「BLACK CAT」レビュー：ダークな魅力とアクションの融合

『BLACK CAT』 - 自由への旅路を描くアクションアニメの魅力

『BLACK CAT』は、矢吹健太朗による人気漫画を原作としたTVアニメシリーズで、2005年10月6日から2006年3月30日までTBSで放送されました。全24話からなるこの作品は、秘密結社「クロノス」の元暗殺者トレイン＝ハートネットの自由への旅路を描いたアクション満載の物語です。以下では、この作品の魅力や詳細な情報を紹介し、なぜこのアニメが多くのファンに愛されているのかを解説します。

■ストーリー

トレイン＝ハートネットは、世界経済を支配する秘密結社「クロノス」の荒事専門部隊「時の番人」(クロノ・ナンバーズ)のXIII番目のイレイザーとして活動していました。彼は特殊金属オリハルコン製の装飾銃ハーディスを持ち、裏の世界では「ブラックキャット」と恐れられていました。しかし、掃除屋の少女サヤとの出会いをきっかけに、クロノスを抜け出し、「自由な生き方」と新たな目的を達成するための旅に出ます。

旅の途中で出会った元国際捜査官のスヴェン、ナノテクによるトランス能力を持つイヴ、女盗賊リンスレットと共に行動するうちに、トレインの心に変化が訪れます。一方で、トレインを親友と信じ執拗に追いかける元クロノスのクリードとの対立も描かれ、クロノス、星の使徒、掃除屋の思惑が交錯する中で壮絶なバトルが展開します。仲間、信頼、愛情を感じながら、トレインの自由への道のりはどこへ向かうのか？

■解説

『BLACK CAT』は、集英社の「週刊少年ジャンプ」で約4年間連載された人気漫画が原作です。アニメ化にあたっては、原作のストーリーに加えてオリジナルのエピソードも盛り込まれ、トレインの感情線を中心に彼の自由への想いと成長を描いています。また、アニメのために新たにデザインされたキャラクターも登場し、物語に深みを与えています。原作者の矢吹健太朗氏がアニメ用に新規キャラクターの原案を提供したことも話題となりました。

■キャスト

トレイン＝ハートネット役には近藤隆、スヴェン＝ボルフィード役には藤原啓治、イヴ役には福圓美里、リンスレット＝ウォーカー役にはゆかな、ミナツキ サヤ役には豊口めぐみ、クリード＝ディスケンス役には三木眞一郎、セフィリア＝アークス役には井上喜久子、ジェノス＝ハザード役には櫻井孝宏、ベルゼー＝ロシュフォール役には堀秀行、ナイザー＝ブラッカイマー役には江川央生、ベルーガ＝J＝ハード役には石井康嗣、エキドナ＝パラス役には田中敦子など、豪華な声優陣が集結しています。彼らの演技がキャラクターの魅力を引き立て、物語に深みを与えています。

■メインスタッフ

原作は矢吹健太朗、監督は板垣伸、シリーズ構成は神山修一、キャラクターデザインは秋山由樹子、総作画監督は秋山由樹子と蘇武裕子、プロダクトデザインは森山洋、美術監督は池田繁美、色彩設計は村田恵里子と鈴木寿枝、撮影監督は北岡正、編集は三嶋章紀と堀内隆、音楽は岩崎琢、音響監督は三間雅文、プロデューサーは高野貴志、渡辺直樹、沖浦泰斗、篠崎真哉、大徳哲雄、アニメーション制作はGONZO、製作協力は集英社とGDH、製作はTBSとBLACK CAT製作委員会が担当しました。これらのスタッフが一丸となって、原作の魅力を最大限に引き出すアニメを作り上げました。

■メインキャラクタ

●掃除屋

• トレイン＝ハートネット：秘密結社「クロノス」に属し、武力精鋭部隊「時の番人」(クロノ・ナンバーズ)のNo.13として暗躍していた。当時の通り名は黒猫(ブラックキャット)。組織を離れた後は気ままな野良猫として犯罪者を捕まえる「掃除屋」を営む。
• スヴェン＝ボルフィード：掃除屋でありトレインの相棒。自由気ままに毎日を楽しむトレインに振り回されつつ、彼のことをよく理解する。自分なりの紳士道を貫く大人の男。元国際捜査局の捜査官。眼帯で隠した右目に特殊能力を秘めている。
• イヴ：ナノテクノロジーによって生体兵器として生み出された少女。殺人者として育てられるが、スヴェンに助け出されて笑顔を覚える。トレインに対抗意識をもっており、スヴェンが頭を痛める展開になることもしばしば。
• ミナツキ サヤ：トレインの運命を変えた掃除屋。かなりのやり手だったようだが、トレインの当時の相棒クリードによって殺される。
• リバー＝ザストリー：掃除屋。拳を武器に闘う、ガーベルコマンドーの使い手。
• シルフィー＝デアクロフト：掃除屋。銃と格闘技をあやつる。

