドワード・ダットンは「マッサージ、隔離、過食」によって18歳の女性を治療した。彼は彼女に牛乳、卵、パンとバター、そして「ビーフティー」を与えた。約3か月の治療を経て、女性は1日6マイル（約9.7キロ）近く歩けるようになり、「かなり気分が良い」という。それで、ビーフティー、隔離、腹部マッサージは彼女を何から治したのでしょうか?

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答えはヒステリーです。女性の容態は非常に深刻で、ダットン氏は初めて彼女に会ったとき「彼女は骨と皮だけ」で、体重はわずか85ポンドだったと書いている。患者の母親によると、娘は数年前から朝食を抜くようになり、昼食代を「お菓子やケーキ」に使うようになったという。その後、彼女は頻繁に嘔吐するようになり、「一日中、大量の物質を継続的に嘔吐」した。これは、私たちが過食症として知っている症状に非常に近い。数か月の治療後、患者の体重は25ポンド増加し、ダットン氏は「それ以来、彼女は非常に強く、健康な状態を保っています」と嬉しそうに書いている。

メガン・カートライト

(ワシントン大学毒物学博士課程学生、AAASマスメディアフェロー、サイエンスライター、編集者)

翻訳: アドリア海の豚

編集者: オデット

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