『くろみちゃんのアニメ制作奮闘記：日本のアニメは私が作る！2』のレビュー

アニメーション制作進行 くろみちゃん 日本のアニメは私が作る!2 レビュー

アニメーション制作進行 くろみちゃん 日本のアニメは私が作る!2（以下、くろみちゃん2）は、2004年にOVAとしてリリースされた作品です。この作品は、アニメーション制作の裏側を描いた業界アニメとして知られています。監督は大地丙太郎、原案はゆめ太カンパニーによるもので、ユニバーサルJから発売されました。全1話、45分の短い作品ですが、その内容は非常に濃密で、アニメ業界のリアルな姿を描いています。

ストーリー

くろみちゃん2のストーリーは、大黒みき子（通称くろみちゃん）がアニメ制作会社「スタジオプチ」に新卒で入社し、制作デスクとして奮闘する姿を描いています。彼女は希望を胸に出社するも、上司の追浜に「くろみ」というニックネームをつけられ、新人にも関わらず制作デスクを任されることになります。1作目では入社早々に制作デスクを任され、持ち前のパワーと明るさで乗り越えた彼女ですが、2作目では3ヶ月後の設定で、また新たな苦難に立ち向かうことになります。

くろみちゃんは、スタジオプチのメンバーと共に様々な困難に立ち向かいます。作画監督の四本松浜子や、社長の知り合いで一時的に駆り出された辣腕の制作・高島平礼、陽気な演出の八月朔日八朔など、個性豊かなキャラクターが登場し、彼女の成長を支えます。特に四本松浜子は、初めは冷たい態度で接していたものの、くろみの努力を見て次第に打ち解け、頼れるアネゴ的存在となります。

キャラクター

くろみちゃんこと大黒みき子は、主人公として物語を牽引するキャラクターです。彼女は大東京アニメチックアカデミーを卒業し、スタジオプチに入社したばかりの新人ですが、制作デスクとして責任ある立場に立たされます。彼女の明るさとパワーは、周囲の人々を鼓舞し、困難を乗り越える力となります。

四本松浜子は、スタジオプチで主に作画監督を務めるアニメーターです。彼女は初めはくろみに対して冷たい態度を取っていましたが、くろみの努力を見て次第に打ち解け、彼女のよき相談相手となります。彼女のトレードマークはくわえタバコで、頼れるアネゴ的存在としてくろみを支えます。

高島平礼は、スタジオプチの社長の知り合いで、一時的に駆り出された辣腕の制作です。彼は強引ともいえるやり方で現場を取り仕切ろうとしますが、それが波乱を巻き起こすことになります。彼は四本松浜子の知り合いでもあり、彼女との関係も物語に深みを与えています。

八月朔日八朔は、スタジオプチで演出を務めるキャラクターです。彼は陽気で少々調子のいいところがありますが、チェックの速さは日本一と言われています。かつては制作進行だったため、くろみにアドバイスをすることもありますが、そのアドバイスが役に立っているかどうかは微妙です。

田の中瑞穂は、ぼろアパートに住みながらもナルシシズムにどっぷり浸っている原画マンです。彼の仕事の速さはダントツですが、質はイマイチで、作画監督泣かせの存在です。彼のキザなしぐさや服装、セリフが物語にユーモアを添えています。

針生誠一郎は、フィギュアに囲まれた部屋で暮らす原画マンです。彼はなかなか仕事に取りかからないナマケ者で、常に制作進行を悩ませています。彼のキャラクターは、アニメ業界の現実を象徴する存在と言えるでしょう。

深水葵は、ダンナ様へのストレスが仕事に影響し、いつもスランプ気味の主婦アニメーターです。彼女の経験は豊富で、いったん描き始めると相当速いですが、同時にしゃべりもパワーアップします。彼女のキャラクターは、アニメ業界の厳しさと現実を描いています。

洞口米は、古い家に住み、いつも暗い雰囲気を漂わせているキャラクターです。彼女は言い訳が多く、何かと理由をつけては仕事から逃げようとしますが、うまく気持ちを盛り上げてあげるとノッてくるという単純な一面もあります。彼女のキャラクターは、アニメ業界の人間模様を描いています。

