『それでも世界は美しい』：美しさと現実の狭間で揺れる感動の物語を徹底解剖

『それでも世界は美しい』 - 光と雨のディスティニー・ロマンス

■作品概要

『それでも世界は美しい』は、椎名橙による同名漫画を原作としたTVアニメシリーズです。2014年4月6日から6月29日まで日本テレビほかで放送され、全12話から成るこの作品は、雨を呼ぶ力を持つニケ・ルメルシエと、世界を統治する太陽王リヴィウス一世の物語を描いています。原作は「花とゆめ」で連載され、40周年記念作品としても注目を集めました。

■ストーリー

「雨の公国」の第四公女ニケは、「太陽王リヴィウス一世」に嫁ぐことになります。長旅の末、王の住む「晴れの大国」を訪れたニケは、その豊かさに驚きます。そして、まずはこの国の様子を知ろうと見て回るのですが、そこへ2人組の男が現れて……。ニケの「アメフラシ」の能力とリヴィウスの統治力が交錯する中、二人の関係はどのように進展していくのでしょうか？

■キャラクター

この作品の魅力は、何と言っても個性豊かなキャラクターたちにあります。主人公のニケ・ルメルシエは、雨を呼ぶ力を持つ「アメフラシの姫」として、破天荒ながらも純粋な心を持つお姫様です。彼女の歌声は美しく、周囲の人々を魅了します。一方、リヴィウス一世（リビ）は、無慈悲で知られるが有能な「太陽王」として、世界を統治する冷徹な王です。しかし、彼の心の奥底には、最愛の母を失った傷が隠されています。

ニケの周囲には、彼女を支える多くのキャラクターが登場します。ニケの祖母トハラは、アメフラシの師匠としてニケを育てた重要な人物です。また、リヴィウスの首席秘書官ニールは、リビとニケに振り回されながらも、二人の関係を支える苦労人です。さらに、ニケの姉妹たち（ミラ、ニア、カラ）や、晴れの大国の元老たち（ヴォーダン、ケイツビー、ラトクリフ）も、物語に深みを与えています。

■アニメーションと演出

『それでも世界は美しい』のアニメーションは、studioぴえろによって制作されました。キャラクターデザインと総作画監督を担当した夘野一郎の美しいビジュアルは、ニケの歌声と共に視聴者を引き込む力があります。また、監督の亀垣一は、原作の世界観を忠実に再現しつつ、アニメオリジナルの要素も巧みに取り入れています。特に、ニケの「アメフラシ」の能力を表現するシーンは、色彩設計や撮影監督の技術が光る場面です。

■音楽

音楽は山下康介が担当し、OPテーマ「BEAUTIFUL WORLD」は小池ジョアンナが歌い上げ、EDテーマ「PROMISE」はニケ役の前田玲奈が担当しました。特に、ニケの歌声を象徴する「アメフラシの歌～Beautiful Rain～」は、物語の重要な要素として使用され、視聴者の心に深く響きます。また、最終話で登場する「雨おくりの歌」は、トハラ役の横山智佐が歌い、物語の感動的なフィナーレを飾りました。

■評価と感想

『それでも世界は美しい』は、ファンタジーとロマンスが融合した作品として高い評価を受けています。ニケとリヴィウスの関係性は、視聴者に多くの感動を与えました。また、原作の魅力を最大限に引き出しつつ、アニメオリジナルの要素も加えることで、より深みのある物語を描き出しています。特に、ニケの成長やリヴィウスの内面の変化は、視聴者に強い印象を残しました。

この作品は、美しいビジュアルと音楽、そして感動的なストーリーで、多くのファンを魅了しました。ファンタジーとロマンスが好きな方には、ぜひおすすめしたい作品です。

■推薦ポイント

美しいビジュアルと音楽：夘野一郎のキャラクターデザインと山下康介の音楽が、物語をより豊かに彩ります。
感動的なストーリー：ニケとリヴィウスの関係性や、二人の成長が描かれる感動的な物語です。
個性豊かなキャラクター：ニケやリヴィウスを始めとする個性豊かなキャラクターたちが、物語に深みを与えます。
ファンタジーとロマンスの融合：ファンタジーとロマンスが絶妙に融合した作品として、多くのファンを魅了しています。

■放送情報

『それでも世界は美しい』は、2014年4月6日から6月29日まで日本テレビほかで放送されました。各話のサブタイトルや放送日は以下の通りです。

第1話／晴れの大国（2014/04/05）
第2話／雨の公女（2014/04/12）
第3話／関白宣言（2014/04/19）
第4話／Ring of tales(1)（2014/04/26）
第5話／Ring of tales(2)（2014/05/03）
第6話／Call my name（2014/05/10）
第7話／Wild waltz（2014/05/24）
第8話／雨やどり（2014/05/31）
第9話／雨の公国（2014/06/07）
第10話／正しい国（2014/06/14）
第11話／通り過ぎる風（2014/06/21）
第12話／帰還（2014/06/28）

■キャスト

主要キャラクターの声優は以下の通りです。

ニケ・ルメルシエ／前田玲奈
リヴィウス一世／島﨑信長
ニール／杉田智和
ミラ／伊瀬茉莉也
ニア／茅野愛衣
カラ／寺崎裕香
シーラ／潘恵子
バルドウィン・シシル・イフリキア／櫻井孝宏
女官・ランラ／青木瑠璃子
女官・スーニャ／大塚みずえ
女官・ミキア／佐武宇綺
元老・ヴォーダン／池田秀一
元老・ケイツビー／二又一成
元老・ラトクリフ／富田耕生
ラニ・アリステス／浪川大輔
ナレーション／横山智佐

■スタッフ

主要スタッフは以下の通りです。

原作／椎名橙（白泉社「花とゆめ」連載）
監督／亀垣一
シリーズ構成／藤田伸三
キャラクターデザイン、総作画監督／夘野一郎
画面設計／田中比呂人
プロップデザイン／早川加寿子
美術監督／清水友幸
色彩設計／北沢希実子
撮影監督／松本敦穂
編集／坂本雅紀
音楽／山下康介
音響監督／浦上靖之、浦上慶子
アニメーション制作／studioぴえろ
製作著作／日本テレビ、バップ、白泉社

■関連商品

『それでも世界は美しい』は、DVDやBlu-ray、原作漫画など、多くの関連商品が発売されています。特に、DVDやBlu-rayには特典映像やキャストインタビューなどが収録されており、ファン必見の内容となっています。また、原作漫画は「花とゆめ」で連載され、単行本も発売されていますので、ぜひチェックしてみてください。