●秘密結社クロノス

• セフィリア＝アークス：秘密結社「クロノス」の精鋭暗殺部隊「クロノナンバーズ」(時の番人)の若き女隊長。
• ベルゼー＝ロシュフォール：グングニルを装備する、「クロノナンバーズ」(時の番人)のNO.IIで文武両道に長ける。趣味は盆栽。
• クランツ＝マドゥーク：「クロノナンバーズ」(時の番人)No.IV。音と空気の流れで全ての攻撃を見切ることが出来る。
• ナイザー＝ブラッカイマー：ディオスクロイ(トンファー)を装備する、「クロノナンバーズ」(時の番人)のNO.V。ケルベロス部隊のリーダーで趣味は愛車でドライブ。
• ジェノス＝ハザード：糸を使う時の番人(クロノ・ナンバーズ)NO.VII。ナンパが趣味だが成功率は低い。
• デイビッド＝ペッパー：「クロノナンバーズ」(時の番人)の一人。トランプを武器に闘う。
• バルドリアス＝S＝ファンギーニ：「クロノナンバーズ」(時の番人)No.VIII。生まれたときからクロノスに戦闘者として育てられて来た男。クロノスへの忠誠心は非常に強い。
• アッシュ：ナイザーと共にクリードの始末にあたる「クロノナンバーズ」(時の番人)のNO.X。No.Vナイザーの親友で顎にナンバーが示されている。(原作者・矢吹健太朗先生がアニメ化の際に新たに描き下ろしたキャラクターです!)
• リン＝シャオリー：「クロノナンバーズ」(時の番人)No.X・アッシュの後任としてナンバーズに加わった人物。高速変装術の達人。
• メイソン＝オルドロッソ：クロノナンバーズ(時の番人) No.XIIの老人。達観し飄々とした物腰だが、数々の激戦をくぐり抜けてきたナンバーズの重鎮。
• エミリオ＝ロウ：「クロノナンバーズ」(時の番人)の一人。穏健な雰囲気ではあるが、野心を併せ持つ。武器は弓矢。(原作者・矢吹健太朗先生がアニメ化の際に新たに描き下ろしたキャラクターです!)
• 長老：秘密結社クロノスを取り仕切る長老と呼ばれる人物たち。ウィルザーク、シン、キン。

●星の使徒

• クリード＝ディスケンス：トレインに執着心を持つ「星の使徒」のリーダー。「革命」を起こそうと持ちかける。
• シキ：道(タオ)発祥の地、異大陸出身。自らの気で蟲を創り出し自由自在に動かすことが出来る。
• キリサキ キョウコ："ジパング"という島国の出身で「星の使徒」のメンバー。体温を上昇させるHEATの能力を持つ女子高生。
• シャルデン＝フランベルク：星の使徒のメンバー。手のひらから出る悪霊を自在に操り、相手を攻撃する能力を持つ。
• マロ：星の使徒のメンバー。大地の気の流れを狂わせ、重力に異常を起こすGRAVITY(重力)の能力を持つ。異大陸出身。
• エキドナ＝パラス：星の使徒のメンバー。空間と空間をつなぎ、自在にワープする能力を持つ。
• デュラム＝グラスター：星の使徒のメンバー。元・凶悪犯罪者。銃に氣を送り込んで弾丸として打つ能力を持つ。
• リオン＝エリオット：星の使徒のメンバー。"氣"によって、空気の流れを操作する能力者。お気に入りのエアーボードは特注品。
• ドクター：星の使徒のメンバー。革命活動にナノマシンを応用しようとする研究者。本名のカンザキコウスケの名を知るものはほとんどいない。
• プレタ＝グール：手から腐食液を出す能力を持ち、女性のみを狙う殺人鬼。

