『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』レビュー：忘れられない思い出と感動の物語

『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』レビューと詳細情報

■概要

『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』は、久保帯人による人気漫画『BLEACH』を原作としたアニメ映画で、2006年12月16日に公開されました。東宝が配給し、studioぴえろがアニメーション制作を担当したこの作品は、TVシリーズの成功を受けて制作された劇場版第一弾です。監督は阿部記之、脚本は十川誠志が務め、キャラクターデザインと総作画監督は工藤昌史が担当しました。音楽は鷺巣詩郎が手掛け、主題歌はAqua Timezの「千の夜をこえて」です。

■ストーリー

現世の町・空座町に認識不能の霊体「欠魂（ブランク）」が大量発生し、死神代行の黒崎一護と護廷十三隊の死神・朽木ルキアが調査を開始します。その中で、斬魄刀「弥勒丸」を携えた死神の少女「茜雫」が現れますが、彼女は自分のことを語ろうとせず、所属部隊についても忘れたと答えます。一方、尸魂界の空には現世の街が映し出され、護廷十三隊に第一級警戒態勢が発令されます。この異変は「世界崩壊」への前兆とされ、緊急の隊首会が開かれます。やがて、異変の背後にかつて尸魂界から追放された「巌龍」を首謀者とする一団が関わっていることが判明します。彼らは茜雫を執拗に狙い、その真意が明らかになる中、世界崩壊の瞬間が迫り、最後のカウントダウンが始まります。

■解説

『BLEACH』のTVシリーズが2004年に始まってから、その人気を受けて制作されたのがこの劇場版第一弾です。TVシリーズでも定評のあったアクションシーンがさらにパワーアップし、映画ならではのスケール感と迫力が楽しめます。物語は原作の世界観を基にしながらも、新たなキャラクターと設定を導入することで、独自の魅力を放っています。特に茜雫という新キャラクターの存在感と、彼女を巡る謎が物語に深みを与えています。また、世界崩壊という壮大なテーマが、視聴者に緊張感と興奮を提供します。

■キャスト

主要キャラクターの声優は以下の通りです。

• 黒崎一護：森田成一
• 朽木ルキア：折笠富美子
• 茜雫：斎藤千和
• 巌龍：江原正士
• 山本元柳斎重國：塚田正昭
• 砕蜂：川上とも子
• 朽木白哉：置鮎龍太郎
• 京樂春水：大塚明夫
• 日番谷冬獅郎：朴璐美
• 更木剣八：立木文彦
• 涅マユリ：中尾隆聖
• 浮竹十四郎：石川英郎
• 吉良イヅル：櫻井孝宏
• 阿散井恋次：伊藤健太郎
• 射場鉄左衛門：西凜太朗
• 松本乱菊：松谷彼哉
• 草鹿やちる：望月久代
• 斑目一角：檜山修之
• 綾瀬川弓親：福山潤
• コン：真殿光昭
• 石田雨竜：杉山紀彰
• 茶渡泰虎：安元洋貴
• 井上織姫：松岡由貴
• 浦原喜助：三木眞一郎
• 握菱テッサイ：梁田清之
• 花刈ジン太：本田貴子
• 黒崎一心：森川智之
• 黒崎夏梨：釘宮理恵
• 黒崎遊子：瀬那歩美
• 阿近：奥田啓人
• 壷府リン：斉木美帆
• 友哉：小坂友覇
• ジャイ：松本大
• 特別出演団長：団長安田（安田大サーカス）
• HIRO：HIRO（安田大サーカス）
• クロちゃん：クロちゃん（安田大サーカス）
• かわいい店員：森下千里

■メインスタッフ

制作に携わった主要スタッフは以下の通りです。

• 原作：久保帯人
• 監督：阿部記之
• 脚本：十川誠志
• キャラクターデザイン、総作画監督：工藤昌史
• 絵コンテ：阿部記之、橘秀樹
• チーフ演出：橘秀樹
• 演出：別所誠人
• 作画監督：高木弘樹、河野悦隆、吉岡毅、小木曽伸吾、橋本英樹、石野聡、大西雅也
• エフェクト作画監督：橋本敬史
• 美術監督：高木佐和子
• 色彩設計：上谷秀夫、安斉寛美、阿部紀子
• 撮影監督：福島敏行
• 編集：植松淳一、奥野英俊
• 音楽：鷺巣詩郎
• プロデューサー：深沢幹彦、萩野賢
• アニメーション制作：studioぴえろ
• 製作：劇場版BLEACH製作委員会（テレビ東京、集英社、ぴえろ、電通、アニプレックス、東宝、バンダイ、セガ、ソニー・コンピュータエンタテインメント）

