【医療Q&A】子どもは落ち込んでいてもなぜ笑うのか？

著者: 呉美通 広州女性小児医療センター

評者: チャ・カイフイ、広州女性小児医療センター主任医師

「微笑みうつ病」は臨床診断名ではありませんが、一般的な用語です。これは、うつ病の人が笑顔という仮面をかぶって自分の憂鬱な面を隠し、幸せな生活を送っているように思わせることで、うつ病の症状に気づきにくくしていることを意味します。ほとんどの人はうつ病について固定観念を持っているため、うつ病の子どもは落ち込んでいて人生に興味がないと考えます。しかし実際には、これらはうつ病の症状の1つに過ぎず、うつ病の子ども全員が悲観的な状態を示すわけではありません。

多くの大人は、弱く見られたり、他人の重荷になったりしないように、他人の前で否定的な感情を表に出すことをためらいます。子どもたちの場合、落ち込んだ感情を隠すことを選択する理由はさまざまです。子どもは、親が厳しすぎて絶対に信じてくれないと思い、問題は解決できないと感じるかもしれません。家族はたいてい仕事で忙しく、一緒に時間を過ごしたりおしゃべりしたりする機会はめったになく、子どもは一人でいることが多いので、自分の考えを心の中に隠し、他人の前では幸せそうにふるまうことに慣れてしまいます。子どもの表情や行動が悲観的になると、周囲の人は何が起きているのか尋ねますが、尋ねた後では問題を解決する効果的な方法はありません。時間が経つにつれて、子どもたちは自分の考えを誰にも言わずに心の中に留めておく方が良いと感じるようになります。少なくとも、「質問」されたことでさらに動揺することはないでしょう。多くの場合、子どもたちはイライラしたり、かんしゃくを起こしたり、授業に集中できなかったりして、学習効率や成績が低下します。学校でクラスメイトや教師が手首の傷を発見するまで、親にさえ伝えられないこともある。