『いちばんうしろの大魔王』レビュー：期待を超える面白さと深みのあるストーリー

『いちばんうしろの大魔王』：予言された魔王の波乱万丈な学園生活

『いちばんうしろの大魔王』は、水城正太郎によるライトノベルを原作としたTVアニメシリーズです。2010年4月3日から6月19日まで放送され、コンスタン魔術学院を舞台に、将来「魔王」になると予言された主人公・紗伊阿九斗の学園生活を描いています。この作品は、HJ文庫発のオリジナル作品として初めてテレビアニメ化され、SFファンタジーアクションと学園ラブコメディが融合した独特の世界観が魅力です。

ストーリー

将来の職業として「魔王」と予言された紗伊阿九斗は、社会の役に立つためにコンスタン魔術学院に編入し、大司祭を目指します。しかし、初日に受けた予言が原因で、クラス委員長の服部絢子に恨まれ、天然不思議系少女の曽我けーなに懐かれ、帝国派遣の監視員である女性型人造人間ころねに見張られるなど、散々な学園生活を送ることになります。それでも阿九斗は、己の理想と信念のために行動し続けますが、周囲の誤解は深まるばかりで、ますます「魔王」の再来と恐れられるようになります。果たして阿九斗に、真っ当な生活を送れる日は訪れるのでしょうか？

解説

原作は、水城正太郎によるライトノベルで、ホビージャパンのHJ文庫から刊行されています。挿絵は伊藤宗一が担当し、HJ文庫発のオリジナル作品としては初めてのテレビアニメ化作品となりました。主人公が「魔王」と予言され、個性豊かなヒロインたちに囲まれて波乱万丈な学園生活を送る学園ラブコメディです。魔術学院という舞台設定に加え、勇者やドラゴン、人造人間、ロボット、時間旅行者などが次々と登場し、SFファンタジーアクション作品としても楽しめます。映像のテンポやドライブ感が特徴的で、声優の声の演技に合わせて制作されたライブ感あふれる作品となっています。

キャスト

主要キャラクターの声優は以下の通りです。

紗伊阿九斗：近藤隆
曽我けーな：豊崎愛生
服部絢子：日笠陽子
ころね：悠木碧
三輪ヒロシ：代永翼
江藤不二子：伊藤静
リリィ白石：広橋涼
鳥井美津子：たかはし智秋
阿九斗（子供時代）：明石香織
服部ゆう子：井口裕香
大竹美智恵：竹達彩奈
神山カンナ：水原薫
アルヌール：寿美菜子
照屋栄子：戸松遥
大和望一郎：新垣樽助
不二子の兄：鳥海浩輔
服部洋蔵：斧アツシ
照屋敬三：中村浩太郎
ヤタガラス：白鳥哲
祖母：片貝薫
不二子の母：東條加那子
D13：明石香織
2V：樋口智透
タケシ：西健亮
ヤン：高橋研二
ユキコ：矢作紗友里
ミスターX：佐藤晴男
ピーターハウゼン：中田譲治

メインスタッフ

本作の制作には、以下のスタッフが関わっています。

原作：水城正太郎（HJ文庫・ホビージャパン）
監督：渡部高志
キャラクター原案：伊藤宗一
企画：松本慶明、山口英生、森尻和明
シリーズ構成：吉岡たかを
キャラクターデザイン、総作画監督：小林利充、小関雅
玄鶴・黒龍デザイン：宮武一貴
美術監督：河合伸治
色彩設計：西尾梨香
撮影監督：大西博
3DCGIプロデューサー：松倉大樹
3DCGIテクニカルディレクター：齋藤裕允
編集：中葉由美子、村井秀明
編集：岡安プロモーション
HDビデオ編集：東京現像所、金沢佳明
音響効果：山谷尚人
録音調整：鈴木裕幸
録音助手：眞下のぞみ
キャスティング協力：松岡超
音響制作担当：内村友祐
音響制作：録音スタジオ／デルファイサウンド
シニアプロデューサー：岩崎篤史、榊間良治、三上康博
アソシエイトプロデューサー：関根龍二、山崎明日香、小田ツヨシ
企画協力：HJ文庫編集部、宇田川芳彦、大橋竜治
宣伝：長谷川朋子、弓岡雅子
協力：鈴木誠二（エスウッド）
取材協力：東海大学湘南キャンバス
制作プロデューサー補佐：村岡康成
制作デスク：水梨康二
設定制作：岡本千尋
製作補佐：広渡千余子
音響監督：本山哲
音楽：加藤達也
音楽プロデューサー：伊藤善之
音楽制作：ランティス
プロデューサー：丸山創、加藤正純、横田正明、櫻井優香、神部宗之
制作プロデューサー：渡辺秀信
プロデュース：ジェンコ
アニメーション制作：アートランド
製作：コンスタン魔術学院（マーベラスエンターテイメント、メディアファクトリー、ホビージャパン、エー・ティー・エックス、グッドスマイルカンパニー、ランティス、ジェンコ）