●その他

• リンスレット＝ウォーカー：各国の政府やマフィアの要人などから依頼を受け、他国の極秘情報や入手困難な品物を盗んだりする泥棒請負人。時にはトレイン達と同盟を組み、行動をともにする事もある。
• ターニャ：スヴェンに助けられる飲食店のウェイトレス。(原作者・矢吹健太朗先生がアニメ化の際に新たに描き下ろしたキャラクターです!)
• アネット＝ピアス：カフェ「ケット・シー」の店主でありながら、裏では情報屋もやっているスヴェンの知り合い。かつては掃除屋(スイーパー)もやっていた。
• リブ＝タイラント知事、ジョアンナ：ギャングでありながらブラキオシティーの知事に当選した、リブ＝タイラントとその婚約者のジョアンナ。
• ロイド：生まれつき"予見眼"(ヴィジョン・アイ)を持つ、スヴェンの元相棒。I・B・I(国際捜査局)の捜査官。
• ウドニー：ブラックキャットを名乗り、荒稼ぎしていた偽物。

■サブタイトル

各話のサブタイトルは、トレインの心情や行動を象徴する「猫」をキーワードにしています。以下に全話のサブタイトルを紹介します。

• 第1話：孤独な猫（2005/10/06）
• 第2話：戸惑う猫（2005/10/13）
• 第3話：闇の中の猫（2005/10/20）
• 第4話：微笑む猫（2005/10/27）
• 第5話：決意する猫（2005/11/03）
• 第6話：狙われる猫（2005/11/10）
• 第7話：傷だらけの猫（2005/11/17）
• 第8話：旅する猫（2005/11/24）
• 第9話：魅惑する猫（2005/12/01）
• 第10話：暴走する猫（2005/12/08）
• 第11話：偽りの猫（2005/12/15）
• 第12話：闘う猫（2006/01/12）
• 第13話：LOVE猫（2006/01/19）
• 第14話：ちび猫（2006/01/26）
• 第15話：遠ざかる猫（2006/07/26）※パッケージ版に収録
• 第16話：竜を狩る猫（2006/02/02）
• 第17話：まどろむ猫（2006/02/09）
• 第18話：船出する猫（2006/02/16）
• 第19話：疾走の猫（2006/02/23）
• 第20話：対決する猫（2006/03/02）
• 第21話：溺れる猫（2006/03/09）
• 第22話：爪を研ぐ猫（2006/03/16）
• 第23話：楽園の猫（2006/03/23）
• 第24話：気ままな猫（2006/03/30）

■関連作品

『BLACK CAT』には、TV未放送話やFANDISCなど、関連作品がいくつか存在します。これらの作品も合わせて楽しむことで、物語の世界をより深く理解することができます。

• BLACK CAT TV未放送話
• BLACKCAT FANDISC クロノス編
• BLACKCAT FANDISC 星の使徒編
• BLACKCAT FANDISC 掃除屋編

■主題歌・楽曲

オープニングテーマとエンディングテーマも作品の魅力を引き立てる重要な要素です。以下に主題歌と楽曲の詳細を紹介します。

・OP1

• ダイアの花
• 作詞：より子
• 作曲：より子
• 編曲：DAITA
• 歌：より子

・ED1

• ナミダボシ
• 作詞：パピーペット
• 作曲：パピーペット
• 編曲：パピーペット、佐久間正英
• 歌：パピーペット

・ED2

• くつずれ
• 作詞：松田亮治
• 作曲：松田亮治
• 編曲：Dive-E Productions
• 歌：松田亮治

■評価と推薦

『BLACK CAT』は、アクションシーンの迫力とキャラクターの成長を描いたストーリーが魅力的な作品です。特にトレインの自由への想いや仲間との絆が描かれるエピソードは、視聴者に深い感動を与えます。また、原作の世界観を忠実に再現しつつ、アニメオリジナルのエピソードやキャラクターを追加することで、原作ファンだけでなく新たな視聴者にも楽しめる内容となっています。

この作品を推薦する理由は以下の通りです。

• アクションシーンのクオリティ：GONZOの制作によるアクションシーンは非常にクオリティが高く、視覚的に楽しむことができます。
• キャラクターの魅力：トレインを始めとするキャラクターたちの個性が豊かで、視聴者を引きつけます。特にトレインとスヴェン、イヴの関係性は見ていて心温まるものがあります。
• ストーリーの深み：自由への旅路を描くストーリーは、単なるアクションだけでなく、人間ドラマとしても深みがあります。トレインの成長や仲間との絆が描かれるエピソードは特に感動的です。
• 音楽の魅力：オープニングとエンディングの楽曲は作品の雰囲気を盛り上げ、視聴体験を豊かにします。

『BLACK CAT』は、アクションアニメが好きな人だけでなく、人間ドラマやキャラクターの成長を楽しみたい人にもおすすめの作品です。ぜひ一度視聴してみてください。