『プロメア』レビュー：炎の力を描くアニメの傑作

プロメア - 炎の魂と闘争の物語

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

2019年05月24日 ～ 0000年01月01日

■配給会社

東宝

■分数

111分

■話数

1話

■原作

TRIGGER、中島かずき

■監督

今石洋之

■制作

・アニメーション制作／TRIGGER

■著作

©TRIGGER・中島かずき／XFLAG

■ストーリー

世界の半分が焼失したその未曽有の事態の引き金となったのは、突然変異で誕生した炎を操る人種「バーニッシュ」だった。あれから30年、「バーニッシュ」の一部攻撃的な面々は「マッドバーニッシュ」を名乗り、再び世界に襲いかかる。「マッドバーニッシュ」が引き起こす火災を鎮火すべく、自治共和国プロメポリスの司政官クレイ・フォーサイトは、対バーニッシュ用の高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」を結成した。高層ビルの大火災の中、燃える火消し魂を持つ新人隊員ガロ・ティモスは、「マッドバーニッシュ」のリーダーで、指名手配中の炎上テロリスト、リオ・フォーティアと出会い、激しくぶつかり合う。リオを捕らえることに成功し、クレイからその功績を認められ ―― ガロにとってクレイは幼き頃、命を救ってくれた恩人で憧れのヒーロー ―― 誇らしげに喜ぶガロであった。

しかし、リオは「マッドバーニッシュ」の幹部であるゲーラ、メイスと共に捕らえられていた「バーニッシュ」を引き連れて脱走する。後を追ったガロが彼らのアジトにたどり着くも、そこで目にしたものは、懸命に生きる「バーニッシュ」たちの姿であった。そして、リオから「バーニッシュ」をめぐる衝撃の真実を告げられることに。

何が正しいのか――。

そんな折、ガロたちは地球規模で進められている“ある計画”の存在を知ることになる――

■解説

「天元突破グレンラガン」「キルラキル」を制作した、監督今石洋之と脚本中島かずきが構想6年をかけて制作したアニメーション。制作スタジオはTRIGGERとXFLAGのタッグ。映画の人気は、上映後、応援上映、4DX上映が増えるなど止まらず、長期間にわたって多くの映画館で上映された。

■キャスト

・ガロ・ティモス／松山ケンイチ
・アイナ・アルデビット／佐倉綾音
・リオ・フォーティア／早乙女太一
・クレイ・フォーサイト／堺 雅人
・イグニス・エクス／小山力也

■メインスタッフ

・監督／今石洋之
・脚本／中島かずき
・キャラクターデザイン／コヤマシゲト
・美術監督／久保友孝
・色彩設計／垣田由紀子
・3Dディレクター／石川真平
・撮影監督／池田新助
・編集／植松淳一
・音楽／澤野弘之
・音響監督／えびなやすのり
・タイトルロゴデザイン／市古斉史
・クリエイティブディレクター／若林広海
・アニメーションプロデューサー／舛本和也

■メインキャラクタ

・ガロ・ティモス
高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」の新人隊員ながら、態度は誰よりも大きい。猪突猛進の筋肉バカで、燃える“火消し魂”を胸に“マトイ”を相棒として火災の現場に駆けつける。
・アイナ・アルデビット
女性隊員。ガロと同じく10代の若者。どこかクールで落ち着いていて、マイペースに我が道をいくプロフェッショナル。無茶や無理をしがちなガロやバリスのツッコミ役である。
・リオ・フォーティア
突然変異で誕生した炎を操る人種「バーニッシュ」の攻撃的な集団「マッドバーニッシュ」のリーダー。そのクールな見た目とは裏腹に、特殊な炎「バーニッシュフレア」を操り全てを燃やし尽くす。
・クレイ・フォーサイト
自治共和国プロメポリスの司政官で、フォーサイト財団理事長。かつては耐火構造素材の研究を行い、バーニッシュ火災を鎮火させる瞬間凍結弾の開発も成功させた。ガロにとっての憧れの人物でもある。
・イグニス・エクス
バーニングレスキュー隊の隊長で30代。現場では賢明な判断と貫禄ある態度で、隊長たちを指揮して引っ張っていく。部下を信用し、また部下から信頼も厚い頼れる男。

■メインロボ・アイテム

・バーニッシュアーマー
バーニッシュたちが自らの炎を硬化させて纏う、黒い鎧。
・マトイテッカー
ルチアが新開発した、ガロの纏う消防戦闘強化服。

■主題歌・楽曲

・TM1
・覚醒
・作詞／越智志帆
・作曲／越智志帆
・編曲／蔦谷好位置
・歌／Superfly
・プロデュース／蔦谷好位置
・TM2
・氷に閉じ込めて
・作詞／越智志帆
・作曲／越智志帆
・編曲／中田裕二、松岡モトキ
・歌／Superfly
・プロデュース／松岡モトキ