社長は、スタジオプチの社長です。彼はいつもマイペースで、仕事には厳しいですが、くろみの入社によって仕事場が活気づいたため、彼女への期待も高いです。彼のキャラクターは、アニメ業界のリーダーシップを象徴しています。

葉山暢気は、湘南のスタジオオフショアでサーフィンを楽しみながら仕事をするアニメーターです。彼は基本的に仕事は後回しで、自由なスタイルで仕事をこなします。彼のキャラクターは、アニメ業界の多様性を描いています。

ばっとびは、神出鬼没のつっこみキャラクターです。画面を探せば、どこかにいるかもしれません。彼はアニメについての説明もしてくれ、種類（種族）も豊富です。彼のキャラクターは、アニメ業界のユーモアを象徴しています。

スタッフ

くろみちゃん2の監督は大地丙太郎で、彼は絵コンテも担当しています。キャラクターデザインと作画監督は渡辺はじめ、脚本は伊丹あき、演出は玉野陽美、美術監督は柴田千佳子（スタジオカノン）、音楽は増田俊郎、音響監督はたなかかずや、音響制作はダックス、原案と企画と制作はゆめ太カンパニー、プロデューサーは山口聡です。これらのスタッフが一丸となって、くろみちゃん2を制作しました。

音楽

くろみちゃん2のエンディングテーマは「ひだまりの街で」で、作詞と歌は麻生かほ里、作曲と編曲は増田俊郎が担当しています。この曲は、くろみちゃんの明るさと希望を象徴するような曲で、彼女の成長を感じさせます。

挿入歌には「タイムジャーニーズのテーマ」、「タイジャニ音頭」、「翼」の3曲が使用されています。「タイムジャーニーズのテーマ」は作詞を大地丙太郎、作曲と編曲を増田俊郎、歌を一条和矢が担当しています。「タイジャニ音頭」は作詞を大地丙太郎、作曲と編曲を増田俊郎、歌を安原麗子、市川三恵子、三澤真弓、小松里賀、一条和矢、伊藤栄次、矢部雅史、松本吉朗が担当しています。「翼」は作詞を安原麗子、作曲と編曲を増田俊郎、歌を安原麗子が担当しています。これらの曲は、物語の展開に合わせて使用され、視聴者の感情を引き立てます。

評価と推薦

くろみちゃん2は、アニメ業界のリアルな姿を描いた作品として高く評価されています。特に、制作進行の苦労やアニメーターの人間模様をリアルに描いている点が評価されています。また、個性豊かなキャラクターたちが物語を盛り上げ、視聴者を引き込む力があります。

この作品は、アニメ業界に興味がある人や、アニメ制作の裏側を知りたい人におすすめです。また、くろみちゃんの成長物語としても楽しめるため、青春ドラマが好きな人にもおすすめです。さらに、ユーモアあふれるキャラクターたちが登場するため、コメディアニメが好きな人にもおすすめです。

くろみちゃん2は、OVAという短い形式ながらも、その内容は非常に濃密で、アニメ業界のリアルな姿を描いています。視聴者に多くのことを考えさせ、感動を与える作品です。ぜひ一度視聴してみてください。

関連作品

くろみちゃん2の関連作品として、「アニメーション制作進行くろみちゃん」があります。この作品は、くろみちゃんがスタジオプチに入社し、制作デスクとして奮闘する姿を描いた1作目です。くろみちゃん2を視聴する前に、1作目を視聴することで、彼女の成長をより深く理解することができます。

結論

アニメーション制作進行 くろみちゃん 日本のアニメは私が作る!2は、アニメ業界のリアルな姿を描いた作品として高く評価されています。個性豊かなキャラクターたちが物語を盛り上げ、視聴者を引き込む力があります。この作品は、アニメ業界に興味がある人や、アニメ制作の裏側を知りたい人、青春ドラマやコメディアニメが好きな人におすすめです。ぜひ一度視聴してみてください。