■メインキャラクタ

主要キャラクターの詳細は以下の通りです。

• 黒崎一護：死神・ルキアとの出会いから死神の力を得た高校生。幼い頃母を虚に殺された過去からすべての人を護りたいという強い信念を持つ。
• 朽木ルキア：護廷十三隊の十三番隊所属の死神。空座町への駐在任務の折り、黒崎一護と出会い、その運命を大きく変えた。
• 茜雫：物語の鍵を握る人物。死神の装束を身にまとい、弥勒丸という名の斬魄刀を携えている。死神であるが尸魂界での記憶がない。
• 巌龍：闇の勢力・ダークワンの中心。かつて尸魂界を追放された一族の生き残り。尸魂界への怨念を晴らすため茜雫を利用することを企む。

■関連作品

『BLEACH』シリーズの他の作品は以下の通りです。

• BLEACH
• 劇場版　BLEACH　The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸
• 劇場版　BLEACH　Fade to Black 君の名を呼ぶ
• 劇場版　BLEACH　地獄篇
• BLEACH　Memories in the Rain
• BLEACH　The sealed sword frenzy
• BLEACH　カラブリ! 護廷十三屋台大作戦!
• BLEACH　JSAT2010版

■主題歌・楽曲

主題歌はAqua Timezの「千の夜をこえて」で、作詞・作曲は太志が担当しました。

■レビュー

『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』は、原作ファンにとっては新たな視点から『BLEACH』の世界を楽しむことができる作品です。特に茜雫という新キャラクターの存在感が際立っており、彼女の謎を解き明かす過程が物語の中心となっています。茜雫のキャラクターは、記憶を失っているという設定が視聴者の興味を引きつけ、彼女の過去と目的が徐々に明らかになるにつれて、物語に深みが増していきます。また、巌龍という新たな敵の登場も、原作の世界観をさらに広げる要素となっています。

アクションシーンは、TVシリーズ以上の迫力とスケール感を持っており、特に一護とルキアの戦闘シーンは見応えがあります。斬魄刀の使用シーンや、世界崩壊の緊張感を描く映像美も見事で、視覚的な楽しみが満載です。音楽も鷺巣詩郎の力強いサウンドが物語を盛り上げ、Aqua Timezの主題歌「千の夜をこえて」は、映画のテーマにぴったりで、視聴者の心を捉えます。

しかし、一部の視聴者からは、物語の展開がやや急ぎすぎているという意見もあります。特に後半の展開は、茜雫の過去や巌龍の目的が急に明らかになるため、少し唐突に感じるかもしれません。また、原作のキャラクターが多く登場する一方で、彼らの活躍が十分に描かれていないという意見もあります。特に護廷十三隊のメンバーの多くが脇役に留まっており、もっと彼らの活躍を見たかったという声も聞かれます。

それでも、この映画は『BLEACH』の世界観を存分に楽しむことができる作品であり、特に新キャラクターの茜雫と彼女を巡る謎が魅力的な要素となっています。原作ファンだけでなく、アクション映画やファンタジー映画が好きな人にもおすすめできる作品です。

■推薦

『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』は、原作『BLEACH』のファンには必見の作品です。新たなキャラクターと設定が導入され、原作の世界観をさらに広げる内容となっています。また、アクションシーンの迫力や音楽の力強さも見逃せません。原作を知らない人でも、壮大なファンタジーとスリリングなアクションを楽しむことができるでしょう。特に茜雫というキャラクターに興味を持った人は、彼女の過去と目的を知るためにぜひこの映画を観てください。また、Aqua Timezの主題歌「千の夜をこえて」も映画の雰囲気を盛り上げる一助となっていますので、音楽ファンにもおすすめです。

さらに、この映画を観た後は、他の『BLEACH』シリーズの作品もチェックしてみてください。特に『劇場版　BLEACH　The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』や『劇場版　BLEACH　Fade to Black 君の名を呼ぶ』も高評価を得ている作品ですので、続けて楽しむことができます。『BLEACH』の世界観をより深く理解し、楽しむためにも、これらの作品をぜひご覧ください。