プロメアの魅力と評価

プロメアは、TRIGGERとXFLAGがタッグを組んで制作したアニメーション映画であり、監督の今石洋之と脚本の中島かずきが6年間の構想を経て完成させた作品です。この映画は、炎を操る人種「バーニッシュ」とそれに対抗する「バーニングレスキュー」の物語を描き、視覚的なインパクトと深いテーマ性を兼ね備えた作品として高く評価されています。

ストーリーとテーマ

プロメアのストーリーは、世界の半分が焼失した原因となった「バーニッシュ」と、彼らを鎮圧するために結成された「バーニングレスキュー」の対立を軸に展開します。主人公のガロ・ティモスは、燃える火消し魂を持つ新人隊員であり、彼の成長と葛藤が物語の中心に据えられています。ガロは「マッドバーニッシュ」のリーダー、リオ・フォーティアと出会い、衝突しながらも「バーニッシュ」の真実を知ることになります。この過程で、ガロは「何が正しいのか」という問いと向き合い、自己の存在意義を見つめ直すことになります。

この作品のテーマは、「正義」と「差別」、「理解」と「共存」です。「バーニッシュ」は社会から排除され、迫害される存在として描かれていますが、彼らもまた生きる権利を持っていることが強調されます。ガロの視点を通じて、視聴者は「バーニッシュ」の苦しみと希望を理解し、差別と偏見の問題を深く考えさせられます。また、地球規模の「ある計画」の存在が明らかになることで、物語はさらに深みを増し、視聴者に大きな感動を与えます。

キャラクターと演技

プロメアのキャラクターはそれぞれ個性的で、視聴者に強い印象を与えます。ガロ・ティモスを演じる松山ケンイチは、猪突猛進で熱血漢なキャラクターをリアルに表現し、視聴者の共感を引き出します。アイナ・アルデビットを演じる佐倉綾音は、クールで落ち着いた女性隊員を自然に演じ、ガロの無茶な行動をツッコむシーンでは笑いを誘います。リオ・フォーティアを演じる早乙女太一は、クールな見た目と裏腹に強烈な炎を操るキャラクターを魅力的に演じ、視聴者の心を捉えます。クレイ・フォーサイトを演じる堺雅人は、ガロの憧れの存在として威厳と深みのある演技を見せ、イグニス・エクスを演じる小山力也は、頼れる隊長としての貫禄を感じさせます。

ビジュアルと音楽

プロメアのビジュアルは、TRIGGERの特徴であるダイナミックでカラフルなアニメーションが際立っています。特に、炎の表現は非常にリアルで美しく、視覚的なインパクトを強く感じさせます。また、3Dディレクターの石川真平と撮影監督の池田新助の技術により、戦闘シーンやアクションシーンは迫力満点で、視聴者を引き込む力があります。

音楽は澤野弘之が担当し、主題歌「覚醒」と「氷に閉じ込めて」はSuperflyが歌っています。澤野弘之の音楽は、物語の展開に合わせて感情を揺さぶり、視聴者の心を動かします。特に、戦闘シーンでの音楽は緊張感を高め、視聴者の興奮を引き立てます。Superflyの歌声は、物語のテーマを深く表現し、視聴者の心に響きます。

評価と推薦

プロメアは、視覚的な美しさと深いテーマ性を兼ね備えた作品として高く評価されています。特に、炎の表現やアクションシーンの迫力は他のアニメーション映画と一線を画しており、視聴者に強い印象を与えます。また、キャラクターの成長や葛藤を通じて描かれる「正義」と「差別」の問題は、視聴者に深く考えさせる力があります。

この作品は、アニメーション映画ファンだけでなく、社会問題に興味がある人や深いテーマ性を求める人にもおすすめです。特に、TRIGGERのファンや今石洋之、中島かずきの作品を楽しみにしている人には必見の作品です。また、4DX上映や応援上映も行われており、より一層の臨場感を味わいたい人にも推薦します。

関連情報

プロメアは、映画だけでなく、関連商品やイベントも多数展開されています。公式グッズとして、キャラクターフィギュアやTシャツ、ポスターなどが販売されており、ファンには必見のアイテムです。また、プロメアの世界観をさらに深く楽しむためのイベントも開催されており、ファン同士の交流や新たな発見の場となっています。

さらに、プロメアの成功を受けて、続編やスピンオフ作品の制作も期待されています。今後の展開に注目しながら、プロメアの世界をさらに楽しむことができるでしょう。

結論

プロメアは、視覚的な美しさと深いテーマ性を兼ね備えたアニメーション映画であり、視聴者に強い印象を与える作品です。ガロ・ティモスの成長と葛藤を通じて描かれる「正義」と「差別」の問題は、視聴者に深く考えさせる力があります。また、TRIGGERのダイナミックなアニメーションと澤野弘之の音楽は、視聴者の心を動かし、物語をさらに深く感じさせます。この作品は、アニメーション映画ファンだけでなく、社会問題に興味がある人や深いテーマ性を求める人にもおすすめです。ぜひ、プロメアの世界を体験してみてください。