『PARASITE DOLLS』レビュー：サイバーパンクの魅力と深遠なテーマを探る

『パラサイトドールズ』：未来都市の闇を描くサイバーパンクの傑作

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

2004年01月17日～ 0000年01月01日

■配給会社

クロックワークス＝IMAGICAエンタテインメント

■分数

85分

■話数

1話

■原作

吉永尚之、中澤一登

■監督

監督／吉永尚之、中澤一登

■制作

製作／IMAGICA ENTERTAINMENT
制作／AIC

■著作

©AIC／パラサイト製作委員会

■ストーリー

西暦2034年、東京は「亜人」ブーマと人間が共生する未来都市。しかし、その裏側ではブーマを利用した犯罪が横行していた。ADポリスはこれらの事件を解決するため、特殊任務組織「ブランチ」を結成。ブランチの活躍を3話のオムニバス形式で描く本作は、サイバーパンクの世界観と深い人間ドラマを融合させた作品である。

■解説

制御、不能――

「A.D.ポリス」の番外編にあたるOVAシリーズを劇場用に再構成した『パラサイトドールズ』は、西暦2034年の東京を舞台に、ブーマと人間の共生社会を描く。ブーマは売春や破壊活動の道具として使われる一方で、ADポリスは特殊任務組織「ブランチ」を結成し、これらの犯罪に対抗する。ブランチの活躍を3話のオムニバス形式で描く本作は、サイバーパンクの世界観と深い人間ドラマを融合させた作品である。※バンダイチャンネルより引用

■キャスト

・バズ＝ニクヴェスト／井上和彦
・マイケルソン／岡村明美
・タカハシ／池田　勝
・キンボール／内田聡明
・エンジェル／井上喜久子
・マイヤーズ／古川登志夫

■メインスタッフ

・企画／三浦　享、小中千昭
・監督／中澤一登、吉永尚之
・構成、脚本／小中千昭
・キャラクターデザイン／恩田尚之
・美術設定／佐藤正浩
・美術監督／佐藤　勝
・音響監督／亀山俊樹
・音楽／都田和志
・効果／山田　稔
・編集／山森重之
・音響制作／オムニバスプロモーション
・オープニングアニメーション／中澤一登
・制作プロデューサー／長谷川康雄、福家日左夫
・制作／AIC
・製作／IMAGICAエンタテインメント
・製作／クロックワークス

■メインキャラクタ

・バズ＝ニクヴェスト
ノーマルポリスから5年前にヘッドハントされた。銃器に対して嫌悪感があり、携帯していない。しかしインター・ポリス競技会で優勝の経験を持つ程の腕前。
・マイケルソン
まだ少女の面影を残しているが、バトルホーク級重火器の扱いライセンスを持つ。お喋りでノリが軽いが、内面はかなり女性的。
・タカハシ
ADポリスの中で破竹の出世をしていたが、ある事件の処理が問題となり、出向の形でブランチを任されている。
・キンボール
寡黙な巨漢のブーマ。完全に人間に擬態している。プリンティングされている情報プログラムのモデルは殉死した刑事のもの。
・エンジェル
スーパー・モデル級の美女。あまりベースには寄りつかず、ゲノム中枢近くにまで単独で潜入捜査をしているらしい。フラリとベースに寄る。
・マイヤーズ
ゲノム社の人間ではないが、ブーマの事をよく知っているブーマ解析のスペシャリスト。バズにだけ心をひらく。不安定で、躁鬱の気がある。

■関連作品

・AD.POLICE

■主題歌・楽曲

・OP1
・Get On the Beat
・作詞／小室みつ子
・作曲／都田和志
・編曲／芳賀洋介

『パラサイトドールズ』の魅力と評価

サイバーパンクの世界観

『パラサイトドールズ』は、西暦2034年の東京を舞台に、ブーマと人間の共生社会を描く。サイバーパンクの世界観は、未来都市の華やかさと裏側の闇を巧みに描き出している。高層ビルが立ち並ぶ東京の夜景と、裏社会で横行する犯罪の対比は、視覚的にも強烈な印象を与える。特に、ブーマが売春や破壊活動の道具として使われるシーンは、社会の暗部をリアルに描き出しており、観客に深い思索を促す。

キャラクターの深み

本作のキャラクターはそれぞれに個性的で、深い背景を持つ。バズ＝ニクヴェストは銃器への嫌悪感を持ちながらも、インター・ポリス競技会で優勝した経験を持つ腕利きの警察官。マイケルソンは少女の面影を残しながらも、バトルホーク級重火器の扱いライセンスを持つ強い女性。タカハシはADポリス内で出世を重ねていたが、ある事件の処理が問題となり、ブランチに異動させられる。キンボールは寡黙な巨漢のブーマで、殉死した刑事の情報プログラムをプリンティングしている。エンジェルはスーパーモデルの美女で、単独でゲノム中枢に潜入捜査を行う。マイヤーズはブーマ解析のスペシャリストで、バズにだけ心を開く不安定な人物。これらのキャラクターが織りなすドラマは、観客を引き込む力を持っている。

ストーリーの展開

『パラサイトドールズ』は3話のオムニバス形式で構成されており、それぞれのエピソードが独立しながらも、全体として一貫したテーマを描いている。第1話では、ブーマを利用した売春組織の壊滅を描き、第2話ではブーマによる破壊活動の阻止を描き、第3話ではブーマの存在そのものに対する問いを投げかける。これらのエピソードは、社会の暗部と人間の本質を描き出し、観客に深い思索を促す。

映像と音楽

本作の映像は、サイバーパンクの世界観をリアルに描き出している。高層ビルが立ち並ぶ東京の夜景や、裏社会の暗部を描くシーンは、視覚的にも強烈な印象を与える。また、音楽も本作の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっている。オープニングテーマ「Get On the Beat」は、小室みつ子の作詞と都田和志の作曲、芳賀洋介の編曲により、サイバーパンクの世界観を強調する力強い曲となっている。

評価と推薦

『パラサイトドールズ』は、サイバーパンクの世界観と深い人間ドラマを融合させた傑作である。キャラクターの個性と深み、ストーリーの展開、映像と音楽のクオリティは、観客を引き込む力を持っている。特に、社会の暗部と人間の本質を描き出すテーマは、観客に深い思索を促す。本作は、サイバーパンクやSFアニメが好きな人だけでなく、深い人間ドラマを求める人にもおすすめできる作品である。