おまかせ!みらくるキャット団 - 魅力的なストーリーとキャラクターの深掘りレビュー

『おまかせ!みらくるキャット団』 - 魔法と猫のドタバタコメディ

『おまかせ!みらくるキャット団』は、2015年3月31日から2016年2月23日までNHK Eテレで放送されたアニメシリーズです。全32話からなるこの作品は、東京の下町、谷中野町を舞台に、魔法と猫の力を借りて成長していく少女の物語を描いています。アニメオリジナル作品であり、ルノアール兄弟・吉盛による原作、橋本みつおの監督のもと、小学館集英社プロダクションとOLMによって制作されました。

ストーリー

主人公は、東京の下町、谷中野町に住む小学4年生の女の子、赤川ぽこ美。ニックネームは「ポコタン」です。ポコタンは勉強も運動も苦手で、すぐに落ち込んでしまうネガティブな性格の持ち主です。そんなポコタンを心配しているのは、幼い頃に他界した父親の夏彦。夏彦は天上の『ヨミヨミランド』からポコタンの様子を見守っています。ある日、夏彦はヨミヨミランドで働いて貯めた魔法パワーの種、魔法シールを使って地上に降り、ポコタンの飼い猫「マミタス」に魔法の猫じゃらし「みらくるじゃらし」と変身できる鈴「みらくるベル」を託します。これを使うとマミタスは「みらくるキャット」に変身し、ポコタンを助けることができるのです。この魔法の力と猫たちの助けを借りて、ポコタンは様々な困難を乗り越えていきます。ポコタンの家族や近所の愉快な仲間、他の猫たちも巻き込んだドタバタストーリーが展開されます。

キャラクター

ポコタン（赤川ぽこ美）：ポコタンは素直で引っ込み思案な性格で、対人関係が苦手です。学校の勉強や運動は苦手ですが、ゲームやアニメ、特撮、動物や宇宙など、自分が好きなものにはとても詳しいです。絵や工作も得意で、芸術の才能があります。妄想が大好きで、時々ネガティブな妄想が止まらなくなることもあります。

夏彦（赤川夏彦）：ポコタンの父親で、ポップスターだったが、ポコタンが幼い頃に亡くなりました。今は天界のヨミヨミランドからポコタンの様子を見守っています。天界で働いて給料の魔法シールを集めては、シールのパワーで地上に降りたり、ポコタンを助けたりします。マミタスに「みらくるキャット」への変身力を与えた人物です。相当のハチャメチャ人間で、今も天然な性格です。

礼子（赤川礼子）：ポコタンの母親で、赤川家の大黒柱です。福祉の仕事やボランティアにいつも忙しい明るく豪快な性格で、ポコタンを振り回してしまうこともあります。天然な性格ですが、本人は気付いていません。趣味はスポーツ全般で、インドア派のポコタンとは合いませんが、ポコタンを誰よりも愛しています。

悦子（白田悦子）：ポコタンの祖母で、とても優しいおばあちゃんです。夫は冒険家でしたが、20年前に遭難して行方不明になりました。趣味はフラダンスです。

マミタス：赤川家の飼い猫で、自由気ままな性格で明るくポジティブですが、早とちりしやすいです。普通の猫だったが、夏彦から魔法パワーで「みらくるじゃらし」をもらい、「みらくるキャット」に変身します。ポコタンを助けるために活躍しますが、調子に乗りすぎて逆に騒動を巻き起こしてしまうこともしばしばあります。

しろのすけ：運動神経がすばらしく、不死身と言われている猫です。ブルース・ジャッキーの家で飼われています。

タリン：桜子の飼い猫で、いつも鼻水がたれていて、どこでもすぐオシッコをしてしまう猫です。いつもフラフラしていて危ないですが、その超天然さが意外と役に立つこともあります。

ショコラ：占いが得意で、持っている水晶の玉でいろいろなものを探し出したり、予言したりする猫です。恐怖漫画家の梅木先生に飼われています。

りんたろう：らい次郎の弟で、りんのすけと双子の兄弟です。臆病で気弱な性格で、女性っぽい言葉を使います。ノラ猫です。

りんのすけ：らい次郎の弟で、りんたろうと双子の兄弟です。おっちょこちょいな性格で、ノラ猫です。

らい次郎：額にイナズマの模様がある猫で、りんたろう、りんのすけの兄です。熱血野郎で、カミナリにうたれても生き残った生命力の持ち主です。すばやさにかけては、谷中野公園で一番です。

ちょび太：おっさんで、べらんめぇ口調で話す猫です。体力はなくゴロゴロしていることが多いですが、ときどきナイスな知恵を出します。

マイケル：頭がいい学者猫で、みらくるキャット団の頭脳担当です。さまざまな作戦を立てたり、メカを作り出したりします。ルリックス姫に飼われていて、飼い主にぞっこんです。

ミルクバン：谷中野公園に集まる猫たちのボス的存在で、パワーがあって、らい次郎、りんたろう、りんのすけの三兄弟猫を子分にしています。ノラ猫です。

桜子（藤桜子）：ポコタンの同級生で、唯一ともいえる友だちです。成績優秀ですが、ポコタンに似て引っ込み思案な性格です。似たもの同士でゲームなどの趣味が合うので、ポコタンとよく一緒に遊んでいます。ネコのタリンを飼っています。

