劇場版「とっとこハム太郎はむはむぱらだいちゅ」評：不思議なオニの絵本塔を探る

『劇場版とっとこハム太郎はむはむぱらだいちゅ不思議のオニの絵本塔』 - 夢と冒険のハム太郎映画を深掘り

『劇場版とっとこハム太郎はむはむぱらだいちゅ不思議のオニの絵本塔』は、2004年12月23日に公開されたハム太郎シリーズの劇場版アニメーション作品です。この作品は、河井リツ子の原作を基に、出崎統が監督を務め、東京ムービーがアニメーション制作を担当しました。東宝が配給し、40分の短編映画として上映されました。

ストーリー

ハムちゃんずが絵本の中に入り込んでしまうというユニークな設定から始まるこの物語は、絵本の世界で繰り広げられるハラハラドキドキの大冒険を描いています。スイッチュ・パラダイスから出現した怪しい煙に巻き込まれたハムちゃんずは、不思議な絵本塔にたどり着きます。そこで出会った作家ハムスターの女の子は、物語をうまく書けずに悩んでいました。ハムちゃんずは彼女と共に「ひまわり太郎」という物語を作り上げるため、絵本の世界に飛び込みます。ひまわり太郎は、犬、サル、キジをお供に悪いオニを倒す冒険を繰り広げる予定でしたが、ハムちゃんずの元気な行動により、物語は予想外の展開を見せます。果たして、絵本は無事に完成するのでしょうか？

解説

この映画は、ハム太郎がロコちゃんに読んでもらった絵本「ヒマワリ太郎」の世界に迷い込むという設定から始まります。絵本の中では、オニハムヶ島のオニハムずに友達がさらわれ、ハムちゃんずが力を合わせて助け出すストーリーが展開されます。運命を握るのは、絵本の作者が持つ「魔法の羽根ペン」であり、夢と冒険のハム太郎映画としてシリーズ第4弾を飾ります。ハムちゃんずがたどり着いた絵本塔で出会った作家ハムスターは、物語をうまく書けずに悩んでいましたが、ハムちゃんずの活躍により、素晴らしい物語が生まれるかもしれません。

キャスト

主要キャラクターの声優は以下の通りです。

ハム太郎：間宮くるみ
ロコちゃん：池澤春菜
こうしくん：愛河里花子
タイショーくん：伊藤健太郎
リボンちゃん：村井かずさ
マフラーちゃん：佐久間レイ
まいどくん：杉本ゆう
めがねくん：鈴木千尋
ちび丸ちゃん：的井香織
のっぽくん：本田貴子
パンダくん：斎藤祐子
トラハムくん：宮田幸季
トンガリくん：浅川悠
かぶるくん：内川藍維
ラピスちゃん：千葉妙子
ラズリーちゃん：大前茜
トン吉：くじら
すっしーず：下山吉光、加藤木賢志
板前ハム：小杉十郎太
オニハムキング：玄田哲章
あややム：松浦亜弥
エコハムず：エコモニ。(リカハム：石川梨華、しげハム：道重さゆみ)

メインスタッフ

この作品の制作には、多くのスタッフが関わっています。以下は主要なスタッフの一覧です。

原作：河井リツ子
監督：出崎統
脚本：今春智子
演出：矢野篤
キャラクターデザイン：須藤昌朋、山中純子
美術監督：森尾麻紀
撮影監督：川田敏寛
音響プロデューサー：南沢道義、西名武
音響制作：HALF H・P STUDIO
アートディレクション：村井香里
音楽：岩崎元是
音響監督：高橋剛
テーマミュージックプロデューサー：つんく♂
音楽協力：アップフロントワークス、ゼティマレーベル
企画：久保雅一、中沢利洋
原案スーパーバイザー：松元章展、阿部活
プロデューサー：関田有應、松元理人
ゼネラルプロデューサー：沢辺伸政
アニメーション制作：東京ムービー
制作：小学館ミュージック＆デジタルエンタテイメント
製作：とっとこ8686プロジェクト 2004（とっとこ堂、小学館、テレビ東京、トムス・エンタテインメント、電通、アップフロントエージェンシー、小学館集英社プロダクション、小学館ミュージック＆デジタルエンタテイメント）

メインキャラクタ

ハム太郎シリーズの主要キャラクターたちは、それぞれ個性的な性格を持っています。以下は主要キャラクターの紹介です。

ハム太郎：いつでもどこでも目立っちゃう人気者で、人間の気持ちがわかるハムスター。
こうしくん：とてもおとなしくて、いつもお腹がペコペコで、何かを食べている男の子。
タイショーくん：腕っぷしが強く、みんなのお兄さんのような存在。
リボンちゃん：世間知らずのお嬢様で、みんなに人気。宝石箱に宝物を入れている。
マフラーちゃん：性格はおとなしいけれど、しっかり者。いつも思い出のマフラーを巻いている女の子。
まいどくん：ギャグ好きで、きれい好き。誰とでもすぐに仲良くなれる、掃除好きな子。
めがねくん：おしゃれで、メガネのような模様がついている。ちょっぴりキザな男の子。
ちび丸ちゃん：マフラーちゃんの妹のような存在で、いつも面倒を見てもらっている。
のっぽくん：優しいお兄さんのような性格。本を読むのが大好きな、頭のいい子。
パンダくん：器用で、ものを作るのが得意。図工が大好きで、大工になるのが夢。
トラハムくん：トラハムちゃんの双子のお兄さん。女の子に惚れっぽくて、歌と踊りが大好き。トラハムちゃんとそっくりだけれど、とてもお調子者。
トンガリくん：いつも一人で旅をしていて、ギターを弾くのが上手。
かぶるくん：シャイな性格。何でもかぶるのが好きな男の子。
トラハムちゃん：素早くて、やんちゃな性格。リボンを回すのが上手。新体操の天才。
ねてるくん：アイディアマン。よく寝言を言う。いつも靴下の中で寝ている。

主題歌・楽曲

この映画の主題歌は「あややムwithエコハムず」が歌う「天才！LET'S GO!あややム」です。作詞・作曲はつんく♂、編曲は田中直が担当しました。

評価と感想

『劇場版とっとこハム太郎はむはむぱらだいちゅ不思議のオニの絵本塔』は、ハム太郎シリーズのファンにとっては見逃せない作品です。絵本の中に入り込むというユニークな設定は、子供たちの想像力を刺激し、冒険の楽しさを伝えます。ハムちゃんずの個性的なキャラクターたちが活躍する姿は、見ていて飽きることがありません。また、絵本の世界を描くことで、物語の創造性や可能性を感じさせる作品となっています。

監督の出崎統は、絵本の世界をリアルに描くことで、視覚的な魅力を引き出しています。キャラクターデザインや美術監督の仕事も素晴らしく、絵本の世界が生き生きと表現されています。音響面でも、HALF H・P STUDIOの制作により、臨場感あふれるサウンドが楽しめます。特に、主題歌「天才！LET'S GO!あややム」は、映画の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。

この作品は、子供だけでなく大人も楽しめる内容となっています。ハムちゃんずの冒険を通じて、友情や協力の大切さを学ぶことができます。また、絵本の世界に入り込むという設定は、子供たちに読書の楽しさを伝える良い機会ともなります。全体的に見て、この映画はハム太郎シリーズの魅力を最大限に引き出した作品と言えるでしょう。