メインキャラクター

本作の主要キャラクターは以下の通りです。

紗伊阿九斗：将来「魔王」になると予言された「善良な」主人公。いつか社会の役に立てるよう「大司祭」になることを目指し、コンスタン魔術学院にやってきた。本人はいたって真面目なつもりだが、やることなすこと裏目に出て、周囲から「魔王」だと恐れられることに。
曽我けーな：阿九斗になついている落ちこぼれの天然少女。魔法は苦手だが、空を飛ぶことと姿を消すことはできる。ただし着ている服は消せないので、全裸になってからでないと完全に消えることはできない。持ち前の行動力と不思議な言動で、周囲を巻き込む大騒動を起こす。お米が大好き。
服部絢子：阿九斗と同じ1年A組のクラス委員長。一途で純真な女の子にして、伊賀出身の忍者娘。阿九斗の理想に共感し、友情の契りを交わしているが、彼の「傍から見て魔王にしか思えない行動」に誤解し、傷つき、振り回されている。生粋のスハラ教信者の証であるふんどしを着用。
ころね：阿九斗の監視と護衛を行うために学院が政府に依頼し、派遣されてきたリラダン（人造人間）。口数が少なく、感情を表に出さない性格だが、阿九斗をからかうことは楽しんでいるようである。ポシェットから秘密の道具を取り出し使用する。おしりの尻尾を引っ張られると機能停止してしまう。
江藤不二子：コンスタン魔術学院女子寮の寮長。学院一の美貌を誇るマドンナで、生徒、教職員の信頼も厚い。その正体は生徒たちを裏から支配する黒魔術師で、魔術薬に精通する。阿九斗の力に目を付け、自分の支配下に置こうと画策しているが…。
リリィ白石：コンスタン魔術学院の生徒会長。小さな身体、幼い容姿でまるで少年のように見えるが、立派な最上級生。ボーイッシュなボク少女で、背が低いことを気にしている。自分のことを「ボク」というのが特徴で、トレードマークはその小粋な帽子。喧嘩っ早い武闘派で、「小さい」と言われると切れてしまう。
三輪ヒロシ：阿九斗をアニキと慕う同級生。
大竹美智恵：コンスタン魔術学院の生徒会副会長。語尾に「～ありんす」が付くのが口グセ。
神山カンナ：コンスタン魔術学院の生徒会会計。語尾に「～だぎゃ」が付くのが口グセ。
アルヌール：コンスタン魔術学院の生徒会書記。口グセは「ぐが」。
照屋栄子：公儀隠密。絢子同様のスハラ神を信仰するが、なぜか絢子とは犬猿の仲。
服部ゆう子：服部絢子の妹でアイドルの「星野ゆり」。
大和望一郎：内閣魔術情報官。

サブタイトル

各話のサブタイトルは以下の通りです。

ACT 1：魔王が誕生しちゃった！（2010/04/02）
ACT 2：おかしな監視員（2010/04/09）
ACT 3：ちょっと怖い先輩（2010/04/16）
ACT 4：独房は楽しい？（2010/04/23）
ACT 5：地下迷宮にご用心（2010/04/30）
ACT 6：臨海学校へ行こう！（2010/05/07）
ACT 7：伝説の勇者現る！（2010/05/14）
ACT 8：あの子にご執心？（2010/05/21）
ACT 9：とんだお見合い騒動（2010/05/28）
ACT 10：阿九斗の帝都大戦争（2010/06/04）
ACT 11：女たちの最終決戦（2010/06/11）
ACT 12：おしまいは完璧？（2010/06/18）

主題歌・楽曲

オープニングテーマとエンディングテーマは以下の通りです。

OP1：REALOVE:REALIFE
- 作詞：畑亜貴
- 作曲：黒須克彦
- 編曲：黒須克彦
- 歌：スフィア
ED1：Everyday sunshine line!
- 作詞：こだまさおり
- 作曲：関野元規
- 編曲：TSUKASA（Sound Online）
- 歌：麻生夏子

『いちばんうしろの大魔王』の魅力と評価

『いちばんうしろの大魔王』は、学園ラブコメディとSFファンタジーアクションが融合した独特の世界観が魅力の作品です。主人公・紗伊阿九斗が「魔王」と予言され、個性豊かなヒロインたちに囲まれて波乱万丈な学園生活を送る姿は、視聴者を引き込む要素となっています。以下では、本作の魅力と評価について詳しく解説します。

キャラクターの魅力

本作の最大の魅力は、個性豊かなキャラクターたちです。主人公の紗伊阿九斗は、真面目で善良な性格ながら、周囲から「魔王」と恐れられるというギャップが面白いキャラクターです。彼の行動が裏目に出てしまうシーンは、コメディ要素としても楽しめます。また、曽我けーなの天然不思議系の言動や、服部絢子の純真さと忍者としての強さ、ころねのクールな態度とユーモアなど、各キャラクターの個性が際立っています。これらのキャラクターたちが織りなすドラマは、視聴者を飽きさせません。

ストーリーの展開

本作のストーリーは、予測不能な展開が続きます。阿九斗が「魔王」と予言されたことから始まる物語は、次々と新たなキャラクターが登場し、様々な事件や騒動が起こります。特に、地下迷宮や臨海学校、帝都大戦争など、各話ごとに異なる舞台設定が用意されており、視聴者を飽きさせません。また、最終話での「おしまいは完璧？」というサブタイトル通り、物語の結末も意外性に満ちています。このような予測不能な展開が、本作の魅力の一つとなっています。

映像と音楽

本作の映像は、テンポが良く、ドライブ感あふれる作りになっています。声優の声の演技に合わせて制作されたライブ感も特徴的で、視聴者を引き込む要素となっています。また、オープニングテーマの「REALOVE:REALIFE」とエンディングテーマの「Everyday sunshine line!」も、本作の世界観を盛り上げる重要な要素です。スフィアの力強い歌声と、麻生夏子の爽やかな歌声が、視聴者の心を捉えます。

評価と推薦

『いちばんうしろの大魔王』は、HJ文庫発のオリジナル作品として初めてテレビアニメ化された作品であり、その独特の世界観と個性豊かなキャラクターたちが高く評価されています。特に、学園ラブコメディとSFファンタジーアクションが融合したストーリーは、視聴者を飽きさせず、予測不能な展開が続くため、多くのファンを獲得しました。また、映像のテンポやドライブ感、声優の演技、主題歌なども高く評価されており、総合的に見ても非常に完成度の高い作品と言えます。

この作品を推薦する理由は以下の通りです。