河大（大河原河大）：ポコタンの同級生で、ニックネームはおにがわらです。おもちゃ屋の息子で、体が大きく活動的です。自分勝手で力まかせなところがあるので、結果的にいじめっ子のようになることもあります。ポコタンはいつも迷惑していますが、本人はポコタンを友だちと思っています。

ケンケン（小山研介）：ポコタンの同級生で、ニックネームはケンケンです。家がお金持ちで、体が小さく消極的です。勉強は苦手ですが、頭が良さそうにしています。おにがわらの子分的な存在でいつも一緒にいます。

しゅんくりーむ（佐々木俊太郎）：ポコタンの同級生で、ニックネームはしゅんくりーむです。スポーツ万能、成績優秀、さわやか少年です。けっこう気づかいの出来るやさしさもあります。おにがわらやケンケンと遊び仲間です。

ブルース・ジャッキー：谷中野商店街のアニメグッズ専門店の店長で、ブルース・リーとジャッキー・チェンのファンです。自ら「ブルース・ジャッキー」と名乗り、本当の苗字は「山田」です。ポコタンのカンフーの師匠となります。家賃を滞納しては、いつも大家から逃げ回っています。しろのすけの飼い主です。

梅木次郎：谷中野に住む恐怖漫画家で、恐怖漫画のタネを探してよく町をうろついています。巨大な屋敷に住んでいて、中は迷宮のようになっており、一度入ったものは二度と出て来られないとも言われています。いつもシマシマの服を着ています。ショコラの飼い主です。

ルリックス姫：谷中野商店街のコスプレ専門店のアルバイトで、いつもコスプレで町を堂々と歩く女子高校生です。ポコタンのあこがれの存在で、たまにポコタンにナイスなアドバイスをくれます。

大家：ブルース・ジャッキーの住むアパートの大家のおばさんです。家賃を払わないジャッキーを、いつも追いかけています。

スタッフ

原案：中川翔子
原作：ルノアール兄弟・吉盛
監督：橋本みつお
助監督：山口健太郎
シリーズ構成：園田英樹
キャラクターデザイン：中川航
美術監督：坂本信人、坂本夏海
色彩設計：大関たつ枝
撮影監督：鈴木大倫、矢吹健
音響監督：千葉繁
音楽：宮崎慎二
アニメーションプロデューサー：小板橋司、櫻井涼介

エピソード

第1話「マミタス、みらくるするのナー」
第2話「勇者は仲間を集めるのナー」
第3話「そんなつもりじゃなかったのナ〜！」
第4話「わらしべ長者で生きてきたいのナー」
第5話「ブキミな音なんてこわくないのナー」
第6話「ポコタン、師匠ができたスナー」
第7話「形見のねこじゃらしを探すナー」
第8話「ギガント星占いなのナー！」
第9話「みらくる写真を撮りたいのナー」
第10話「肩もみはタイヘンなのナー」
第11話「ギガントバースデーっすナー」
第12話「こんな家でてってやるのナー」
第13話「新しい星をみつけるのナー」
第14話「日記よ、現実になるのナー」
第15話「謎の生物に会いたいのナー」
第16話「アルパカを捕まえるんだナー」
第17話「がんばれ、おにがわらパパ！なのナー」
第18話「埋蔵金を埋めるんだナー」
第19話「手おならしたいのナー」
第20話「肉球裁判なのナー」
第21話「ヨミヨミ激レアシールをみつけるのナー」
第22話「レッツリサイクルなのナー」
第23話「マミタス世界旅行なのナー」
第24話「一日一善なんだナー」
第25話「マミタス学園へようこそなのナー」
第26話「ノートを返しに行く大作戦なのナー」
第27話「猫もたまないはいいのナー」
第28話「激走！梅木グランプリなのナー」
第29話「すれちがいは、友情のもとなのナー」
第30話「師匠としろのすけがいないのナー」
第31話「ファッションショーで大バトル！なのナー」
第32話「アリエナイザー、魔法が使えないのナー」

主題歌

オープニングテーマ「ネコブギー」
作詞・作曲：細野晴臣
歌：しょこたん♥はるおみ

評価と推薦

『おまかせ!みらくるキャット団』は、魔法と猫の力を借りて成長していく少女の物語であり、子供から大人まで楽しめる作品です。ポコタンのネガティブな性格や、家族や友人との関係性、そして猫たちのユーモラスな行動が描かれており、見ているだけで心が温かくなります。また、各エピソードごとに異なるテーマが設定されており、視聴者に様々なメッセージを伝えています。

特に注目すべきは、キャラクターの個性が豊かで、一人ひとりの背景や成長が丁寧に描かれている点です。ポコタンの父親である夏彦の天界からのサポートや、マミタスの「みらくるキャット」への変身など、ファンタジー要素が物語を盛り上げています。また、谷中野町の下町風景や、商店街の人々との交流も魅力の一つです。

この作品は、家族愛や友情、努力の大切さを描いた心温まるストーリーであり、子供たちに夢や希望を与える一方で、大人にも懐かしさや癒しを提供します。特に猫好きの方には、猫たちの活躍が楽しめることでしょう。また、ポコタンの成長物語を通じて、自分自身の人生を見つめ直すきっかけにもなるかもしれません。

推薦する視聴者層としては、子供から大人まで幅広く楽しめる作品ですが、特に猫好きやファンタジー要素が好きな方、そして家族愛や友情を描いた物語が好きな方におすすめします。また、下町の風景や人々の温かさを感じたい方にもぴったりの作品です。ぜひ一度視聴してみてください。